【本記事無断転載禁止】

宇宙際タイヒミュラー理論の概観

望月新一(原文ママで敬称略)

【概要】
宇宙際タイヒミュラー理論は数体と素数$l \geq 5$上の楕円曲線と結び付けられる、いくつかの自然な変形に関わるタイヒミュラー理論の数論版として描かれたものである。我々は宇宙際タイヒミュラー理論の研究をディオファントス幾何へスキーム理論的ホッジアラケロフ理論を適用したときに生じる技術的な困難についての確認から始める。まさにこれらの技術的な困難を克服するという目標が、筆者にとって宇宙際タイヒミュラー理論の内容を成す非スキーム論的変形を構築することへの動機づけとなった。次に我々は最初は一次元に見えるが実は二つの隠れた次元を持つ、幾何と数論の様々な近しい対象についてのタイヒミュラー理論的変形に関わる一般性を議論する。そこで我々はlog-テータ束の様々な成分のある詳細についての議論へと進む。log-テータ束は宇宙際タイヒミュラー理論の様々な構造の中心的な舞台を作るものだ。これらの構造の多くはテータ関数のためのヤコビ恒等式正規分布の実軸上での積分のような古典的な結果の構造との類似を考えることによって理解されるかもしれない。我々はそこでこの理論の「宇宙際」な局面を議論する。それは自然に遠アーベル的な技法へと導くものである。最後に我々は宇宙際タイヒミュラー理論の主要で抽象的な理論とディオファントス的な結果を要約する。それはABC予想スピロ予想の検証を含むものである。

【目次】

一章 ホッジアラケロフ理論的な動機
二章 タイヒミュラー理論的な変形
三章 log-テータ束
四章 宇宙際幾何学と遠アーベル幾何学