米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題で12日、政府が米側や沖縄など地元との交渉に臨むに当たっての原案が判明した。移設先は、米軍キャンプ・シュワブ沿岸部のある「名護市辺野古周辺」と明記するが、工法はくい打ち桟橋(QIP)方式を含め、6月以降日米間で調整する。また沖縄の総合的な基地負担軽減策として、在日米軍基地の環境問題に関する特別協定の締結に向け、米側と交渉に入る方針を打ち出す。

 原案によると、移設先は「名護市辺野古周辺」との表現にとどめるが、実際は1600メートル(オーバーランを含めると1800メートル)の滑走路1本をシュワブ沿岸部か沖合の浅瀬に建設する案を軸に検討している。くい打ち方式など工法の詳細は、日米実務者協議でさらに詰める方針だ。

 このほか、普天間の基地機能や訓練の一部を鹿児島県・徳之島を含む全国の自衛隊基地に移転。さらにグアムなど国外への一部訓練移転も検討する。また、米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)で行われている航空機訓練について、県外の自衛隊基地への移転を現在より拡大することで騒音被害の軽減を図る。

 環境問題に関する特別協定は、沖縄側から日米地位協定への環境関係条項の新設の要望があったことを踏まえたものだ。岡田克也外相は12日の参院沖縄・北方問題特別委員会で「環境の問題は接点が見いだしやすい」と述べる一方、地位協定自体の見直しについては「普天間問題の解決を見いだした時に信頼感に基づいて取り組む」との考えを示した。地位協定自体の見直しには米側が難色を示すと判断し、特別協定の締結交渉を先行させることにした。ジェット燃料漏れなど水質、土壌汚染を解決するため、基地内でも日本の環境法令順守などを求めるとみられる。

 政府は、ワシントンで12日(日本時間13日)開かれる外務・防衛当局の日米審議官級協議で原案を示す。沖縄に対しては11日に平野博文官房長官と北沢俊美防衛相が個別に仲井真弘多知事と会談した際、概要を説明している。【仙石恭、野口武則】

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