未解決の殺人事件などを捜査する特別捜査班が昨年11月、警視庁に発足した。捜査がストップしている未解決事件(コールドケース)について、最新の科学技術を駆使したり、捜査資料を掘り起こしたりして解決を目指すのが狙いだ。その成果に期待したい。

 特捜班は、殺人事件などを扱う警視庁刑事部捜査1課内に設置された。正式な名称は「特命捜査対策室」といい、捜査経験の豊富なベテラン刑事38人で構成されている。

 警視庁捜査1課は、約350人の刑事が在籍し、同庁の捜査部門では最多の規模だが、日々発生する殺人や強盗などの凶悪事件の捜査に追われ、長期的に未解決事件を追いかけることは困難だ。

 コールドケースは、殺人の時効がない米国で、フロリダ州警察に初めて設置されたのをきっかけに、全国の各警察に広がった。日本ではロサンゼルス市警察の強盗殺人課特捜班がよく知られている。

 ロス疑惑の銃撃事件では、ロス市警が事件から27年経過した一昨年2月、元会社社長(同10月に自殺)を逮捕して、脚光を浴びた。

 警視庁の特捜班もこれをモデルケースにしたもので、当面は約50件の未解決の殺人事件などを再捜査する。ただ、すでに専従の捜査班がある事件は対象外という。

 このところの科学捜査の進歩は目覚ましく、特にDNA鑑定の精度は以前に比べ格段に高い。また、鑑識技術も年々向上しており、これらの科学捜査技術を導入して、もう一度捜査を検証することが犯人検挙につながる可能性がある。

 被害者心理を配慮する世論の高まりなども特捜班設置の大きなきっかけとなった。殺人などの重要凶悪事件の公訴時効(現在殺人時効は25年)撤廃論議も特捜班構想に拍車をかけたといえよう。

 時効といえば今年、国松孝次警察庁長官狙撃事件と八王子・スーパー射殺事件が相次いで時効を迎える。このうち国松警察庁長官事件は、公安部の捜査だが警察トップが狙われるという衝撃的な事件だっただけに、警察当局としては何としても犯人を検挙したいところだろう。

 特捜班では、時効が迫った事件については特に力を注ぎたいという。「逃げ得は絶対に許さない」「事件の迷宮入りを極力避ける」という捜査側の強い意気込みを感じる。

 警視庁の刑事部長は特捜班の発足式(昨年11月2日)で、「捜査にやり残しがなかったか洗い直し、一件でも多く事件を解決したい」と抱負を語った。科学技術と刑事の目で難事件解決に邁進(まいしん)してもらいたい。

 警視庁管内ではないが昨年11月、島根県立大に通う学生(香川県出身)のバラバラ遺体が広島県の山中で発見された残忍で凶悪な事件は、3カ月たった今も有力情報がなく、捜査は難航している。警察の真価が問われる事件である。

 コールドケースを専門とする捜査班設置は、捜査員が多い警視庁だからできたが、最近は事件もグローバル化し、凶悪な事件は大都市ばかりではなく地方に拡散している。

 警視庁だけでなく、徐々に全国に広げていくのが理想ではないか。(論説委員)

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