日韓両国の歴史研究者らでつくる第2期日韓歴史共同研究委員会(共同委員長=鳥海(とりうみ)靖・東大名誉教授、趙●(チョグァン)・高麗大教授)は23日、約3年に及ぶ研究結果をまとめた報告書を公表した。(●は王ヘンに光)

 焦点となったのは、今回初めて研究対象とした歴史教科書のあり方だった。日本側が韓国の教科書について、日本の平和憲法などに関する記述がないと指摘する一方、韓国側は、日本の教科書は植民地支配に対する記述が不十分だと批判するなど、日韓双方の歴史認識の隔たりが教科書にも反映されていることが鮮明となった。

 報告書は、日韓の歴史専門家ら計34人による論文を集めた約2500ページに及ぶもので、日韓の歴史について、「古代」「中近世」「近現代」の各時代の認識に加え、双方の教科書のあり方も研究した。

 韓国側は日本の教科書検定のあり方に加え、日本の教科書で従軍慰安婦についての記述が減ったことなどを取り上げ、「政治、社会的状況の保守化が根本原因」だと懸念を示した。日本の教科書が触れている、植民地時代の朝鮮半島からの強制連行や「創氏改名」については、「簡潔でドライだ」と指摘、十分でないとの見方を示した。

 日本側は韓国の教科書で平和主義を掲げる日本の憲法9条について記述がないことを取り上げ、「戦後の日本を理解するには、絶対に必要な要素」と主張。日韓間の過去の歴史に関する天皇陛下の「お言葉」や、昭和戦争をめぐる陳謝を表明した95年の村山首相談話についても記述がないとし、「(韓国の教科書が)この事実を明確に記述することが重要だ」と指摘した。

 日韓歴史共同研究は小泉政権、金大中政権時代の2002年、歴史教科書問題をめぐる日韓間の摩擦を受けて第1期が始まり、05年に報告書を提出した。

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