マイニングの暗号計算はCPUよりも、グラフィックボードにより行われる。そのためグラフィックボードは、高い負荷で連続運転するが、メーカーは耐用時間について情報を正式に発表していない。そこでマイニング使用時におけるグラフィックボードの耐久時間について考察した。

グラフィックボードを構成する部品は、GPU(Graphics Processing Unit)、メモリ、基板、抵抗、コンデンサ、コイル、ハンダからなる。高性能タイプはこれらに加え、アルミ製のバックプレートが取り付けられ、放熱と全体の鋼製補強の役割を担う。これらの部品を耐久時間の順に並べると次のようになる。

バックプレート > 基板 > メモリ > GPU > ハンダ > 抵抗 > コイル >ファン > コンデンサ

導電性高分子アルミニウム固体電解コンデンサ
よってグラフィックボード全体の寿命は、主にコンデンサの耐久時間に左右される。
グラフィックボードに使われるのは、導電性高分子アルミニウム固体電解コンデンサで、基板にハンダで固定されるラジアルリードタイプ(ニチコンPCF、エルナーPVG)が多い。電解コンデンサの寿命(L)は次の計算式であらわされる。

[L=L0 x2^(T1-T2)/10]
L0: 基本寿命(2000時間)
T1: コンデンサ許容の最高温度(105℃)
T2: コンデンサの使用温度
※ニチコン資料より
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マイニング時は、空冷式グラフィックボードが自動的に80~87℃でサーマルリミットが働くので、コンデンサの許容限界温度に達することはない。図はグラフィックボードの実負荷での稼働状況で、87℃で動いている。

L=L0 x2^(T1-T2)/10
=2000x2^(105-85)/10
=2000x2^2.0
=8000時間
マイニングは24時間連続運転するので、8000/24=333.3日が計算上の耐用日数の目安となる。ほぼ一年だが、実際には2年間の連続運転でトラブルは起きていない。

この計算式でわかる様に、負荷時の温度が低ければ低いほど耐用時間は延びる。したがって冷却効率の高いグラフィックボードは、同じ負荷で稼働しても長寿命だし、オーバークロックしても耐久性が高いと言える。