白河天皇が建立した法勝寺(ほっしょうじ)の八角九重塔は、現存の木造塔で日本一の高さを誇る東寺の五重塔(55メートル)をはるかにしのぎ、27丈(約81メートル)あったとされる。市がその塔の基礎の一部を京都市動物園(左京区)の敷地内で初めて確認。5月から本格的な調査に乗り出す。文献でしかうかがい知ることができなかった巨大な塔の実像にどこまで迫ることができるのか。1000年近くの時を経た歴史のロマンが広がる。【山本直】

 市文化財保護課は昨年12月~今年2月、動物園のリニューアル工事に伴い、園内に28本のトレンチ(試掘溝)を入れた。そのうち撤去された猛獣舎の北側部分の6本が、塔の基壇下を地盤改良した「基礎」を掘り当てた。

 検出したのは70センチ大の大量の石を深さ2メートルほどの深さまで埋め込み、粘土で固めた土台2辺。角の部分の角度などから1辺12・5メートルの8角形で、塔の中心は現在の観覧車付近と推定され、81メートルという高さにふさわしい規模と分かった。

 そもそも動物園は法勝寺の南半分に当たり、第2次大戦以前、塔跡の推定地は園内に残っていた。明治時代の園内見取り図では、その地点が“小山”になっており、休憩所として東屋が建っていた様子がうかがえるし、その写真もある。だが、終戦後の進駐軍の接収に合わせて小山は削られ、跡地の位置は不明に。今回の発見で、塔の位置自体も約60年ぶりに判明したことになる。

 また、試掘では、塔があった中島や池の跡も見つかり、中島の水際が複雑な曲線を描き、庭石や河原石で丁寧に化粧されていた可能性の高いことが判明。壮麗な造りの一端が明らかになった。

 かつてあったとされる日本の木造巨大建築では、推定100メートルもある東大寺(奈良県)の東西二つの七重塔や、高さ96メートルの出雲大社本殿(島根県)などが知られている。八角九重塔について市文化財保存課は「現存する木造建築物にはない規模だったことが裏付けられた」としている。

 市は今後、塔の基礎部分を含めて面的に発掘調査を進め「現地説明会も開きたい」(文化財保護課)意向。動物園の整備については設計変更を実施し、施設の配置を見直したり、地下にくいを深く打ち込まないですむ工法を採用したりして遺構の保存に努める考えだ。

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 ◇法勝寺

 旧白河殿の庭園だった土地を利用して造営され、平安時代後期の承暦元(1077)年、盛大な落慶法要が営まれた。金堂や講堂、五大堂、阿弥陀堂など多数の堂宇が建ち並び、慈円が「愚管抄」の中で「国王の氏寺」と呼んだ。中でも威容を誇ったのが八角九重塔。1081年に計画され建造に3年かかったとされる。その後焼失し、再建された。だが、寺自体が中世の動乱期に衰退し、応仁の乱後に廃絶した。

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