2005年08月05日

Book『死亡推定時刻』

去年の夏休みに読みかけて一年間も放置していた一冊。
とりあえず、じっくり本を読む時間ができたので一気に読み切った。
ということで久しぶりにレビュー。

死亡推定時刻
死亡推定時刻

著 者:朔 立木
価 格:1,890円 (税込)
単行本:397 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社:光文社
ISBN : 4334924360



法曹資格を持つ朔 立木さんによる「フィクション」小説。

身代金目的誘拐殺人事件が発生し、その犯人と決めつけられた青年と
その青年を襲う不条理な司法制度を厳しく突いた「ノンフィクション」
ドキュメンタリーと言っても良いほどに、よく描かれている一冊。

警察内部のドロドロした部分も描かれてますが、
そんなことは世間的にも、かなり認識されている時代
なので、むしろ「冤罪事件のつくりかた」にスポットを
当てたところが、この本の良いところだと思います。


これを読み終えたときの感覚ってのは、何ともやりきれないというか、
苛立ちが残るというか、どうしようもない感情だけが残った。

もちろんこの話は被疑者・被告人側から見た視点で書かれているので
あるから、警察・検察・裁判所の側からしたら、また違った視点に
なるのだろうけれど。
でも、話中で起こっていることが現実なのだということは知っている。

少しでも「刑事訴訟法」に触れたことがある人なら警察や検察の捜査
手法に対して「違法じゃないか!」って思ってしまう場面もちらほら。
まぁ、現実に起こっていることなんだろうけど。

この作品に登場してくる人物は何も特殊な人たちじゃない。
現実に、誰のところにも降りかかってくる可能性のある問題。

難解な法律用語もたびたび登場するけれども、法を知らなくても
純粋に作者が投げかける問題提起を受けとめることはできると思う。

法を学ぶ人はもちろん、そうでない人にも手に取ってぜひ一度は
読んでみてほしい作品。

立命LSだとローライブラリにありますよ。

きっと、心の奥底の正義感がうずきます。


■他ブログによる「死亡推定時刻」のレビュー
本屋。とBIBLIO HACKS さま。
のほ本♪ さま。
花ごよみ さま。
不落因果 さま。
SKETCHBOOK さま。
dubdub雑記帳 さま。





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この記事へのコメント
トラックバックありがとうございました。 
どんなところにも落とし穴があるような…
人間が人間を裁くのは難しいです。 
こちらからもトラックバック送らせて頂きます。
Posted by kazu at 2005年08月05日 20:56
こんにちは。いつも拝見させていただいています。
(リンクありがとうございます)
ちょうど同時期に読んだので、トラックバックさせていただきました。
これからもよろしくお願いします。
Posted by 浮村 at 2005年08月07日 13:21