2017年07月22日

ドラマ「リバース」毎回、泣きそうになってました...

リバース Blu-ray BOX
藤原竜也
TCエンタテインメント
2017-10-25



少し前に「リバース」は1回目が胸キュンな展開過ぎて恥ずかしくて先がみられないと書きましたけれど、我慢して見続けてみたら、2回目以降、毎回泣きそうになるくらいいい話でした! やっぱり湊かなえはすごいですねぇ。

何がよかったって、やはりキャラクターの設定が緻密なところですね。最初は深瀬くんからみて、広沢以外の3人はどちらかと言うと強者であり、勝手なやつらなんだけれど、それが少しずつ色々な事情が分かってくるにつれて、立体的な一人の人間になっていくという過程がとてもよく描かれている。

最終回で『夜行観覧車』の杉咲花、『Nのために』の窪田正孝がゲストで出演していたのには、ビックリしたけれど、湊かなえ原作の金曜ドラマをずっと見てた人にとっては、嬉しい驚きでした! ちょっとのシーンですが、設定的には過去のドラマと同一人物ってことみたいです。

それにしても、藤原竜也と戸田恵梨香って『デスノート』の二人ですよね。しかし、『デスノート』とはまったく違うキャラクターや関係性になっていて、同じ人と違う関係を演じるっていうのは、やっぱり役者っていうのは不思議な仕事だなぁと思ったり。

ただ、ラストにはけっこう不満があったりします。これネタバレしてしまうので、まだ観てなくて、近々観る予定の方は、ここで読むのをやめてもらいたいのですが、原作から付け足したというドラマの終わり方には納得しかねる感じが。

第一に、窃盗犯の影が、最初にラジオ番組で流れただけで、その後ではずっと出てきていないで、急に関係ないやつが一番悪いってことになっている感じがして、さらに実は深瀬くんが犯人だったという衝撃のラストをある意味で弱めるような結果にしてしまっている。せっかく謝りに行くというエピソードを作ったわけだから、その謝罪の理由を弱めるようなオチはいらないんじゃないかと。ただ、深瀬くんが犯人っていうだけだと、あんまりだから他に悪者が作りたかったのかなぁ。

ところで、深瀬くんにせよ、他の3人にせよ、意図的に広沢くんを傷つけようという気はなかったのだから、実は本当に一番悪いのは美穂ちゃんじゃないのかな? だって、人を走ってくる電車に突き飛ばすって、もう相当なことじゃないですか。これ、谷原くんは何だかさわやかに許してあげちゃったけど、ちょっとちょっと、あんな凶暴な女の子を放っておいていいのかという気もしないでもない・・・

にしても、今回も楽しませてもらいました。あぁ〜、早くまた湊かなえ原作の金曜ドラマやらないかなぁと次回作が待ち遠しくなってしまう。

i_cinema at 20:08|PermalinkComments(1)テレビドラマ 

2017年07月18日

ロメロが死去だって!! おぃ、ロメロ、ゾンビが馬を喰うようになった続きはどうなるんだよ!!

何てこった、こんな日が来るなんて。自分の専門をゾンビ映画と自認する僕にとって(しかしそんな人は世界中で山ほどいるだろうけれど)、ジョージ・A・ロメロに対しては感謝してもしきれないほどの恩恵を感じています。たとえば、ロメロがいなかったら、今のかたちでのゾンビというものが存在しなかったら、何てつまらない世の中だったのだろう! ゾンビがいなければ、自分が暗い思春期を乗り越えて来られた自信がない!!とさえ、言いたい。

『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』で一躍有名になり、その後の『ゾンビ』でホラー界の不動の地位を築いたロメロだったけれど、ゾンビ物以外にも作品はあるんですよね。ただ、『マーティン』は独特な映画で評価の分かれるところだからおいておいて、ゾンビ物以外の映画を観ると、やっぱり実はそんなに演出の上手い人ではないのではないかと思ってしまうこともあったりして。何だろう、演出のリズム感が悪いというか。その点は、色んな微妙な映画を撮っているものの、ダリオ・アルジェントとかの方が、とりあえず勢いでみせてしまうような技がある人だって気がします。何か、変なところが真面目なのか、妙にもたついたりする。ただ、そんな彼は、どういうわけかゾンビ物を撮らせると、再び異常な精彩を放ってくる。『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』や『サバイバル・オブ・ザ・デッド』についても色々と不満も言ったこともありましたが、それでも、世の中で数多く溢れているゾンビ物の中では、どちらも相当な及第点の作品で。そう考えると、もうロメロの血の中にはゾンビ映画(だけ)を面白くする遺伝子が組み込まれているんじゃないか、ゾンビは彼のためにあるんじゃないかと思えてくるのです。

『死霊のえじき』のDVDに当初の脚本の翻訳がおまけでついていましたが、お金がかかり過ぎるという理由で小規模にせざるをえなくなってしまったということでしたが、もちろん今のかたちの『死霊のえじき』もすごく好きなのだけれど、完全版の『死霊のえじき』が潤沢な資金のもとに作られたらどんな傑作だったのだろうと思ってしまう。そして、『サバイバル・オブ・ザ・デッド』のラストでゾンビが馬を喰うという衝撃的な場面が描かれましたが、ロメロの頭の中では、その後のゾンビと人間の共生について、新たな世界観のプランがあったのだろうか? もしそうだとすれば、次の作品はさらに一歩踏み込んだ新たなゾンビ映画だったのではないか? などと考えてしまう。さらに言えば、『バイオハザード』はもともとロメロが撮るはずだったけれど、出てきた脚本がエンターテイメント性の低い内容だったので下されたって話は有名ですが、もし一作目をロメロが撮っていたら、あんな変なシリーズにならなかったのでは?とか。

そう写真で見る限り、おじいさんになってから、彼はやったら馬鹿でかい眼鏡をかけてたんですよね。なぜあんなでかい眼鏡をかけていたかっていうのは謎なのだけれど、背が190cm以上あって、白髪に立派な髭で馬鹿でかい眼鏡をかけていて、何だか存在そのものがキャラ立ちをしているような、偉大な人物でした。

ロメロ


そう言えば、亡くなるときにはお気に入りの『静かなる男』の音楽を聞いていたという報道でしたが、最後は西部劇なのですねぇ。『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』の立て籠もりの構図が西部劇のインディアンに取り囲まれた状況を模しているという指摘は以前からありましたし、最後の『サバイバル・オブ・ザ・デッド』はもろに開拓時代の西部を思わせるような島の話だったですし、やっぱりロメロの映画の背景にあったのは古き良きアメリカの西部劇だったというのは間違いのないところなのでしょう。ただ、現代に西部劇を復活させようとすると、それはゾンビ映画にならざるをえないのかもしれません。す、すいません、勢いに任せて根拠ない適当なことを言いました。

今日は、ロメロから始まり、日野原先生、大山のぶ代の旦那と、何だかすごそうな人たちの訃報が続いてしまいました。

あぁ、何だか次々に偉大な人物が亡くなっていきますねぇ。僕はロメロに対してはご冥福をお祈りしますとは決して言いません。むしろ、呪われて墓場から甦ってショッピングモールを彷徨い歩け!!

i_cinema at 23:59|PermalinkComments(0)ジョージ・A・ロメロ | ゾンビ

2017年07月10日

ドラマ「リバース」あまりにきゅんとするのでまだ一話の途中までしか見てないのです

友人に面白いとすすめられていて、僕も湊かなえが原作で演出や脚本のスタッフが「夜行観覧車」や「Nのために」と同じらしいってことで、観たいなと思ってたわけです。ただ、全クールは「小さな巨人」やら「進撃の巨人」やら、観てたものがいくつかあったので(あれ、どっちも巨人?)、撮りだめておいて後でみようと。

そこで見始めたのだけれど、何かこう、一話はきゅんとする展開なんですよ。主役の藤原竜也とコーヒーショップで知り合った戸田恵梨香がなんかこういい感じになっていくんです。YOU扮するおせっかいなコーヒーショップのおばちゃんに後押しされながら、一緒に映画に行ったりとか、彼氏がいるのか聞けずに悩んだりとか、鍵を失くした彼女にうちに来るって誘うひと言を出すのに散々時間がかかったりとか。こういうごく普通のきゅんとする男女のやりとりが、あらためて思ったのですが、僕はすごい苦手っていうか、恥ずかしくなってみていられなくなっちゃって。うち来る?って言おうとするところとか、あんまり恥ずかしくて一時停止をしちゃったりして。

何だろうなぁ、「昼顔」とか「高校教師」とかそういう禁断の恋愛ドラマは全然見られるんですよ。ストーカーが出てきたりとか、サドマゾ的な関係だったりとか、そういう展開でも全然見てられるんですよ。さらに言えば腹筋を横向きに刃物で切り裂いて内臓がボトボトと垂れ流れたり、鋭利な木の枝が目ん玉に刺さったりとか、そういうのも全然普通に見ていられるんですよ。それなのに、なぜごく普通のきゅんとする恋愛描写をまともにみられないのだ!と。どうなってるんだこれは。

あぁ〜、でも湊かなえが原作だから、きゅんとするのは最初のところだけで、それを我慢してみたら、後でちゃんとえげつない話になってくれるんだろうなぁ。だとしたら、あんまりきゅん度が高いシーンは倍速にしたりして耐えながら、このまま見続けようかなぁ。

i_cinema at 23:35|PermalinkComments(0)テレビドラマ 

ドラマ「昼顔」不倫の話で一青窈が主題歌なのか!!



いや、別に不倫ドラマにも齋藤工や上戸彩にもまったく関心はなかったんですよ。話題になってたのは知っていたけれど。ただ、映画化されて、それについての宣伝がちらっと目に入って、このドラマって脚本が井上由美子さんなんですね。このブログでも井上由美子さんのドラマが昔から好きだったって前に言ったかもしれないけれど、なんだ井上さんが書いてるなら、実は本当に面白いドラマなんじゃないかと思って、観てみました。

そしたら、さすがですね、こりゃなかなか面白い。やっぱりそれぞれの登場人物が上手く作られている。上戸彩の旦那が不倫の事実を知る場面で、あえて見なかったことにしようとするところとか、うまいな〜とうならされました。吉瀬美智子と上戸彩の関係も最初は単に一方的に迷惑をこうむる相手という感じだったのが(ただ、この前半部分では吉瀬美智子は上戸彩の秘めた願望を表している人物と言えるかもしれないですね)、後半ではお互いを深く理解し合う関係になっていくところもいい。不倫は女を強くするという言葉が出てくるけれど、この二人が不倫を通して、それぞれのかたちで変化していく様子が、とても巧みに描かれている。ま、そのわりに男たちはだらしないのだけどね。あまりにかっこよすぎる北村一樹をのぞいては。

そして、もちろん井上さんの脚本もいいんだけれど、音楽がよかった。何て言うか冒頭で流れる高尚と下世話の狭間のようなテーマ曲もいいし、エンディングのギラギラするほどに下世話なラッパが流れる一青窈の歌う主題歌「他人の関係」(これは金井克子の70年代の歌謡曲のカバー)もいい。そう、ナレーションも含めた非常に内省的で文学的な雰囲気と、下世話で刺激的な音楽やあまりにカラフルな北村一樹の描く色彩のギャップが、作品を盛り立ててるんですよね。

で、ふと思ったのだけれど、この主題歌を歌っている一青窈って、昔、小林武史不倫してたんじゃ…
うわ、何か、すごい人を持ってきたんですね。す、すごい。とんでもなくパワフルで痺れる歌唱だけれど、ちょっと、恐い。

i_cinema at 23:30|PermalinkComments(0)テレビドラマ 

2017年07月08日

「ホームランド」シーズン6 ご、豪快に大統領選の予想を外してる!

「ホームランド」のシーズン6です。まだ8話までしか観ていないのですが、とりあえずビックリした感想を。

そう、何がビックリしたって、女性が大統領になってて、しかも髪型があの人に似てる!! そして、オバマ路線を思わせる軍縮派なのですね。いや〜、このドラマって撮り始めたときにはまだ大統領選が終わってなかったんでしょうかねぇ。そして、どう考えてもクリントンだろうと思って企画したんでしょうねぇ。それが、現実の方がドラマよりもずっと驚きの結果になったってことなんでしょうか。何かこう、そうして作られたドラマを、もうトランプさんに決まった後で観ていると、何とも複雑な気分に。

ドラマの内容的にはまだちょっと随分渋い展開だなって感じですね。これまでのアラブやドイツが舞台のものと比べると。キャリーも中心にはかかわっていないですし。ただ、どうもネットでちらりと感想を読んでしまったところによると、これから最終話に向けてどんどん驚きの展開になるようなので期待しています。渋いけれども、あいかわらずよく出来たドラマですね。

i_cinema at 20:13|PermalinkComments(0)海外ドラマ 

2017年06月22日

劇場版『高校教師』(1993)を虐待や愛着の視点から考えてみる。

久しぶりに『高校教師』を見直してみました。この作品、まだ僕自身が高校生の頃、一人で劇場に観に行った記憶があるんですよねぇ。家にパンフレットも残ってたし。

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さて、この作品は真田広之・桜井幸子主演のTVドラマで大ヒットした「高校教師」を、その世界観のみを引き継いでキャストを一新して、まったく別物語にして作り上げた作品です。こういう映画化のパターンっていうのは結構めずらしいんじゃないでしょうか。しかし、確かにドラマで一度終わってしまった物語を、もう一回語りなおすのも、あるいは実は生きてたみたいにするのも、いずれにしても興ざめなので、この選択は悪くないのではないかと思います。そして、今回主演をするのが唐沢寿明と遠山景織子。唐沢寿明は予想通りの安定した演技をしてくれているのですが、やっぱりこの映画は遠山景織子が本当にすごい。奇跡のような輝きを放っています

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TV版の「高校教師」が傑作だというのはその通りなのですが、この映画版の方も、少なくとも後に藤木直人・上戸綾で再び作られたTV版よりもずっとよく出来た作品だと思うんですね。まず第一に上に書いたような遠山景織子の、おそらくは少女から大人になるもうあのほんの短い時期にしか現れない、透明感に溢れるはかない美しさが、映像として記録されているということだけでも十分すぎる価値があると思います。そして、映像、特に風景の美しさも特徴的です。冬の寒さが強調されたTV版とは異なり、こちらではじりじりするような夏の暑さが表現されて、そのうだるような暑さの中で燃え盛る緑の植物や、ノスタルジーを感じさせるモノレール、そして繭の心の世界を表している水辺の廃墟などがまぶしく映し出されています。さらに、実は被虐待児の描写が巧みだということが上げられます。TV版の桜井幸子は父親から性的虐待を受けていたのに対して、こちらの映画版の遠山景織子は身体的な虐待、つまり暴力を受けていたという設定なのですが、唐沢寿明に殴られて泣きじゃくるところなど、虐待されて育った子どもの様子が丁寧に描き出されている。桜井幸子はそれほど被虐待児の雰囲気がなかったですが、遠山景織子は思わず本人も実際似そうなんじゃないかと見まがうほどです。

なので、これらのことから、この映画はとてもおすすめなのですが、とてもおすすめということを前提として、だからこそ、ここはこうしてほしかったという注文をつけたくなってしまう点があるんですよねぇ。今日はそこのところの話を。

まず第一点は途中ではさまれる唐沢寿明のナレーションです。これはTV版の真田広之のナレーションから引き継がれたものです。この真田広之の感傷的なナレーション、「あの頃のぼくたちは、まるで〜」とかっていうのは、なかなかにインパクトがあったので、その後でも影響を受けてるんだろうなぁと思われるようなナレーションの入るドラマが続きましたよね。ただ、ここでTVドラマならまだ許せるかもしれないですが、映画となると、もう一歩、比喩の力が弱いというか、言葉が浅い気がしてしまうんです。でも、もちろん専門の詩人ではないのでそんなに深い言葉を使うことは出来ないので仕方ないのですが、だとしたら、あまり比喩や抽象的な論理を使わずに、もっと素朴な言葉にした方がよかったんじゃないかと。そう思うのは、映画だから見る側の視線がシビアになるというだけではなく、TV版の真田広之の役は大学院卒で本の虫だったような人なので、まぁ、理系とは言え、そういうちょっとした文学的な言い回しを好んでも不思議はないかもしれない。ただ、映画の唐沢寿明は体育会系でそれまでずっとラグビーをやってた人で、友人を事故に合わせてしまった挫折体験から教師になったっていうだけなので、そうした感傷的で文学的な語りをするということ自体がおかしいんじゃないかと。だとしたら、比喩なんて使わないでもっと簡潔で直接的な言葉でナレーションをしたらよかったんじゃないかと。

もう一点は、二人以外の登場人物ですよね。TV版は長いので二人しか描かなかったとしたら三ヶ月持たないので、周辺の特徴的な人物が必要になると思うのですが、二時間もない映画の世界ではあんまり異常な人物が出てきすぎると、その世界全体がリアリティがなくなってしまう。つまりはテレビカメラで監視して言うことをきかない生徒にドッグフードを食べさせようとする荻野目慶子や、実は兄と近親相姦をしていて唐沢寿明をナイフで刺してしまう鈴木杏樹ですよね。彼女たちはいらない、あるいはあそこまで狂わせないでもよかったんじゃないかなぁと。しかし、おそらくTV版は教師のレイプや父親からの近親相姦などのセンセーショナルな部分が話題となったので、映画でもそういう要素を減らしたらいけないと思ったのか、過剰に過激にしてしまってるんですよねぇ。しかし、20年以上経って、そういう文脈を抜きに観てみると、やっぱり中心的で必要なところ以外であまり過激な要素が入ると不自然かなぁと。

そして、最後の一点が一番大事なところなのですが、その鈴木杏樹が刺して結果的に唐沢寿明が死ぬという終わり方ですね。僕は以前にTV版の「高校教師」をエディプスコンプレックスで読み解きましたけれど、それは言わば深読みをしようとしたということで、シンプルに見ると、TV版にせよ映画版にせよ、全体の作りとしては、虐待を受けてトラウマを抱えた少女の持っている他者にすがりつくような傾向に、自分自身も挫折体験を持って傷ついた(ただしこれは大人になってからのもので少女のものよりも相対的に重くない)男性が引き寄せられて、いわば命がけですがりつかれて求められることで自分が必要とされていると感じて、そのことにつかの間であるけれども、居心地の良さや安らぎを感じてそこから抜け出せなくなり、結局はともに自滅をしてしまうという物語だと思うんです。早期の愛着が不安定な人はとても強く他者を求めることがあるし、挫折によって自分の存在に意味がないと感じている人にとって、そうした強く求められることが自分の存在の承認された経験となり、実際に映画のナレーションで語られているようにそうした承認を男はあたかも母親から子どもへの承認のように受け取って、逆にそのことに甘んじてしまう。ただ、もちろん被虐待児が他者を求めるということは、そんなにただ居心地のよいものであるはずはなく、関係が深まれば深まるほどに破滅へと向かっていってしまう。

なぜこの関係が破滅に向かうか? ということについてなのですが、少し映画から離れた解説になってしまいますが、いくつかの説明が出来ると思います。彼女たちが求めているものは愛されることであって、むしろ彼女たちが求めているのも母親的な存在なわけですが、そんな不安定な彼女たちに男の側も母親を見出して、言わば自分のことを承認させることで利用をしてしまうからということがまずあると思います。いわばお互いが母親を求めあっているような子どもたちなわけです。そして、作品の中では実はあまり深く扱われなかったですが、性の搾取の問題です。愛着に問題がある人々は性愛的な感情と依存したいという感情が非常に未分化な状態にあることがある。もちろん、健常な(という言葉に語弊があれば、社会的に機能していると置き換えましょう)人々の恋愛であっても、多かれ少なかれ甘えたいという気持ちはあるわけですが、これは程度の問題であって、それなりに切り分けられたりもするのだと思います。そして、少女たちは自分が性の対象となることで相手がその場では求めてくれるために自らの身体を差し出し、男たちはその身体を求めるのだけれど、当然ながら彼女たちが本当にほしがっているのは親からもらえなかった存在の承認であって、性行為そのものではないわけです。泣いている唐沢寿明を慰めるために、遠山景織子が裸でプールに飛び込むシーンなどにもそれが表れています。少女が最終的に差し出せるのは性的な対象としての自分の体だけなんですね。この食い違いが大きな問題であり、結局のところ、少女たちは自分の求めるものは得られずに搾取され続けてしまうことになる。もちろん「高校教師」は純愛ドラマなので、真田広之や唐沢敏明が、少女たちの若い肉体におぼれるという面が強調はされていませんが、実際のところこういう事態になったとしたら、性的な搾取の問題は見過ごすことが出来ないことなのでしょう。そう考えても、「高校教師」の世界の中でもっとも倫理的なのは最後まで一定の枠を守り続け、性的な外傷を受けた少女を自らも性的な対象とすることを拒んだTV版の赤井秀和だと言えますね。

さて、そこでラストについてです。そうして虐待を受けて愛着に問題がある少女から求められることにある種の安らぎを見出してしまった挫折体験のある男性が、結局はその少女とともに破局的な未来へと突き進んでしまうということになります。ただ、このあたりについては、あまり倫理的な判断をして、けしからんというべきものではなく、そうして落ちていくことに対する願望があるということが描かれているということだと思うのですが、それがどこにたどり着いたかという点です。TV版ではおそらくは心中をしたのだろうという雰囲気の中で終わっている。ただ絶対に死んだかどうかということは定かではないのだけれど。ここで自ら死を選んでそれを成し遂げたかどうかということが重要だと僕には感じられるんですね。つまり、この愛がどこに行くのか、という答えなわけですから。ただ、映画版では、よくわからない狂った女に唐沢寿明が刺されて死んでしまって、遠山景織子も後を追うという、外的な、しかもかなり異常な要因によって、結末がつけられているわけです。そのために、この愛がどこに行くのか、の答えになっていないように思うんです。だから僕としては、二人が命を落とすにしてもどちらかが生き延びるとしても、あるいは二人ともに生き延びるとしても、外側からの要因ではなく二人の方から切り出した要因で結末を迎えてほしかったなぁと思ったりしました。

最後に補足なのですが、そしてこの補足は本当によけいなお世話な話であって、さらにたぶんに僕の推測でしかない話なので、いわば実例の名を借りた比喩のようなつもりでさっと聞き流していただきたいのですが、こうして『高校教師』を見直して、早期に愛着を持つことが難しかった女性に引きつけられていく男性と考えるとき、どうしても思い浮かんでしまうのが、この作品の脚本家の野島伸司さんと酒井法子さんの関係です。逮捕事件の後でワイドショーで散々報道された話によれば酒井法子さんは特定の養育者から安定した愛情を向けて育ててもらえるような環境ではなかったようです。そうした酒井さんに野島さんがまるで「高校教師」の先生のようにひかれていき、二人は交際をするようになっていった。ただ、結局は二人は別れてしまい、酒井さんは反社会的な傾向が強い(つまりはおそらく自分の父親に近い)男性の方に戻ってしまい、野島さんはまた別の若い女性との交際を始めるわけです。二人の間にどんな事情があったかということはもちろん僕は知りませんし、先述のようにまったくの推測であってよけいなお世話な話なのだけれども、このことを踏まえて「高校教師」の繭と先生について考えると、やはりその場の求められる心地よさや救済してあげるというヒロイズム、そして若い身体への性的欲望に動かされたかたちで不幸な境遇の女性と関係を持ったとき、もしドラマや映画のように二人が死ななかったとしたら、結局は先生と繭はお互いに現実を知って傷つき、そして破局していく運命だったのかもしれないし、そのことで繭はさらに傷ついてより破壊的な方へと人生の舵を取ってしまうかもしれないと、悲しい想像をしてしまうのでした。

下は以前に書いたTV版についての感想です。

私が全部守ってあげるよ 〜「高校教師」(1993年)

i_cinema at 21:11|PermalinkComments(0)TrackBack(0)その他の邦画 

2017年06月20日

父の日の「笑点おこし缶」。歌丸さんはどこに行っても大事にされるのです。

先週、父の日だったじゃないですか。まぁでも、今さら親父に何をあげたらいいってそうそう思いつくもんじゃないのだけれど、その少し前にふと立ち寄った新宿のコンビニでなぜか「笑点おこし」っていうのを売ってたんですよ。そう笑点メンバーの顔がプリントされた個包装がされた雷おこしです。それのでっかい缶に入ってるやつが、なかなか立派に見えたので、親父とおふくろはよく一緒に笑点を見てたりするので、これにしようかなと。なんか縁起よさそうな気がしますしね。

そういうわけでその「笑点おこし缶」を買ってプレゼントをしたのです。そしたら、思いのほか喜んでくれて、なおかつ想像してたよりもずっと実際に美味しくてよかったのだけれど、あ、とりあえず、こんな感じね↓↓

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あけるとこんな感じ。これは昇太さんです。

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次の日に僕が仕事終わって家から帰って来てみると、「笑点おこし缶」の裏にこんなものが貼ってある!!

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「歌丸さんは数が少ないのでさいご迄食べないようにしよう!」

なるほど、歌丸さんはどこに行っても大事にされるのです。

i_cinema at 22:48|PermalinkComments(0)TrackBack(0)近況 

2017年06月17日

海外ドラマ「ストレイン 沈黙のエクリプス」シーズン1〜3 なるほどJOJO的だなぁ



ギレルモ・デル・トロが製作した海外ドラマで全4シーズンになっているみたいで、現在は3シーズンまでが終了しています。友人に薦められて、なおかつ吸血ゾンビが出てくるドラマってことで、おぉ、それじゃ見なくてはと。その友人も言っていたのですが、このドラマはひょっとしたらJOJOの影響を受けているのではないか?と。言われてみると、吸血鬼が太陽の光を浴びて溶けていくときのビジュアルがJOJOっぽいですし、敵の三層構造ですね、つまり、

大昔から生きている長老やマスター 
  ↓ 
マスターにみとめられて記憶や思考能力を有した吸血鬼。アイヒホルストやケリーなど。
  ↓
単体ではほとんど過去の記憶や思考の能力がなくマスターやアイヒホルストたちに操られるゾンビたち。

という構造は、JOJOファンならすぐに分かると思うのですが、

大昔から生きている「柱の男」。サンタナ、ワムウ、カーズなど。
  ↓
石仮面をかぶった吸血鬼。Dioやストレイツォ。
  ↓
吸血鬼に血を吸われたゾンビたち。

の三層構造とほぼ同じようになっているわけですね。なるほどなるほど、確かにJOJOっぽい。そして、アイヒホルストというナチスが出てくるところも、JOJOの2部のシュトロハイムを連想させますよね。さらに言うと、これはたまたまだろうけれど、天才ハッカー役のダッチの顔はJOJOに出てきそうな女って感じがする。徐倫系とでも言ったらいいか。

とは言っても、細部の設定やらビジュアルやらが似ていても、全体の展開自体はJOJOっぽいわけではなく、そして「ウォーキングデッド」のように絶望的な状況が描かれているわけでもなく、どちらかというと「ビジター」とかそういうような地球が征服された状況でレジスタンスを続ける人類たちを描いた作品になってます。まぁ、「ウォーキングデッド」があり、「Zネーション」があり、「ヘリックス」があり、「フィアーザウォーキングデッド」まであるし、海外ドラマでもゾンビ作品がどんどん増えているので、それぞれの特徴を出さないといけないですしね。

そう、ゾンビというか吸血鬼(ストリゴイと呼ばれてます)も独特で、口からヘビみたいな舌を出して人の血を吸うんですよね。これがなかなか迫力があります。太陽に弱いという設定はあるけれども、十字架に弱いという設定はない。ただ、面白いことに、人間に先導されないと水を渡れない、とかいう大昔の吸血鬼伝説は引き継がれていて、この映画の吸血鬼も川を渡るのにわざわざ人間を雇ったりしてます。ニヤリとさせる設定ですね。

あと、個人的には元ナチスの吸血鬼アイヒホルストがいい味を出してて好きです。平時の冷たい微笑はもちろんのこと、重要なキャラだから小さな戦闘があっても必ず深くかかわらず逃げ延びるファーストガンダムのシャア的なポジションとか、やたらに余裕ぶってるくせに実は昔は職場でいじめられてたとか、ダッチとのやりとりなど何気にただのスケベおやじなんじゃないかと思わせるところとか、こちらを飽きさせません。そう、ダッチと言えば、最初は出てくるヒロインの中で一番応援していたけれど(徐倫系だから)、話が進んでくると、いくら何でもビッチすぎないか!?

そんなわけで、「ウォーキングデッド」と違ってかなり気楽に見られるゾンビドラマですし、どなた様にもおすすめです!!

i_cinema at 09:03|PermalinkComments(0)TrackBack(0)海外ドラマ | ゾンビ

2017年06月10日

スティング:57TH&9TH TOUR in 日本武道館! オークションってそういう仕組みなんだねぇ〜

今週の火曜日、武道館にスティングを観に行ってきました。スティングは前にオーケストラと一緒に来たときに、同じ武道館で観たことがあって、今回はいいかなと思っていたのですが、たまたまやっているバンドでeverybreath you takeをコピーすることになって、ポリスを聴き直していて、やっぱり観たい! となったもので。

しかし、観たいとなったときには、すでにチケットはソールドアウトだったんです。でもって、困ったときにはヤフオクかなぁと、ヤフオクで見てみると、けっこうたくさん出ていて。その中で、アリーナの一番前のブロックの10番以内の席があったんですね。こういう席で観れたら、とんでもなく贅沢な体験だぞと思いつつ、2枚の席だったけど、1枚でも可となっていて、まだそんなに高くもなっていなかったので、定価よりも1000円くらい高い値段で入札してみたんです。1万台前半くらいで。ただ、どうせこういう良い席はこれからべら棒に高くなるから難しいだろうと思いつつ。

そして、どうせ無理だろうからもっと遠い席のやつを低下に近い値段で落とそうかなぁと思いながら、しばらくしたら当然、もっと高い額での入札がはいり、落札の期限が大分近づいた段階でチェックしてみたら、すでに3万台半ばになっていて、あちゃ、これはとても駄目だと。

なのですがなのですが、なぜか、落札締切日に、私が落札しましたってメールが来て。これ、ビックリしました。どうなってるの?って。どうなっているのか分かります?

こういうことのようです。私は1枚分で入札したんですよ。そうしたら、私から上の人たちは、10人くらいはいたんですが、みんな2枚分で入札したんです。そして、締切直前に、三万台半ばで1枚分を落札した人がいて。その人が一番高額だから、その人が落札となり、それから下の人たちは2枚分で落札している人が続いているから、ずーっと下に来て、2枚目は私が落札出来ることになったって、ことらしいんです。

う〜ん、難しかったですか。はい、僕も最初、全然ピンと来なかったですが、これ以上に説明しようがないので、分からなかった方は上の段落をもう1回読み返してみてください(~_~;) しかし、考えてみてください、2位だった人が3万台半ばで2枚落札したとすると、合計で約7万くらい。でも、一位の人と僕の金額を合わせたら、5万くらい? ってことは、1位の人が1枚で落札したばっかりに、出品者は2万くらい損しちゃった?

なるほどねぇ〜、いや、僕自身にしてみたら、そんなとんでもないいい席が、定価と大して変わらない額で落とせたので、こんなにラッキーなことはないのですけれど、出品者の人には何だか申し訳ないなぁというのと、1位の人には、すいません、あなたのおかげで安く落札できましたという恩義があるような、何だか複雑な気持ちになったりして。オークションって不思議な仕組みになってるんですねぇ。

あ、肝心のライヴの方ですか。そりゃもう、めちゃくちゃ近いんで、最高でしたよ。前に観たときはオーケストラと一緒だったと言うこともあって静かな曲が多かったですが、今回は、最新アルバムもそうですし、いかにもロック!!な演奏で痺れさせてくれます。そして、スティングは間近で見ると、じいさんなんだけど、何だかセクシーなんですよね。マッチョだし。やっぱり、すごいオーラがあるなぁと。

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そう、オープニングアクトは息子さんのジョー・サマーだったんですよね、この息子さんの方が、こう言ってはなんだけれど、カリスマセクシーじいさんのスティングと比べて、いたって普通の中年のおっさんなんです。オーラは遺伝しなかったのかと思ってたら、歌い始めたらギターもヴォーカルもメッチャ上手くて、音楽の才能の方は遺伝した! と。張り上げたときの声はやっぱり似てましたねぇ。ってことで、息子さんとのツーショット。「ワタシノムスコ、ジョー!」とかって日本語で何度も言ってて、親子仲良さそうでしたよ。あ、そう言えば、息子の方はとくにやったら日本語が上手かったなぁ〜

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i_cinema at 21:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)音楽 | 近況

2017年05月16日

おわぁ、急に人生の危機が!! 資格が失効しちゃった!!

いや〜、ホントに肝を冷やしました。一時は僕の人生どうなっちゃうのかと...

何があったかって言うと、えぇと、一応、僕は専門職が資格があってやってるんですよね。まぁ、大した資格でもないんだけど。その資格っていうのが更新制なんですよ。何年かに一回、更新しなきゃいけない。でも、運転免許とかパスポートと一緒で、そういう数年おきの更新なんて、普段自分ではそんなにいつも意識してるわけじゃないですよね。

その資格の更新が、そろそろだなぁ、ひょっとしたら、今年の3月で更新かなぁとかって思っていたのですが、通常は資格が更新になるときは数ヶ月前に更新手続き書類が送られてくるんですよ。でも、それが来てなかったので、あれ、それじゃ来年かなとそのままほったらかしていたのです。しかし、資格証明書にはちゃんといつまでって期限が書いてあるから、よく確認をしておけばよかったのですが。

そうしたら、先週末に、全然別のところ、というか職能団体みたいなところから、あなたは更新しなかったから資格がなくなったみたいなので、うちの団体にも所属できませんってお知らせが来て。

な、なにぃ!!

やっぱり、今年だったのか!? ってか、書類来てないんだけど!? ってことは、僕は4月中は未資格で仕事してたわけか!? 
(あ、一応言っておくと、未資格でも違法ではない職種です)

いや〜、焦りました。まさか、仕事がクビになるってことはないよねぇとか、資格試験の受け直しとか言われたら筆記試験とか受かる自信全然ないんだけどとか、周りの同業者の人に噂広まったらみっともねぇ〜とか、色々と考えちゃいましたね(^_^;)

もちろん、書類が来てないから更新できなかったと主張はしようと思ったのですが、実際にそうだとは思ったんですが、でもたとえば本当は書類はとっくに届いてたんだけど、なんかの間違いでこっちが捨てちゃったりしたっていう可能性が100%ないかと問い詰められると、何ていうか、日頃不注意だらけの人間なもので、自信がなくなってしまう感じも。期限過ぎたら、たとえどんな理由でも失効は失効とか、しっかり時期を確認していなかったあなたの責任もあるとかって言われちゃったら、どうしましょ〜と。

しかし、その資格を発行しているところは、土日休みなので、月曜日まで待って、ドキドキしながら連絡して、状況を調べてもらうと、何でも僕の住所が広島に引越したことになってて。いやいやいや、そりゃ、僕はずっとカープファンですけど、衣笠幸雄のTシャツ着てますけど、ずっと東京暮らしで広島になって引越してないし!! 多分、他の住所変更をした人と間違えて変更されてしまったんですねぇ。

そして、もうホント、ほっとしたことに、向こうが間違えて更新書類が届いていなかったということで、今から書類を出したら失効期間なく更新扱いにしてくれるってことになって。

ふぅ〜、あぶなかった〜。どうなっちゃうのかと思ったよ、まったく!

そういうことで、ちょっと生きた心地がしなかった週末だったので、思わずここで投稿してしまいました。

そう、皆さんも、資格使って仕事してる人は更新の際はお忘れなく(^_^;)


i_cinema at 22:59|PermalinkComments(0)TrackBack(0)近況 

2017年05月14日

タラちゃん、大変身!? ボイマンス美術館所蔵ブリューゲル「バベルの塔」展 に行ってきました!

「バベルの塔」を見てきました。ブリューゲルって、実はそんなによく知らなくって、ただ一部の人たちにはしばしば言及されているので、本とかに載っている写真だけみて思うに、どうしてそんなにすごいのか分かんないなぁと感じていて。しかし、やっぱり、実物を見ないと駄目ですね、予想以上にすごかったですし、ブリューゲル自身もかなり興味深い人なんですねぇ。

と、その前にすでにJRの上野駅の構内に、レゴバベルの塔が立ってる!!

レゴバベル


なんか、真っ白で作ると、ウェディングケーキみたいですね。

で、実物の「バベルの塔」は迫力があるのはもちろんなのですが、その細部の細かさが正気の沙汰とは思えないというか。ウォーリーを探せどころではない緻密さで描かれているんですよね。実際のところ、拡大複写図があったんですけれど、それを見ないと、細かいところは分からないくらいなんです。

そして、「バベルの塔」だけではなくて、ブリューゲルは色々な絵を描いているんですが、けっこうシュールな怪物みたいなのを描いてるんですよねぇ。これは買ってきた絵葉書なんですが、

絵葉書1


ほら、こういうの、日本人としては、どことなく「鳥獣戯画」を思い起こさせますよねぇ。やっぱりどこの国でもこういうことを考える人がいるんだな。そして、この絵の左上にいる、足の生えた魚いるじゃないですか。なんと、そいつが着ぐるみ化されて展示されていたのです!!

タラ夫1


そして、名前がなんと、

image4


タラ夫!? タラオと言われたら、どうしてもフグタさんちのタラオを連想せざるをえない・・・

フグタラ
  

タラちゃん、いつの間にか、ショッカーに捕まって、魚と合成されて改造人間になってしまって・・・

そんな怪人に変わり果てたタラオの姿に涙をぬぐいながら、カツオはタラオの胸に怒りのライダーキックをお見舞いするのであった。トリャーッ!

そうそう、このタラ夫の画像を友達にみせて自慢したら、なぜすね毛が生えたんだ? と指摘されて、確かにブリューゲルの絵の方ではよく分からないのに、キャラクター化したときにはやたら毛深くされている。う〜む、なぜだ?

そして、こういうブリューゲルの奇想天外な絵にはルーツがあって、同じネーデルランドの彼よりも前の世代の画家にヒエロニムス・ボスっていう人がいるんですね。このボスの絵はほとんど残ってないみたいなんですが、そのうちの何枚かが今回の展覧会に来ていて。その中で、これ、また絵葉書だけど、

絵葉書2


この絵は「聖クリストフォロス」っていう絵なんだけど、この絵にまつわる寓話が面白くて。この男の人は巨人なんですよね。池にすんでる。この巨人が子どもを頭に乗せて池を渡ろうとしたら、なんだかやったら子どもが重たくなってきて、どういうわけかと思って名前を聞いたら、「キリスト」って答えたという。

えっ、子泣き爺じゃないの?

と思ったあなたはだいぶ水木しげる病におかされてますねぇ。まぁ、なんでキリストはそんなことしてんのかは分からないけど、どうもいろんな人の罪を変わりに背負ってるから、重いらしいねぇ。

ここからが僕が感心したところなんですが、その「聖クリストフォロス」の絵を見ると、

その日は死なない!

らしいんです。えぇ! その日は!? なんて微妙な! でも、明日は死ぬかもしれないのか! いや、むしろ死にたくなければ毎日見に行けばいいのか? あるいは買えばいいのか? うーむ、なんて悩ましい設定なんだろう。

そのほか大友克洋が「バベルの塔」の中身を想像して描いちゃった「inside babel」なんかも出てきて、色々とつっこみどころが満載の奇想天外な絵がたくさんそろっていて、楽しめる展覧会でした。

i_cinema at 20:17|PermalinkComments(0)TrackBack(0)美術展 

2017年05月13日

『24 レガシー』『プリズンブレイク シーズン5』伝説のドラマたちが復活してましたねぇ





アメリカのドラマが現在のように日本で、おそらくは世界中で流行ったきっかけを作ったドラマは「24」と「プリズンブレイク」だと言っても多分大袈裟じゃないでしょう。もちろん、それまでも色んな海外ドラマが来てましたけれど、今のように確実にビデオレンタル店の一角を占めるようになったのは、この2作の大ヒットの影響が大きいですよね。当然、どちらもシリーズ化して、そしてだんだん人気が落ちてきて、終わっていたんですが、いつの間にかどちらも復活しましたねぇ。それも全然違う展開で。なので、この復活した2つの作品の感想を書かせていただきます。

そう、もともとこの2作の辿った道筋が違っていたんですよね。「24」の方は、基本的に1作目で確立したやり方を踏襲しながら、スケールを大きくしたり、登場人物を入れ替えたりしながら、マンネリになる危険を冒しつつ、進めていきました。そして、基本的には出来るだけリアリスティックにしようと心がけていたのだと思います。もちろん、さすがにだんだんマンネリになっていったんですけれどね。一方で、「プリズンブレイク」は1作目が普通の刑務所から脱獄、2作目は脱獄物というよりも逃亡者物、3作目はまるっきり非現実的なパナマの怪しい刑務所からの脱獄、さらに4作目ではまるで「スパイ大作戦」のように登場人物たちが極秘のデータカードを盗む任務をするという話。そう、「プリズンブレイク」は、チャレンジングと言えばチャレンジングなんですが、どんどん全然関係ないところに手を出していったんですよね、同じ登場人物たちを使いながら。

まぁ、たしかに、「24」のようにテロ対策っていうのならば、何度も同じ人たちが事件に立ち向かってもそこまで不自然ではないけれど、「プリズンブレイク」は脱獄だから、そんなに何度も脱獄してたら、おいおい、天才ならむしろそんなに何度も捕まるなよって話になってしまうところがあるんだとは思いますが。ただ、新しいシリーズになっていくにしたがって、「プリズンブレイク」がどんどん内容が破綻していったのは確かだと思うので、何とも難しいところです。

さて、そして新シリーズ。「24」の方の新作、「24レガシー」は何と主人公はジャック・バウアーではなく、全然別の元レンジャーの若い黒人の青年になります。この人は、「ウォーキングデッド」に出てた人ですね。大分、そのときとは印象が違いますけれど。その彼がやはりこれまでのジャックと同様にテロに巻き込まれて、それと戦うという展開。ジャックやニーナ、クロエなどのキャラの濃い人たちが懐かしい気もしますが、それでも物語の展開はなかなか、これまで同様にスリリングて楽しませてくれます。また旧シリーズのファンのためにはトニー・アルメイダが出てきてくれるのが嬉しい。にしても、前はトニーはどっちかっていうと線の細い、ジャックに振り回されてるやつだった気がするけれど、いつの間にか何だか暗黒街の殺し屋みたいになってて、おいおい、こいつの人生変わり過ぎだろうというところもまた、楽しめます。

一方、「プリズンブレイク」の方ですが、いやいや、むしろ「24」はキャストを変えなくてもよかったかも知れないけれど、こっちはキャスト変えないとまずいだろう、だって、主人公のマイケルは死んじゃったじゃん!! そういうわけで、死んだはずだったマイケルが生きているってところから始まります。おまけに、また捕まって刑務所に入ってる!! おいおい、よりによって、せっかく生きてたのに、何でまた刑務所に入ってんだか。しかも、なぜかイエメンの刑務所でテロリストたちと一緒にいるらしい。おいおい、お前の人生はどうなっちゃってるんだか。しかし、ここまでになってくると、もうリアリティなんていうのは、どうでもよくって、1作目にあった綿密な計画とかっていうのも関係なくって、だたこいつらどこまでやるんだかっていうのを楽しむためのドラマって思ってしまうと、これはこれで楽しめるかも知れませんねぇ。

ということで、二つの海外ドラマの続編たちの話題でした。

i_cinema at 21:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)海外ドラマ 

2017年05月12日

『デスノート Light up the NEW world』後継者たちはあまり賢くなかった



「デスノート」は去年、突然テレビ化されましたが、今度は新作の映画化です。テレビとは関連してなくって、藤原達也、松山ケンイチが出ていた映画版の10年後を描いた作品ということのようです。

どうも新しい登場人物として、池松壮亮くんと菅田将暉くんという、今一番美味しいところを持ってきていて、なおかつ10年振りに戸田恵梨香が弥海砂役をやるっていうんで、えぇ、こ、これはと、ちょっと食指を伸ばしてしまった自分が馬鹿でした...

いや〜、なんていうんでしょう、「デスノート」の面白さの中心である、巧妙に仕組まれた頭脳戦というところが、全然駄目なんです。出てくるトリックといったら、これまでに使われたものの使いまわしか、あるいは推理とも言えないような単純なものしかなくって、そして、デスノート問題が世界的なものだというスケール感もイマイチ出てなくて、なんだかちょっとガッカリな作品でした。そして肝心の戸田恵梨香も、ほとんど弥海砂っぽい演技をしていなくて、いつもの最近の戸田恵梨香だったからなぁ。

そう、マンガの「DEATH NOTE」って、結局Lの死後を描かなかったから、話としては二部のニアとかが出てくるところ残ってるじゃないですか。だから、もっとその残ってる部分を使って作ってほしかったなぁ。もちろんライトが死んじゃってるから、設定は変えないといけないけれど。

監督の佐藤信介さん、『GANTZ』は微妙だったけど、『アイ・アム・ア・ヒーロー』はよかったのになぁ。そして、彼はこの後『いぬやしき』が待っているですね。原作ものが続きますけれど、『いぬやしき』は頑張って下さい!



i_cinema at 21:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)その他の邦画 

2017年05月11日

『攻殻機動隊 新劇場版』ARISEの劇場版って感じだね



けっこう前に見たのだけれど、感想書くのを忘れていて、ハリウッドの実写版をみて思い出しました。これは「攻殻機動隊 新劇場版」と名を打っていますけれど、実際は「攻殻機動隊ARISE 劇場版」と言った方が正確な感じかなぁ。押井守の「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」のクオリティを求めると、ちょっとガッカリしてしまうかもしれない。ただ、これを単体として見たり、あるいは「ARISE」の謎を解いてくれる作品として見たりすれば、それなりに楽しめる作品になっている気がします。そう、この新劇場版を見てから、SACを観直してみたんですけれど、SACの方も相当に作画っていうよりも物語の内容がクオリティが高いんですねぇ。四つの攻殻機動隊(士郎正宗の原作、押井守の映画、SAC、ARISE)を比較すると、やっぱり「ARISE」はちょっと弱い気もするかなぁ。あと、少佐が田中敦子じゃないところも残念(^_^;)



i_cinema at 21:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)アニメーション 

2017年05月10日

『FAKE』これまたやらせのお話で。

昨日、ナンパ物のAVのやらせの現場を見たっていう話をしましたが、今日は引き続きやらせ問題の本家の佐村河内さんの映画の話。



「A」「A2」の森達也監督が撮影した佐村河内守を追ったドキュメンタリーです。事件発覚の後から、ずっと自宅を何度も訪問して追い続けています。さすが、森達也さんはきわどいところきわどいところに目をつけますねぇ。

全体として、森さん自身は言わば佐村河内さんの味方のような顔をして撮り続けていくわけです。そして、日常生活での彼は、わりと気のいいおじさんという一面もあるんです。そこで、こちらがうっすらと信じかけてしまう。あるいは、むしろ佐村河内さんを信じると言うよりは、マスコミのえげつなさにうんざりして、佐村河内さんが可哀想になると言った方がよいか。しかし、森さんは、このあたりは手腕なのかもしれないけれど、自分がばっさりと切り込むんじゃなくて、外国人記者が、日本人じゃなかなか聞けないような鋭さでつっ込むところを、しっかり撮っているわけですね。それを見ると、またこっちは、やっぱり怪しいじゃん!と思う。そもそも、森さん自身が怪しいと思ってなかったら、タイトルはFAKEじゃなくてTRUTHとかでもいいじゃないか!と。

そんな感じで、行ったり来たりをさせられる、なかなかに興味深い作品でした。

i_cinema at 21:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)その他の邦画 

2017年05月09日

やらせの現場を目撃してしまった!!

GW中に、住んでるところの最寄り駅に行ったんですよ。すんごい小さな住宅街にある駅なんですが。

ちょうど駅の建物の前のあたりで、4,5人の人たちが立ち話をしていて。何でそれが目についたかというと、女性が一人だけいて、男性たちはどちらかというと野暮ったいというか、気を使わない格好をしている、まぁ、理系っぽい感じの雰囲気の人たちだったんだけれど、その一人の女性だけが、何だか普段うちの周りにいないようなスタイルのいい美人で、なおかつ格好もミニスカートで派手な感じだったんですよ。背がすらっと高くて髪の毛が長くって。何だか不釣り合いな集団だなと。

ま、だから、どうだって感じなので、それ以上気にせず、とりあえず、僕はコンビニで缶コーヒーを買ったわけです。そして、出てきたら、駅からさっきの女性がつかつかと歩いてきて、それを追いかけるように、さっきの男性のうちの一人が「お姉さん、お姉さん、ちょっといいですか」って声かけてるんです。

ん、ん、その後ろから小型のデジカメを持った人がついてってるぞ、これはまさか、ナンパ物のAVの撮影か!!

ってか、「ちょっといいですか」も何も、お前らさっき、みんなで集まって楽しそうに笑いながら相談してたじゃん!! や、やらせだ!! ちっともナンパじゃない!! こ、これだから大人は信じられない!!

まぁ、ねぇ。ってか、そういうもんだと分かってますけどね。にしても、その女優さんはよく見ると、ばっかりと胸元のあいた服を着ていて、それもまた、普段うちの周りにはいないような不釣り合いな感じでさ。そして足とか腰とかすごい細いのにまん丸いお椀型の爆乳で、あぁいう体形を見ると、どうしても、タイのニューハーフたちを思い出してしまう。お、お前は入れ乳だな!! こ、これだから大人は信じられない!!

まぁ、ねぇ。ってか、そういうもんだと分かってますけどね。ちゃんちゃん。

i_cinema at 21:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)近況 

2017年05月08日

ジェネレーション・アックス in Zepp 東京 超絶ギタリストたちの競演!!



スティーヴ・ヴァイ、ザック・ワイルド、イングウェイ・マルムスティーン、ヌーノ・ベッテンコートら超絶技巧派のギタリストたちが一堂に介してライヴをやる! というお知らせをぴあから貰って、80年代のへヴィメタル系の超絶技巧ってそれほどよく聴いている音楽のジャンルではないものの、自分もギターを弾く身として、すごい超絶技巧のやつらってどれだけすごいんだろうと先月に見に行ってみました。

上に書いた4人と、あともう一人、トーシン・アバシっていう人も入ってたんですけれど、他の人は有名だから知ってるけれど、トーシン・アバシって誰だ?と思って調べてみると、この人だけ他と比べて若くて、しかもメタルではなくて、ジャンル的にはプログレなんですね。結論から言うと、僕はこの人の音が一番好きだったかなぁ。ただ、プログレだけに(?)あんまり派手なパフォーマンスをしないので、ギターを担いで弾いたり、放り投げたり、客席に乱入したりといったような他のおじさんたちと比べて、ちょっと大人しく弾いてる感じにみえちゃいましたけれど。

にしても、なかなか同じ超絶ギタリストとはいっても、個性があって、それぞれ続けざまにみると圧巻ですね。ステージとしては最初いっぺんに出てきて、それからあとはインストを中心に一人ずつ登場して弾きまくって、最後にまたみんなで揃って出てきて弾きまくるっていう感じ。誰が一番うまいっていうのは、もうこのくらいになってしまうと、甲乙つけがたいですが。スティーヴ・ヴァイは何だか、立ちふるまいがお嬢さまって感じだったなぁ。見た目は一番恐そうだけれど、実はサービス満点なのがザック・ワイルドでしたね。ヌーノ・ベッテンコートはアコギの使い方がすごかった。イングウェイはつねに赤い照明じゃないと嫌なんだろうか。

個人的は好みでは、やっぱりメタルよりもブルースのがいいなぁと思ってしまうところはあるのだけれど、しかし、間近で次々に超絶なテクニックを見せられると、それはそれでかなりやられてしまうのでした。

トーシン・アバシの動画も貼っておこう↓



i_cinema at 21:24|PermalinkComments(0)TrackBack(0)音楽 

2017年05月07日

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2017 クシシュトフ・メイシンゲル!!

Various: Soledad
Krzysztof Meisinger
Dux
2012-10-29



毎年行っているラ・フォル・ジュルネ。今年も1日だけだけれど行ってきました。ショスタコーヴィッチのピアノ五重奏曲などを聴いた後に、何といってもインパクトがあったのが、クシシュトフ・メイシンゲルという覚えにくい名前のギタリストの人が管弦楽団とともに演奏するピアソラでした。ピアソラは昔から好きで今でもよく聴いているのですが、このメイシンゲルさんのことは全然知らなくて、なんとなくギターのソリストってナルシストっぽい見た目なんかなぁと想像していたら、何だかどこにでもいそうな小さなおじさんが登場して、あれれ、この人かよと思ったら、演奏し始めたら、もうビックリです。もの凄く情熱的でかつ繊細な響きを奏でて、鳥肌でした。おまけに息をハーハー言わせながらギターに抱きつくみたいに弾いてるんですよね、すごいのなんのって。もともとバンドネオンの曲をギターにアレンジして、しかもいくつかの曲を合わせて一曲にして演奏しているんですが、日本人へのサービスなのか、なぜか途中で「さくらさくら」のメロディが出てきたりするところはご愛嬌で。クラシック・ギターって、普段ほとんど聴かないんですが、間近でこんなにすごい演奏を見せつけられてしまうと、ちょっとこれからチェックしてみようかなぁという気にさせられます。とりあえず、自分が彼の名前を覚えておくという意味も込めて、感想をあげておきました!



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2017年05月05日

『その男狂棒に突き』山下監督のブラックな才能がさく裂!



これは「山田孝之のカンヌ映画祭」の山下敦弘監督がずっと以前に撮っていたフェイクドキュメンタリー。実は「刑事まつり」っていう刑事映画の短編を集めた企画のために作られた作品なんですね(正確にはその第三弾の「最も危険な刑事まつり」)。それの尺が長いバージョン。

いや〜、これすごいですよ。やっぱり山下敦弘監督はとんがってるなぁ。「刑事まつり」のときのタイトルは『汁刑事』なんですけど、何で『汁刑事』かって、刑事なんだけれど、副業で汁男優をやってるって設定なんですよね。もうそこからして意味がわからないですよね。え、汁男優の意味がわからない? またまた、そんなカマトトっぽいことを。念のために説明すると、AVに出てくる脇役の男優で、女優との「絡み」は殆んどなくて、ただ精子を女優にかけたりとかする役割の人たちです。今、ウィキペディアで調べたら、「出演料は『撮影1日につき何発発射しても、一律で千円前後』が相場となっている」って書いてあったなぁ、マジか!? とんでもない低価格な… 

で、なぜか知らないけれど、その汁男優をやっている刑事がいるらしいと。そこで山下監督(本人だけれど、本作の設定では映画監督じゃなくてAV監督)は刑事が好きだという女優とその汁刑事とを絡ませて作品を作ろうとするのだけれど、この刑事尾崎はとんでもなく人格の破綻した人で・・・

実はこの尾崎(山本剛史扮する)は山下監督の『ばかのハコ船』の登場人物で、いわばそのスピンオフ的な作品なんですよね。で、このクセの強さがとんでもなくて、さらには終わり方も、えぇ〜!! と声を上げたいような、ひどい終わり方で、何かもう、強烈な作品でした。

これ、クセの強い映画が好きな人にはかなりおすすめ。


i_cinema at 20:57|PermalinkComments(0)TrackBack(0)山下敦弘 

2017年05月04日

『インフェルノ』基本的にはイタリア観光映画。



おっ、『ダヴィンチ・コード』のシリーズは続いていたのかと。個人的には二作目の『天使と悪魔』はわりと好きな映画だったんですよね。特にユアン・マクレガーが空からパラシュートで降りてくるところが。

さてさて、この『インフェルノ』も以前の作品同様に、めっちゃくちゃお金がかかっているんだけれども、実は火サス的なご当地紹介推理物みたいな感じの作品になってます。今回もイタリアですね。フィレンツェやヴェネツィアが登場します。何かホント、イタリアの古い建物っていうのは、素晴らしく綺麗ですねぇ、といった気になって、あるいは不思議発見とかを見るようなつもりで観ると楽しめる作品。

ただ、映画の全体を見たときには、過去の作品と比べて、ちょっと物語が破綻してるかなぁ。原作は知らないのだけれど、敵のグループのやることが、よく考えてみるとわけがわからないっていうか、トム・ハンクス扮するラングドン教授をそんなに手の込んだ騙し方する必要あるのか?って。さらには、テロを起こすのに、わざわざ危険をおかして、過去の歴史とつなげた犯行にするなんて、で、結局、それでバレちゃうなんて、バカじゃん?という気もするしなぁ。ま、それをいったら横溝正史なんかも全部否定されちゃうけどね。

ちなみに、この映画は、ダリオ・アルジェントの魔女三部作の『インフェルノ』とも、ましてやイーライ・ロスの食人族映画『グリーン・インフェルノ』ともまったく関係ありません。魔女も食人族も出てこないので、そういう地獄は期待しないように。


i_cinema at 20:53|PermalinkComments(0)TrackBack(0)その他のアメリカ映画