2007年03月24日

ゆれる

ゆれる


何だか、ここ最近、やることいっぱいで
忙しかったり、インフルエンザにかかって
タミフル飲んだりと全然blogを更新して
ませんでした。でも、映画を観てなかった
わけじゃない、というかかなり観てたので、
今日は一気に8本分ドドンとアップします!!
興味のあるやつだけ読んでね。

オダギリジョーと香川照之が兄弟に扮した
西川美和さんっていうまだ若い女性監督の作品。

弟のオダギリジョーは東京で暮す写真家。
兄の香川照之は地元に残って、父親のガソリンスタンドの
経営を手伝っている。オダギリジョーは父親と折り合いが
悪く反抗的で、自分のやりたいようにやるタイプだけれど、
兄の香川照之は大人しくて温厚で他人に文句を言えないタイプ。

母親の葬儀をきっかけに、久しぶりにオダギリジョーが
地元に戻ってくると、実家のガソリンスタンドで、
彼が東京に出る前に付き合っていた智恵子(真木よう子)が
働いていた。

この真木よう子がビックリするくらい嘘みたいに
綺麗な顔をしているんですよ。ケラリーノ・
サンドロヴィッチの「おいしい殺し方」に出てた
犯人の女優さんですよね。彼女の主演した
「ベロニカは死ぬことにした」も観てみよ〜っと。

さて、真木よう子の話はおいておき、
オダギリジョーと真木よう子が、
夜に車でドライブしている場面。
セリフを引用します。


オダジョー「でも、兄貴とさぁ、二人すげえ息あってるね」

真木よう子「え、私?」

オダジョー「やっぱ嫉妬しちゃった、俺」

オダジョー「ねぇ、兄貴お前んち上がったことあんの?」

真木よう子「ないわよ」

オダジョー「じゃ、俺あがっていい?」

真木よう子 無言

オダジョー「おい、青だよ、こら」


ポイントは、最後の「おい」なんですが、
画面は戸惑った顔の真木よう子を映している
んですね。そのため、見ている側は最初、
オダギリジョーの「おい」が、前の車に
向けられたものだとは気がつかないんです。
当然、返事をしない真木よう子に彼が
暴力的なことを言ったように感じられ、
「青だよ、こら」と言葉が続いて、
あぁ、これは彼女に言ったんじゃない
んだとホッとします。小さな場面だけれど、
上手い演出です。

西川さんの演出のポイントはこのあたり
なのかなぁと僕なりに考えたりしました。
つまり、見せないことによって生み出される
効果なんです。実際、この後、真木よう子が
香川照之と一緒につり橋を渡り、彼女だけ
落ちて死んでしまいます。彼女が落ちたシーンを
オダギリジョーは見ているはずだけれど、
画面ではその場面を映しません。

だから、観客はオダギリジョーの行動の理由を
はっきりとは把握できないまま物語に付き合う
ことになります。真相を見せられていないことで
兄弟だけではなく、ホントはこうなんじゃ? 
と観ている側もゆれるのです。

それにしても香川照之がいいですねぇ。
いかにも善良そうなんだけれど、それだけじゃ
なさそうな風貌。恐いです。じっとたえて家業を
ついできた兄の、自由にやってきた弟への羨望。

しかし、この作品、いちおうラストで
真相が明らかになったような形になりますが、
よく考えてみると本当にそうなのだろうか?
という気持ちにもなってきます。う〜ん、
よく出来てますね。ただ、ラストの方は少し、
急ぎ足だったかな。

採点 ★★★★☆

i_cinema at 15:24│Comments(0)TrackBack(0) mixiチェック その他の邦画 

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