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●ボールパークの周辺の物乞い●
 ゲームはまだ途中であったが,ダルビッシュ投手が降板し,セブンスイニングストレッチも終わったので,ホテルに戻ることにした。
 アメリカ人の不思議なのは,こうしたゲームでは熱狂しているのやらそうでないのやらさっぱりわからないということで,7回くらいになると,さっさと家路に急ぐ観客がすごく多いのである。それは家が遠いからであろうか。しかも,夏時間だとゲームの開始時間自体が7時30分と遅いから,ゲームの終了まで見ていると次の日になってしまうことも多いのだ。
 私も特にナイトゲームの場合,ほどほどに切り上げて最後まで見た経験はほとんどない。
 以前,クリーブランドでクリーブランド・インディアンズ対ニューヨーク・ヤンキース戦を見たときに,あまりの大差でさっさとボールパークを後にしたが,その後インディアンズが猛烈に追い上げて,出るはずがないと思っていたクローザーのマリアノ・リベラ(Mariano Rivera)投手が登場した。それを見逃してしまったのは大失敗で,私のトラウマとなった。幸いにも,その数年後に,引退間近のリベラ投手をニューヨークで見ることができて,私のトラウマは帳消しになったからよかったものの…。

 ボールパークを出ると,ボールパークの周りにはすでに私のように客席から出てきた多くの観客がいて,ボールパークのまわりにあるモニュメントで写真を撮ったりしていた。歩いてボールパークの敷地を出てびっくりしたのは,多くの物乞いが金をもらうためにあちらこちらに座っていたことであった。
 私は西海岸のボールパークではそうした風景に出会ったことがなかった。サンフランシスコ近郊のオークランドのボールパークも決して雰囲気のよい場所ではなかったが,そこはボールパークからはそのまま地下鉄の駅に行くことができたから,地下鉄の終電が早いということを除けば安全なところだった。
 また,デトロイトでゲームを見たときは,パーキング代をケチったがために,ゲームの終了後,人っこひとりいないデトロイトのダウンタウンをパーキングまでさまようことになって身の危険を感じたが,それでも,物乞いは見たことがなかった。
 このあとに行くことになるワシントンDCでのゲーム観戦はデーゲームだったが,ここではゲームの開始前に,地下鉄の駅からボールパークに向かう間にも物乞いがたくさんいた。

 私は,この日,わずか3ブロック先にあるホテルまで,まったく身の危険を感じることもなく戻ることができてホッとした。
 ホテルの部屋に戻って,窓からまだ終わっていないボールパークの照明を眺めて,やっと,念願のボールパークに行くことができた喜びを感じたのだった。

 写真で見る限り,ボルチモアはとても美しい都会に見えるだろうが,実際にカムデンヤーズに行く計画のある方は,入念な準備をして,くれぐれも安全第一にベースボールを楽しんで来てください。