2013年08月
2013年08月26日
シンポジウムについての報道
ここでも共有させていただきます。
【NHK】
「犯罪被害者参加制度を考えるシンポジウム」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130824/k10014004031000.html
「犯罪被害者やその遺族が刑事裁判に参加する制度について考えるシンポジウムが東京で開かれ、参加した遺族からは、制度を評価する意見が出された一方で、「参加できる範囲が限られている」として改善を求める意見も出されました。
このシンポジウムは、犯罪被害者やその遺族が刑事裁判に参加する制度の現状や課題について考えようと開かれました。
まず、母親を殺害された女性が裁判で被告に直接質問した経験について講演し、「大切な家族を失うとなぜ殺されたのかなど無数の疑問が浮かぶ。その疑問について、たとえ被告から『分からない』という答えが返ってきても、裁判員には遺族の疑問が伝わる」などと、制度を評価しました。
このあと行われた討論で、刑事弁護に詳しい弁護士が「この制度の下では、被告が萎縮してしまい、被害者側の落ち度など自分に有利になることを述べなくなるケースもある」と指摘したのに対し、最高裁判所の担当者は、「被告と被害者がいずれも十分に意見を言えるよう裁判を進めることが必要だ」などと述べました。
さらに、交通事故で家族を亡くした小沢樹里さんが、今の制度では、被害者や遺族が裁判の前に争点を整理する手続きに参加できないことについて、「遺族の思いが反映されない」と述べ、制度の改善を訴えました。」
【読売新聞】
2013年8月25日社会面
「被害者参加でシンポ」
2013年08月25日
シンポジウム「被害者が参加して刑事裁判はどう変わったか」参加(2013.8.24)
2013年8月24日(土)、第1回犯罪被害者支援弁護士フォーラム(VSフォーラム)シンポジウム「被害者が参加して刑事裁判はどう変わったか」が日比谷で開催されました。
あいの会も参加しました。
代表の小沢樹里はパネリストとして登壇させていただきました。
たくさんの議題が交わされました。
そのすべてを拾って、ここに書くことはできません。
しかし強く印象に残っているやり取りについて、思い出す限り書いてみます。
まず「加害者の委縮」という議論がなされました。
小沢家の事件では4人の被告のうち、1人だけが委縮していました。
そしてその一人は加害者である被告の中で一番反省していた人でした。
いくつかの裁判を経験してきた中で思うことは、
委縮していないと言えるのは、結局のところ法曹関係者くらいで、
被害者も、加害者も、普段来ることのない裁判所に、
しかも当事者として来るわけで、緊張し、そして委縮もしていたと思います。
そして何よりも、加害者が委縮するかしないかなどということよりも、
言動や態度などで、裁判員は加害者の見るべき本質を見抜けると思います。
そう発言させていただきました。
すると、オブザーバーとして登壇されていた現役裁判官の方から、
「被告人が委縮しないようにすることが裁判所としては大切だと感じている」
との発言がありました。
それに対して、小沢は、
裁判官は、どんなに心ない加害者からであっても、
「ああ、すみませんでした、もうしません」という適当な発言さえあれば、
それを判決文のなかに「被告は反省している」と書きますが、
裁判員は、「表面的な言葉だけで、実際には反省の態度が見られない」
という本質まで見抜いてくれると指摘させていただきました。
ここで会場から拍手が沸きました。
そしてこの拍手は、とても嬉しく感じました。
と言うのも、やはり裁判員の意義を非常に感じていたからです。
小沢の事件でも、裁判員に望みをかけた部分が非常に大きかったからです。
法曹関係者の意見だけで進められてしまっていたら、
危険運転致死傷ほう助での実刑はなかったのではないかと思っています。
裁判員がいたからこそ、加害者達の本質を見抜き、小沢の事件で言えば、
運転手にハンドルを握らせるくらいの同乗者との間に上下関係があった、
という精神的なほう助の存在を認めてくれたのだと強く思っているからです。
そして被害者参加制度の中での、参加弁護士の役割の必要性も話しました。
また検事とのコミュニケーションがうまく取れない場合には、
担当検事の交代ができる制度や、もう一人の検事がサポートにつく制度など、
被害者やその遺族が納得した上で裁判進められるよう工夫してほしい。
そういうことも訴えてきました。
そして、公判前整理手続きに被害者を加えてほしいという思いも伝えました。
これについては、同じパネリストの被害者の方も同じ意見を話されていて、
それぞれ人証や物証の取り扱いに制限があったため、
十分に法廷の場で伝えきれなかったことを話をしました。
加害者側弁護士も登壇していたのですが、彼らの意見として、
「公判前から被害者に入られたら、手の内がばれるので困る」
という意見がありました。しかし被害者が伝えたいことは、
決して量刑に左右されるものばかりではなく、犯罪の残忍性や、
被害者本人の生きていた時の姿、事故前後の顔写真など、
法曹関係者とは違う視点で、被害者側として伝えたいと訴えました。
まだまだ課題はありますが、これまでとの違いを考えると、
被害者参加制度を利用できるようになったことは大変意義深いと思っています。
と同時に、まだ裁判所によって、あるいは検事によって、
裁判員裁判や被害者参加制度のあり方に差があることに不安を感じています。
そうした見直しの課題もあるのだと感じたシンポジウムでした。
会場の中からも、たくさんの意見や想いを聞くことが出来て、
素晴らしいシンポジウムだったと感じています。
犯罪被害者支援弁護士フォーラムの弁護士の方々が、
お互いの経験してきたたくさんの事案を共有しあい、
より被害者の気持ちに寄り添う活動を展開していけることをを願っています。
2013年08月22日
警察庁を訪問してきました(2013.8.22)
本日、警察庁に訪問してきました。
昨年解散した全国交通事故遺族の会の理事だった片瀬さんより、
警察庁交通局の担当者の方をご紹介いただけることになり、
まずは、あいの会としてのご挨拶と意見交換に行ってきました。
本日意見交換をした内容は、本当に盛りだくさんでした。
自転車問題、早期の道徳教育、ドライブレコー
飲酒運転疑惑時の同乗者アルコール検知の義務化、
実況見分調書の重要性、悪質運転者の免許剥奪措置、
交通安全ポスターのあり方、被害者支援室の改善点・・・などなど。
自転車については、ナンバーの義務化ができないのかと意見提起を行い、
また子供から乗る自転車は、早期からの道徳教育の重要性を訴えました。
自転車でも加害者になるという認識がまだまだ希薄過ぎるのではないか。
さらに、そうした自転車の問題から、スイスでの交通マナーの良さや、
韓国の未就学児童への安全教育についても話題が及び、
そうした問題を改善していくためには、早い段階での教育が必要で、
そのためにも文部科学省とも連携しての取り組みをお願いしました。
ドライブレコー
最初から車に取り付けられているのが本来だと訴えました。
事件解明でも、それで100%解決するわけではないかもしれないが、
それでも90%はドライブレコーダーを確認するだけで解決するはずです。
だから事件解明のためには、映像提出を義務化すべきだし、
提出を拒むような者は、一切反論を許さないほど厳しい措置が必要です。
飲酒運転事件での同乗者アルコール検知は不徹底な場合がある。
現場警察官の対応の個人差をなくすために義務化してほしいと伝えました。
運転していた者が誰なのかごまかされる、すり替わりの問題もあり、
同乗者へのアルコール検知をしなければ、ごまかしを成功させてしまう。
そうした逃げ得をさせないためにも同乗者チェックは必ず必要なことです。
それらの問題も含め、実況見分調書のことも訴えてきました。
小沢家の事件では、現場警察官が熱心し捜査してくれて、
あとから確認してみたら、100点満点の調書を作ってくれていました。
100点の調書があったから、ここまでのことができたこともあります。
しかし他の遺族に聞くと、決して100点の調書ではなかった方が多い。
実況見分調書は、警察官としては何よりも重要視して取り組む書類で、
それをおろそかにしたりすることは決してないとのことでしたが、
やはり遺族の目線として、これはお願いしないわけにはいきませんでした。
また悪質運転者に対しては、免許剥奪措置の必要性を訴えました。
東京23区以外、特に地方に行けば行くほど、車は1人1台のものとなり、
免許の剥奪は生活手段を奪うからこそ、抑止効果があると考えます。
また警察庁内にも交通安全のポスターが貼ってあり、
それは小学校にも貼ってあるものと同じものでしたが、
漢字ばかりで多くの小学生には読めないものだと指摘させてもらいました。
これは警察庁でも盲点だったみたいで、フリガナ付けをお願いしました。
最後に各自治体の被害者支援室についても、名称がまちまちで、
被害者を不安にさせることがあるので、名称統一が必要だと伝えました。
また自治体サイトのわかりにくい場所にしか紹介されていなかったり、
そのサイトのリンクに飛ぶとNotFoundになっていたりということがあるので、
そうした現状についても、改善をお願いしてきました。
午前10時に行って、庁舎を出たのは正午過ぎでした。
2時間もお付き合いいただいたこと自体もすごいことですし、
何よりお話を聞いていただいた担当者が真摯で熱心な方々でした。
今日は本当に最初のご挨拶だけです。
これから良い関係を続けていき、たゆまぬ意見交換を行っていき、
私たちの想いが少しでも反映されるようにしていきたいと願っています。
2013年08月12日
断酒会参加
8月10日(土)、あいの会の小沢家は断酒会という会合に出席してきました。
そもそも断酒会とは?
断酒会とは、アルコール依存症や問題となる飲酒を「酒害」と定義づけ、
そこからの自力更生を参加者に促すための相互援助団体(自助団体)です。
全国に多くの組織があります。
各地の断酒会では、酒害者が各自の経験を分かち合う例会を行っています。
小沢家が参加してきたのもこれになります。
ただ小沢自身がアルコール依存症に苦しんでいるわけではありません。
小沢家は、飲酒運転による暴走車によって両親を奪われ、
双子のきょうだいにも重傷を負わされ、今も後遺症に苦しまされています。
そのため小沢家としては、飲酒問題には無関心ではいられないのです。
だから小沢家は、飲酒運転事犯による被害者遺族として参加すると同時に、
飲酒問題に無関心ではいられないからこそ、
問題に苦しみ、克服しようとする人たちから学びたいという目的もあります。
また飲酒問題は偏見があってはならない問題でもあります。
自分の抱えている飲酒にからむ問題をはっきりと自覚し、
それを自力で克服しよう取り組む方への理解は必ず必要です。
そうした理解なくして、飲酒運転問題の根本的解決は難しいと考えています。
これからも小沢家は断酒会に参加していき、そこから得られたものは、
今後の飲酒運転撲滅にかかわる活動に役立てていきたいと思っています。
2013年08月11日
埼玉県での被害者支援自助グループ発足
だから、もし埼玉県で何らかの被害に遭遇していても、
これまでは県内で自助グループがな
ぜひ自助グループを発足してもらいたいという気持ちが強
そこで他のグループの方々とも協力し合って、
公益社団法人・埼玉犯罪被害者援助センター内に場所をいただき、
もちろん私たちだけではできなかったことです。
一緒に力を合わせてもらった他のグループの方々のおかげです。
まだ発足間もない状況ではありますが、これからもっと整備していき、
埼玉県の被害者支援の自助ネットワークを広げていけたらと思っています。
そして支援の輪が広がっていくことを期待していきたいと思っています。

(文責・東)
行田市・安全運転管理者等講習での講演活動(2013.8.9)
引き続きの安全運転管理者等講習での講演。
2013年8月9日(金)、今回は埼玉県は行田市に行きました。
会場は行田市教育文化センター「みらい」でした。
行田市は、小沢家が奪われた両親の生前住んでいた場所でした。
そのこともあり、どうしてもそのことに対する思いを強く感じてしまい、
うまく話すことができなかったという後悔が残ってしまいました。
伝えたかったメッセージがしっかり伝わったか・・・不安が残ります。
しかしノートに真剣に書き込みながら聞く受講者も何人かいました。
人前で話すと、受講者一人ひとりの表情が鮮明な形で目に入ってきます。
そうした真剣な受講者の存在は、話す側としてもとても勇気づけられます。
もしかしたら伝えたい内容は100%は伝えられなかったかもしれません。
そのことは、今回の受講者の方々に対して申し訳ないと思っています。
しかし例え100%の結果でなくても、真剣に話を聞いてくれた方々が、
強い安全意識をもって、日々の職務をまっとうしてもらえると同時に、
周りの先輩・後輩・同僚に対しても、伝えたことをさらに伝えていただき、
メッセージを伝播していってもらえることを祈らずにはいられません。

(文責・東)
2013年08月08日
上尾市・安全運転管理者等講習での講演活動(2013.8.6)
2013年8月6日(火)、「安全運転管理者等講習」の講演に再び行ってきました。
場所は上尾市文化センターです。
2013年度埼玉県安全運転管理者等講習では5回目の講演活動となります。
小沢樹里&小沢恵生の2人での講演です。
今回は、これまでに比べると受講者数は少なめでしたが、
その分、一人ひとりの顔を見て、気持ちを込めて話すことができたようでした。
普段は小沢樹里が比較的多めにすことが多いのですが、
今回は小沢恵生からも長めのメッセージを伝えさせていただきました。
恵生は、事件にあった車に同乗し、今も重い障害に苦しむ被害当事者です。
被害者遺族でもあり、事件のその現場にいた被害者本人でもある恵生は、
事件のその日その時の辛い思いを語り、今も続く後遺症の苦しみを語りました。
法律の闘いが終わった現在も、小沢恵生は高次脳機能障害と闘っています。
高次脳機能障害についての世間の理解は、決して十分なものではありません。
高次脳機能障害との闘いは、世間の誤解や無理解との闘いでもありました。
だからこそ恵生は、高次脳機能障害がどんなものかについて語り、
日々の苦しみについて語り、高次脳機能障害というものについて、
もっと知ってほしいという気持ちを受講者に伝えました。
交通犯罪は多くの悲しみや苦しみを生みます。
そうした悲劇が少しでも減ることを願い、これからも講演活動を続けていきます。
(文責・東)

2013年08月05日
本庄市・安全運転管理者等講習での講演活動(2013.8.2)
2013年8月2日(金)、埼玉県本庄市において、小沢樹里・小沢恵生のコンビが話をしてきました。
埼玉県警と埼玉県公安委員会のお招きによる4回目。
場所は本庄市児玉文化会館セルディ。
受講者は177名とのことでした。
今回は特に、運転に関わる企業には、遺族側の詩集や本だけではなく、加害者側の意見なども研修素材として取り入れてほしいこと、そして酩酊状態体験ゴーグルやアルコールチェッカーなども積極的に取り入れてほしいことなどを伝えてきました。
メモを取る方も目立ち、涙を拭きながらうなずく方もいました。
私たちの一番のメッセージは、繰り返しますが、誰にも加害者にも加害者にもなってほしくないということです。
今回もそのメッセージはハッキリ言葉にして伝えてきました。
きっとその私たちの想いは伝わって、受講者の皆さんが日々の業務に戻った時に活かされると信じています。

狭山市・安全運転管理者等講習での講演活動(2013.7.30)
(※一定台数以上の車を使用している事業者に定期的受講が義務付けられている研修)
2013年7月30日(火)、埼玉県狭山市で「安全運転管理者等講習」講演をしてきました。
埼玉県警と埼玉県公安委員会主催による第3回目。
場所は狭山市民会館でした。
話す内容は、その都度バリエーションが異なる時もあります。
しかし私たちが伝えたいメッセージは一環して変わりません。
「誰にも加害者にも加害者にもなってほしくない」
なによりもその思いが一番です。
特に運転に関わる業務にたずさわる方々が、
「自分は絶対に加害者にならない!」
という強い意思決定をした上で、日々の業務に励んでもらえたら、
そしてその気持ちをいつまでも持ち続けていてくれたら、
あってはならない悲劇が大幅に減ることは間違いないはずです。
そのためにも、この「安全運転管理者等講習」で話す機会は大切にしていきたいし、
1回1回の講演に対して、真剣に向き合っていきたいと思っています。
そして機会を与えていただいた埼玉県警と埼玉県公安委員会には感謝しています。

