2014年01月
2014年01月31日
朝日新聞にあいの会メンバーの想いが2回連載で載りました(小沢恵生2014.1.29、中村正文2014.1.30)
あいの会メンバーの事件後の想いが、
地域面ですが朝日新聞に掲載されました。
「支える/交通事故死者180人」と題した2回の連載。
1月30日は、飲酒暴走車に正面衝突された車に同乗し、
両親を失い、自らも今も重い障害に苦しむ小沢恵生。
これは2人が住み、そして事件のあった埼玉県内で、
昨年(2013年)、交通事件死亡者が180人いたことを受け、
その被害者や遺族が背負う心の痛みや後遺症の苦しみに、
どう接し、支えることができるか考えた特集記事でした。
小沢のブログ(家族の光の中へ)
http://blogs.yahoo.co.jp/kbpnx111/38131773.html
中村のブログ(月になった妻)
http://blogs.yahoo.co.jp/nakamatuma3fu3/11030559.html
上記ブログでも、今回記事について、それぞれ書いています。
しかしここで加えて、あいの会としても伝えたいことは、
交通犯罪で人の命が奪われるということは、
ただその人の命が奪われるだけでなく、
残された家族の生活が一変させられるのだということ。
後遺障害に苦しむということは、ただ症状に苦しむだけでなく、
夢もあきらめ、日々の生活や周囲との関係にも苦しむこと。
そしてそのための理解と支援がもっと必要だということです。
そうした理解がもっと多くの人に広がるようになってほしい。
また市町村の支援も、もっと積極的にできるようになってほしい。
それが実現されるよう、これからも活動していきたいと思います。
2014年01月30日
自転車死亡事件の民事訴訟判決(2014.1.28)
1月28日」(火)、あいの会副代表の東(あずま)が訴え、
2年間闘ってきた民事訴訟の判決言渡しが東京地裁でありました。
あいの会メンバーも支援で駆けつけて、見守らせていただきました。
判決内容の詳細は、東自身が、自らのブログでも報告しています。
http://ameblo.jp/azumin827/entry-11760772686.html
金額はここでは書きませんが、各報道の通りです。
「勝訴判決」「高額賠償判決」と報道される内容になりました。
しかし100%訴えが認められたわけではありません。
お母様の生命が奪われたことについての損害は認定されました。
そして加害者が極めて不誠実だったことの慰謝料も加味されました。
これら直接被害は認められましたが、間接被害については却下でした。
お父様が鬱になってしまったことの認定はされませんでした。
しかし自転車も、自動車と同じく、凶器になりうることを、
裁判所として認めていただいたことは評価したいと思っています。
ただ「車並み」という報道をされていることについては、
これは本来当然のことで、もっと当然視されるべきと考えています。
また判決後、記者会見も行いました。
東本人、その代理人の正田光孝弁護士、そしてあいの会代表の小沢、
この3名で登壇して、貴社の方々に話をさせていただきました。
記者会見で話した内容は、こんな内容です。
東が話した内容。
【①今回の判決について】
直接被害は認められたが、間接被害を認められなかったのは残念だ。
しかし直接被害については、重大な事件だと判断された意味は大きい。
自転車は軽く扱われがちだが、そうではないという機会にしてほしい。
【②刑事公判を振り返って1(自転車の位置づけ)】
自転車は道路交通法上は車両だが、刑法や自動車新法では対象外。
今後も自転車遺族は重過失致死で軽い刑に泣くと思うとやりきれない。
自転車も人を殺める凶器になりうるし、交通犯罪として扱ってほしい。
自転車の新法を作るか、車両としてはっきり刑法に組み込んでほしい。
【③刑事公判を振り返って2(執行猶予について)】
今回加害者のように執行猶予は食い逃げ可能なものになっている。
執行猶予付き判決など、実質無罪に他ならない。
執行猶予が付けば加害者はそのまま家に帰って罪を忘れてしまう。
しかし1年でも半年でも1ヶ月でも1週間でもいい、実刑になれば、
刑務所に収監され、その間、犯した罪と向き合うことができる。
人の生命を奪った犯罪は、原則実刑にする法整備をしてほしい。
執行猶予を得た理由を反故にした場合は、収監する法改正も必要だ。
【④支援の重要性】
被害者遺族は孤独になってはいけない。
私は刑事公判の時、孤独で被害者参加制度も活かせず無念を残した。
きっと他の自転車遺族も、同じく孤独で、無念を残していると思う。
だから伝えてほしい。ここにあいの会があって、自転車遺族がいる。
もし孤独に苦しんでいる自転車遺族がいれば、連絡をしてほしいと。
繋がって、支え合うこと、支援、サポートはとても大切なことだ。
小沢が話した内容。
【⑤安全教育の重要性】
自転車は子供の頃から誰もが乗るから安全教育が大切だ。
人を死傷させる凶器になるかもしれない自覚を早くから植え付けたい。
今回判決については、認定された賠償額ばかりが注目されています。
しかし東も、他の遺族も、お金のために闘ったわけではありません。
奪われてしまった家族の生命の尊厳を少しでも取り戻すこと。
軽く扱われがちな交通犯罪の悲劇と重大性を伝えること。
少しでも良い判例を残し、後に続く被害者遺族の支えを作ること。
私たちは、そうした目的のために、民事訴訟を起こしています。
それをこれを読む皆さんには理解していただきたいと思っています。
また全国の自転車被害に遭った遺族の方へ呼びかけです。
これを読んでいたら、私たちに連絡をください。
また自転車被害者遺族が近くにいれば、教えてあげてください。
ここに自転車被害者遺族がいます。きっと支援ができます。
また記者会見後、あいの会で一つの話し合いがなされました。
支部か姉妹組織か、自転車の遺族の会を作ることにしました。
これは関東か否か関係なく、全国規模にしたいと思っています。
2014年01月27日
2014年01月26日
内閣府ホームページに紹介ページを作っていただきました
内閣府のホームページ内に、
私達あいの会の紹介ページを作っていただくことになりました。
【犯罪被害者団体等紹介サイト】
http://www8.cao.go.jp/hanzai/soudan/dantai/dantai.html
上記の各団体紹介ページの中に、まぜていただいています。
【あいの会の詳細情報ページ】
http://www8.cao.go.jp/hanzai/dantai/shosai1/j-29.html
私達の目標はまだまだ先にありますが、
その過程で、こうして国からも存在を公式に認めていただき、
応援していただける格好になりました。
これは良い流れとして素直に喜び、がんばっていく励みにして、
さらに力と思いを尽くし、活動を続けていきたいと思っています。
2014年01月22日
虹色ファンド(埼玉県東松山市)より感謝状をいただきました(2014.1.20)
あいの会より、本当に気持ちばかりの寸志ですが、
「虹色ファンド」という基金に寄付を行っていました。
これは埼玉県東松山市が主宰するもので、
子供たちを事故や事件から守る趣旨で設立されたものです。
これに関連して、東松山市より感謝状をいただくことになり、
1月20日(月)、その贈呈のために、会代表の小沢家まで、
わざわざ市役所の担当の方が来ていただくことになりました。
担当者の方ともたくさんの意見交換や話し合いの機会があり、
私たちからも、被害者遺族としての思いを伝えました。
事故事件の被害者にも加害者にもなってはいけないこと。
しかしそれが起こってしまった時に、自分に何ができるのか、
皆が考えられるような、あたたかい社会になってほしいこと。
学校でも生命のメッセージ展の常設展示を行ってほしいこと。
市立の図書館や、学校の図書館にも、もっともっと、
遺族の思いを知ってもらえる書籍を増やしてほしいこと。
そんな話をさせていただきました。
また市の担当の方に、何かを感じてもらえるかもと思って、
亡くなった小沢家の両親の生命のメッセンジャーを預かり、
小沢家自宅で、担当の方にも間近に直接見てもらいました。
やはり本や言葉では伝えられない思いもあります。
メッセンジャーにはそれを伝える力があることを感じました。
市の担当の方々も、真剣に見ていただいていました。
私たちの思いは、決して遠いところにあるのではなく、
日常のなかの、もっと近いところにあるのだということ。
そして、これから育っていく未来ある子どもたちが、
一人でも交通を含めた犯罪被害に巻き込まれないように、
自分の命も、他人の命も、近くに感じとってほしい。
そうメッセンジャーが伝えている気がしました。
私たちは、些細な額ではありますが、こうした寄付によって、
自分たちの住む市町村の安全性や、子供たちに示す未来像を、
他のたくさんの市町村も真似て、模倣していってもらい、
自分のことを他人への思いに置きかえられる、
そんなやさしい町作りに拡がっていってほしいと願いました。
虹色ファンドは、運用開始がされてまだ2年目だそうですが、
今後ずっと継続していくことに意義があると感じました。
「あたたかい町作りに参加していますか?」
「あなた自身が人にあたたかい思いやりを持っていますか?」
そう誰に問われても「はい」と言える私たちでいたい。
今回は、埼玉県東松山市に関しての話になってしまいますが、
横川雅也市議が被害者支援条例の設置を訴えかけ、
それに呼応して、東松山市自体もいま動き出そうとしています。
これはもちろん東松山市という一市町村だけではありません。
私たちも、傍観者にならずに、これからも継続して、
できることをして、伝えられることを伝えていこうと思います。
2014年01月19日
【寄稿001】「刑事事件で弁護士を早期に依頼する必要性」(髙橋正人弁護士)
あいの会では今後、専門家の方に寄稿をお願いし、
理解と知識を広げていく活動も行っていきます。
そのリレー寄稿掲載の第1回目として、
私たちあいの会の顧問をしていただいており、
犯罪被害者支援弁護士フォーラム事務局長もされている
弁護士の髙橋正人先生に寄稿をお願いをしました。
今後も続けていきますので、ご認識をお願いします。
以下、髙橋先生から寄せられたご意見です。
****************
「刑事事件で弁護士を早期に依頼する必要性」
戦後60年続いた刑事手続は、今や大きく様変わりしています。言うまでもありません。平成20年12月1日から始まった「被害者参加制度」がその象徴です。
ところが、交通犯罪(交通事故)の被害者自身・ご家族・ご遺族(以下これらを併せて「被害者」と呼びます)の中には、被害者は刑事手続でやれることはほとんどなく、被害者参加制度が、交通犯罪で大変に有用な手段であることに気づいていない方も多くおられるようです。
確かに、警察署や検察庁が作り上げた実況見分調書に疑問を感じている被害者が、それに異議を述べるためには、「従前」は、民事の損害賠償の訴訟しかありませんでした。死人に口なしの捜査結果にどんなに不満があっても、不本意な刑事の裁判が終わるのをじっと待ち、その上であらためて自分で証拠を集め、自分の費用で民事訴訟を起こし、民事の裁判官に訴えるしか方法はなかったのです。
しかし、被害者参加制度ができてからは、刑事手続であっても、被害者ができることが格段に増えました。刑事の手続に被害者が積極的に関与できるようになったのです。
たとえば、捜査に疑問があるのであれば、刑事の裁判が始まる前に、検察官に補充捜査を求めることができるようになりました。事実、私が担当した事件でも、検察官に補充捜査をしてもらい、被害者参加制度がない時代であれば執行猶予がつくよう事案でしたが、実刑判決を勝ち取ったことがありました。さらに、(刑事)裁判が始まれば、加害者に対し、直接、自分が疑問に感じていることをストレートにぶつけて問い質すことができるようになりました。これを被告人質問と言いますが、これを行うことで、自分の頭の中でループ状態にあった疑問が少しでも解消できるようになり、事件から一区切りをつけることができるようなりました。さらに、加害者の情状のため加害者のご家族が証言にたった場合、今後の被害弁償や謝罪になどについて追求することも可能となりました(証人尋問)。そして、裁判の最後には、被害者の心情を裁判官に直接、聞いてもらったり(意見陳述)、検察官の求刑とは別に、「加害者には○○○○○という刑を言い渡して下さい。」と訴えたりすることもできるようになりました(被害者論告・求刑)。
もちろん、こういった刑事手続については被害者は全くの素人ですから、ご依頼があれば、法律のプロである弁護士が手助けすることができます。むしろ、刑事手続の専門性を考えると現実には、弁護士に手助けをしてもらわないと、刑事手続の土俵に被害者の気持ちを思い通りに乗せてもらうことはできないでしょう。
だからこそ、できるだけ早い段階から弁護士にご依頼し、ともに闘っていくことが真相の解明には必要なのです。
関東交通犯罪遺族の会顧問
犯罪被害者支援弁護士フォーラム事務局長
弁護士 髙橋正人
2014年01月13日
2014年講演初め ~被害者支援センターすてっぷぐんま様での講演活動(2014.1.11)
2014年のあいの会講演初め。
1月11日(土)、小沢家総出で群馬県前橋市に行ってきました。
招いていただいたのは、被害者支援センターすてっぷぐんま様です。
http://www.step-gunma.org/
今回は被害者支援の専門家を養成する講座の一環として、
お話する機会をいただくことができました。
以下、小沢樹里の感想をお伝えさせていただきます(編者・東)
*****************
群馬県の支援者養成講座が終了しました。
小沢家4人全員で講演ができました。
初めてで、とても緊張しました。
特に恵司は時間そのものはとても少なかったのですが、
とてもよく頑張って話し、当時の辛さや、
被害者支援の中で一番助かったことを伝えてきました。
ちなみに恵司の話した内容は・・・
・事故瞬間からの想い
・入院生活の中での大変さ
・復学の大変さと厳しさ
・裁判などでの休憩について
・障害
・支援者について
などについて、10分くらい話してきました。
支援者について一番うれしかったことを振り返ると、
時折もらえる手紙がうれしかったそうです。
やはり、事件当時からずっと見ていてくれたからこそ言える、
温かみのある、成長を見守ってくれた支援者の方からの言葉・・・。
そこには見ていてくれたからこその想いが入っているので・・・
うれしかったし、頑張ることができたと話していました。
2014年01月04日
新年のご挨拶 2014
このブログを閲覧していただいている皆さま、
あいの会をいつも応援していただいている皆さま、
昨年は多大なご協力とご支援をありがとうございました。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
年明けの瞬間から、 また新しい1年が始まりました。
私たちもそうですし、関わる他のご遺族の方にとっても、
正月を迎えることについては、複雑な思いを抱えています。
「あけましておめでとう」と素直に言えない人も多くいます。
しかし新年を迎えるということを否定するのではなく、
気持を新たに、前に進む区切りにはしたいと思ってます。
私たちも、心新たに迎えられるように心を清め過ごしています。
「大切な人を亡くす」ということは、物凄い恐怖です。
頭では誰でもわかっていることだけれども、
誰もが経験しているわけではないことです。
それをわかっている人の心の強さや辛さは計り知れません。
小沢家の場合、両親が亡くなり、弟妹の看病に追われ、
それのどれもが、とほうもなく大変なのに、
時間の経過の中で当たり前に過ぎていってしまう苦しさ・・・。
そんな無情な時間の流れの中で、この数年間、
「遺族」として、「被害者家族」として、生きてきました。
「死」というものがあまりに近くなりすぎて、
いろいろな感覚が麻痺してしまっていたようにも感じます。
どの人がかけてくれる言葉も、みな重みのある言葉でした。
受け止める事はその人自身にしかできないのがわかります。
だからどのような言葉でも聞くしかないのだと思ってきました。
しかしその中で悟ったことがあります。
訴える重みと受け止める重みは、人によって違う。
だから近ければ近いほど、どのように受け止めるべきか、
より慎重に、よりじっくりと考える必要があると。
この数年間を振り返ると、よぎる思いは尽きません。
私たちは何をしてきたのだろう。
私たちはどんな話を聞いてきたのだろう。
どのような言葉を人に伝えてきたのだろう。
話す相手と心からリンクして同調できているのだろうか。
いや、そもそも同調することがいいことなのか・・・。
何年たっても、何をしていいのか迷っています。
「苦しいよね」
「お正月って逆にツライよね」
「泣いていいよ」
事件のあった1年目に誰かにそう言ったことがあったか?
はたして事件から5年目にも同じくそう言うべきなのか?
いまでもこれという解答はありません。
しかし人によって表し方の違う「大切な人の死」は、
受け止め方もそれぞれだとあらためて気づきました。
奪われた家族の誕生日、失われた大切な人の命日・・・
どれが一番悲しいかは人によって異なります。
「生きる」
「生きている」
「これからも生きていく」
それが突然奪われるということがあること。
そんな当たり前のことがとても難しい時があること。
リハビリや障害で、周囲の無理解に苦しむ時もあること。
どれもこれも、みな苦しいことがたくさんあります。
誰もが理解しているわけではない「大切な人の死」の辛さ、
誰もが被害者にも加害者にもならないように、
私たち自身が、私たちの経験した事実と思いを抱きしめて、
今年もまた発信を続けていこうと思っています。
なお昨年は、講演会、意見交換会、グリーフケア・・・
などなどを行ってきましたが、すべてが初めての試みで、
試行錯誤も多く、不慣れが目立ってしまったと思います。
せっかくお助けいただいた皆様のご期待に応えるためにも、
今年はより良いものを作り上げていきたいと思います。
今年は特にグリーフケアを重点的に行っていく予定です。
被害者や遺族が抱える心の傷は、
本人は平気なようでいたとしても、個人差はありますが、
みな、深刻な傷として、ひきずり続けているからです。
まずは被害者や遺族が、自らの傷から救われなければ、
何も解決しないと私たちは考えています。
また遺族が抱える問題として、子供の育児があります。
あいの会でも、育児の困難に直面している仲間がいます。
遺族になるということは、家族を奪われただけでなく、
遺された者がどう生活を建て直し、
どうやって生き続けていくかという問題でもあります。
その困難が一番如実に表れるのが、子供の育児です。
この課題についても、考え、動いていきたいと思います。
具体的な活動内容は順次告知していまります。