2014年05月
2014年05月26日
高崎健康福祉大学高崎高校での講演活動(2014.5.23)
5月23日(金)、群馬県にある高崎健康福祉大学高崎高校で講演をしてきました。
約1500人という圧倒されるスケールの講演に私も妹もびっくりしました。
ですが生徒さんもとてもよく聞いてくださり最後まで話しやすかったです。
今回は「生命のメッセージ展」からの依頼で「命の大切さを学ぶ教室」でしたが
初めてパワーポイントを使って講演をしてきました。
とにかく初めてのことばかりでした。
ですが、少しでも自分が成長していけるよう、今後も勉強をしていこうと思いました。
話の内容は
・飲酒運転の危険性
・同乗者や酒提供の危険性
・被害者・遺族となって困ったこと
・困ったことについてどうしてほしいか
・友人の大切さ
・家族の大切さ
・誰もが支援者になれること
(特に今回はアスリートもいる高校でしたので、誰かを助けるというこころの大切さ、そしてスポーツは誰もが熱くなることができるものです)
ということを言ってきたつもりです。
生徒さん自身が今後、歩んでいく道の中で、
被害者にも加害者にもなりませんよう心から願っています。
2014年05月20日
あいの会5月度定例会の報告
池袋で行う予定でしたが、小沢家の長女が細菌性胃腸炎に罹り、
急遽小沢家が病院に詰めることになってしまったため、
病院のある川越で、内々に6月と7月の取り決めだけしました。
(小沢家と中村家のみ。東(筆者)も前後の予定で川越まで行けず欠席・・・)
定例会の直前に、小沢家の長女は無事退院となりました。
ご心配をおかけしました皆様、たくさんのお気遣いをありがとうございます。
先に告知の通り、6月に行う交通犯罪被害者遺族をお招きしての講演会。
そして設立2周年になる7月に行う「被害者支援活動に感謝する会」。
これらの段取りを検討して、メンバーそれぞれが課題を持ち帰りました。
1回1回の催しに悔いが残らないよう、心を砕いていきたいと考えています。
なお6月の講演会も、7月の行事も、どなたでも参加自由です。
(7月は来場者数の把握のため、事前にご連絡をいただけると助かります)
また最近、このブログを見たご遺族からご連絡をいただくことが増えました。
もしこのブログをお読みのご遺族の方、被害者の方がいましたら、
遠慮なく私たちにコンタクトをしてきてもらえると嬉しく思います。
一人で悩むことは、遺族・被害者にとって、決して良い結果をもたらしません。
気持ちを話し、語り合うことで、見えてくる道もあるはずだと思っています。

2014年05月18日
あいの会6月講演会のお知らせ
あいの会の6月度講演会を下記の通り開催します。
【内容】交通犯罪遺族が自身の経験を語る
(現在調整中ですが、被害者遺族の方にお話をしていただく予定です)
【日時】6月14日(土)14:00~16:00
【場所】ア―クホテル東京池袋
http://www.ark-hotel.co.jp/tokyo/
東京都豊島区東池袋3-5-5
TEL:03-3590-0111
【参加費】無料
【懇親会】ビヤホール ライオン 池袋東口店
http://tabelog.com/tokyo/A1305/A130501/13027214/
(※懇親会費については、別途ご負担をお願いする予定です)
私達あいの会で開催する、今年最初の講演会となります。
被害者遺族同士が、会や所属や地域を超えて、つらい経験を語りあい、
そうした悲劇が再び繰り返されることのないように誓い合うことは、
きっと交通犯罪を減らしていくことにつながっていくと考えています。
お話いただける方が正式に決まりましたら、追って告知いたします。
2014年05月05日
【寄稿002】「犯罪被害者にとっての刑事手続と民事手続について」(河野敬弁護士)
私たちあいの会では、専門家の方に寄稿をお願いし、
理解と知識を広げていくリレー寄稿掲載も行っています。
前回の髙橋弁護士に引き続き、今回は第2回目として、
犯罪被害者支援活動を行っている河野敬弁護士にお願いをしました。
以下、河野先生から寄せられたご意見です。
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「犯罪被害者にとっての刑事手続と民事手続について」
1 犯罪の被害に遭ったとき、被害者の方は、犯罪事実を明らかにし、加害者がきちんと処罰されることを望むと思います。この加害者の処罰に関する手続が刑事手続です。また、被害者の方は、犯罪によって被った損害を加害者に償わせることを望むと思います。このための手続が民事手続です。これらは皆さんもご存知だと思いますが、簡単に説明したいと思います。
2 刑事手続について
刑事手続は、ごく簡単に言えば、検察官が犯人の処罰を求めて立証を行い、弁護人が加害者を弁護し、裁判官が判断するという手続です。この手続の最も大きな目的は、罪を犯した者に対し適正な刑罰を科すことによって法秩序を維持するという国家的な観点からのものとされています。そこで、裁判官だけでなく犯人の処罰を求める検察官も公益の観点から手続を進めることになります。もちろん、被害者の方に対する配慮はなされますが、公益が優先されるため必ずしも十分なものとは言えません。つい最近まで、被害者は、刑事手続において、供述調書を書いたり法廷で証言したりすることにより検察官に協力して証拠を提供するだけの立場であったといっても過言ではありません。このため、刑事裁判は、被害者にとって納得できないまま進められ、不本意な結果に終わることも多くあり、被害者の方々はこのような手続に大きな不満を持っておりました。
そこで、被害者が立ち上がり外国の制度を研究したり国民や国会の理解を得るために奔走した結果、刑事裁判において、被害者も当事者として参加し、意見を述べたり加害者に質問したりすることが可能になりました。これが被害者参加制度と言われるものであり、平成20年12月以降に起訴された裁判から施行されています。この制度は、それまでの刑事裁判を大きく変える画期的なものであり、これによって、刑事手続に被害者の意向や気持ちが大きく反映されるようになりました。この被害者参加制度については、別の機会に詳しい説明があると思います。ただ、ここでは、刑事裁判でも被害者参加ができないものもあること、しかし、この説明を見ていただいている多くの方にとって関心がある交通事犯では、被害者参加ができることだけ述べておきたいと思います。
3 民事手続について
民事手続は、一言で言えば、被害者が加害者に対して損害賠償請求を行うための手続です。被害者の方は、犯罪によって多かれ少なかれ経済的、精神的損害を受けることが通常ですので、この損害を回復することは切実な問題だと思います。ただ、中には、お金の話をするのは「はしたない」とか「あまり感心しない」などと考える方もいるかもしれません。しかし、加害者に対して損害賠償請求を行い加害者にきちんとした償いをさせることは、被害者の方の正当な権利ですし、加害者に自分が犯した罪を自覚させるためにも非常に大切なことであることを理解していただきたいと思います。
ところで、民事上の請求(つまり損害賠償請求)をする手続としては、裁判所の関与を受けずに交渉する示談、裁判所で話し合いを行う調停、そして、裁判所の判決を求める民事訴訟などがあります。また、平成20年12月以降、刑事裁判の延長上の簡易な手続で損害賠償請求ができる制度ができました。これらについては、別途解説があると思いますので、ここでは、最も典型的な民事訴訟(民事裁判)について、簡単に触れたいと思います。民事訴訟は、被害者が、加害者に対し、犯罪行為によって生じた損害の賠償を請求する手続ですので、犯罪事実があったこと、これにより被害者に損害が発生したことを主張し、立証することになります。そして、民事訴訟は、被害者の方自らが当事者つまり原告となり、裁判を進めますので、刑事手続き比べて被害者の方が主体的に進めることが可能です。ただ、実際には、刑事手続が先に進むことから、民事訴訟における犯罪事実の認定は、刑事裁判で判決が出た後、この判決で認定された事実に基づいて行われる場合がほとんどです。このため、民事裁判では、被害者の方にどの程度の損害があったか、ということに審理のウエイトが置かれることが多くなっています。そして、被害者の方の損害は、一時的なものもあれば後遺障害のように将来にわたって続くと予想されることもあるでしょう。これらをすべて計算して請求するわけです。
ただ、いくら損害があると言っても前提となる犯罪事実がきちんと認定されていないとこれを賠償させることはできません。そこで、刑事裁判で、可能な限り被害者の意向を示しておくことは、刑事だけでなく民事でも必要なことなのです。
4 ところで、刑事手裁判も民事裁判も訴訟ですから、複雑なルールが多岐にわたって存在し、このルールに従って手続きを進めて行かなければなりません。しかし、この手続は、一般の方にとっては良く分からないことが多いと思います。特に、民事訴訟は、被害者の方自身が原告になるわけですから、よほど裁判が分かっている方でない限り、自力で主張や立証を行うことは難しいのではないかと思われます。これに対し、刑事手続では、検察官(捜査段階では警察官も)が教えてくれることも多々あります。ただ、先ほども述べたとおり、検察官は、基本的には公益の立場に立っていますので、被害者の方から見るともっと自分の立場に立って教えて欲しい、また動いて欲しいと思われることも多いのではないかと思います。
そこで、民事手続、刑事手続のいずれについても、できれば、弁護士に相談されると良いと思います。弁護士は、法の許す範囲内で、できる限り被害者の方の立場に立って民事、刑事の手続が進められ、被害者の方にとって最も良い結果を得られるよう支援してくれると思います。ただ、弁護士に依頼する場合費用が掛かりますので、この点を心配される方も多いと思います。弁護士に相談するとき、費用についてもざっくばらんに聞き、きちんと説明してもらえばよいと思います。どの弁護士に依頼するかどうかは、これを聞いた上で皆さんが決めればよいのです。
以上
河野 敬 弁護士