2014年06月

2014年06月15日

あいの会6月度講演会の報告(京都亀岡死傷事件ご遺族の講演)2014.6.14

6月14日(土)、京都府亀岡市で起きた無免許暴走死傷事件のご遺族を招き、
経験したこと、変えていきたいことについて、講演をしていただきました。

お話いただいたのは、中江龍生さん(写真左)と小谷真樹さん(同右)のお二人。

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私たちがあいの会を立ち上げたのとちょうど同じ頃、
古都の翼という交通犯罪被害者団体を立ち上げ、精力的に活動されています。

事件は2年前の2012年4月に起き、当時大きく注目を集めた交通犯罪でした。

昨日まで笑って話していた家族が突然いなくなってしまう。
それも加害者という実にいい加減な存在によって、残酷に奪われてしまう。

一場面だけが執拗にテレビで流され、偏ったイメージばかりが流布される。
そして警察や学校による加害者側への被害者情報の漏洩。
さらに事件と同時に始まったネットでの誹謗中傷。
亀岡で起きた事件は、多くの二次被害を生んだ事件でもありました。

また起訴事由と判決内容も、到底遺族の納得できるものではありません。
国が定める償いと、遺族の求める罪に見合う罰が大きくかけ離れている。
加害者の保身のための「たまたま」「うっかり」が余裕でまかり通る。
「司法に平等なんて言葉はどこにも見当たらない」
そうした悔しさ、理不尽さを振り返っていただく話もありました。

またお二人からは、自身の経験から痛感した提案も行っていただきました。

まず何より二人を苦しめたのは、被害者搬送をめぐる問題です。

事件に直接遭った、中江さんの妹さんも、小谷さんの娘さんも、
「この病院ではこれ以上何もできません」
そう言われて、別の大きな病院にヘリコプターで搬送されていきました。

搬送の時、一瞬でも一緒にいたい、ヘリコプターにも乗せてもらいたい。
生死をさまよっている家族を目の前にすれば、誰でも抱く感情です。
しかしその当然の願いがかなえられることはありませんでした。

そこでせめて地上から追いかけて搬送先に向かうのですが、
ここで中江さんと小谷さんの場合で、警察の対応が分かれました。
中江さんは警察の用意する車両で搬送先の病院に向かいました。
しかし小谷さんは違いました。
京都から兵庫まで、車で何時間かかるかわからない長距離を、
自ら運転して行くように言われ、結局そうする結果になりました。

悲しみに打ちひしがれ、動揺し、冷静さを完全に失った家族が、
安全な運転などできるわけがありません。
小谷さんが道中事故を起こさずに済んだのも偶然でしかありません。

被害者の家族をさらに交通犯罪加害者に仕立て上げかねない現状は、
すぐにでも各都道府県の警察で改善してもらわなければなりません。

しかし同時に、ありがたかったこともあったとの話もありました。
病院や警察の方々のマスコミ対応です。

至るところに押しかけていたマスコミの好餌にならないように、
配慮したり、守ってもらえたことには感謝しているとお話でした。

全国には交通犯罪の被害者・遺族団体はたくさんあります。
関東にも、あいの会以外にいくつも団体がありますし、
関西にも、古都の翼以外にもいくつも団体があります。
十分連携できているところもあるし、そうでないところもあります。

しかし各団体の想いは、これまで繰り返してきたように一つです。

悲劇をなくしていく。

これを考えない被害者・遺族団体など、どこにもないはずです。

今回は、京都の古都の翼と、関東のあいの会の協同作業が実現しました。

古都の翼の皆さんと私たちは、一昨年のハートバンドで知り合いました。
当時、事件からまだ半年と少ししか経っていなかったのに、
今回講師をお願いした龍生さんのお父様である中江美則さんが
気丈に、切々と、交通犯罪の悲惨さを訴える講演をされていました。

そしてその後も、深夜までずっと語り合っていたことが思い出されます。

それから1年半以上が経ちました。

中江さんたちや小谷さんたちは、古都の翼という旗を立てて動き回り、
私たちもそこまで及ばないまでも、可能な限り力を尽くしてきました。

今回は、中江美則さんもいらっしゃっていましたが、
「うちらはあきらめる遺族ではないぞ」と言い続けたいと話されていました。

これからも私たちは、古都の翼や他の団体と、手に手を取り合って連携し、
「交通事故だから仕方ない」なんて決して言わせない前例や蓄積を、
今まで以上にもっともっと作っていきたいと思っています。

2014あいの会0614池袋004

 


i_nokai0708 at 18:31|PermalinkComments(0)講演会 | 交流

2014年06月10日

あいの会6月講演会のお知らせ(再告知)

あいの会の6月度講演会を下記の通り開催しますので、
あらためて再告知させていただきます。

【内容】交通犯罪遺族が自身の経験を語る

【講演者】中江龍生様、小谷真樹様
    (京都亀岡暴走死傷事件ご遺族)

【日時】6月14日(土)14:00~16:00

【場所】ア―クホテル東京池袋
    http://www.ark-hotel.co.jp/tokyo/
    東京都豊島区東池袋3-5-5

【参加費】無料

【懇親会】ビヤホール ライオン 池袋東口店
     http://tabelog.com/tokyo/A1305/A130501/13027214/
     (※懇親会費については、別途ご負担をお願いする予定です)

今回は京都亀岡から暴走死傷事件ご遺族にお越しいただき、
お話をしていただく予定です。
被害者遺族同士が、会や所属や地域を超えて、つらい経験を語りあい、
そのような悲劇が再び繰り返されることのないように誓い合うことは、
きっと交通犯罪を減らしていくことにつながっていくと考えています。

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