2015年01月

2015年01月28日

板橋区での保護司の方々への講演活動(2015.1.26)

1月26日(月)、東京都の板橋区役所で講演を行ってきました。
お話させていただいたのは、今回も小沢樹里と恵生の二人。

今回の講演対象は保護司の方々でした。
板橋区の保護司会の新年総会にお招きいただきました。

2015あいの会0126板橋区講演

今回は板橋区長もお見えになり、お話する機会もありました。
犯罪被害者のあり方に深い関心を持っていただいていました。

「保護司は、保護司法・更生保護法に基づき、
 法務大臣から委嘱を受けた非常勤の一般職国家公務員で、
 犯罪や非行に陥った人の更生を任務とする」

これはウィキペディアの保護司のページからの引用ですが、
つまり、交通事犯を含めた加害者の更生に関わる方々です。

私達は、こうした方々へのメッセージも大切と考えています。
多くの側面に対して、メッセージを発し続けることで、
加害者も被害者もなくす動きにつなげたいと願っています。

以下はFacebookに掲載した小沢樹里の文章です。
Facebookは流れてしまいますが、ブログは残りますので、
後々のため、ここでもあらためて転載して書き残しておきます。
(※一部編集あり。ここまでの文責は東)

*** *** ***

被害者になって知ったこの世界は、
入口が違うと風景はがらりと変わるのだと改めて実感します。

今日は思った以上に盛大でびっくりしました。
会場内にいる方のあたたかな言葉にとても感謝しました。

ある保護司さんからは「対象者に靴を揃えることを教えている」と聞きました。
人の家に行ったら、当たり前ですが、まず靴を揃えることから教えていくと。
最初はかかとも踏んでいたけれど、出来たときは耳を傾けてくれるようになる。

そこからか・・・と思ってしまう気持ちはある。
でも、うち(小沢家)の加害者は多分そこからだと思い、
刑に服すということの意味を改めて感じてしまいました。

また別の保護司さんからは、加害者はたくさんいますが、
心から更正に向かえるように被害者の視点もしっかり取り入れたい、
と言ってくださいました。

まず向き合うところから始めることは大変ですが、
被害者の視点の教育は、早い段階から必ず入れて欲しいと思いました。

刑務所もまわる生命のメッセンジャーの巡回を、
加害者には必ず見て欲しいと思いながら、話を聞きました。

板橋区はいま、交通事件が多いと聞きました。
ひとりでも被害者も加害者も出ないように願います。

           あいの会代表 小沢樹里



i_nokai0708 at 23:52|PermalinkComments(1)講演活動 

2015年01月25日

子どもグリーフサポートステーションの紹介記事

西田正弘様主宰の「子どもグリーフサポートステーション」が、
毎日新聞社会面で記事に取り上げられました(2015.1.21付)

2015あいの会0121毎日新聞記事

あいの会の活動にからんで紹介されていたので、報告します。

代表の西田様、そして子どもグリーフサポートステーション様は、
私達あいの会が、定例会や講演会を行う際に、
子どもを預かって、そのサポートをしていただいている方々です。

西田様は、昨年7月のあいの会設立2周年式典として開催した
「被害者支援活動に感謝する会」でも講演をお願いした方で、
私達あいの会のメンバーにとっても、大切な支援者の一人です。

西田様自身、小学生の時に、お父様を奪われた交通遺族です。

だから西田様の子どもの悲しみに寄り添おうとする姿勢には、
本当に深くて、あたたかい気持ちが伝わってきます。

いま、あいの会が関心を持っているテーマの一つが支援です。

子どものケアを行う支援も、なくてはならないものです。

あいの会でも小さい子どもがいるメンバーも多いため、
この支援を受けられて、とても助かっています。

この子どもグリーフケアに対する支援の輪も、
こうした記事などを通じて、もっと広がってほしいと思っています。



i_nokai0708 at 15:03|PermalinkComments(0)取材&報道 | 想い

2015年01月22日

コマツ様での講演活動(2015.1.20)

1月20日(火)、小沢樹里と恵生で、講演に行ってきました。
今年3回目の講演活動になります。

招いていただいたのは重機器などを製造しているコマツ様。
その茨城県ひたちなか市にある事業所に行ってきました。

2015あいの会0120コマツ講演001

話を聞いていただいたのは約300名ほどで、
比較的大人数の皆様に対しての講演となりました。

今回、特に力点を入れて話をさせていただいたのは、
飲酒運転の悲劇をどう防ぐかということでした。

飲酒運転は、誰もが被害者にも加害者にもなる問題です。

これは決して運転者だけの問題ではありません。

その人があとで車を運転しているとわかっていて、
それでもお酒を提供する人にも責任はあります。

ハンドルを握らない同乗者にも責任があります。

運転する人がお酒を飲んでいるとわかっていて、
その人を注意もせず、同乗してしまうことは、
飲酒運転という犯罪に加担する共犯でしかありません。

だから飲酒運転は、ハンドルを握る運転者だけでなく、
その周りでそんな行為を認める人たちの問題なのです。

コマツ様では、自動車通勤をする人や出張なども多く、
長距離運転をする人が多いとの話を聞きました。

そういう職場環境だからこそ、
自分が飲酒運転をしないことは当然のことながら、
人の飲酒運転を止めることも大切だと話してきました。

飲酒運転をすることは大きな罪悪です。

同時に、飲酒運転を止めないことも同じく罪悪です。

またアルコール依存という問題を考えると、
根が深く、なかなか表に出ないこともあります。

だからこそ、親しい人同士でお互いに声をかけあい、
飲酒運転などをしないように、飲酒運転をしたら、
どれだけ取り返しのつかない悲劇を生んでしまうか、
話し合い、理解を深め合うことが大切だと伝えました。

今回お招きいただいたコマツ様の事業所では、
特に飲酒運転の注意を促してほしいとの強い要望で、
飲酒事犯遺族の小沢家に講演依頼をいただきました。
そして聞いていただいた皆さんも本当に真剣でした。

飲酒運転ゼロを維持いただけるだろうと思っています。

2015あいの会0120コマツ講演002

2015あいの会0120コマツ講演003



i_nokai0708 at 00:28|PermalinkComments(0)陳情活動 

2015年01月18日

新年会

1月17日(土)は、いつもの池袋で、いつもの居酒屋となりましたが、
私どもあいの会の新年会を行いました。

2015あいの会0117新年会002

今回の新年会は、本当に設立時から縁のある人たちのみの、
内々の集まりでしたが、その分率直な話になったりしました。

気がつけば、私たちがあいの会を設立してから2年半が経過して、
まだまだ小さいながらも、会員も増えて、会らしくなりましたが、
どこまでもアットホームで、いつまでも気軽なサークル感覚で、
ゆるく、温かいつながりを大切にしていきたいと思っています。

集まりで顔をあわせるたびに、「こんにちは」ではなく、
「ただいま」「おかえりなさい」というような安心感のある感覚。

外に対しては、改善のために緊張感を求める必要があっても、
遺族同士の内々では、緊張感もなく、自然体で接しあえる関係。

そういうものをこれからも大切に守っていきたいと思っています。

昨年から集まりに来ていただいているあるご遺族の方は、
「ここに来て、事件以来、初めて心から笑うことができた」
と言っていただけました。

2015あいの会0117新年会003

そういう遺族の方との縁を今年も広げていきたいと思っています。



i_nokai0708 at 23:37|PermalinkComments(0)交流 | 想い

2015年01月17日

多摩市役所での講演活動(2015.1.16)

1月16日は、多摩市役所で開催された犯罪被害者等支援講座で、
講演をしてきました。

講師をさせてもらったのは、小沢樹里と小沢恵生の2名でした。

2015あいの会0116多摩市役所講演002

2015あいの会0116多摩市役所講演003

今回は、普段から話をしている遺族としての思いや経験に加え、
事件の第一報の段階から求められる早期支援の必要性について、
特に時間を割いて、話をさせてもらいました。

多摩市は、被害者支援にも力を入れている自治体です。
今回の犯罪被害者等支援講座も、その動きの一環でした。

多摩市の担当者は、被害者ノートの勉強会にも出席されていて、
その力の入れ方と熱心さには、以前からとても共感していました。

こうした自治体がもっと全国に増えて欲しいと願っています。

なお今回も、いのちのミュージアムの協力があって、
両親とあと5名の方のメッセンジャーを展示させてもらいました。

2015あいの会0116多摩市役所講演006

講演に来てくれていた方々も、講演の合間に、
展示を熱心に見ていただいていたのがとても印象に残っています。

2015あいの会0116多摩市役所講演001

多摩市は、宮崎駿監督の映画「耳をすませば」の舞台の場所です。
緑が多くて、静かで、とても温かい雰囲気の街でした。

対応いただいた多摩市役所の方々や、
話を聞きに来ていただいてる来場者の方々の反応も温かく、
講演する身としても、気持ちの良い時間を過ごすことができました。

とても感謝しています。

2015あいの会0116多摩市役所講演005



i_nokai0708 at 08:29|PermalinkComments(0)講演活動 | 交流

2015年01月12日

2015年講演始め:ミサワホーム安全衛生大会での講演(2015.1.9)

1月9日(金)、ミサワホーム様開催の安全衛生大会に招かれ、
講演をする機会をいただきました。

2015あいの会0109講演006

話をさせてもらったのは小沢樹里、小沢恵生の2名です。
あいの会としても、今年最初の講演始めとなりました。

今回お話をさせてもらった対象となる方々は、
ミサワホーム様の関係者の中で、社内だけでなく取引先も含め、
業務上で車やバイクの運転をされる方々とのことでした。

2015あいの会0109講演001

2015あいの会0109講演002

なお今回は、生命のミュージアムのご協力により、
奪われた小沢家両親のメッセンジャーを出させていただき、
講演の間、一緒にいさせてもらうことができました。

今回も、私たち遺族の経験した辛い出来事と、そこからの思い、
そして交通犯罪のない安全な世の中にしたい願いを話しました。

今回は特に、住宅メーカーさんでの講演ということもあって、
巣作りという話と、また正月明けだったので駅伝の話をしました。

巣は鳥が大事な我が子であるヒナを守るために作るもの。
人だったらそれは家や家庭ということになるのだけれど、
その大事な我が子が安心して帰ってこられる環境を作ってほしい。
そんな思いを話しました。

また少し前にあった駅伝で、青山学院大学が優勝したけれども、
駅伝を見ていて思ったことは、一人で何かをやろうとしても、
できることには限りがあるけど、みんなで力を合わせれば、
一人よりもっと大きなことを実現することができるんじゃないか。
交通安全の実現もきっとそうなんじゃないか、ということでした。

だからいま会場にいる人全員が、協力しあって交通安全を守れば、
悲劇を減らす大きな力になると感じて、その思いを伝えました。

この1月だけで、あと数回講演をさせていただきます。
今年もできる限り、引き受けられる講演は受けさせていただき、
一人でも多くの人に、私たちの思いを伝えていきたいと思ってます。

2015あいの会0109講演004

2015あいの会0109講演003



i_nokai0708 at 18:59|PermalinkComments(0)講演活動 

2015年01月03日

2015年の年頭挨拶

今年も新しい1年が始まりました。

あいの会の集まりに新しい被害者遺族の方がいらっしゃる時があります。その時に、参加者みんながその遺族の方に寄りそおうとする場面は、やはり同じ遺族同士だから気持ちが通じるということもありますが、見るたびに心がとても温かく感じます。

最初、私たちはみんな一人ぼっちで苦しんでいたけれども、今は一人じゃない。そして新しい遺族が私たちを知って、私たちに声をかけてくれたら、その人も決して一人にはしたくないと思っています。

私たちあいの会は、一人ひとりが誰かのサポーターとなっている、いたわり、いつくしみあう、ほんわかとした会です。

私たちは、支援や被害者のあり方、司法などについて、決して特別に何かの学問を極めたり、学校に通ったりしたわけではありませんが、それぞれがそれぞれの学んだり経験したことを教えあい、足りない部分を補いあい、次の遺族にバトンを渡そうとしています。

昨年末のあいの会の忘年会でも、そのようなシーンがありました。

一番最初はたった4人で立ち上げたあいの会でしたが、いつのまにか人も増え、支援していただける方も増え、最初の頃より、少しは会らしくなってきました。これまでは他のご遺族や弁護士などの専門家の意見を聞いて学んでいこうという段階にとどまっていたというところはありましたが、昨年末の忘年会で来られた新しい遺族の方(その方はお子様をたった数ヶ月前に亡くされたばかりの方でした)に、別の遺族のメンバーが自分の刑事公判での経験やそれに基づいた意見を話され、その新しく来られた遺族の方も他の人の経験を自分のケースに活かしていこうとされ、帰っていかれました。

その方は捜査が進行中のなか、これから闘っていかなければならない方です。ですからきっと、今回こうした機会に接したことで、他の遺族の経験を活かし、悔いのない闘いをしてくれると思っています。

私自身、そうしたやり取りを見て、あいの会が、本当の意味で、被害者遺族の会として成長できたように感じました。みんな悲しい出来事を通じて出会った集まりなのですが、それでも、そうした被害者遺族同士の支援の輪がつながり、そして広がっていくシーンを見て、とても嬉しく感じました。

今の現状を見渡してみると、被害者遺族になってしまった人に対して、支援というものの存在や、あるいは世間の被害者に対する理解というものは、まだまだごく一部の人にしかないように感じています。だからこそ、被害者支援や、犯罪被害者の現状についての理解の必要性というものを、今年も伝え続けていきたいと思っています。

少しでも、一件でも、悲しい事件事故がないことを願うとともに、事件事故に遭ってしまった被害者・遺族に対して、少しでも早いうちに、どこと関わるべきか迷って選ぶことができるほどの支援の輪が広がることを願い、2015年の年始の挨拶とさせていただきます。

最後に案内です。

今月1月17日(土)にあいの会の新年会があります。東京・池袋で17時からです。会員でなくても、もしお時間に余裕があり、私たちの活動に関心のある方がいらっしゃれば、事前にご連絡をいただけばご参加いただけます(飲食費4,000円はいただきますが飲み放題です)。参加したから会員にならなければならないということもありません。もし一人で苦しまれていたり、どうしていいかわからないでいるのであれば、気軽に話を聞きに来るという感覚で構いません。わずかでも、どんな形でも、支援できる人がいれば支援していきたいと思っています。

関東交通犯罪遺族の会(あいの会)代表 小沢樹里

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i_nokai0708 at 23:34|PermalinkComments(0)想い