2015年06月
2015年06月28日
あいの会6月度講演会(交通事件と臓器移植)&定例会(2015.6.27)
6月27日(土)は、あるご遺族をお招きして、
ご自身の体験を語ってもらう講演会を行いました。
(クローズドの講演ゆえ、事前告知なしだった旨、ご理解ください)
そのご遺族の方が出されてきた講演のタイトルは、
「遺されようとする親 さらなる決断」
数年前に息子様を交通事件で奪われたのですが、
病院の言われるままに臓器提供をしてしまったことを、
いまも悔やんでおり、そのことを語っていただきました。
帰ってこない高校生の息子様の携帯から、深夜に着信があり、
出ると息子様ではなく警察からだったことから始まる悪夢。
病院に駆けつけると、人工呼吸器につながれた息子様の姿。
息子様は医師から「脳死」と言われます。
その後、何かの説明を受けるたびに、
繰り返し繰り返し臓器提供を持ち出されるようになります。
何よりも大切な子供が交通事件に遭い、脳死と言われ、
身体中を人工呼吸器に繋がれた姿を目の当たりにして、
冷静な判断などできるはずもありません。
そしてその方は臓器提供の書面にサインをしてしまいます。
無神経で冒涜的な態度や言葉にも直面します。
「いずれ脳は溶けて異臭を放つようになります」
これは病院の上位クラスの医師から言い放たれた言葉です。
臓器提供となると、複数の医師から脳死判定をされるのですが、
そのうちの一人は、腕を組んで壁によりかかっていたとのこと。
またそうした流れの中で、事務的に言われた言葉が、
「お断りすることもできます」
この一言が、その方をずっと苦しめ続ける呪文となります。
はっきり判断できないまま、聞き流してしまったことで、
別の選択肢もあったのに、という消えない後悔を残しました。
臓器提供は「愛の贈り物」という言い方がされる時もあります。
しかしそんなきれいな言葉で表現されるようなものではない。
大切な人が交通事件に遭って、心身喪失状態の家族に対して、
繰り返し繰り返し執拗に浴びせられる洗脳まがいの勧誘。
さらにあまり知られていない事実なのかもしれませんが、
臓器提供が成立すると、提供元病院に多額の報酬が支払われ、
そこの実績として評価されるといういやらしい現実もあります。
特に交通犯罪は、脳死という状態になるケースも多く、
臓器移植を進めたい側からは、格好の「漁場」となっています。
もちろん臓器提供自体を否定するわけではありません。
それによって助かる命があることも事実です。
しかしだからこそ臓器移植という制度を誇らしくするためにも、
配慮を尽くし、誰もが納得できるものにしてほしいと考えます。
少なくとも、事件直後の家族の心神喪失に付け込むような、
あさましいやり方は絶対になくしてほしいと思います。
2015年06月26日
埼玉県嵐山町立玉ノ岡中学校での講演活動(2015.6.24)
6月24日(水)、中学生の方々に対して講演をしてきました。
場所は埼玉県嵐山町にある玉ノ岡中学校でした。
埼玉県警からのつながりで、今回の縁を持たせていただき、
小沢樹里と小沢恵生が講師を務めさせていただきました。
「命の大切さを学ぶ教室」というタイトルで招かれた講演です。
相手が中学生ということを考えて話をしてきました。
自分たちがどういう行動をしたら悲劇が起きてしまうのか。
どうしたら、そうした悲劇を防ぐことができるのか。
そのためにも、ただ自分のことだけを考えるのではなく、
家族や友達のことを思う気持ちが大切という話をしました。
それが悲劇を起こさない行動につながる。
先日起きた北海道砂川市の事件のことにも触れました。
身近な人があんな悲劇に見舞われたら、どうしたらいいのか。
重傷の被害を受けた小沢恵生からは、自分の体験を振り返り、
周りが前と変わらず接してくれたのが嬉しかった話をしました。
だから、もし身近で何かの被害に遭ってしまった友人がいたら、
何も解決しようとしなくていいから、ただ話を聞くだけでいいので、
そばにいて寄り添うことを考えてほしいという話をしてきました。
最近の講演では、一緒に連れて行くことが多いのですが、
今回も亡くなった小沢家両親のメッセンジャーと一緒の講演でした。
いのちのミュージアムで立ち上げた生命のメッセンジャー。
両親も一緒に講演を聞いてもらうことができたと思っています。
2015年06月23日
群馬県警察学校での講演活動(2015.6.22)
6月22日(月)、群馬県警の警察学校で講演してきました。
講師は小沢樹里と小沢恵生。
受講いただいたのは、約80名ほどの皆さんで、
現役警察官の方の参加者もいらっしゃいました。
話をした内容は、小沢家が事件に巻き込まれた当時のこと、
被害者支援について警察に望んでいること、
飲酒運転の捜査についてお願いしたいことなどでした。
支援について、被害者相談の窓口に立つ人への望みは、
できるだけ被害者の人柄をみていただきたいということ、
そして相手に心のこもった言葉をかけてもらいたい 、
警察官というだけで横柄な態度には決してならないように、
そういったことを要請してきました。
また飲酒運転については、運転者だけではなく、
同乗者に対しても捜査を徹底してほしいと話してきました。
事件を起こした瞬間はたとえハンドルを握っていなくても、
運転を相互に交代するなどして、そこまでの間で、
同乗者も飲酒運転していた可能性は十分にあること、
だからそうした可能性を見落とさない捜査をしてほしいこと、
そして捜査しただけで終わらずに立件まで繋げてほしいこと、
そういった話をしてきました。
被害者の生活支援の必要性についても話をしましたが、
たくさんの方が熱心にメモを取っている姿が印象的でした。
1回1回の講演で、多くの人に伝わるメッセージがあります。
ですからこうした講演活動は、続けていきたいと思っています。
2015年06月20日
神奈川県人権研修での講演活動(2015.6.17)
6月17日(水)、小沢樹里と恵生で講演活動をしてきました。
学校関係者を対象とする人権研修の講師として呼ばれ、
計5日のカリキュラムのうち1日、お話をしてきました。
「交通犯罪被害者遺族の願い」
と題して、交通犯罪被害者遺族の置かれた状況と、
学校ではこんな支援が必要だという話を伝えてきました。
場所は神奈川県立総合教育センターで、
神奈川県内の教職員に人権指導をされている方が対象で、
教師の方も一部いらっしゃっていました。
受講された方からの質問も多く、その質問内容も広くて深く、
受講者の方々の問題意識の高さがとても伝わってきました。
小沢からも、自分たちが実際に経験したつらさを振り返り、
突然交通犯罪や犯罪に遭った子供や親がいた場合、
学校の方にお願いしたいことをいくつか伝えてきました。
PTA役員の持ち回りも、何年間か免除する配慮がほしいこと。
子供とは保健室の先生を介したコミュニケーションを行うこと。
また子供の給食の食べ方にも注意を払ってほしいこと。
あまり食べないなどの変化から、表面上わかりにくい
メンタルや生活での本人のダメージがわかる場合があります。
言葉だけのケアではなく、そうした日々の動きの中での、
具体的な生活支援が切実に必要なことをお話してきました。
被害者遺族になるということは、心も当然ズタズタになりますが、
普段当たり前だった生活がボロボロになることでもあります。
そんなふうに破壊されてしまった普通の生活をどう取り戻すか。
そのために学校という場で支援できることはたくさんありますし、
そんなメッセージが学校関係者に浸透していけば嬉しく思っています。
2015年06月15日
埼玉新聞取材記事(2015.6.13)「悪質運転断つ社会に」
小沢樹里&恵生の受けた取材が記事になりました。
6月13日(土)付の埼玉新聞です。
埼玉新聞取材記事(2015.6.13)「悪質運転断つ社会に」
http://www.saitama-np.co.jp/news/2015/06/13/10.html
取材自体は少し前に受けていたのですが、
北海道砂川市で飲酒ひき逃げ事件が起きたことで、
そのことも含めて、あらためて取材を受けることになり、
今回のこのタイミングでの記事掲載となりました。
今回の取材で特に伝えたかったことは、
被害者・遺族が必要とする生活支援のことでした。
何の準備もできず、突然被害に遭うことで、
日々の生活がいきなりとてもつらいものとなります。
そうした被害者・遺族への具体的な支援が大切です。
そのことをもっと広く知ってほしいと考えています。
また被害に遭っても、友人が友人のままでいてくれること。
これもとても大切な支援です。
その大切さはここでも強く伝えたいと思います。
2015年06月10日
テレビ朝日「ワイド!スクランブル」出演の結果報告
昨日に事前告知をさせていただいていましたが、
本日、当会代表の小沢樹里がテレビ朝日に番組出演しました。
平日朝10時半から放送の、橋本大二郎らが司会を務める
「ワイド!スクランブル」という情報番組です。
北海道砂川市で起きた飲酒ひき逃げ事件について、
思うところを話してほしいとの依頼を受けて、
あいの会代表として、出演させていただくことにしました。
まず事件の重大性について触れさせていただきました。
そしてまだマスコミでは論点になっていないと思いますが、
加害車両の同乗者についても話をさせていただきました。
早い段階で同乗者に対しても、きちんと捜査がされることで、
危険運転の幇助、共同正犯としての立件が必要だと伝えました。
また条例に基づく支援の大切さにも言及させていただきました。
視聴者の方にどこまで伝わったかわかりませんが、
遺族としての思いが少しでもテレビの前の人たちに伝わり、
加害者への危険運転致死傷罪を当然とした厳正な量刑、
(引きずりについては、殺人罪での立件も考えてほしい事件です)
残された家族、特に12歳で一人残された次女の被害者への支援、
そしてこんな犯罪がなくなる理解に繋げてほしいと思っています。
2015年06月09日
テレビ朝日「ワイド!スクランブル」出演のお知らせ
北海道砂川市で痛ましく、許しがたい、ひき逃げ事件が発生しました。
そのコメントを求められて、あいの会顧問の髙橋正人弁護士が本日、
テレビ朝日「ワイド!スクランブル」に生放送で出演いたしました。
そして、明日(6月10日)、引き続きのようになりますが、
会代表の小沢樹里が同番組でコメントを求められることになりました。
午前10:30の番組開始冒頭からの出演となっています。
被害者や遺族の置かれた状況はどういうものなのか。
そうした遺族に対して、どう支援していくべきなのか。
今回の事件の悪質性をどう考えるべきなのか。
時間がたつにつれて、その悪質性がどんどん明らかになっています。
二度とこんな憎むべき悲劇は起きてほしくありません。
しかし、これまでも事件のたびに遺族はみなそう言ってきましたし、
何度同じ言葉を繰り返せば、最後の事件になるのでしょうか。
明日は生放送です。
メッセージがどこまで伝わるかは未知数ですが、
少しでも被害者や遺族の立場、遺族への支援の大切さ、
そして事件がどれだけ許しがたいかを伝えたいと思っています。
できるだけ多くの方に、明日のメッセージが伝わればと思い、
事前に告知をさせていただきます。
2015年06月01日
道路交通法改正と産経デジタル寄稿
本日6月1日から道路交通法が改正されます。
自転車の「危険行為」を行った人に講習受講を義務付ける内容です。
信号無視、一時不停止、ブレーキ不良、無灯火など、
計14行為を類型化して、3年間に2回違反すると、
有料講習の受講が義務づけられることとなっています。
あいの会の副代表は、自転車が加害者の交通犯罪遺族です。
また会には小さい子供を持つメンバーも多くいます。
自転車は小さい子供が加害者にも被害者にもなる可能性がある。
だから自転車問題にも、高い関心をもって取り組んでいます。
せっかく法改正がされても、それがきちんと運用されなければ、
生きた法律にはならず、腐っていくだけになってしまいます。
今回の道路交通法改正が、ただ法改正しただけにとどまらず、
現場の警察官も、違反者をみたらきちんと取り締まり、
実効性のある法改正となるようにしていただきたいと思います。
そしてよく見る危険な自転車を減らせるように願っています。
***
そして今回の道路交通法改正にあたって、
産経デジタル様から、その自転車遺族である副代表の東に対して、
「iRONNA」という論壇サイトへの原稿執筆依頼がありました。
その記事が本日掲載されたので、報告させていただきます。
http://ironna.jp/article/1450
自転車を取り巻く問題は、現実にたくさんあります。
議論も多くは浅いものばかりで、改善になかなか繋がりません。
しかし、だからとあきらめて沈黙したら、何も変わりません。
発信して、声を上げ続けないと、現実は変えられません。
だから今回の記事掲載も、自転車を取り巻く問題提起となり、
事態を進展させていくきっかけの一つになることを願っています。
今回は、東の書いた原稿をほぼそのまま掲載していただきました。
こちらの意見を尊重し、発言の機会を与えていただいた
産経デジタルとその担当者の方には大変感謝しています。