2015年07月

2015年07月30日

山梨県トラック協会への講演活動(2015.7.28)

猛暑だった7月28日(水)、山梨県笛吹市において、
私たちあいの会の中村正文が講演をしてきました。

トラック事業を営む関東交通共済協同組合が
定期的に開催している「事故防止セミナー」に、
講師として招かれ、お話をさせていただきました。

2015あいの会0728山梨講演001

ただ今回は、あいの会としての講演活動ではなく、
いのちのミュージアムへの講師依頼で話が上がり、
中村が講師を引き受けることになりましたので、
念の為、これらの経緯も補足をさせていただきます。

セミナーの開催場所は、山梨県自動車総合会館で、
山梨県トラック協会所属の事業者や管理者の方々が、
話を聞いていただきました。

いのちのミュージアムつながりの講演でしたので、
数体のメッセンジャーも会場に一緒に行きました。

2015あいの会0728山梨講演002

中村が話した内容は、自らの苦しくつらい経験から、
加害者と同じ業種の方々にぜひ訴えたいことでした。

奥様を突然奪われた事件当時のこと。

そのあまりに悲惨だった状況のこと。

当時1歳と4歳の息子を抱えて大変だった状況。

安全の基本ルールさえ守れば起きない悲劇だったこと。

だから安全の基本ルールを単純に守ってほしいこと。

トラックなどの殺傷力の高い大型車は事故になれば、
悲惨な大事故となり、多くの人に深い傷を残します。

それが自覚できないまま運転するドライバーもいます。

しかし自覚して運転しているドライバーもいるはずです。

今回講演を聞いてくれた方々は、みな真剣な姿勢でした。
殺傷力の高い大型車を扱っている責任感を感じました。

トラック業界の人たちにも、こうした講演を行うことで、
少しでも悲劇をなくすことにつながってほしいと考えます。



i_nokai0708 at 00:58|PermalinkComments(0)講演活動 

2015年07月23日

BPOの今後の予定

BPO申立て後の今後の予定を簡単に報告します。

BPO放送人権委員会より、当事者の東に連絡があり、
話し合いの余地につき、確認を求められましたので、
謝罪訂正報道さえされれば、余地はあると回答。

しかし結局、フジテレビがこれを拒否したため、
双方意見を検証して、進められることとなりました。

フジテレビ側からも反論の文書を提出させるそうで、
それを受けて、8月に開くBPOでの検討会合で、
審議入りするかどうかを正式決定するとのことです。

その後にさらに審議を重ねる流れとなりますので、
最終的な結論が出るのは、9月以降になりそうです。

そんな次第で、すぐに結論が出されるわけではなく、
じっくり検討と審議がなされるわけで、
それなりの時間がかかることをお伝えしておきます。

なお審議入り後の進捗については、
BPOの公式サイトで開示がされるそうですので、
そのURLをここにも掲載しておきます。

BPO(放送倫理・番組向上機構)
http://www.bpo.gr.jp/



i_nokai0708 at 01:12|PermalinkComments(0)

2015年07月20日

フジテレビBPO問題のQ&A

フジテレビのBPO申立て後、ネット上でも議論があったようです。

あくまでざっと一瞥して拾った限りの一部になってしまいますが、
きちんと見解を出しておいたほうがよいと思われる内容について、
Q&A形式で、あいの会としての見解を出させていただきます。

なおBPO申立ての関する概要は下記に記しています。
http://blog.livedoor.jp/i_nokai0708/archives/45439990.html


***

【Q1】
申請者の被害事件状況がわからないので知りたい。

【A1】
事件の形態は極めてシンプルです。
申請者の母である被害者は青になったので横断歩道を渡ろうとした。
そこに信号を見ていなかった加害者が横の車道から突っ込んできた。
被害者はなぎ倒されて、道路に頭を強打して入院。
その夜に意識不明に陥り、5日後に亡くなったというものです。

***

【Q2】
当たり屋の実態を知るには必要な演出ではないか。

【A2】
であれば「わが子が当たり屋詐欺に遭ったら」という題名にすべきです。
そして、そんな番組に被害者遺族のインタビュー映像は必要ないですし、
そもそもそのような番組に使ってはいけないことなどは当然の話です。
また同時に「実際に体験した人々に取材し事実のみで構成されたドラマ」
「実話の物語をドラマ化した『最大公約数ストーリー』」
という番組の謳い文句となる看板も削除しなければなりません。
今回問題となった番組は「情報」バラエティ番組です。
バラエティ番組であれば、最初から意図して虚構の話を作り、
それが虚構だとわかっている視聴者と一緒に笑い飛ばすことが許されます。
しかし情報バラエティ番組である以上、虚偽放送は許されていません。

***

【Q3】
視聴者が自転車事故の被害者の多くが当たり屋とは思わないと思う。

【A3】
繰り返しますが、今回問題となった番組は、フジテレビ公式サイト上で、
「実際に体験した人々に取材し事実のみで構成されたドラマ」
「実話の物語をドラマ化した『最大公約数ストーリー』」
と謳われ、番組内でも繰り返しこのナレーションとテロップが流されました。
もちろん虚偽だと気づいて、あきれて終わる視聴者もいるでしょう。
しかし「自転車の当たり屋が多いのか」と真に受けてしまう視聴者や、
自転車被害に遭った人に対して「当たり屋をしたのでは」
といらぬ疑念を抱いたり言ったりする視聴者が出る可能性がぬぐえない以上、
(そうなるとこの番組は、よけいな二次被害まで助長することになります)
フジテレビにはきちんと訂正していただく必要があります。

***

【Q4】
こんなことで謝罪と賠償を求めるのは行きすぎではないのか。

【A4】
私たちは、損害賠償は求めていません。
私たちの目的は、あくまで謝罪訂正の報道です。
またテレビ局に遺族を愚弄する虚偽の番組を流され、
それに騙して撮影した遺族のインタビュー映像を使われた以上、
そのテレビ局に謝罪を求めるのは当然のことではないでしょうか。

***

【Q5】
訴訟を起こさないのか。BPO申立ては賠償金目当てではないのか。

【A5】
私たちは、最初から訴訟は考えていません。
私たちが求めることは賠償金ではなく、
謝罪訂正報道をしていただくことです。
そのことで本人と被害者遺族の名誉を回復させることだからです。
また日本で訴訟をしても、得られるのは賠償金の支払い命令だけです。
判決では「こういう番組を作りなさい」と細かい指示は出ません。
さらにこの種の訴訟の賠償額は、判例上、せいぜい十数万円です。
仮に訴訟をすれば、ここまで事実が明確で、証拠も明らかな以上、
私たちの勝訴判決が出ることには揺るぎがないと考えます。
しかしそのようなことにエネルギーを費やすつもりはありません。
そもそもの話として、BPO申立てをする条件があり、
そのなかに損害賠償請求をしていないことも含まれます。
「訴訟を有利に進めるためのBPO活用」自体が成り立たないのです。
なお仮にフジテレビから慰謝料の提示があっても、
私たちがこれを受けるつもりは、今後も一切ありません。

***

【Q6】
BPOが本来の機能をしているのか疑問がある。
単なる利権と偏向報道を正当化するための組織にしか見えない。

【A6】
実際は決してそうではないようです。
BPOは放送業界内の第三者機関ではあります。
業界内で身内だから甘やかすといった傾向はみられず、
その審議は極めて公正かつ厳正に行われていると思われます。
また放送業界にとっては、訴訟よりも、BPO審議のほうが、
重大に受け止めざるをえないという事情もあるようです。
よって今回、BPOの審議にゆだねることとしました。

***


【Q7】
制作側が当たり屋と事故被害者の明確な区別もできなかったなんて。
ましてチェック機能も働かなかったなんて。情けない限りだ。

【A7】
私たちもあきれています。
フジテレビのチーフプロデューサーが番組放送前に、
最終チェックをしたそうですが、何の疑問も感じなかったそうです。
普通の人が普通に考えれば、おかしいとすぐにわかるはずですが、
それもわからない人物が番組を作っていることを憂慮しています。

***

【Q8】
「当たり屋の遺族」が顔を隠さずテレビに出てくることに対して
はらわたが煮えくりかえる思いだった。
が、違ったのですね!勘違いしていました。申し訳ございません。
被害者遺族の方をこのように勘違させるような演出はだめです。
それにしても、酷い放送局(ほぼ原文のまま採録)

【A8】
貴重なご意見をありがたく思っています。
もしかしてと思っていましたが、そう感じた視聴者がいたことに、
私たちも、憤りを新たにせざるをえないと考えています。
これには意図的な演出も一役買っていると考えています。
インタビューは逆光で撮られ、暗くくすんだ顔で映っていました。
「悪いことをした容疑者みたいに撮られている」
あいの会メンバーも、そういう指摘を何人かから受けていました。
最初は、雑に撮られただけだったかもしれないと考えていましたが、
撮影に慣れた制作者がそのような初歩的なミスをするはずもなく、
今では悪意ある演出を狙った可能性が高いと考えております。
あらためてフジテレビの悪質性に強く抗議したいと考えています。

***

【Q9】
「番組で本当のことバラされたら商売あがったりや!
あれっぽっちの出演料じゃ納得でけへんで!」(原文のまま採録)

【A9】
誹謗中傷の箇所はいちいち相手にせず流しますが、
最初から出演料などもらっていません。
申し出があっても辞退します。
私たちは、マスコミ取材は無料でお受けしています。
逆に、インタビューや取材受けにおいて、
金銭を受け取る遺族など、聞いたことがありません。

***

【Q10】
「全て実話」と画面左上に書いてあるが 実話なのか。

【A10】
実話ではなく、虚構です。
これはフジテレビもはっきり認めています。
(後で弁護士名で翻してきましたが)
つまりテロップには偽りがあったということです。

***

【Q11】
警察を悪者扱いにする意味とは何でしょうか?
訴えられる人のほとんどは被害者のような扱いにしたいのか?

【A11】
単に面白おかしく制作したかったというだけでしょう。
この番組は、本人や被害者遺族だけでなく、
真摯な捜査を行う警察官まで愚弄としていると考えています。

***

以上、ほんの一部かもしれませんが、Q&Aにまとめました。



i_nokai0708 at 10:29|PermalinkComments(0)取材&報道 | 情報提供

2015年07月19日

土屋哲男さんの誕生日

今月の7月10日は、土屋哲男さんの誕生日でした。

鈴木共子さんらと、いのちのミュージアムを運営され、
全国各地での生命のメッセージ展を展開され、
その頭脳と行動力とハートで、たくさんの人に慕われ、
まとめあげ、引っ張ってこられたのが土屋さんでした。

昨年、急逝されてしまったけれども、
その気持ちのあたたかさと思いの熱さは変わらず、
関わることのできた人たちの中で生き続けています。

いまもまるで横に座っている人に語りかけるように、
「親分」「親分」と心の中の土屋さんに声をかけながら、
遺族活動を続けている遺族の仲間たちがいます。

土屋さんの遺志を継ぐいくつかの活動も続いています。

生命のメッセージ展も、土屋さんを慕う多くの人で、
支え合いながら全国展開され続けています。

メッセンジャーたちは、いまも全国で旅を続け、
学校で、刑務所で、それ以外のいろいろな場所で、
生命の大切さと尊さを語りかけ続けています。

私たちも、そんな土屋さんを慕っていた一人でした。

そうした土屋さんの誕生日が7月10日でした。
あらためて土屋さんの偉大さと素晴らしさを噛み締め、
土屋さんの存在に思いをはせる日となりました。

この写真は昨年3月末に遺族団体がいくつか集まって、
団体同士で連携していくための勉強会をしたあと、
土屋さんのご自宅に招かれ、語り合った時のものです。

2014あいの会0329川口014

あたたかい時間でした。
写真を見ると、つい先日のように思い出されます。

2014あいの会0329川口007

今年9月には、2日間にわたる追悼行事もあります。
あいの会のメンバーの多くも参加します。

土屋さんの行っていた活動と比べてしまったら、
足元にも及ばない微々たる活動しかできていませんが、
それでも、土屋さんの思いの何パーセントかだけでも、
次につなげていくことができるように、
私たちなりの活動を続けていきたいと思っています。



i_nokai0708 at 22:45|PermalinkComments(0)想い 

大田区保護司会での講演活動(2015.7.15)

中学校での講演の翌日の7月15日(水)、
東京都大田区の保護司会で講演をしてきました。

話を聞いていただいたのは保護観察制度に関わる皆様で、
講師は今回も、小沢樹里と小沢恵生の2名でした。

保護司を支援する更生保護サポートセンターでの講演となり、
そこで行う被害者の講演は今回初めての試みとのことでした。


2015あいの会0715大田区保護司会001

大田区蒲田の産学連携施設にうかがわせていただきました。
旧大田区立北蒲小学校の校舎を改修した場所とのことです。

2015あいの会0715大田区保護司会002

1時間の講演のあと、30分の質疑応答となったのですが、
受ける質問がとても多く、どれも真剣な内容ばかりでした。

「どうしたら加害者を許せるようになると思いますか」

そんななかで受けた質問の一つに、考えさせられました。

世間の思う許しと、被害者の許しはきっと大きく違う。
裁判や償いの後に、加害者が謝罪の気持ちを表し続けた末に、
そんな加害者の存在だけは認められるようになるのが、
被害者にとっての許しということになるのかもしれない。

そうした回答をさせていただきました。

講演が終わったあとも、個別に質問に来る方が絶えず、
今回お話を聞いていただいた保護司の皆さんが、
どれだけ真剣に被害者のことを知ろうとしているのか、
とても強く伝わってきました。

講演は地道な活動ですが、それでも繰り返すことで、
こうした理解と共感を広げていきたいと思っています。



i_nokai0708 at 10:01|PermalinkComments(0)講演活動 

2015年07月15日

あいの会3周年記念集会のお知らせ

早いもので、私たち関東交通犯罪遺族の会(あいの会)も、
設立から3年以上が過ぎ、すでに4年目に突入しております。

ついては設立3周年を記念した講演会を行いたいと思い、
この場でもお知らせさせていただきます。

今回は、「途切れない支援を被害者と考える会」事務局長の
稲吉久乃様をお招きしまして、
「被害者ノートの活用方法」をテーマにお話いただく予定です。

開催の詳細は下記になります。

【日時】2015年9月12日(土)14:00~16:00

【場所】 文京区シビックセンター・スカイホール
    東京メトロ後楽園駅より徒歩1分
     都営地下鉄春日駅より徒歩1分
     JR総武線水道橋駅より徒歩9分

【その他】参加費無料です。

詳細は下記の案内をご確認ください。


★決定稿3周年


★決定稿3周年裏


また講演会後は、ご希望者間の懇親会も予定しています。
(ご参加をご希望の折は飲食代のみお願いいたします)

送り先のわかる方々には、別途郵送でも案内をお送りしました。
(もし届いていない方や郵送希望の方がいれば、ご連絡ください)


2015あいの会0714発送001

2015あいの会0714発送002


発送風景からおわかりの通り、すべて手作業です。

大変ではありますが、支援いただいている方々の層の厚さを
あらためて実感し、そのありがたさを噛み締めています。

皆様のご参加をお待ちしております。



i_nokai0708 at 06:49|PermalinkComments(0)講演会 | 交流

2015年07月14日

川口市立安行東中学校での講演活動(2015.7.14)

本日7月14日(火)、溶けるような炎天下でしたが、
埼玉県川口市立の安行東中学校で講演をしてきました。

2015あいの会0714安行東中学校

講師は小沢樹里と小沢恵生の2名でした。

中学生の生徒さんたちが受講対象となる講演でしたが、
ここの中学校は、校長先生がとても熱心な方でした。

「被害者や遺族になる辛い思いを生徒たちにさせたくない」
「生徒たちには人を思いやる気持ちを持ってほしい」

そうした話を熱心にしてくださいました。

そして私たちの話を聞く生徒さんたちも、
そうした校長先生の思いに応えるかのように、
一人ひとりが、とても真剣な表情で聞き入っていました。

2015あいの会0714安行東中学校002

両親のパネルも見せて、両親のことを語りました。
事件のこと、生活のこと、裁判のこと、支援のこと、
そして思いやる友達を大切にしてほしいことを話しました。

明日も講演活動です。
東京都大田区で保護司の方々を対象に話をしてきます。

明日の結果はまた報告させていただきます。



i_nokai0708 at 23:07|PermalinkComments(0)講演活動 

2015年07月12日

あいの会の7月度定例会(2015.7.11)

昨日の7月11日は、あいの会の定例会でした。

肩ひじ張った定例会ではなく、懇親会を兼ねて、
池袋のビアガーデンでの気軽な集まりにしました。

2015あいの会0711ビアガーデン001

2015あいの会0711ビアガーデン002

見ての通り、テーブル配置の関係で、
炎天下で太陽の直撃を受けてのスタートでしたが、
そんなことは気にしないで楽しむことができました。

今回は被害者遺族限定しての集まりにしました。

おかげさまで支援者の方がいつも誰かしら、
そばにいてくれる会になっています。

支持者の層もずいぶんと厚くなりました。
3年前の設立時には想像もできなかったことです。

しかし同時に課題も出てきたと思っています。

支持者の厚い層に隠れてしまい、外から見ると、
遺族の姿が見えにくくなったような気もします。

そうなると敷居の高い集まりになってしまわないか。
それは私たちのなろうとする姿ではありません。

あいの会のモットーは、笑顔、思いやり、共有です。

そして、設立の時からずっと大切にしているものは、
家族的なあたたかさとサークルのような気軽さです。

これは、いまも、おそらくこれからも変わりません。

もう一度その原点に立ち返ってみようという話になり、
今回は遺族限定での集まりを開催してみました。

今回そうしてみて、そんな集まりも大切だとわかりました。

今後は、支援者も含めた集まりと、遺族だけの集まりと、
交互に開催することを予定しています。

もちろん支援者の方々には、毎回とても感謝しています。
支援者の助けがなければ、いまの私たちはありません。

完全なボランティアで、何の金銭的メリットもないのに、
たた支えたいという思いだけで、
これだけの時間と労力を割いていただいていることには、
本当に頭の下がる思いしかありません。

今後も、こうした支援者の方をまじえた支援の輪と、
遺族だけで、素直な思いを吐き出しあえる場と、
欲張りかもしれませんが、両方を実現したいと思います。

今日は、愛知県から新幹線を遠路乗り継いで、
私たちが親しくしているご遺族も来ていただきました。

いつも活動的で、そしてとても気持ちのあたたかい方です。

全国にこうした心を通じ合える人がいることを、
私たちは、とてもうれしく、とても誇りに思っています。

2015あいの会0711ビアガーデン004



i_nokai0708 at 08:58|PermalinkComments(0)定例会 | 交流

2015年07月09日

あいの会が設立から3周年を迎えました

法務省保護局に陳情に行った7月8日は、
ちょうど設立から3年目にあたる日でした。

この日、あいの会は3歳の誕生日を迎えました。

3年前のこの日、川越にある韓国料理店で、
4人で会って話し合ったのが、あいの会の始まりでした。

今回も陳情の後、当時を振り返ってみようという話になり、
池袋の韓国料理屋で思い出話に花を咲かせました。

2015あいの会0708法務省008

2015あいの会0708法務省009

今回は諸事情で3周年記念式典は9月に行います。

9月12日(土)を予定しています。

詳細は追ってお知らせしますが、
今後ともあいの会への支援と理解をよろしくお願いします。

i_nokai0708 at 06:43|PermalinkComments(0)交流 | 想い

法務省保護局への陳情活動(2015.7.8)

7月8日、法務省保護局に陳情に行ってきました。

2015あいの会0708法務省007

うかがったのは小沢樹里、恵生、中村、東の4名。

2015あいの会0708法務省005

2015あいの会0708法務省006

保護観察制度の改善を求めての陳情でした。

法務省に渡した要望書はリンクを貼りましたが、
改善を要望してきた論点は下記でした。

利用について被害者への説明を徹底してほしい。
わかりにくいパンフレットをわかりやすくしてほしい。
被害者のことは、加工せずにそのまま加害者に伝えてほしい。
保護観察官と保護司には被害者の声を聞く機会をもっと作ってほしい。
書類についてもわかりやすく工夫してほしい。
被害者と向き合うことが加害者の真の更生に繋がると考えている。

http://blog.livedoor.jp/i_nokai0708/StatementforMOJ20150708.pdf


2015あいの会0708法務省010

今回の陳情は小沢家が、刑務所収監中の加害者の仮釈放をめぐって、
保護観察制度を利用して、課題に直面したことがきっかけでした。

加害者とどう向き合うかについては、家族の間でも意見が割れ、
また時間の経過とともに、被害者も加害者も変化がありました。

だからこそ加害者にとって「被害者を知る」ことは大切だと考えます。

そして被害者にとっても、いつまでも区切りはないのですが、
してほしいことを伝えられるメリットは確かにあると考えています。

どう加害者を更生させようかと心を砕く保護司は多いのですが、
その前に加害者が罪を犯したことまで思いをはせる人は少ない。
これまでの保護司対象の講演活動から、そのようにも感じています。

「今回こうした話を聞くことができてよかった」
「陳述書は他の部署に回してできるだけ多くの目に留まるようにする」
今回の対応いただいた方には、そう言っていただきました。
形ではなく本心からそう感じていただけたようでした。

なかには「保護観察所=敵」と考えてしまう被害者もいます。
小沢も、保護観察制度の利用にあたって、
「そんなのは無駄だ」との批判を受けたこともあります。

しかし保護司の役割の大きさを実感し、そうではないと思っています。

だからできる改善はしていってほしいと考えています。



i_nokai0708 at 06:37|PermalinkComments(0)陳情活動 

2015年07月07日

BPO申請後の動き

日曜日のBPO申立てと記者会見の結果、
全国紙では、朝日、読売、毎日で掲載されたようです。

朝日新聞
2015あいの会0706朝日新聞

読売新聞
2015あいの会0706読売新聞

毎日新聞
2015あいの会0706毎日新聞

※いずれも2015年7月6日(日)朝刊社会面

また記者会見に来ていた共同通信社の配信で、
それ以外でも数紙で掲載が確認できました。

テレビはチェックしきれていないので、未確認です。

ネットでもいくつか議論がされていたようです。
まともな議論もあれば、ずれた議論もあったようです。

一部を確認した限りですが、誤解のある人には、
つまずく論点のパターンが共通しているように思うため、
あいの会としても、最低限の補足は必要だと感じました。

詳細は省きますが、日曜日のBPO申立てと記者会見は、
予定を変更して、急遽とりおこなうこととなりました。

そのため各報道機関への対応も不十分になってしまい、
準備不足のまま臨まざるをえませんでした。
せっかく駆けつけていただいた各報道機関の皆様には、
万事不如意で、面倒をかけたことを心苦しく感じています。

今回起きた問題の論点はとてもシンプルです。

あえて大切な部分を大幅に削った上で、
事実の骨格だけ抜き出すと下記3点が問題となります。

①事前に当たり屋のドラマであることを隠していたこと。
②遺族を愚弄し、事実に基づかない虚偽放送であること。
③事後も内密の解決を画策し、謝罪訂正報道を拒否したこと。

「自転車事故の最大公約数は当たり屋であり、
 かすり傷だけで1500万円の賠償金はありえる」

これがフジテレビの現在の見解です。

もちろん、ありえない話です。

終始一貫して変わらない見解などではありません。
一旦虚偽と認めた上で、弁護士名で変遷させた見解です。

フジテレビには公に誤りを認めさせなくてはなりません。

自ら身を律することができなければ、
第三者機関を通じて、身を律していただく必要があります。

そのための今回のBPO申請でした。

私たちとしては、しばらく動きを見守るしかできません。

ただ申請したまま、何ら配信せずも好ましくありません。

目立った質問や、ネットでの議論を拾えるだけ拾い上げ、
FAQを設けることは必要だと思っています。

また来た質問にも、すべてに個別対応はできませんが、
あいの会のステートメントは出しておくべきだと考えています。

現在、準備を進めています。

断続的でも、必要な発信は行っていきたいと思っています。



i_nokai0708 at 23:55|PermalinkComments(0)取材&報道 | 情報提供

2015年07月06日

フジテレビBPO申立てにあたっての記者会見

昨日、BPO申立てを行いましたが、
同日夕方に記者会見も行わせていただきました。

2

私たちの思いは伝わったのではないかと思っています。

ヤフーその他でも取り上げられていました。

1

今朝の朝刊で掲載される新聞も多いみたいですが、
引き続き取材対応は誠心誠意行っていきたいと思っています。



i_nokai0708 at 07:01|PermalinkComments(0)取材&報道 | 情報提供

2015年07月05日

フジテレビに対するBPO申立ての報告

あいの会会員がフジテレビの報道被害にあった問題に関して、
本日、BPO(放送倫理・番組向上機構)に申立てをしました。

同時に本日、この問題に関して、記者会見を行いましたが、
その際に報道関係者に配布した要旨をもちまして、
あいの会公式サイトにもステートメントを出しました。
http://i-nokai.org/i/

全く同内容になりますが、ブログでも開示させていただきます。

またBPO申立てにあたって、提出した書面は下記になります。

BPO申立書
http://blog.livedoor.jp/i_nokai0708/BPOpetiton20150705.pdf

BPO意見書
http://blog.livedoor.jp/i_nokai0708/BPOopinionbook20150705.pdf

他にも補足資料は多くありますが、
すべては掲載しきれませんので、ご理解願います。

記者会見のことについては、追って報告させていただきます。



***  ***  ***



フジテレビに対するBPO申し立てについて


平成27年7月5日
交通犯罪被害者遺族   東 光宏
関東交通犯罪遺族の会(あいの会)


Ⅰ.最初に

平成27年2月17日に放送されたフジテレビ「カスぺ!『あなたの知るかもしれない世界6』」に関して、東光宏及び関東交通犯罪遺族の会(以下、「私たち」と言います。)はBPO(放送倫理・番組向上機構)に申立てを行いました。同番組の中のうち「わが子が自転車事故を起こしてしまったら」とのタイトルで始まる再現ドラマが問題とする箇所となります。


Ⅱ.問題となる放送内容とそれによって生じた被害の内容

1 取材と放映の経緯
インタビュー依頼にあたり事前に受けた説明は下記がすべてでした。それであれば今後、悲惨な被害者が現れない啓発になればと考え、東はインタビューに応じることにしました。

・自転車で事故を起こすとこんな重大な事態になるという問題提起をしたい。
・ただゴールデンタイムなので死亡ではなく、顔に重大な怪我を負わせたという設定にする。
・しかし面白おかしくでは決してなく、あくまで自転車事故の重大性を訴える内容だ。

2 放送内容
しかし放映内容は、事前説明とはかけ離れたものでした。交差点で中学生が、小学生の男の子に自転車で衝突するのですが、その小学生は、最初から意図した「当たり屋」で、そのことが随所でわかる演出となっており、さらに小学生側代理人の弁護士の言い値のまま1500万円という法外な金額を取られる内容でした。その冒頭に東のインタビューが使われていました。

3 フジテレビが認めたこと
その後4月になってフジテレビから私たちに接触があり、話を聞くことになりました。
4月10日会合時、フジテレビに対し、内容の事前説明がなかったこと、自転車被害の多くは当たり屋ではないこと、東や自転車被害者の多くが当たり屋のような印象を与えかねないこと、番組内の負傷で1500万円はあり得ないこと、被害者の多くが法外な請求をしている誤解を与えかねないことなどを抗議しました。
続く4月25日会合では、フジテレビから、東に不快な思いをさせたことに対する謝罪文の読み上げがあり、下記内容をフジテレビは認めました。

①本件番組はバラエティ番組ではなく、情報バラエティ番組であること
②作品買取りではなく、制作会社に業務委託して作った番組であること
③番組の公式サイトには「実際に体験した人々に取材し事実のみで構成されたドラマ」「実話の物語をドラマ化した「最大公約数ストーリー」」と謳っていること
④再現ドラマが当たり屋に金銭を詐取される話になっていること
⑤当たり屋であることはドラマ冒頭から伏線であったこと
⑥取材に基づいた内容ではなく「架空」のドラマを作成したこと
⑦軽傷で完治しているドラマ事案での1500万円という賠償額について、相談した弁護士から具体的な数字は出ておらず、制作側でこのようなものだろうと判断したこと

4 放送内容の問題点
番組コンセプトとして、「事実のみで構成されたドラマ」「実話の物語をドラマ化した「最大公約数ストーリー」」とあり、番組内でも繰り返し同じ文言を使いながら、実際は裏付け取材をせずに制作されました。また自転車被害の最大公約数が当たり屋というのは事実と大きく異なります。もっとも多い現象は、当たり屋ではない普通の被害です。さらにドラマの小学生は軽傷で、番組最後には完治しています。これで1500万円の賠償金が認められるようなことはありません。これでは交通犯罪の被害者が法外な請求している印象を視聴者に与えかねません。よってこれは虚偽放送に当たると考えます。

5 フジテレビの対応
 当たり屋のドラマであることの事前説明が全くなかったことについては、フジテレビも表面的に謝罪をしています。しかし最大の問題は、フジテレビが虚偽放送であることを一切認めないことです。上記会合後、私たちは改めて確認の意味で下記内容の書面をフジテレビに送りました。

①抗議
(1)当たり屋がドラマのメインであることについて、事前に全く説明がなかったことを抗議する。
(2)東があたかも当たり屋のような誤解を視聴者に与えかねない内容であることに抗議する。
(3)当たり屋が自転車被害者の最大公約数との内容で、被害者の名誉を傷つけたことを抗議する。
(4)非常識な賠償請求する印象を視聴者に与えて交通犯罪被害者の名誉を傷つけたことを抗議する。
②要望
  これらについて、番組審議会で取り上げられること、書面で謝罪をされること、謝罪訂正報道を求める。

これに対し、フジテレビは、代理人の弁護士を通して、会合で認めた内容を変質させ、最大公約数という謳い文句に反しない、1500万円もありうるなどと回答をしてきました。苦しい弁明としか言いようがなく、理解困難です。

6 東の現在の心境について
東は特に以下の点について憤っています。

①当たり屋がメインの再現ドラマであることを隠し、趣旨を偽って依頼をしてきたこと
②インタビュー映像が、交通犯罪被害者を誹謗する番組の前ふりに利用されたこと
③私が実際に裁判で賠償金の支払を命じる判決を得ていることから、「私もどうせ高額な賠償金目当てで文句を言い続けているたぐいであり、その点で当たり屋と似たようなものだ」との誤解を視聴者に与えかねない状況にあること
④その後の話し合いでも、内々の謝罪文で内密に済ませようとしており、謝罪訂正報道を拒否したこと

7 犯罪被害者等基本法について
平成16年成立の犯罪被害者等基本法では、全て犯罪被害者等はその尊厳が重んじられ、尊厳にふさわしい処遇を保障される権利があると明記し、国民の責務として、犯罪被害者等の名誉又は生活の平穏を害することがないよう十分配慮しなければならないと定めています。フジテレビの姿勢は同法を踏みにじるものです。



Ⅲ.フジテレビに求めたいこと

以上より私たちは、フジテレビに対して、まずは放送内容について訂正報道をして欲しいと思います。その上で、きちんと文書で謝罪して欲しいと思います。またこれら訂正報道及び謝罪については、フジテレビのホームページにも掲載して欲しいと思います。



Ⅳ.フジテレビとの交渉の経緯

フジテレビからは、あいの会監修下で、特集番組を作る提案をされ、それで解決として欲しいとの要請もありました。しかし私たちは、訂正報道がなければ視聴者の誤解は解けないし、東の名誉回復もされないと考えました。だから訂正報道をして欲しいと申し入れ、複数回の会合を通じ、特集番組の提案に対しても、その番組冒頭に謝罪訂正報道を入れてみるのはどうかとの妥協案を示すなどして、できるだけ穏便かつ建設的な解決をしようと努力してきました。しかしフジテレビがその妥協案も拒否したため、これ以上の交渉は埒があかないと考え、今回の申立てに至りました。



i_nokai0708 at 20:00|PermalinkComments(1)取材&報道 | 情報提供

2015年07月04日

記者会見のお知らせ(フジテレビBPO申立て)

報道関係者の皆様

フジテレビのBPO申立てに関して、
明日、記者会見を行います。

ついては下記の通り、告知いたします。

【日時】
2015年7月5日(日)16:00~

【場所】
髙橋正人法律事務所
(東京都千代田区麹町3-10-2 KWレジデンス半蔵門1001)

【本件問い合わせ先】
(※記者会見が終了しましたので削除しました)

ご不明な点があれば、上記までお問い合わせください。



i_nokai0708 at 14:16|PermalinkComments(0)取材&報道 | 情報提供

フジテレビ問題の続報(読売新聞報道とBPO申し立て)

あいの会副代表の東が、フジテレビから報道被害を受けた件で、
近日中にBPO(放送倫理・番組向上機構)に申立てをします。

この件で読売新聞の本日朝刊で記事が出ましたので共有します。

2015あいの会0704読売新聞BPO

なおこの件では、明日あらためて記者会見をする予定です。

フジテレビとは、可能な限り柔軟に、話し合いを続けてきましたが、
一度認めた過ちを、弁護士名で翻して、苦しい言い訳をしてくるなど、
フジテレビには誠実な対応をしていただくことができませんでした。

非常に残念なことですが、そのため今回、第三者機関申し立てにより、
再発防止に向けた改善を求めることとなりました。

あいの会としては、フジテレビが今回の件を真摯に受け止め、
このような過ちを二度と繰り返さないための教訓にしてもらうことで、
報道被害を受ける被害者遺族が再び出ないことを願ってやみません。

申立の要旨その他については、追って報告させていただきます。



i_nokai0708 at 12:40|PermalinkComments(0)取材&報道 | 情報提供

2015年07月01日

あいの会6月度講演会の補足(交通事件での臓器提供問題)

先日のあいの会講演会では、息子様を交通犯罪で奪われた上、
医師の執拗な勧誘を受け、臓器提供もしてしまったことで、
苦悩を抱え続けているご遺族の方にお話をしてもらいました。

今回は参加者一人ひとりが、話を聞いて、
どう感じたか話してみようという試みも行いました。

もちろん儀式のための儀式になってはいけないし、
機械的なルールになってもいけないと思い、
パスしたい人はパスして構わないという流れにしました。

そこで参加者の一人ひとりから出た発言を採録して、
前回ブログの補足にしたいと思います。

やはりこの問題は、今後改善していかなければならないし、
内閣府や厚生労働省に働きかけをしていきたいと考えています。



*** *** ***



つらい話だった。
今回の話をうかがって、この方は息子様の脳死判定を受け入れ、
臓器移植を決断しなければいけなかったことで、
もう一度苦しい思いをしなければならなかったのだと感じた。
私の妻は、即死状態だったため、病院に運ばれることもなく、
警察の遺体安置所で会うことになった。
到着した警察署では、警察官から遺体の修復が済んでいないから
まだ会わない方がいいと言われた。
ボロボロになった妻の遺体の修復が済むのを自宅で夜中まで待った。
しかし振り返ると、その時に会っていたほうがよかったのではないか、
そうしていれば少しでもぬくもりを感じることができたのではないか、
という後悔を引きずっている。
その一方で、もしすぐに会っていたら、もっとトラウマとなり、
いま抱えているPTSDもひどくなっていたのではないかとも思う。

***

いたるところで死の尊厳がないがしろにされていると感じる。
私の事件の場合は、司法解剖をされた。
司法解剖する法医学者のいる病院に搬送される時、
その搬送経路に喫煙所があり、喫煙中の職員がこちらを振り返っていた。
そんな汚れた場所は通ってほしくないし、人払いの配慮もほしかった。
司法解剖後の遺体は、乱暴に縫い合わせてあり、とにかくグチャグチャで、
頭もホチキスで止められているなど、死者としての尊厳も何もなかった。
これらの問題については、これまでどこでも議論の対象になっていないが、
今後、おかしいことはおかしいと声を上げ、何とかしなければいけない。
エンバーミング(遺体修復)について損害賠償が認められず、
当たり前のように遺族の自費負担になっている現実も変える必要がある。
法律として、遺族の心情に関係なく、司法解剖を命じているのだから、
遺体を家族に返す時も、ただ雑に縫い合わせて終わりではなく、
国としてエンバーミングをきちんとしてから返すべきではないのか。

***

私の息子は、バイクで交差点を直進中に右折車と衝突して即死だった。
バイクの後ろには後輩を乗せていた。
同乗していた後輩は、心臓の動脈バイパス手術をして社会復帰ができた。
お会いした後輩のお母様からは、きっと責められるだろうと思っていたが、
逆に慰められ、恐縮してしまった。
その方と息子は、子供同士を通じて話をしたことがあり、
信頼関係があったからだと思う。
同乗者が助かり、社会復帰してくれてよかったと思っている。
もしその後輩の方も亡くなっていたら、もっとつらかったと思う。

***

私は、当時、自分のことでいっぱいいっぱいで、
家族がどうなっているのか、まったくわからなかった。
今回の話を聞いていて、つらくなってしまって、話すことができない。
つらいなか、話をしていただいてありがとうございました。

***

ありがとうございました。
話をうかがっていて、自分の事故と重なってしまうところがある。
当時は自分のことでいっぱいで、家族のことを考えることができなかった。

***

ありがとうございました。
うちは即死だったので、臓器提供の話はなく、病院では死亡確認だけだった。
父は顔に大きな傷があり、ホチキスで止めてあったのが脳裏に焼き付いている。
母は顔がふくれていて、納棺の時に初めて足が折れていたことがわかった。
その時に、骨折箇所を補強くらいはしてくれていてもよかったのにと思った。
あの当時、臓器提供の話をされていたら、どうしたらいいのか考えられず、
医師の言われるままにサインをしてしまったと思う。
きっと何も考えられないまま、事務的に処理されてしまっていたと思う。
その場に置かれて、冷静に判断できる人などいないのではないかと考えた。

***

今回の話を聞いて、自分だったらどうしていただろうかと考えさせられた。
私の場合は、義理の両親だったので、夫が決断して、
夫が書類にサインをするのを、横で見ている以外にはできなかったと思う。
血のつながった家族しかできないことが多く、自分は何なんだろうと感じた。
何もかもしなければならず、重い選択を迫られる夫は大変だったと思う。
今回の話では、駆け付けた娘さんが車いすで運ばれたという話があったが、
娘さんも、お母さんの判断を尊重し、その重圧は大きかったことと思う。
決断や対応を代わることができない自分が悔しかったのではないかと思う。
家族お互いが思い合っているのであれば大丈夫だと思う。
私たちも事件から何年もたって、ようやくその話ができるようになった。
娘さんが倒れて車いすで運ばれたというその時、
看護師だけではなく、被害者を支援する人がなぜ身近にいないのかと思う。
被害に巻き込まれているのだから、その点は問題だと思う。
脳死の問題は、交通事故による場合が多い。
被害に遭ったその先をしっかり考えていきたい。
被害者支援の一環として、支援者が身近に寄り添っていたら、
脳死や臓器提供についても冷静に判断して、断るなら断ることもできたと思う。
臓器提供の問題は、提供者=家族の側の意思や尊厳が捨て置かれ、
病院やコーディネーターが主導になってしまっているように感じた。
断るか承諾するかは、臓器提供者側がゆっくり冷静に判断することだと思う。
その場に置かれた人が一人で決めなければいけないのはつらいことだと思う。
支援者が被害者の近くに寄り添うことが大切だと思った。

***

脳死判定承諾書のコピーが資料で提示されたが、これをみると問題がある。
「脳死判定の時は、みなさん、これを書くんですよ」と医師に騙されて、
それが臓器提供の書類だと気づかずに書かされている人もきっといると思う。

***

移植コーディネーターは本来中立的な立場であるはずだが、
コーディネーターがいる場面で、家族がきちんとした判断をすることは難しい。
日本では、自分の意思をはっきり伝えることがよくないという風潮もあるし、
自分の思っていることを伝えてもいいのかというところからスタートする。
中立的な立場の人ではなく、むしろ家族の側の人がいて欲しかったと感じた。
今日は、この方が今まで言えなかった大切なことをシェアしていただいたが、
話すだけでとてもエネルギーのいることだったと思う。
重い気持ちだったと思うし、今日ここに来るのもどうしようと迷ったのではないか。
話をしていただいたなかで、肯定的な言葉を聞くことができたのはうれしかった。
重い言葉を受け止めてくれる人たちだということで話をしていただいたのだと思う。
今回参加者の皆さんは、ご自分のことと重ね合わせて考えてしまうかもしれないが、
ご自分のこととは切り離して、ご自分をケアすることも忘れないで欲しい。

***

脳死の問題は難しいものがあるが、医療に携わる人たちの教育が必要だと思う。
その場に置かれた人がどういう思いでいるのかをしっかり理解する。
医療に携わる人たちには、そうすることができるような教育が必要である。
また臓器提供をするかしないかの意思表示については、
常日頃から、家族と十分に話し合っておくことも必要だと思う。

***

なによりも心のケアが大切だと思う。
明日以降、皆さんもそれぞれご自分なかで咀嚼して欲しい。
支援の問題については、内閣府や厚生労働省への働きかけを考えていきたい。



i_nokai0708 at 20:29|PermalinkComments(2)講演会 | 情報提供