2015年11月

2015年11月28日

全国被害者支援ネットワーク冊子『犯罪被害者の声』への寄稿

被害者自助グループ間のつながりもあって、
全国被害者支援ネットワークの発行する冊子に、
寄稿させていただくことになりました。

「生と死を経験した交通犯罪~心の支援と生活支援~」

というタイトルで、被害者にあった当時を振り返りました。

その大変な思い、苦しみなどをあらためて考えたとき、
それでも支援を受けたことで救われた部分があったこと、
そして最近では、心の支援も大切だけれども、
もっと切実な生活支援も大切だと思うことを書きました。

『犯罪被害者の声』第9集になります。
22~26ページに掲載いただいています。

手に取る機会があれば、読んでもらえたら幸いです。

2015あいの会1126犯罪被害者の声001

2015あいの会1126犯罪被害者の声002

2015あいの会1126犯罪被害者の声003

2015あいの会1126犯罪被害者の声004

2015あいの会1126犯罪被害者の声005

2015あいの会1126犯罪被害者の声006



i_nokai0708 at 10:38|PermalinkComments(0)交流 | 情報提供

上毛新聞の取材記事「飲んだら乗るな!」(2015.11.25)

群馬県の地方紙となる上毛新聞に、
あいの会代表の小沢樹里の取材記事が掲載されました。

11月25日付の紙面となります。

2015あいの会1125上毛新聞001

2015あいの会1125上毛新聞002

2015あいの会1125上毛新聞003

群馬県は講演などでつながりのある県です。
そんな縁もあって、取材を受けていました。

紙面の通り、飲酒運転に対して警鐘を鳴らす記事に、
言葉を寄せさせてもらった内容になります。

数行ですが、遺族の言葉に込めた思いを受け止め、
読んだ人のうち1人でも飲酒運転は犯罪だと思い返し、
とどまってくれる人が出てくれることを願っています。



i_nokai0708 at 10:19|PermalinkComments(0)取材&報道 

2015年11月25日

あいの会11月度定例会(2015.11.21)

11月21日(土)、あいの会の定例会を行いました。

「犯罪被害者等基本計画案」に対して、
内閣府がパブリックコメントを募集しているので、
私たちとしても、できるだけ有意義な意見を出したいと考え、
どんな意見を出すことができそうかを話し合いました。

2015あいの会1120定例会002

内閣府の募集サイト
「第3次犯罪被害者等基本計画案骨子」に対する意見募集について
http://www8.cao.go.jp/hanzai/kou-kei/event/iken/h27/bosyu.html

まだ整理している段階ではありますが、
主に下記のような内容について意見提起を行う予定です。

・臓器移植についての問題
・警察へのソーシャルワーカー配置について
・裁判所でのコピー料金が割高な問題
・犯罪被害者支援精通弁護士の問題
・加害者に寄り過ぎる日弁連の偏向問題
・犯罪被害者給付について
・医療従事者に対する犯罪被害者への理解促進
・公判前整理手続きについて
・不起訴事案等に関する情報提供について
・告訴に対する適切な対応について
・公判記録の閲覧謄写制度について
・職業運転手が加害者の場合の各種情報開示の義務化
・上訴における被害者側への事前意見聴取

国(内閣府)は、提出された全ての意見に目を通し、
一覧表にして検討すると聞いています。

今回の意見募集には、誰でも意見を出すことができます。
被害者団体でなければならないという縛りはありません。

私たちも意見を出しますが、これを読んでいる方で、
少しでも「国にこうしてほしい」という意見のある方は、
ぜひ意見を出してほしいと思います。

個人のふと思っている意見が目に留まり、
政策や法律に結実すれば、素晴らしいことだと思います。

ちなみにあいの会定例会を行った11月21日は、
いつも犯罪被害者のために熱い思いで活躍され、
あいの会顧問もお願いしている高橋正人弁護士の誕生日でした。

あいの会でもささやかなサプライズを行いました。

高橋先生、○○回目の誕生日、おめでとうございます。

2015あいの会1120定例会006

2015あいの会1120定例会005

2015あいの会1120定例会007

また1週間遅れになってしまいましたが、懇親会の場で、
電子キャンドルでワールドディの追悼を行いました。

2015あいの会1120定例会012

2015あいの会1120定例会013



i_nokai0708 at 23:59|PermalinkComments(0)定例会 | 陳情活動

2015年11月12日

ワールドデイ2015の案内

今週日曜日は世界道路交通被害者の日にあたります。

毎年11月第3日曜日に、国連総会で定められた日ですが、
交通犯罪で奪われた命を追悼する催しが世界で行われます。

World Day Remembrance for Road Traffic Victims
世界道路交通犠牲者の日

交通遺族の間では、ワールドデイとして語られますが、
日本でも毎年、全国各地で交通遺族主宰の催しがあります。

東京では毎年、前夜の東京タワー前の芝公園において、
キャンドルナイトの催しが行われます。

今年も開催されますので、その案内を共有します。

【日時】11月14日(土)17:30より
【場所】東京タワー前芝公園
    (詳細地図は下記案内をご参照)

WorldDay2015

キャンドルナイトは、全国交通事故遺族の会が続けられ、
2012年の会解散後も、元会員有志により続けられています。

夜空の下でキャンドルをともし、
交通犯罪で奪われた命に参加者それぞれが想いを馳せます。

あいの会有志も、参加できるメンバーは参加する予定です。

ささやかなイベントかもしれませんが、
すぐに風化しがちな命の尊さを訴えるキャンドルナイトは、
これからもずっと続けていくべき催しだと考えています。



i_nokai0708 at 06:55|PermalinkComments(0)情報提供 | 想い

2015年11月08日

内閣府の公聴会&意見交換会主席の報告(2015.11.6)

内閣府主宰の公聴会および意見交換会に行ってきました。
第10次交通安全基本計画中間案についてのものでした。

10月6日(金)
公聴会13:00~15:30
意見交換会15:30~17:00

私たちの伝えた意見は下記の内容でした。


***意見概要***

第10次交通安全基本計画中間案を拝見しました。「人優先」の安全対策を重視した内容となっていて、また随所に犯罪被害者の声が反映されたものとなっていることに、まずもって感謝いたします。その上で、交通犯罪をなくすために、あいの会として、特に力を入れてほしい考えている点について意見を申し上げます。

1.日常生活に密着した交通政策をより積極的に推進して欲しい。

①生活道路の改築の上で、「地域が主体」となって進められるべきであることはもちろんですが、地域まかせきりではなく、子供やお年寄り、障害や病気を抱えている方を十分に考え、歩行の安全のために地域の声をよく聞き、人優先の『まちづくり』をしてほしい。

②自転車が、交通犯罪において被害者となるだけではなく、他方で加害者にもなり得ることは、人優先の交通安全対策を検討する上で極めて重大であり、その視点から、自転車専用通行帯や自転車の目線の標識などを積極的に設けるなど、歩道との区別をより一層明確にし、「暮らしの道」の機能分化を徹底してほしい。その際、自転車専用通行帯を、子供やお年寄りにもわかるよう、もっとわかりやすく表示し、他方、道路標識については、自動車だけでなく、自転車を運転する者にもわかりやすいよう表示してほしい。

③また、高速度で走行する自転車によって引き起こされる事故が重大な結果をもたらすことは、多くの自転車事故でも明らかであり、自転車と自動車との関係に重点を置き、自転車が車道を走行する時の安全確保のための具体的な措置を検討するだけではなく、自転車と歩行者との安全対策の面で、自転車にも速度制限を設けるなど、特に坂道における安全な通行を確保するための具体的な措置を実施してほしい。

④交通安全対策では、教育の果たす役割は非常に大きなものがあると思われる。特に自転車は、子供もこれに乗って車道や歩道を走行し、そのために被害者となったり、逆に加害者となることがあり得る。子供の安全のためには、学校において、年1回の自転車の安全な走行に関する講習を義務化するなどの方策が講じられるべきである。

⑤自転車が被害者となる事故も加害者となる事故も、自転車の走行に問題のある事故が多々あることも否定できない。そこで、自転車の道交法違反に対し厳しく処罰し、違反常習者に対しては講習を義務化することが望まれる。

⑥今年6月の道交法改正で、危険自転車への講習が義務化されたが、全く改善されていないとの報道が目立ち、実際に街を歩いてもそれを実感する。取り締まりの強化を図ると同時に、講習実施も徹底してほしい。また講習状況も随時開示して広く啓発してほしい。

⑦次に、自動車の自動運転について、現段階でこれを積極的に推進することについては、さまざまな意見があり、単にこれを進めようとするのではなく、多方面から幅広く意見を聞き、慎重に検討してもらいたい。また、これと並行して検討されなければならないのは、お年寄り、障害のある方、医学上の理由で運転を制限されている方の問題である。これらの方々は、移動手段に困り、孤独な生活を余儀なくされたり、引きこもり状態に陥ったりすることが考えられ、また、運転をすることが重大事件の引き金にもなりかねない。そこでまずは、医療や福祉が積極的に動き、サポートする体制が望まれる。

2.犯罪被害者の保護を強化して欲しい。

①自転車による死亡事故や重篤な傷害が発生する事故が数多くあるが、自動車と異なり、強制保険制度がないため、被害者が十分な補償を受けることができず、また加害者が大きな負担を負わなければならないことにもつながっている。自転車事故による犯罪被害者の損害賠償のため、自賠責などの強制保険を創設することは急務である。

②このため自転車にナンバープレートをつけるなど、登録制度も必要である。

③次に、都道府県や市区町村において、より身近で生活支援につながる犯罪被害者支援条例を制定し、きめ細かな支援をしてほしい。

3.犯罪被害者団体への意見聴取について

①最後に、犯罪被害者団体に意見を求めるときは、1ヶ月以上の期間を設けてほしい。

*** ***


こうした内容をお話しさせていただきました。

また最後に、私たちにも、それぞれ小さな子供たちがいるので、
その子供たちにもわかりやすい道や法律にしてほしいと伝えました。


今回は、私たち、あいの会を含めて、8つの団体が参加しました。
そして、そのうちの6団体が交通の被害者遺族団体でした。

あいの会の講演会でお話をしていただいた方も、
別の団体からそれぞれ意見を述べられていました。

その内容をかいつまんで書きますと、下記の通りです。


【佐藤清志さんの公述】
・交通安全基本計画の専門委員に犯罪被害者の参加をさせてほしい。
・もっと早い段階で、公聴会などの連絡をしてほしい。
・ドライブレコーダーの標準化を検討してほしい。
・世界道路平和の日(今年は11月14日)の開催について理解を求めたい。


 【井上郁美さんの公述】
・法律が適正に使われることを願う。
・警察・検察の担当者によって捜査の差が出るのは不公平。
・検察でも良い実例を全国展開して共有してほしい。
・裁判所によって、結果に不公平感が出ている。
・被害者は警察も検察も裁判官も選べないことを考えてほしい。
・遺族となった人の苦情や根本的な問題の分析をして、共有してほしい。


その他にも多くの団体が次のような意見が出ていました。

・事故情報の公開について
・ゾーン30について
・データ収集の必要性と分析
・高齢者事故・病的な事故のデータの収集
・被害者の声を大切にしてほしいこと
・小樽事件や福岡の事件・長野佐久事件・アメリカ村事件など
・踏切事故データの収集を求めること


続いて意見交換会においては、
法務省、警察庁、内閣府、国土交通省、文部科学省から担当者が出席し、
被害者・遺族団体が質問し、担当者がそれに答えるという進行でした。

主だったやり取りを記録した限り、書き出すと下記になります。

・漫然運転で、信号無視などと判断されるに至らない事犯について。
・免許取りたての若者に対しての促進はどうなっているか(促進している)
・交通安全基本計画の委員への遺族参加は可能か(席が足りないとの回答)
・警察の支援室が関わるよりも遺族団体の方に連絡相談が来る現実がある。
・事故初期から中長期まですべてにおいて遺族団体のほうがサポートできる実態。
・その団体についての理解とサポートをもっと手厚くしてほしい。
・2020年東京オリンピック開催時には無人タクシーが出るのではないか。
 それを想定して、事故が起こったらではなく事故を起こさないようにしてほしい。
・ヨーロッパやオーストラリアの罰金制度を参考にしてはどうか。
・オーストラリアの事例:シートベルト着用義務違反は違反者個人に罰金刑。
・オーストラリアの事例:自転車のヘルメットの着用義務化。
・オーストラリアの事例:主要道路での監視カメラ設置の促進。
・オーストラリアの事例で参考にならないのは踏切一時停止義務がないくらい。
 外国の良い事例はどんどん取り入れてほしい。
・被害者庁の創設について検討してほしい。
・死亡事故の不起訴率の高さを改善してほしい。
・事故捜査を科学的に尽くしていないのではないか。
・事故原因の解明が不十分ではないか。
・大きな事故の場合の事故調査委員会の立ち上げをしてほしい。
 (そうした場合は事故調査委員会が立ち上がるなどの回答あり)
・集団登校については賛成と反対の双方の意見が出た。
 

あいの会(小沢樹里)からは、次の3つの質問をしました。

①心の支援よりも生活の支援が大切であること

市区町村窓口の方が、被害者にとって必要な支援が何か理解していないのではないか。
被害者ノートの活用をもっと進めてほしい。
再就職や社会へのリスタートへのサポートを手厚くしてほしい。
そうした支援は現在、加害者だけになされている。

②ランドセルの安全性について

ランドセルは頭を守るための設計がされているが、
教科書が全部入っていると重くて転倒したり、
ひっかけ事故に遭ったり、不審者から逃げ遅れる事案がある。
この改善を検討してほしい。

③自転車の色が地味であることについて

中学生などは自転車の規制があり、グレーなどの目立たない色で、
逆に危険性が高くなっている。
注意力や危険性への理解がまだ不完全な子供が危険に晒されている。


今回は、とても長時間の内容になりましたが、
以前よりも改善されているところは確実に改善されているし、
こうした場で発言することで、今後の改善についても期待できます。

今回こうして発言の場をいただけたことを感謝しつつ、
足りないところについては意見を伝え続けたいと思っています。

内閣府合同庁舎1



i_nokai0708 at 21:28|PermalinkComments(0)

2015年11月04日

井上保孝・郁美ご夫妻による講演会(2015.10.31)

ハロウィーンの仮装でにぎわう10月31日(土)の池袋、
あいの会で、井上保孝・郁美ご夫妻の講演会を行いました。

1999年11月、飲酒トラック運転手によって引き起こされた
東名高速道路上での交通犯罪のご遺族になります。

あと1ヶ月で事件から16年が経とうとする中での講演でした。

前々回の下記ブログ記事でも紹介文を掲載しましたが、
「東名高速飲酒運転事故」でネット検索していただければ、
ウィキペディアや他のサイトで詳細を知ることができます。

【講演会のお知らせ(井上保孝・郁美ご夫妻)】
http://blog.livedoor.jp/i_nokai0708/archives/46712310.html

今回の講演内容については、それを受け止めた心情も含め、
当会代表の小沢樹里が既に自らのブログで報告しています。
(下記参照)

【東名高速道路事件遺族、犯罪被害者家族として向き合う事】
http://blogs.yahoo.co.jp/kbpnx111/39574716.html
(小沢家ブログ「家族の光の中へ」より)

ここの会のブログでは、全体について補足だけしておきます。

2015あいの会1031井上夫妻講演会003

2015あいの会1031井上夫妻講演会004

まず保孝さんが、事件当時のこと、裁判のこと、
その後の法定刑見直しを求めた活動について振り返られました。

当時は危険運転致死傷罪も被害者参加制度もありませんでした。

運転手は飲酒運転の常習者で、殺人と何ら変わらないのに、
そして殺人なら死刑もあるなか、懲役5年が限度での公判。

検察官の求刑が懲役5年で、判決は懲役4年で確定してしまう。

そんなたった数年の収監など納得できるわけがないのに、
「8掛けは満額に近い」などと無慈悲に言われてしまう現実。

危険運転致死傷罪成立後も、被害者を見捨てて逃げた上で
捜査をごまかす重ね飲みや、アルコールを薄める工作など、
逃げ得がまかり通る課題が残っていた話もされました。

続いて郁美さんにマイクがバトンタッチされ、
事件当時に感じた疑問から、アルコール問題について、
思いと問題提起をしていただきました。

飲酒運転事件は、その時が「たまたま」「初めて」ではなく、
たいていが常習者で、周囲の責任も考えるべきであること、
アルコールの知識が全体的に低いことなどを挙げられました。

「飲んだら乗るな」というキャッチコピーは間違いで、
「乗るなら飲むな」が認知される必要性にも触れられました。

また当会代表より事前に相談していたことがあり、
それについてもお話いただけました。
遺族の会を続ける秘訣を教えてほしいという相談です。

無理は禁物。
お互いの立場や状態の違いを認めること。
お互いの貢献度を比べないこと。
出会いを喜ぶこと。
楽しむことも大事。

まずそんなアドバイスをもらいました。

「遺族同士だから無条件でわかりあえる」などは神話で、
気持ちの合う人と一緒にいるだけで十分であるとも。

その上で私のことを公のことにどう変換していくか。

大切な子供を奪われて「その子がいかに可愛かったか」
だけを語り続けていても、そこで話は止まってしまう。
世の中に訴える根本は何なのかに進まないといけない。

子供にもわかるようなメッセージである必要があるし、
署名活動でも10秒で道行く人に伝わらなければいけない。

そして直接の関係者でない人にも関心を持ってもらう。

そうした話をしてもらいました。

2015あいの会1031井上夫妻講演会005

2015あいの会1031井上夫妻講演会006

2015あいの会1031井上夫妻講演会007

井上ご夫妻は年明けに海外赴任されてしまうとのことで、
国内にいる最後の機会に講演していただきましたが、
お願いしてよかったと、会員一同感じることができました。

また今回は新しいご遺族も2組こられました。
十年以上前の方と、数ヶ月前の方でした。

あいの会でできる支援はしていきたいと思っています。



i_nokai0708 at 02:16|PermalinkComments(0)講演会 | 交流