2016年11月
2016年11月30日
大阪被害者支援アドボカシーセンターでのパネリスト参加(2016.11.26)
小沢家は、大阪被害者支援アドボカシーセンターに招かれ、
「被害者支援シンポジウム2016 もし被害にあったら」にて、
パネルディスカッションのパネリスト参加をしてきました。




被害者支援シンポジウム2016
http://www.ovsac.jp/information

そこで、実際に交通犯罪の遺族・被害者になって、
どれだけ大変な思いをしたか、
そんな中でどんな支援を受けて、助かったか話しました。
小沢家では、重度の後遺障害を負った恵司は、
車椅子で公判参加をしなければならなかったのですが、
そんな中で支援者が、事前に道順をチェックしてくれたり、
体調が悪くなった時、本人だけ休ませる手筈を整えたり、
そのきめ細かな対応にとても助かった思いがあります。
また当時は子供も小さかったのですが、
子供用に休憩室を別に取ってくれて助かったりと、
本当に心を尽くした支援に感謝をしたことを話しました。
支援センターと、遺族・被害者の会の違いははっきりしています。
遺族・被害者同士は思いを語ったり、行動する時に支えあう関係。
しかし支援センターでは、遺族・被害者が主体でない分、
むしろ冷静に、細かく、サポートしてもらえる部分があります。
そのような人の支援に関わることの大切さも話してきました。
また二次被害がないようにしてほしいということも伝えました。
残念ながら、まれに二次被害の話もないわけではありません。
人に信頼される支援ができるように気を付けてほしい、
ただビクビクはしないでほしいという話もしてきました。
今回は小沢樹里と一緒に、夫の克則も登壇したのですが、
克則からも、当時どれだけひどい状況にあったか、
日々が大変すぎて泣くこともできなかった状況を話してきました。
私たちはよく「味噌汁一杯のやさしさ」を例に出します。
豪華な物でなくてもいい、手作りの味噌汁一杯の配慮だけで、
相手の体だけでなく心も温かくすることができる。
そうした配慮は、誰にでもできるはずの支援であるものです。
そんな温かい支援をしてほしいと思いました。
また各地の支援センターの抱える問題はその認知度です。
多くの人はそうした団体や活動があることすら知らないままです。
まず活動を知ってもらうことが大切だし、
そのためにも子供の時から広く知ってもらう必要があるので、
小学校などにも講演をしてほしいという要望も伝えてきました。
パネルディスカッションの後も、アドボカシーセンターの方とは、
たくさん話す機会をいただきましたが、いろいろ話した中で、
「支援者だって合わないと思ったら代えてもいい」
というある支援者の方の発言はとても心に残りました。
そう言えるのは、それだけ普段からきめ細かい支援ができていて、
しかも、そのことを決して驕っていない証だと感じたからです。
大阪被害者支援アドボカシーセンターの人は、
遺族・被害者に寄り添った、きめ細かい支援をしていると感じました。
良い支援をしている人たちのそうした体温を直接感じられたことは、
とても貴重な機会になったと思っています。

2016年11月28日
ハートバンド2016(2016.11.26~27)
犯罪被害者週間に合わせて、
毎年この時期に開催されるハートバンド。
(正式名:犯罪被害者週間全国大会)
今年もあいの会は有志で参加してきました。
今年は、池田小殺傷事件で娘様を奪われたご遺族の方と、
交通事犯でお母様を重度後遺障害にされた方のお話があり、
そのあと、いつもの車座トークとなりました。
池田小の事件のご遺族からは、わずかな言葉の使い方から
傷つけられた話などもあり、そのことに後から苦しんだこと。
癒しは逃げ出すこととは異なり、
逃げ出さずに必死に生きようとする人生そのものであること。
生きることはたくさんの命とつながることなどの話がありました。
お母様の重度後遺障害と闘っている方のお話からは、
ためになるたくさんのアドバイスがありました。
車座トークでも、考えさせられる話がたくさん出ました。
取り返しのつく財産犯が重くて、
取り返しのつかない生命犯が軽い日本の司法の矛盾。
全国自治体の96%に設置されている被害者相談窓口のうち、
きちんと機能しているのはわずか18%に過ぎない現実。
そうした問題に対する意見提起もありました。
そして何よりも同じ遺族の友人たちに再会できたこと。
1年に1回のこの場でしか会えない人も少なくありません。
しかし1年に1回、顔をみて、言葉を交わすことで、
孤独に闘っているわけではないことを実感できる場が、
毎年ハートバンドに行く大きな理由となっています。
2016年11月24日
さいたま家庭裁判所での講演活動(2016.11.18)
さいたま家庭裁判所の交通講習会プログラムに招かれ、
11月18日(金)、小沢樹里と恵生の2名で講演を行いました。
これはあいの会の他のメンバーも断続的に引き受けていますが、
物損などの人の死にまで至らなかった交通事故を起こした
未成年者とその保護者を対象とした講演活動となり、
安全意識向上のための教育プログラムの一環となります。
自分たちのこれまでの経験に加えて、今回講演では、
人の命を奪っていない、軽かった、だから問題ない、
ということでは決してないことを強調してきました。
埼玉県は18~19歳の追突事故が全国最多の県です。
物損で済んだからという甘さがあれば、
その次に、人の命を奪う悲劇に繋がってしまいます。
最近になっても、宮崎県で23歳の女性が、
小学生3人をはねた事故が報道されました。
その時、加害者となった女性は、
車を降りてパニック状態で叫んでいたとのことです。
きっとこの加害者も、まさか自分が、
こんな大きな交通犯罪を犯すことになるとは、
実際に起こすまで想像もつかなかったのだと思います。
わずかなことで、人は加害者にも被害者にもなりうる。
ほとんどの人は、残念ながら実際に当事者になるまで、
そのことをどうしても想像できないでいます。
多くの人にとって、交通事故の当事者になることは、
他人事になっている。悲しいですがそれが現実です。
しかし、それではいつまでたっても
防ぐことのできる悲劇を減らすことはできません。
わずかな不注意が大きな悲劇を起こす。
それは誰でも起こしてしまう可能性のあることだし、
自分のこととして考えてほしいと強く訴えてきました。
犯罪被害者支援弁護士フォーラム主催シンポジウムの案内
来月、犯罪被害者支援弁護士フォーラム主催で、
一昨年と昨年に引き続き、第3回シンポジウムが開かれます。
テーマ:国民が求める刑罰制度について
日時:12月17日(土)12:30~
場所:星陵会館ホール(東京都千代田区永田町2-16-2)
※最寄り駅:永田町駅、国会議事堂前駅、溜池山王駅
被害者遺族の方も含めた講演のあと、
2部に分けてのパネルディスカッションを行います。
講演では、ここで今からお名前を出すことは差し控えますが、
多くが知っている殺人事件のご遺族にお話いただく予定です。
パネルディスカッションでは、
第1部が「国民が求める刑罰制度について(死刑を除く)」
第2部が「死刑制度について」
をテーマとして予定しています。
第1部では、2つの論点が想定されていると聞いています。
一つは仮釈放なしの終身刑の導入について、
もう一つは執行猶予について議論がされる予定とのことです。
特に交通犯罪では、当然のように付けられる執行猶予で、
多くの遺族が悔し涙を流している現実があります。
そうした現状についても議論がなされるものと思われます。
第2部のテーマは、一部弁護士の個人的な主義・信条で、
国民感情を無視して、死刑制度廃止を宣言したりしている
昨今の日弁連のあり方を意識したものとなっています。
私たちも、偏った主義・信条を掲げる一部の弁護士により
私物化されている今の日弁連は問題があると考えています。
今回のシンポジウムは入退場は自由です。
事前の申し込みも不要で、もちろん入場無料の催しです。
できるだけ多くの方に関心をもってほしいと考えまして、
あいの会ブログでも、共有させていただきます。