2016年12月

2016年12月31日

あいの会忘年会(2016.12.30)

12月30日は、あいの会の忘年会でした。

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気を遣わず、安心して、ゆったりと過ごせる
語らいあいの時間になったと思います。

今回は昨年12月23日、さいたま市浦和区で起きた
高齢者がブレーキ踏み間違えて暴走した交通事犯で、
16歳の誕生日目前だった稲垣聖菜さんを奪われた
そのお母様の稲垣智恵美さんが参加されました。

稲垣さんは現在、下記のサイトも立ち上げて、
高齢者の運転免許制度改正の署名活動をされています。

http://seina.jp/

「自分なら大丈夫だろう」という高齢者の過信で、
大切な娘さんを奪われて、まだ1年しか経っていない中、
必死に闘い続けてこられ、先日12月16日、
加害者に禁錮1年6ヶ月の実刑判決が出されていました。

あいの会のメンバーもこの公判を傍聴をしていて、
その縁もあり、今回の稲垣さん参加になったわけですが、
「高齢者だから・・・」となあなあで執行猶予にせず、
一人の尊い命を奪った罪を正面から見据えた判決に、
私たちも、勝ち取った判例の大きさを噛み締めていました。

まだ控訴をされるリスクもあるので、予断は許されませんが、
今回の実刑判決が確定し、命を奪う罪の重さに、
きちんと答えられる判例となっていくことを願っています。

先日、警察庁が67年ぶりに1年間の交通死者数が、
4,000人を下回る見通しであるとの発表を行いました。
11月末時点の交通死者数は3,484人だったとのこと。

そして良かったこととしてのニュースとなっています。

しかし交通死亡事故として国の統計に乗ってくるのは、
あくまで24時間以内に亡くなった方々のみで、
それ以上長く苦しんで亡くなった方々は含まれていません。

また交通遺族からみれば、統計などは関係ありません。
今回の統計に上がった3,484人のほとんどにも家族がいて、
その家族は、一生に一度あるかないかの悲劇の中にいます。
今回いらしてくれた稲垣さんもその一人です。
数が少なかったから良かったねという話ではありません。

そうした理解をもっとひろげていきたいと思っています。

今年も多くの人たちに支えていただきました。
本当にありがとうございました。
また来年も、ご支援をいただけますと幸いです。


i_nokai0708 at 08:13|PermalinkComments(0)交流 | 想い

2016年12月30日

犯罪被害者支援弁護士フォーラム主催シンポジウムの報告(2016.12.17)

犯罪被害者支援弁護士フォーラム主催の
シンポジウムが12月17日(土)に開催されました。

シンポジウム案内パンフレット
http://www.vs-forum.jp/wp-content/uploads/2016/11/a3ed53f2bb4e3daa9965bccecde0aa41.pdf

私たちも有志で何名か参加してきましたので報告します。

今回は第3回目のシンポジウムとなり、
「国民が求める刑罰制度」というテーマでの開催でした。

その内容は死刑制度と執行猶予制度の2つについてです。

死刑制度については、今年は日弁連の大会や、
瀬戸内寂聴問題などで大きな話題にもなりました。

私たち交通被害者遺族の立場からみれば、
命でしか償えない罪の重さ、奪われた命の重さを、
やはりこの国ではあまりにも軽視されてきているし、
もっと考え直してもらいたいと議論を通じて感じました。

「死刑制度をなくす代わりに被害者支援の拡張を」
という意見も一部出ましたが、それは見当違いです。
償いと被害者支援は別次元の問題だと考えます。

死刑が廃止されている国では、正真正銘の終身刑や、
抵抗する容疑者に対しては現場射殺も推奨するなど、
凶悪な犯罪への対処は厳正に行われています。

それすらもないまま刑罰だけを軽くしようとする考えは、
ただでさえ加害者天国のこの国のあり方を
さらにひどいものにするだけであると考えています。

交通遺族の多くが身をもって痛感していることですが、
世界の中で日本ほど加害者に手厚い国はありません。

そんな中で死刑制度をなくそうという議論には、
違和感ばかりが目立つのが事実です。
その前に奪われた被害者の命の考え直すべきです。

次に執行猶予の議論について。

「一部実刑、一部執行猶予」について議論がありました。

既に薬物犯については運用がなされてるものですが、
交通事犯に積極的に適用すべきという話がありました。

これは仮釈放と混乱しやすいかもしれませんが、
最初から量刑のうち一定期間を実刑で刑務所に収監させ、
残りの一定期間を執行猶予とするというものです。

これまで運用されている318件のうち、
300件以上が薬物犯についての適用となり、
まだ薬物犯へのテスト運用にとどまっているようです。

しかしこれを交通事犯に広げるべきという議論がありました。

交通事犯の場合、加害者の執行猶予付き判決に、
家族を奪われた遺族の大半が悔し涙が流します。
遺族の多くは、1日でも刑務所に入って、
実際に償ってほしいという気持ちがあります。

禁錮100年執行猶予100年という形式的文言よりも
1日の実刑判決を出してもらったほうがいいのです。

形式罰の執行猶予付き判決が横行している交通事犯の場合、
万全ではないにしても、現状よりは良い制度だと思うので、
ぜひ交通事犯への運用を広げてほしいと考えました。

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