2017年11月
2017年11月26日
ハートバンド2017
毎年この時期に開かれるハートバンドに、
今年も、あいの会有志で参加してきました。
ハートバンド(犯罪被害者週間全国大会)
http://www.heart-band.com/
第1部は被害者遺族お二人の講演。
お一人目は、4年前に大分市で起きた集団暴行事件で、
当時19歳の息子さんを殺されたお母さまのお話でした。
加害者たちが未成年であったために、
少年法の存在に苦しめられたお話もされていました。
また被害に遭った直後に、
支援センターや弁護士を紹介されたと話されていましたが、
講演の最後で「サポートは何もなかった」と振り返っていて、
結局、窓口だけはあっても、それだけだったという話に、
支援センターのあり方をよく議論している私達としても、
やはり強いショックを感じずにはいられませんでした。
お二人目のお話は、飲酒ひき逃げの加害者によって、
2年前、15歳の息子さんを奪われたお母さまでした。
轢いた直後の加害者が、息子さんの救護を放置し、
コンビニに駆け寄って、ブレスケアを一気飲みし、
警察もまともに捜査せずに、飲酒基準値も検出されず。
そのため逃げ得となり、発覚免脱罪も適用されなかったこと。
さらに担当についた副検事がひどいありさまで、
知識不足の上で、加害者を弁護する対応ばかりして、
結局、執行猶予付きの判決に終わってしまった。
そうした憤りを涙をこらえながらお話されていました。
あいの会の顧問をしていただいている高橋正人弁護士も、
よく未熟な副検事による問題を発言していますが、
今回もまさに「副検事問題」の被害事件とも言える話でした。
「必要以上に加害者の権利ばかり守る裁判はおかしい」
この方は、講演の最後にそう締めくくっていました。
その後に続く第2部はリレートークでも色々な話が出ました。
間違った捜査認定に基づいて不十分な判決が出た後でも、
「控訴理由が見当たらない」と控訴を拒む検察の話。
「量刑不当だけでは控訴しないように」という通達が、
最高検から検察内であったという話。
実刑を受け、5年間服役した加害者ですら、
「軽いと思った」と感じさせるような今の司法量刑の基準。
裁判官の「どんな判決を出してもクビにならない」独立性が、
結局、裁判官の傲慢と独善を生んでいる話。
新しい法律が出来ても、制度の本質は20年前から、
何も変わっていないという嘆きの声。
繰り返された多くの言葉は、
「日本の法制度はことごとくおかしい」というものでした。
最後にコメントを求められた元常磐大学学長で、
犯罪被害者学の権威の諸澤英道先生は、
「被害者が先頭に立ってがんばらなくてはいけない国は、
日本が最初で最後の国になってほしい」と強い言葉で訴えました。
毎年ハートバンドは、この機会しか会えない遺族仲間も多く、
なつかしい方々に挨拶し、話ができた貴重な時間でもありました。
2017年11月20日
2017年11月19日
11月度あいの会定例会(2017.11.18)
11月18日(土)に、東京・池袋であいの会定例会を行い、
参加者は少人数でしたが、五周年記念集会の振り返りと、
今後の活動の方向性についての協議を行いました。
五周年で講演した中村正文や髙橋聡美教授の講演内容は、
冊子にして残すことにしました。
各自治体や関係する方々にはお送りする予定ですが、
これはまた詳細が決まりましたら報告します。
また今回は少人数だからこそ、あらためてお互いの近況や、
抱えている問題などをゆっくり話し合うこともできました。
また今回定例会の翌日は「ワールドデー」です。
日本語では「世界道路交通被害者の日」が正式名で、
毎年11月第三日曜日に、交通犠牲者やその家族を
考える日にしようと国連で定められている日です。
毎年この時期は、あいの会でも小さな試みですが、
毎年キャンドル追悼を行っており、今回も行いました。
その後、場所をレンタル会議室から居酒屋に移して、
いつもながらの懇親会を行いましたが、
山口県からグリーフサポートやまぐちの山根和子さんが
上京のタイミングが合い、急遽駆けつけていただけました。
また山根さんの縁で、岐阜県の交通遺族の方も合流されました。
【岐阜】乗用車と歩行者が衝突事故 竹田ひとみさん(20)死亡 土岐市
http://dorareko4649.blog.jp/archives/1055321802.html
スマホ事故遺族、多治見・陶都中で講演へ(中日新聞)
http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20171115/CK2017111502000027.html
スマホ運転の加害者に命を奪われた竹田ひとみさんのご両親も、
上京中のタイミングでしたので、来ていただくことができました。
2017年11月17日
犯罪被害者支援 県民のつどい(2017.11.11)
小沢樹里が犯罪被害者週間の催しに行ってきました。
犯罪被害者週間キャンペーン事業として、
「犯罪被害者支援 県民のつどい」が
さいたま市民会館で行われました。

主催者は、埼玉県と埼玉県警、
そして先日参加したミニセミナー主催者でもあった
埼玉犯罪被害者援助センターでした。
第1部は、犯罪被害者支援の感想文に対する表彰式で、
知事賞や県警本部長賞が授与されていました。
第2部は、毎日新聞の川名壮志記者の講演が行われ、
「犯罪被害者と隣人」をテーマに話をされていました。
川名記者は、私達あいの会とも交流があり、
過去に会合に来ていただいたこともあります。
交通犯罪、犯罪被害者、被害者支援に、
とても深い理解と問題意識を持たれている方です。
川名記者の講演をあらためて聞いて、
普通に生活していても、誰もが被害者になりえるし、
だからこそ被害者になってしまった人に対して、
そばにいる隣人が耳を傾けることが大切だと思いました。
