2018年09月
2018年09月08日
犯罪被害者支援弁護士フォーラムシンポジウムへのパネリスト参加(2018.9.8)
9月8日(土)開催の犯罪被害者支援弁護士フォーラムの
シンポジウムに、小沢樹里がパネリストとして登壇しました。
今回パネリスト参加したのは、シンポジウムの第1部で、
テーマは「被害者報道を考える」というものでした。
小沢の他にも、様々な事件の被害者遺族、
弁護士、報道関係者がパネリストとして登壇して、
主に被害者を実名報道することの是非や、
事件直後の取材のありかたについて多くを議論しました。
これらのテーマについては、被害者遺族と弁護士は、
・匿名だから事件の重大性が伝わらないということはない
・被害者を実名にするかどうかは被害者に決めさせてほしい
・ただし事件直後はショック状態で正常な判断はできないので、
一定期間は取材を自制してもらいたい
・せめて通夜と告別式は静かに過ごさせてもらえないか
という意見に集約されていましたが、対する報道側は、
・重大事件を匿名で済ませていいのかという思いがある
・被害者の名前を出すことで訴えられることがある
という意見で、それぞれの思いに理由はあると思いますが、
どこまでも平行線に終わってしまった印象は否めません。
私たちは交通犯罪遺族です。
交通犯罪遺族としての立場から言えば、やはり何よりも、
遺族の心情を第一に配慮してほしいとの思いがまずあります。
なお私たちがこれまで遺族として取材を受けてきた方々は、
一部の例外はあっても、大半は真摯な方ばかりでした。
しかし今回の議論のメインテーマではありませんでしたが、
残念ながら、社会常識の欠落した報道関係者が、
あくまで一部ではあっても、一定数存在する話も出ました。
報道陣がワッと詰めかけて、彼らが去った後に、
パンの袋や煙草の吸殻が散乱していることもあったそうです。
また報道関係者一人ひとりもあくまで組織に属する立場ゆえ、
「いいから遺族が泣いている絵を撮ってこい!」
と上から言われたら、それを拒むのは難しい現実もあります。
今回の議論を見て、すぐに遺族の気持ちが配慮される報道が
実現することは難しいだろうと感じてしまいましたが、
それでも、こうした議論の機会を繰り返すことによって、
少しずつでも変わっていくことを願わずにはいられません。
休憩をはさんで第2部は、
「性犯罪のない社会を目指して」がテーマでした。
第2部の冒頭で上川陽子法務大臣の挨拶があり、
性犯罪被害抑止に向けた取り組みを話されていました。
第2部では、『男が痴漢になる理由』著者で、
大森榎本クリニック精神保健福祉部長の斉藤章佳氏が、
なお第1部で小沢の話した箇所は、
あくまで一部ですが、YouTubeにアップしましたので、
参考までにリンクを貼らせていただきます。
第4回犯罪被害者支援弁護士フォーラムシンポジウムでのあいの会・小沢樹里発言2018年9月8日①
https://www.youtube.com/watch?v=FHdXymZHvyM
第4回犯罪被害者支援弁護士フォーラムシンポジウムでのあいの会・小沢樹里発言2018年9月8日②
https://www.youtube.com/watch?v=fRkMgykxyaQ
第4回犯罪被害者支援弁護士フォーラムシンポジウムでのあいの会・小沢樹里発言2018年9月8日③
https://www.youtube.com/watch?v=nS4XHG6ZfyA
今回のシンポジウムの様子や小沢の発言については、
東京新聞でも記事として取り上げられていました。
今回シンポジウムの合間で、あいの会9月度定例会も行い、
今後のスケジュールや課題について協議も行いました。
2018年09月07日
小沢講演「交通犯罪被害者のその後」(2018.9.7)
9月7日(金)、群馬県太田市の宝泉中学校に招かれ、
小沢樹里が講演活動を行ってきました。
県内の被害者支援センターであるすてっぷぐんま様など、
これまで講演させてもらった皆さまの縁がつながり、
小沢は毎年、群馬県のどこかで講演をさせてもらっています。
群馬県では「命の大切さを学ぶ教室」を展開しています。
交通安全の啓発への取り組みも積極的です。
とても素晴らしい県だと、交通遺族としていつも感じています。
この日は「交通犯罪被害者のその後」という題で話をしました。
今回、小沢が講演をして驚かされたのは、
中学校の全学年の生徒さん約500人が受講したのですが、
講演中の私語が一切なかったことでした。
話を聞いてくれる生徒さんの表情も、とても真剣でした。
講演の後、校長室で、上毛新聞の取材を受け、
さらにその後、生徒会の生徒さんたちもやってきて、
交流させてもらいましたが、その時のやり取り、
そして生徒さんたちの言葉はとても感動的でした。
命や家族の重みを実感できたと言ってもらえた時の
その場の生徒さんたちの口調や表情に間近に接し、
あらためて響くものがあった手応えを実感できました。
中学生だから、大人より未成熟などということはなく、
若い人も、自分の命も、誰かの命も守りたい、
と強く思っていることを、やり取りの場で強く感じました。
今回の宝泉中学校での講演の様子は、
同地の上毛新聞でも記事に取り上げていただきました。