2020年11月
2020年11月26日
警察庁・第4次犯罪被害者等基本計画案に対する意見書提出
意見募集がありましたので、あいの会でも意見書を出しました。
警察庁
「第4次犯罪被害者等基本計画案・骨子」に対する意見の募集について
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=120200011&Mode=0
提出した意見書は下記になります。
http://blog.livedoor.jp/i_nokai0708/ouropinion20201124.pdf
以下の構成で意見書を取りまとめました。
Ⅰ.警察官の対応改善
1:警察官向けの遺族講演研修の定期的実施
2:警察官の言葉遣い教育プログラム導入
3:不受理時の説明の徹底
4:「事故」ではなく「事件」であるとの認識の推進
Ⅱ.道路交通環境の再検証
5:道路標識体系の見直し
Ⅲ.運転者の問題
6:高齢者の運転免許制度のあり方
Ⅳ.交通捜査の今後について
7:事故捜査の外部委託の推進
8:調書作成にあたっての記録性の確保
9:ひき逃げ死亡事故捜査の鑑定二次チェック体制化と時効廃止
Ⅴ.被害者支援の推進
10:警察署での被害者支援に関する説明の義務化
11:裁判での二次被害抑止
12:裁判での偽証罪立件強化
13:マスメディアに対する犯罪被害者の報道協定提案
14:犯罪被害者へのネット誹謗中傷への名誉棄損罪立件強化
15:警察署へのソーシャルワーカー配置
16:司法解剖に関わる費用負担や配慮の拡充


内容の詳細に触れようとすれば膨大になりますので、
PDFの文書をご覧いただきたいと思いますが、
大論の箇所から、細かい部分ゆえに見過ごされ、
被害者や遺族が傷ついても救済対象外だった点についても、
今回言挙げすることで、改善に繋がってほしいと考えています。
2020年11月25日
高橋聡美先生のグリーフ講演会開催(2020.11.21)
本来であれば、感染予防対策を万全にした上で、
オフラインで実際に顔を合わせての開催を目指しましたが、
感染拡大の情勢を鑑みて、オンライン開催に切り替えました。


精神看護学者でグリーフを研究している高橋聡美先生に、
今回講演会の講師をお願いしました。
ブログ(高橋聡美の研究室)
https://blog.canpan.info/satomilab/
詳細プロフィールなどは上のブログに譲りますが、
高橋先生には、5周年記念集会でも講演をお願いし、
今年夏もグリーフサポーター養成研修をしていただき、
今回で3回目の講師依頼になった縁のある方です。
その時の様子は下記ブログで触れさせてもらいました。
http://blog.livedoor.jp/i_nokai0708/archives/52261320.html
http://blog.livedoor.jp/i_nokai0708/archives/57000131.html
トラウマは心の問題だけれども体にも症状が出ることがある。
トラウマによって強度の肩凝りや不眠が起きたりもする。
原因はわかっていても、どこがトラウマになっているのか、
あまりにも複雑で、それを紐解くことは難しいことも多い。
だからこそ全てをはっきりさせる必要は全くない。
またトラウマから逃げることも時には大切。
逃げることが回復のヒントになることもある。
穏やかな時間を多く作って、それを日常とすること、
被害体験は決して日常ではないと言い聞かせることも大切。
私たちあいの会のように、一人で孤立しない場所を作ったり、
自分と一緒にいて安心できる人を作ったり、
そのリラックスの時間が大切という話がありました。
*** *** ***
また今回はあしなが育英会の方にもご参加いただきました。
あしなが育英会のあしながレインボーハウスグリーフで、
プログラムディレクターをされている相澤治さんからは、
グリーフサポートプログラムの現場の実際ということで、
親を交通死で失った子供たちがどんな風に1日を過ごすのか、
グリーフプログラムでのファシリテーターと子どもの関係の大切さ、
子どもが自分の感情を素直に表現できる場所が大切であること、
などについて話を聞くことができました。
また子どもグリーフサポートステーションを主宰する
西田正弘さんにも最後に話をしていただきました。
小学校5年生の時にお父様を交通死で亡くされ、
あしなが育英会で活動している西田さんですが、
私たちは自分たちの思いを知ってもらいたい気持ちで発信していて、
それは二人称の思いを三人称の多くの人に伝えたい思いですが、
三人称の多くの人は、決して本人の気持ち以上には超えないけれど、
寄り添うことができるだけでも有意義であるという話もありました。
なお西田さんにはあいの会2周年記念集会でも講演をお願いしています。
http://blog.livedoor.jp/i_nokai0708/archives/43062445.html
http://blog.livedoor.jp/i_nokai0708/archives/39795010.html




以上は全体のやり取りのほんの一コマです。
私たちあいの会では、交通犯罪防止もちろんそうですが、
これからも自分たち自身の回復のヒントを探しながら、
そして発見したヒントを発信しながら活動していきたいと思います。
2020年11月10日
縦割り110番への意見提起
縦割り110番が設けられ、あまりの意見殺到ぶりに、
一旦閉じられた経緯はニュースにもなりましたが、
その縦割り110番のサイトが再開されていました。
規制改革・行政改革に関する提案
(縦割り110番)
https://form.cao.go.jp/kokumin_koe/opinion-0009.html
池袋高齢者暴走死傷事故遺族の松永拓也さんは、
遺族活動を通じて「どうしてもこれを変えていきたい」
という明確なテーマをいくつか持つようになりました。
今回の縦割り110番のサイト再開に接して、
関心テーマの一つの「被害者の休暇制度」について、
意見提起の投稿をしましたので、ここでも報告します。
投稿した全文は、下記になります。
***
■提案事項名
犯罪被害者の休暇制度について
■提案の具体的内容
犯罪被害者の休暇制度拡充をお願いいたします。現在、犯罪被害者の特別制度はあくまでも厚生労働省から事業者に向けて推奨されているだけであり、義務ではありません。一方、犯罪の直接当事者ではない裁判員は、多くの企業で特別休暇取得が認められております。厚生労働省と法務省で連携し、事業者に対する推奨ではなく、裁判員制度導入時と同じような、より強い働きかけをしていただきたいと考えています。
■提案理由
犯罪被害者になると、心の回復のための時間、検察官や弁護士との打ち合わせ、または被害者支援センター等との打ち合わせやカウンセリング、被害者参加制度を用いた裁判参加を含めると、有給休暇だけではとても足りなくなります。犯罪被害者の休暇制度というものがしっかりと利用できなければ、理不尽にも被害者という立場になった人間の社会復帰の機会が得られず、やむを得ず離職する方が沢山います。実際に施行された場合の社会的な効果として、犯罪被害者の身体的な回復、または精神的な回復に十分な時間を割けるということ。そして裁判への参加に対し十分な準備が行うことが出来ます。実際に犯罪被害者となった方の離職率は非常に高く、東京都総務局が犯罪被害者に行ったアンケートでは、「仕事をやめた」との問いに対し「あてはまる」「ややあてはまる」と答えた方は35.7%。性犯罪被害者になると54.3%になります。犯罪に巻き込まれた被害者が、そこから更に被害に遭い、生活が立て直せないということはあってはならないと思います。そして多くの犯罪被害者遺族は、裁判への参加が真実への一番の近道と考えています。犯罪は年間約100万件近く発生します。それまで通常に働いていた国民が犯罪被害者や遺族になり社会生活を営めなくなることは、国としても多大な社会損失だと考えます。だからこそ、犯罪被害者の心と身体の回復や、裁判としっかりと向きあえる機会としての休暇制度は与えられるべきではないでしょうか。犯罪被害者基本法ができたものの、被害者へのケアに関してはまだ十分とは言えません。どうかこの現状を打開したく、縦割り110番に投稿いたしました。


2020年11月07日
寄付への感謝
前々回のHP完成報告の時にも少し触れましたが、
今回HPで振込先口座を開示する以前より、
何度も繰り返し寄付をしていただいたり、
身に余る大きな額の寄付をしていただけるところが、
法人でもありますし、個人の方でもいらっしゃいます。
とてもありがたいことだと思っています。
あらためて寄付いただいた皆様、ありがとうございます。
そのうちのあくまで一つの例としてですが、
あいの会代表の小沢樹里とその家族が行きつけている
モアナデンタルクリニックさんがあります。
小沢の地元の埼玉県東松山市にある歯科医院です。
そこの院長先生は、小沢家が以前より懇意にしていて、
「ほんの微々たる気持ちなので」
との言葉で、これまで何年にもわたって繰り返し、
ずっとあいの会に寄付を続けていただいてきました。
他にも同じようにメンバーとの個人的つながりから始まり、
あいの会の活動に対しても理解を示していただき、
寄付という形で支えてもらっているところがいくつかあります。
今回例に挙げたモアナデンタルクリニックさんだけでなく、
ここで今、すべてをあげることはできませんけれども、
こうした支援をいただいている全ての方に感謝します。
やはりこうして寄付をいただいているところも、
あいの会を支えている大切な柱の一つだと思っています。
そして感謝の気持ちをハッキリ形にして刻んでいくため、
近いうちHPに寄付者一覧ページも作ろうと考えています。
(もちろん寄付額を掲載することはありません。
50万円も500円も等しく尊い支援の気持ちです)
あくまで掲載の同意を得た上で・・・となりますので、
きっと全員の方を掲載というわけにはいかないでしょうし、
個人の方についてはどうするかという課題もあります。
ただそうした方向でHPも拡張していこうとしていることは、
あらかじめて伝えておきたいと思い、ブログに書きました。
2020年11月06日
佐々木成三さん「刑事力コミュニケーション」講演会への参加(2020.10.31)
10月31日(土)、あいの会メンバーの松永拓也が、
佐々木成三さんの講演会に参加してきました。

松永さんも自身のブログで既に報告していますが、
あいの会としても、報告させていただきます。
松永さんブログ
「刑事力コミュニケーション講演を聞いてきました」
https://ameblo.jp/ma-nariko/entry-12635547263.html
佐々木成三さんは刑事コメンテーターとして活動され、
縁あってあいの会相談役もしていただいている方です。
今回の講演も、元捜査一課刑事としての経験を元に、
コミュニケーションのあり方についての内容でした。
警戒する加害者、被害者、目撃者から情報を得るため、
心を開いてもらい、真相を聞き出す技術が必要です。
語られた話もそのまま鵜呑みにするわけにもいかないので、
様々な視点から考え、何が正しいか見極める能力が必要です。
遺族は自分の家族が奪われた事件をネットで目にすると、
心ない書き込みや真偽の不明な情報にも困惑させられます。
それに振り回されないための知恵はとても重要になります。
今回は佐々木さんの著書に関連した講演会イベントでしたが、
(『「刑事力」コミュニケーション:優位に立てる20の術』 小学館)
そうした姿勢や技術について、学ぶ良い機会になりました。

2020年11月05日
結婚記念日と日刊スポーツ記事掲載(2020.11.4)
池袋高齢者暴走死亡事故の遺族で、
あいの会にも参加している松永拓也さんにとって、
昨日11月4日は真菜さんとの結婚記念日でした。
そのことで特に取材は受けていなかったのですが、
日刊スポーツで記事になっていましたので報告します。
全くのサプライズ記事で、私たちが見つけたのも偶然で、
松永さんも記事の存在を知ってビックリしていました。
日刊スポーツ
「池袋暴走遺族の松永さん、結婚記念日を迎え思い綴る」
https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202011040000160.html
当日取材の話もなく、SNS言及もリアルタイムだったので、
その日が結婚記念日だと知っていた同紙記者の方が、
(日刊スポーツからは以前取材を受けていました)
あらかじめ事前に準備していたのだろうと推察されます。
記事もあたたかい内容で、とてもありがたいと思っています。
松永さんもブログで結婚記念日について書いています。
あわせてここでも紹介させていただきます。
松永拓也のブログ「結婚記念日」
https://ameblo.jp/ma-nariko/entry-12635806148.html
(以下、松永さんのブログより転載)
11月4日は、結婚記念日です。
この日は私にとって特別な日です。
2013年11月4日。真菜にお付き合いを申し込みました。
その時に真菜が
「11月4日だから、『いいよ』の日だよ!覚えやすいでしょ?」
と言って笑い、受け入れてくれました。
一年後の11月4日、結婚しました。
彼女と出会えたこと。
莉子を生んでくれたこと。
かけがえのない時間を3人で過ごせたこと。
生前も毎日伝えていましたが、
「ありがとう」という感謝と、
愛しているという気持ちを伝えたいです。
彼女たちの命を無駄にしない為に。
もう誰もこんな思いをしないように。
交通事故撲滅のために生きます。
「皆様と同じように生きていた人の人生が、
一瞬で変わってしまうのが交通事故」
だということをお伝えしたいです。
その上で、
「交通社会に生きる皆様ひとりひとりが、
出来ることを考えるきっかけになってほしい」
ということを願って投稿しています。
私は私で出来ることを続けていきたいと思います。