2020年12月

2020年12月31日

2020年 年末の挨拶

今年はコロナ禍に多くの人が巻き込まれ、
生活も大きく変化した一年でした。
しかし交通犯罪の多さが変わることはなく、
苦しみ悲しみを抱える遺族の存在の重さと多さは、
今年も変わらなかったという実感があります。

被害者・遺族の立場がまだまだ弱いことを感じます。
コロナ禍を理由にした停滞は許されない現実があります。

例えば厚生労働省においては、
被害者休暇制度の努力義務が提示されていますが、
実際にそれを運用している企業はほとんどありません。
さらにそんな実情を問題視する議論さえありません。
被害者・遺族の実情改善が急務な証拠の一つです。

しかし今年のそんななかではあっても、
私たちあいの会ではできることを進めてみました。

第4次犯罪被害者基本計画案に対して意見を出し、
第11次交通安全基本計画案にも声を発しました。

高齢ドライバー問題やドライブレコーダー義務化にも、
具体的な意見を伝えてきました。

もちろん意見を言ったから変わるわけではありません。
課題は多く、動きは遅く、決して楽観はしていません。
ですから来年は、今年訴えてきた数々の言葉を、
現実に変える力をつけていきたいと思っています。

私たちの訴えは、当たり前のことばかりです。
守ることのできる命を守ること、
遺族になった後もう一度普通の生活に戻る大切さ、
そうした当たり前が可能な世の中にしたいと思います。
そのために多くの人の理解と協力が必要です。

あいの会も、今年はなかなか実際に集まることができず、
オンライン越しに顔を見るだけの仲間が大半でした。
もちろんこんな状況は早く終わってほしいと思います。

しかしそんななかでも、新しい縁がつながったり、
交流を深めることのできた人たちもいました。

ただ「コロナだから仕方ない」とあきらめたりはせず、
今置かれた現状で何ができるか考えて議論しあい、
実行してみることの大切さを感じた1年でもありました。

今年も多くの人に支えられてきました。

たくさんの方からの寄付もいただきました。
ビックリするほどの寄付をしてくださった方もいます。
そんな皆さんのおかげでホームページも作成できました。

あいの会HP
https://i-nokai0708.com/

あらためて感謝の気持ちを伝えたいと思います。
そして来年も支えに感謝を伝えられる1年になることを願い、
2020年の年末の挨拶とさせていただきます。

今年もたくさんのご支援をありがとうございました。

関東交通犯罪遺族の会(あいの会)
代表 小沢 樹里 ほか会員一同

2020あいの会1231年末挨拶


i_nokai0708 at 10:56|PermalinkComments(0)想い 

2020年12月16日

池袋高齢者暴走死亡事故第3回公判の一部報道まとめ

池袋高齢者暴走死亡事故の第3回公判が
12月14日に開かれ、加害者側から、
やっと冒頭陳述書が出されたと先日書きました。

どんな主張をするのかと注目していましたが、
「電気系統のトラブルがあった可能性がある」
「踏み間違えではないので無罪を主張する」
たったこれだけの荒唐無稽な作文の用意に、
ずっと待たされていたことの無力感も書きました。

この日のやり取りは各メディアで報道されたので、
記録のため、ここでも一部取り上げておきます。

■各紙抜粋イメージ(いずれも翌日12月15日朝刊)
2020あいの会1214第3回公判_006

またテレビ東京は昨年からずっと松永さんに密着し、
今回もとてもわかりやすい動画をアップされたので、
ここでも紹介したいと思います。

■テレビ東京(Youtube動画)


またネットニュースサイトですが、
JCASTも丁寧な記事を書かれていたので紹介します。
https://www.j-cast.com/2020/12/14401004.html?p=all

加害者の主張、姿勢、考え方、どんな人物かは、
今週公判で極めてクリアになったと考えています。

もちろんこれからも松永さんの心情陳述、量刑意見、
そして加害者への本人尋問・・・と続きますが、
裁判所の判断材料ベースはほぼ出たと感じます。

刑事裁判は来春以降までしばらく続きますが、
できるだけ早く判決が確定し、
そして間違いなく執行されることを望むばかりです。


i_nokai0708 at 21:47|PermalinkComments(1)取材&報道 

2020年12月15日

池袋高齢者暴走死亡事故第3回公判 あいの会メンバーブログ

池袋高齢者暴走死亡事故第3回公判について、
前日といっても数時間前に前回ブログで書きました。

遺族で当事者である松永さんは無論のこと、
あいの会代表の小沢樹里も傍聴席に座り、
この日までの3回、加害者を見続けてきました。

二人も、この日の公判の感想を書いているので、
ここでも二人のブログを紹介します。

2020あいの会1214第3回公判_003

松永拓也のブログ記事
https://ameblo.jp/ma-nariko/entry-12644014495.html

小沢樹里のブログ記事
https://ameblo.jp/kozaru5/entry-12644041559.html

加害者側の荒唐無稽な冒頭陳述を聞かされ続け、
二人とも感じたことは、徒労感、むなしさ、醜さ、
やるせなさ・・・そして抑えきれない強い憤りでした。

先日、内閣府に出した意見書の中でも、
「嘘付き放題」を許す法慣習を変えたいと書きました。

※内閣府提出の意見書
http://blog.livedoor.jp/i_nokai0708/ouropinion20201207.pdf

まさにこんな思いを遺族にさせないでほしいからこそ、
こうした法慣習を変えてほしいと願っているのですが、
あらためてそんなことを実感させられる一日でした。


i_nokai0708 at 01:08|PermalinkComments(0)情報提供 

2020年12月14日

池袋高齢者暴走死亡事故の第3回公判(2020.12.14)

池袋高齢者暴走死亡事故の第3回公判が、
12月14日(木)午前10時から行われました。
今回はわずか20分で終わりました。

この日は、加害者側が具体的主張を行う予定でした。
私たちもどんな論を展開してくるのか注視してました。

しかし読み上げられた冒頭陳述書を聞く限り、
松永さん本人も、同じ周りのあいの会メンバーとしても、
ただただ虚しく、嘆息し、脱力してしまう内容でした。

事件から1年半経ち、準備時間も十分あるはずなのに、
やっと出してきた内容がこの程度のものなのかと・・・。

冒頭陳述書はA4数枚だったと聞いています。
しかしその内容は数枚にも満たない実に薄い内容でした。

既にいくつかのメディアで報道されている通り、
「確かにブレーキを踏んだが減速しなかった」
「下を向いてアクセルを踏んでいないことを数秒目視した」
「だからパニックになった」
「車を制御する電気系統のトラブルがあった可能性あり」
「よって加害者側の過失はない」
これらが加害者側の主張でした。

実はこの日に加害者側が出してきた冒頭陳述書は、
本来であれば第1回公判前に出してくるべきものです。
それを出さず、前回第2回公判の最後に、
「(いい加減)次回までに用意できますか」
と裁判官から促されて、やっと出してきたものでした。

「電気系統のトラブルがあった可能性」を補強するために、
冒頭陳述書には「専門家」の調査書も添付されていました。
しかしこの「専門家」は証言には立たないようで、
おおよそどんな背景で出てきたか察することができます。

この日のやり取りを知った私たちが等しく感じたこと。
それはただひたすら虚しいという一言に尽きます。

世の中にはいろいろな人がいます。
立派な人格者もそうでない人もいます。
当たり前のことですが、あらためてその現実を突きつけられ、
語り続けることの無力さと限界を感じた日でもありました。

伝わらない人にはどんなに言葉を尽くしても伝わらない。
「罪と向き合ってほしい」
松永さんが繰り返してきた言葉ですが、
今日で加害者には期待できない言葉だと痛感しました。

この日の公判後、松永さんとお義父さんは、
司法記者クラブで記者会見を行いました。

2020あいの会1214第3回公判_001

2020あいの会1214第3回公判_002

松永さんは、記者会見の中でこう話していました。

「しっかり証拠を集めてくれた警察と検察には感謝している」
「冒頭陳述書は既にある証拠を超えない既知の内容だった」
「冒頭陳述書では「パニックになった」ことを認めていた。
 アクセルが戻らないことを目視したと言っていた。
 果たしてパニック状態でそんな確認ができるのか疑問」
「加害者側は「健康について何も問題ない」と言っていたが、
 普通の健康と運転に必要な健康は違う。
 あの状態で運転をしたことをどう思いますかと問いたい」
「10年以内に事故はないと言っていたが、
  2001年に人身事故を起こして罰金刑を受けている。
  その後、家族での話し合いはなかったのか問いたい」
「ブレーキやアクセルを踏んだ踏まないと述べていたが、
 そもそも二つの勘違いから始まっているとしか思えない」

また亡くなった真菜さんのお父様は、
毎回の公判のために沖縄から飛行機で来ているのですが、
「来るときに足が重くなり苦しくなる」
と記者会見で話す言葉がメンバーの旨に突き刺さりました。

お父様は20分だけの公判のために、沖縄から前夜入りし、
今夜も東京に泊まって、明日沖縄に帰ります。
宿泊費も飛行機代も全て自費負担です。
ひるがえって加害者はタクシーで20分くらいの距離で、
苦労せず行き来でき、人払いなどの配慮も受けている。

比べるものではないと過去ブログでも主張してきましたが、
加害者の人権と被害者の人権の格差を目の当たりにし、
加害者の人権って、被害者の人権って何だろうと思います。

そんなにも丁寧に守られてきた加害者は、
結局この日も自らの罪と向き合うことはしませんでした。

ここまでの公判を見てきて感じることは、
これはもはや弁護士の戦術というレベルの話ではなく、
加害者本人の人間性の問題であると考えます。

 *** *** ***

以下、いくつか気になった論点を書いておきます。

加害者側は「暴走」という言葉に過敏になっています。
「暴走した」と記載の証拠には全て不同意を貫いています。

「(電気故障で)パニックになったが、暴走はしていない」

これが加害者側の主張のようです。

しかし前回公判で、利害関係のない全くの第三者の証人が、
「かなり暴走していた」「あおっていると思った」と
異口同音に当時の目撃シーンを語ってくれています。

そんなスピードで走っている中で1秒でも目を離せば、
それ自体が人を轢き殺す前方不注意に他なりません。
わずか2~3秒で、数台の車やバイクを追い抜いていた間、
いつ足元のアクセルを見る時間があったのかと思います。

結局暴走を否定しつつ、暴走の自白に他なりません。

なお電気系統に故障が発生すれば、車は普通止まります。

ここまで冒頭陳述書を出さなかった、出せなかった理由にも、
厳しい意見を言わざるを得ないと考えています。
複雑で、時間のかかる内容なら仕方ないのかもしれません。
しかし今日読み上げられた冒頭陳述書の内容は、
あまりにも簡素で、あまりにもお粗末なものでした。

こんな粗末な、1時間程度で書けるものを用意するために、
被害者を待たせ続けたことを加害者はどう考えているのか。
罪と向き合うことも、遺族の気持ちを思うこともできない。
そんな加害者の姿には、ただただ嘆息しかありません。

またそんな加害者の姿を3回見てきたメンバーの実感として、
自分の裁判に来ている雰囲気は全くなく、
他人の裁判の傍聴に来ている様子でしかないこともあります。
表情、動作、その全てがあまりに軽い印象が強くあります。

この日の記者会見の最後に、松永さんの弁護士から、
「加害者は金属の経年劣化の可能性を言ってきているが、
  本人の経年劣化は考えなかったのか」と批判していました。

人は誰でも老い、いろいろな能力が劣化していきます。
それは仕方のないことです。責められることではありません。
しかしそれが我が身に起きるかもしれないことを理解し、
それによって他人を傷つけないように自覚することは必要です。

加害者は2001年に自転車を轢き、20万の罰金刑を受けています。
この時、既に70歳前後。
都心に住んでいて、どうしても運転が必要な状況でもありません。
ここで運転をやめようと内省することもできたはずです。

しかし加害者はそうしなかった。
そして昨年の事件を起こしました。

厳しい判決を望む以外にありません。

次回以降の公判期日は、
  1月19日(火)10:00
 2月1日(月) 13:00
 3月3日(水) 13:00
次回は、警察側証人が証言台に立つ予定です。
これは実況見分調書も加害者が不同意なためです。

※本ブログはできるだけ第三者としての視点を残すために、
  あえて松永さんには話を聞かず、傍聴支援メンバーから、
  また別のメンバー(筆者)が話を聞いて書いています。

i_nokai0708 at 21:54|PermalinkComments(1)想い | 取材&報道

2020年12月10日

内閣府オンライン公聴会参加(2020.12.10)

12月10日、第11次交通安全基本計画策定のために、
内閣府が主催のオンライン公聴会がありました。

私たちあいの会も参加しました。

代表の小沢樹里が公述人として参加して、意見を述べ、
中村正文と東光宏が傍聴者として参加しました。

他の公述人からも(大半は既に存じ上げた方々でしたが)、
多くの意見が出ました。
高齢者運転、サポカー、免許制度のあり方など、
私たちが普段訴えているものと共有するテーマも出ました。

ある公述人の医師の方からは、
運転適性考察のため、交通環境作りに医師参加も必要。
あおり運転の背景には運転者の精神疾患も考えるべき。
「道路に飛び出すな」と子どもにルールを教えるよりも、
(そう何度言い聞かせても、幼児は飛び出してしまう)
子どもが事故に遭わない交通環境作りのほうが大切。
ながらスマホに対しては、独立した啓蒙推進が必要。
ノーカーデイの導入も有効、といった話がありました。

聴いていて、これらは全くその通りだなと感じました。

あいの会では、下記の意見書を提出していましたが、
それに捉われず、近々で感じていたことを伝えました。
http://blog.livedoor.jp/i_nokai0708/ouropinion20201207.pdf

公述人の小沢からは、次の必要性を訴えました。

2020あいの会1209内閣府公聴会_001B

(1)ドライブレコーダー義務化
(2)被害者休暇制度の義務化
(3)被害者の視点を取り入れた教育
(4)ノーマイカーデーの導入
(5)急増しているアルコール依存の対策
 
まずドライブレコーダー義務化では、事故原因究明は当然だが、
キャパオーバー傾向の警察の捜査負担軽減にもつながること。
業務車両導入は進んでいるが、一般車両への導入も必要なこと。
それにより運転能力に問題のある可能性のある高齢者の方にも、
自分の危うい運転記録を自分の目で実際に見ることで、
安全運転への能力と限界を見届ける力を与えることになること。

次に被害者休暇制度の義務化については、
裁判員は特別休暇があるが、被害者にはそれがない現状。
しかし被害者は裁判だけでなく、弁護士や検察との協議もあり、
有休使用だけでは限界があること。
実際に裁判中で有休がもうほぼないあいの会会員もいること。
「今の会社を辞めなくていい」「社会から取り残されなくていい」
と被害者に思ってもらうためにも被害者休暇制度は最低限必要。

3点目の被害者の視点と教育では、
事故の要因が街中にあふれる中、年齢ごとの注意の仕方がある。
学校では、しっかりした道徳教育の一環として、
被害者の視点を取り入れた教育を進めてほしいこと。

ノーカーデイの提案もあったが、ノーマイカーデイも有効である。
車を使わないということが、
どういうものか知ることから始められることがあると考えること。

最後にアルコール依存がコロナ禍で急増している実態があること。
依存症サポート団体が会合を開けない状況が続いていることもある。
Zoomでも、会議をしながら飲んでいるコップの中身が実はお酒で、
その後「ちょっとだから」と飲酒運転をしてしまう例もあること。
だから免許更新の際、リーフレットを渡すなどをしてほしい。

といった発言をしました。

後日、議事録が公開されるとの話ですので、
議事録が出ましたら、追って報告します。

また午前中に行われた公聴会に引き続き、
午後に行われた意見交換会(オンライン)でも、
書き切れませんが、たくさんの意見が出ていました。

また内閣府では、12月20日までサイト上で、
パブリックコメント募集を行っています。
「こういう点が問題だから、こう変えてほしい」
という意見をお持ちの方がいれば、
どんどん声を上げてほしいと思っています。



i_nokai0708 at 22:13|PermalinkComments(0)陳情活動 

2020年12月08日

加害者の人権強調報道に対する見解

池袋高齢者暴走死傷事故遺族の松永拓也と、
あいの会代表の小沢樹里が連名でブログを出しました。

◆松永拓也のブログ記事
https://ameblo.jp/ma-nariko/entry-12642475947.html

2020あいの会1208加害者報道_001

◆小沢樹里のブログ記事
https://ameblo.jp/kozaru5/entry-12642483347.html

2020あいの会1208加害者報道_002

最近一部ですが、松永さんの事件を引き合いに出し、
加害者やその家族の人権を強調する記事があります。

しかし被害者と加害者の人権は比較不可能なものです。
また松永さんの事件を引き合いに出したいのであれば、
こちらにも取材を申し込むのが公正な報道のあり方だ。
というのが、ブログでの松永・小沢二人の主張です。

あいの会としても全く同じ見解です。

加害者やその家族の人権を考えることは当然必要です。
そのサポートが必要であることにも異論はありません。
その必要性を訴える活動や報道も否定しません。

しかし、時折目に付くこれらの記事を見る限りでは、
松永さんの事件を、あるいは加害者批判の動きを、
自説拡散の絶好のチャンス到来と言わんばかりに、
利用してやろうという姿勢が垣間見えてしまいます。

そういう姿勢は決して適正なものではありません。

加害者も被害者も人格と尊厳を有する人間です。
そうした当たり前の事実を思い起こしてもらえれば、
利用価値があるからと言って、何でも飛びつき、
消費してしまおうなどとは考えられないはずです。

松永さんの事件の裁判は、真相を明らかにし、
加害者の罪を適正に罰するためのもののはずです。
加害者の人権重視を強調する道具ではありません。

なお松永もあいの会も当然、今回事件の加害者や、
家族へのバッシングには加担も賛同もしていません。
条件次第では逮捕されないこともあると知っており、
「上級国民」論も明確に否定している立場です。

既に上で元記事のブログのリンクも貼っていますが、
二人の連名ブログ記事全文をここでも転載します。

 *** *** ***

裁判が始まってからこういった形の記事が何度か出ています。
(※あいの会ブログ註:ここでは記事のリンクは貼りません)
結論から申し上げますと、こういった記事の趣旨で
「池袋暴走事故」という固有名詞を
記事内に出す意味はあるのでしょうか。
今回の池袋暴走事故の遺族は
加害者家族の方々にまで責任を問うてはいませんし、
加害者家族の方々の苦悩は
私には想像できないほど大変なものだと思います。
だからこそ加害者家族の支援というものは
社会的にとても大切なことだと思います。
誰しもがその立場になり得るからです。
どんな立場だろうが、人権は最も大事なもの
ということは言うまでもありません。
事故、事件の再発防止の観点からも
加害者家族の支援は大事なことなのでしょう。
私たちは、
「加害者家族支援も被害者遺族もどちらの支援も拡充していく」
という事が社会として一番大切な事だと思っています。
そしてこの記事も、同じく
支援の必要性を訴えている趣旨と思います。
それを社会に伝えるにあたって
事故名の固有名詞を出す必要性を私は感じません。
固有名詞を出すならば、平等に
当事者である私のところにも取材してください。

追加記事- - - - - - - - - - - - - - - - -

この記事は加害者本人について述べたものではなく、
加害者家族主体の話です。
被害者遺族にも人権と最低限の生活が必要なように、
加害者の犯行を全く予期しなかった加害者家族にとっても
相応の支援が必要と考えております。
支援の内容や対応する団体などについては
違いがあると思いますが、どちらにも
必要不可欠であることは変わりありません。
そして被害者遺族と加害者家族の支援について
比べるものではないと考えております。

i_nokai0708 at 19:48|PermalinkComments(0)想い 

2020年12月07日

内閣府・第11次交通安全基本計画に対する意見書提出(2020.12.7)

内閣府において、第11次交通安全基本計画の意見募集があり、
それを受けて、私たちあいの会でも意見書を提出しました。

内閣府サイト
第11次交通安全基本計画(中間案)に対する意見募集
及びオンライン公聴会における公述人・傍聴者募集について
https://www8.cao.go.jp/koutu/kihon/keikaku11/public_comment/r02_1125.html

今回私たちが提出した意見書は下記になります。
http://blog.livedoor.jp/i_nokai0708/ouropinion20201207.pdf

意見書は以下の構成で取りまとめています。
先月提出した警視庁宛意見書と重複する箇所もありますが、
それだけ根幹は省をまたいで解決が必要な証拠でもあります。
 
Ⅰ.交通安全マインドの推進
  1:自治体職員向けの遺族講演研修の積極的導入
  2:「事故」ではなく「事件」である認識の推進

Ⅱ.道路交通環境の再検証
  3:交通標識体系の見直し

Ⅲ.技術による安全運転確保
  4:ドライブレコーダー設置義務化
  5:自動運転車のあり方
  6:安全サポート機能の限界についての周知推進
  7:静音機能の見直し

Ⅳ.運転者の問題
  8:高齢者の運転免許制度のあり方

Ⅴ.事故捜査の今後について
  9:事故捜査の外部委託の推進
  10:ひき逃げ死亡事故捜査の鑑定二次チェック体制化と時効撤廃

Ⅵ.被害者支援の推進
  11:被害者支援のより一層の推進
  12:裁判での二次被害抑止
  13:偽証を許さない法整備の実現
  14:交通事故犠牲者の臓器提供時のあり方について
  15:司法解剖に関わる費用負担や配慮の拡充
  16:成年後見制度による二次被害防止

詳細はリンク先の意見書をご一覧いただきたいと思いますが、
すぐには実現は難しいだろうこともたくさん入れています。
しかし言挙げしなければ、いつまでも変わらないことばかりです。

例え難しくても、時間がかかっても、変えていってほしい。
そうした被害者遺族の思いを詰め込んだ内容にしたつもりです。

今回の意見を元に12月10日開催のオンライン公聴会でも、
意見を述べてきますので、その結果は追って報告します。


2020あいの会1207内閣府意見書_001

2020あいの会1207内閣府意見書_002

2020あいの会1207内閣府意見書_003


i_nokai0708 at 22:01|PermalinkComments(0)陳情活動 

2020年12月06日

奏子ちゃん 周子ちゃん しのぶ会(2020.12.6)

井上保孝・郁美夫妻は、1999年東名高速飲酒運転事故のご遺族です。

飲酒運転をしていたトラックドライバーに、当時3歳と1歳だった
奏子(かなこ)ちゃんと周子(ちかこ)ちゃんの命を奪われました。

その後、お二人は署名活動などを行い、世論と政治を動かして、
危険運転致死傷罪を書き加えた刑法改正を実現させたことは、
これまで多く報道されている有名な事実ですので繰り返しません。

その井上夫妻ですが、二人の命日である11月28日に近い日に、
毎年しのぶ会を行っていますが、今年はコロナでオンラインとなり、
12月6日の開催には、あいの会からも何名かが参加しました。

井上夫妻の行動は、法律を変え、飲酒運転を確実に減らしました。
多くの人が井上夫妻の思いに深く共感したからこそだと思います。
しかしその大元に奏子ちゃんと周子ちゃんの犠牲があったと思うと、
やはり胸が苦しく、この日も夫妻の話を聞いて何度も感じたことは、
なぜ幼い二人が犠牲にならなくてはならなかったかということでした。

井上夫妻は民事裁判の結果、異例の支払方法が取り決められました。
支払いは保留させ、奏子ちゃんと周子ちゃんが18歳になった年から、
一定額ずつ分割して払う取り決めがされ、今もそれが続いています。
そして、井上夫妻はその賠償額を、二人の「お給料」として、
多くのいろいろな団体に寄付する活動もしてます。

私たちあいの会も「お給料」の寄付をいただいた団体の一つです。

2020あいの会1206かなちかしのぶ会_001

2020あいの会1206かなちかしのぶ会_002

あいの会では10月にホームページを作りました。
また現在、遺族向けリーフレットの作成も進めています。
どちらも奏子ちゃんと周子ちゃんの「お給料」のおかげです。

他の遺族団体でも、「お給料」のおかげで、
活動を進めることができているという話をいくつか聞いています。

そういう遺族活動のあり方もあるのです。

私たちも、二人から分けてもらった「お給料」を無駄にしないよう、
感謝しつつ、多くの人に伝える活動に使っていきたいと思います。
今回のしのぶ会は、そんな気持ちを再度思い起こす機会にもなり、
そこに参加している時間は、とても感謝に満ちたものとなりました。

2020あいの会1206かなちかしのぶ会_003


i_nokai0708 at 23:58|PermalinkComments(0)交流 

2020年12月04日

池袋高齢者暴走死亡事故の第2回公判(2020.12.3)

池袋高齢者暴走死亡事故の第2回公判が、
12月3日(木)午前10時から行われていました。

遺族であいの会会員の松永拓也さんも被害者参加し、
他の会のメンバーも数名、支援に駆けつけました。

今回は事件当時に現場にいた目撃者3名の方が
証言台に立ち、加害者の主張とは全く異なり、
加害車両にブレーキランプは点いていなかったことや、
そのあまりに危険な蛇行暴走ぶりが次々に語られました。

法廷での様子は松永さん自身や、
あいの会代表の小沢樹里がブログで報告しています。
ここでもリンクを貼って、紹介します。

松永拓也のブログ記事
https://ameblo.jp/ma-nariko/entry-12641815242.html

小沢樹里(あいの会代表)のブログ記事
https://ameblo.jp/kozaru5/entry-12641862307.html
https://ameblo.jp/kozaru5/entry-12641942719.html

その時の瞬間が生々しく語られたこともあり、
松永さんにとって聞くだけで辛い話でもありました。

ここでは法廷内の詳細には踏み込みません。
それは上のブログを読んでほしいと思います。

ここで書いておきたいことは2つです。

1.警察の初動捜査が丁寧でしっかりしていたこと。
2.被害者・遺族の人権をありのまま尊重してほしいこと。

以下補足します。

事件当初、加害者が逮捕されなかったことや、
その加害者が相応の経歴の持ち主だったことから、
「上級国民」という言葉が流行語にもなりました。

私たち被害者遺族は、ひどい事件だからといって、
必ずしも加害者が逮捕されるわけではないこと、
逮捕されないからといって軽い罪になるわけではない、
といった実際の事実を知っています。
しかし一般的には必ずしもそうした理解は及ばず、
感情的な憤激があふれる状況となっていました。

あくまで推測ですが、警察にももしかしたら、
世間の誤解に報いたい思いがあったのかもしれません。
実況見分の内容は驚くほど精緻なものでした。

そして事件の一部始終をしっかり見ていて、
証言を承諾してくれる証人が3人もいたこと自体、
警察の初動捜査がしっかりしていた証だと考えます。

また伝えたいこと2つ目の被害者・遺族の人権ですが、
決して加害者の人権と比較するものではありません。
そもそも次元の全く異なる話となりますし、
並列的に比較対象にするようなものではないのです。

被害者・遺族はゆえなく突然被害に巻き込まれ、
家族を奪われ、生涯癒えない苦しみを抱えます。
将来の更生であるとか、そんな救いもありません。
奪われた家族を生き返らせることはできないのです。

加害者やその家族の人権が時に言われるように、
大切な家族を永遠に奪われた被害者・遺族にも、
当たり前の人権と当たり前の生活がほしいのです。
そしてそれは当然あってしかるべきもののはずです。

それは多くの人に正確に理解してほしいと思います。

12月3日はやはり2時間に及ぶ裁判の閉廷後、
裁判所前でメディアの囲み取材を受けました。
次回期日は12月14日(月)10時からとなります。

2020あいの会1203第2回公判_001

2020あいの会1203第2回公判_002

2020あいの会1203第2回公判_003


i_nokai0708 at 23:43|PermalinkComments(0)情報提供 | 取材&報道