2014年01月19日
【寄稿001】「刑事事件で弁護士を早期に依頼する必要性」(髙橋正人弁護士)
あいの会では今後、専門家の方に寄稿をお願いし、
理解と知識を広げていく活動も行っていきます。
そのリレー寄稿掲載の第1回目として、
私たちあいの会の顧問をしていただいており、
犯罪被害者支援弁護士フォーラム事務局長もされている
弁護士の髙橋正人先生に寄稿をお願いをしました。
今後も続けていきますので、ご認識をお願いします。
以下、髙橋先生から寄せられたご意見です。
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「刑事事件で弁護士を早期に依頼する必要性」
戦後60年続いた刑事手続は、今や大きく様変わりしています。言うまでもありません。平成20年12月1日から始まった「被害者参加制度」がその象徴です。
ところが、交通犯罪(交通事故)の被害者自身・ご家族・ご遺族(以下これらを併せて「被害者」と呼びます)の中には、被害者は刑事手続でやれることはほとんどなく、被害者参加制度が、交通犯罪で大変に有用な手段であることに気づいていない方も多くおられるようです。
確かに、警察署や検察庁が作り上げた実況見分調書に疑問を感じている被害者が、それに異議を述べるためには、「従前」は、民事の損害賠償の訴訟しかありませんでした。死人に口なしの捜査結果にどんなに不満があっても、不本意な刑事の裁判が終わるのをじっと待ち、その上であらためて自分で証拠を集め、自分の費用で民事訴訟を起こし、民事の裁判官に訴えるしか方法はなかったのです。
しかし、被害者参加制度ができてからは、刑事手続であっても、被害者ができることが格段に増えました。刑事の手続に被害者が積極的に関与できるようになったのです。
たとえば、捜査に疑問があるのであれば、刑事の裁判が始まる前に、検察官に補充捜査を求めることができるようになりました。事実、私が担当した事件でも、検察官に補充捜査をしてもらい、被害者参加制度がない時代であれば執行猶予がつくよう事案でしたが、実刑判決を勝ち取ったことがありました。さらに、(刑事)裁判が始まれば、加害者に対し、直接、自分が疑問に感じていることをストレートにぶつけて問い質すことができるようになりました。これを被告人質問と言いますが、これを行うことで、自分の頭の中でループ状態にあった疑問が少しでも解消できるようになり、事件から一区切りをつけることができるようなりました。さらに、加害者の情状のため加害者のご家族が証言にたった場合、今後の被害弁償や謝罪になどについて追求することも可能となりました(証人尋問)。そして、裁判の最後には、被害者の心情を裁判官に直接、聞いてもらったり(意見陳述)、検察官の求刑とは別に、「加害者には○○○○○という刑を言い渡して下さい。」と訴えたりすることもできるようになりました(被害者論告・求刑)。
もちろん、こういった刑事手続については被害者は全くの素人ですから、ご依頼があれば、法律のプロである弁護士が手助けすることができます。むしろ、刑事手続の専門性を考えると現実には、弁護士に手助けをしてもらわないと、刑事手続の土俵に被害者の気持ちを思い通りに乗せてもらうことはできないでしょう。
だからこそ、できるだけ早い段階から弁護士にご依頼し、ともに闘っていくことが真相の解明には必要なのです。
関東交通犯罪遺族の会顧問
犯罪被害者支援弁護士フォーラム事務局長
弁護士 髙橋正人








