北海道での講演活動、同活動の記事掲載について報告(2025.2.23)毎日新聞「「被害者視点」の支援を 暴走事故遺族の松永さんらが保護司に講演」記事掲載(2025.3.5)

2025年03月01日

講演 北海道札幌保護観察所「被害者の心情について」(2025.2.28)

【講演報告】
2月28日、北海道札幌保護観察所にて、代表理事の小沢、副代表理事の松永によるダブル講演を行いました。
講演では「被害者の心情について」をテーマに、保護観察官や保護司の皆様に向けてお話しし、その後、意見交換会も実施しました。

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犯罪被害に遭うと、世間の注目は裁判に集まりがちです。
しかし、被害者や遺族にとっては、加害者が出所した後の不安や恐怖が非常に大きいものです。
加害者に保護観察が付く場合、被害者や遺族は「被害者通知制度」を利用して加害者の処遇情報を知ることができたり、「心情等伝達制度」を使って加害者に対し自分たちの想いを伝えることができます。
また、全てが自由ではありませんが、加害者から謝罪を受けたり、連絡先を交換することも制度上は可能です。

しかし、ここには課題もあります。
加害者担当と被害者担当が分かれていることで、文章でのやりとりだけでは双方の本当の心情が伝わりにくいという問題です。
一昨年に新設された、刑務所内での「心情等伝達制度」では、被害者が刑務官に想いを伝え、その同じ刑務官が加害者に伝える仕組みになっています。
この仕組みでは、加害者の言葉や態度など、文章では伝わりきらない部分まで刑務官が確認し、被害者にフィードバックしてくれます。
そのため、運用上のすれ違いが比較的少ないと感じています。

一方、従来の保護観察における「心情等伝達制度」は、加害者担当と被害者担当の保護観察官が分かれていることで、同じ場で双方の想いを共有できず、心情をくみ取る機会が失われやすいという問題があります。
この点について、講演後の意見交換会でもお伝えし、少なくとも被害者担当の保護観察官が加害者の心情を聞く場に同席するなどの仕組みが必要ではないかと提案しました。

今後も、より良い制度運用のために、保護観察官や保護司の皆様には、被害者の心情を理解した上での対応をお願いしたいと思います。
また、保護司の担い手不足も深刻である中、再犯防止における保護司の役割は非常に重要です。
講演の中でも、保護司の皆様の活動に敬意を表し、人は人によって傷つくこともあれば、人によって救われることもある——その大切さをお伝えさせていただきました。

あまり表には出ない活動かもしれませんが、保護司の皆様が支えてくださることで、加害者も社会も少しずつ安心を取り戻していけるのだと感じています。
貴重な機会をいただきました札幌保護観察所の皆様、保護観察官や保護司の皆様に心より感謝申し上げます。

一般社団法人 関東交通犯罪遺族の会

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また、同講演が HBC北海道放送 で記事になりましたので共有いたします。

▼記事タイトル
「被害者は加害者の更生のための踏み台ではない」池袋暴走事故の遺族が加害者支援の「保護司」に講演

▼記事URL
https://www.hbc.co.jp/news/b2e4b53f9d8eb284f205a8170984869c.html

▼参考スクリーンショット
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以上になります。

i_nokai0708 at 23:19│Comments(0)講演会 

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