テレ東BIZ「加害者死去で動き出す遺族 遺族が繋ぐ命の記憶ー池袋暴走事故6年ー【テレ東BIZドキュメンタリー】」が公開されました(2025.3.25)目撃者になった場合の三審制の意義について考える

2025年03月29日

三審制の意義を守ることが被害者救済につながる理由

犯罪被害者にとって、裁判は自分の被害を認めてもらい、区切りをつけるための重要なプロセスです。
しかし、今、日本弁護士連合会が提案する再審法改正案は、その大切な区切りを奪いかねないものです。

日本弁護士連合会は、最高裁で有罪判決が確定した事件について「事実誤認と疑うに足りる証拠」が見つかった場合には再審を開始できるように、再審開始の要件を緩和することを求めています。
しかし、この改正案には重大な問題があります。

三審制の意義とは何か?
現在の日本の刑事裁判制度は、地裁、高裁、最高裁という「三審制」によって構成されています。
• 三審制の目的は、慎重な審理を通じて誤判を防ぐことです。
• 検察官は「罪を犯したことについて合理的な疑いの余地がない程度」にまで立証しなければ有罪とは認められません。
このように慎重に審理を重ねることによって、法的な安定性と公正さを確保しているのです。

再審法改正案の問題点
日本弁護士連合会は、「事実誤認と疑うに足りる証拠」が出てきた場合に再審を認めるべきだと主張しています。
しかし、これを認めてしまうと次のような問題が発生します。

1. 無制限な再審の申し立てによる混乱
• 「四審」「五審」「六審」…と際限なく再審が繰り返される可能性があります。
• 法的安定性が失われ、社会全体に混乱を招く恐れがあります。

2. 被害者の苦しみの永続化
• 裁判が終わらなければ、被害者は永遠に事件と向き合い続けなければなりません。
• 再審請求が続くことで、被害者の心の平穏を取り戻す機会が失われます。

被害者救済のために三審制を守ることが重要
私たちは、再審制度が誤判を防ぐために必要であることを理解しています。
しかし、それ以上に重要なのは、確定した判決が持つ法的安定性を尊重し、被害者が前を向いて生きられるようにすることです。

日本の憲法第76条1項では、司法権は最高裁判所と下級裁判所に属すると定められています。
三審制は、この憲法の趣旨を受けて慎重に構築された制度です。再審の乱発を招く改正案は、この大切な仕組みを揺るがしかねません。

社会に問いたいこと
もし、あなたの大切な人が犯罪被害に遭い、加害者に有罪判決が出たあとも「再審」「再審」「再審」…と永遠に裁判が続くとしたら、どう思いますか?
事件には必ず区切りが必要です。被害者が安心して生きるために、そして社会全体の法的安定性を守るために、三審制の意義を大切にしなければなりません。
この問題について、ぜひ皆さんも考えてください。


髙橋弁護士のブログもご確認ください
https://ameblo.jp/masato-t2023/entry-12891711182.html

あいの会 代表顧問の高橋正人弁護士の陳述書(2025.3.26)
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i_nokai0708 at 14:24│Comments(0)その他 

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