2025年04月03日
刑事司法における「科学的知見の欠如」について ーー 一般社団法人関東交通犯罪遺族の会 代表顧問 高橋正人弁護士の見解
一般社団法人関東交通犯罪遺族の会 代表顧問 高橋正人弁護士より、
刑事司法における「科学的知見の欠如」が引き起こす問題点についてご意見をいただきましたので、原文のままご紹介いたします。
本当の問題点は、衆議院法務委員会の参考人招致のときに、
議員の質問に私が答える形で指摘させて頂いた点にあると思います(事前に提出した意見陳述書には詳しく書いていません)。
民事の裁判所には知的財産部や医療集中部・医療専門部があり、警察には科捜研があります。
ところが、最終的な起訴独占者である検察庁には科学捜査部がなく、なんと刑事裁判には科学部ゼロです。
確かに民事のお金も大切ですが、人の生き死に関する刑事関係に科学部がないことが、
本来なら有罪になる事件なのに不起訴にしたり、起訴すべき事件を不起訴にしたり、検察の立証が甘いため無罪になったり、
裁判官の科学の知識が不充分なため無罪や有罪(冤罪)になったりしているのです。
つまり、いくら再審の要件を緩和したり、検察官の不服申し立て権を禁止したりしてみたところで、
起訴権限者や裁判官の科学の知識が高くなかったり、認知の歪みがあったりすれば(とりわけ性犯罪における高裁の男性裁判官)、
それを高めていかない限り、今までと同じことが単に繰り返されるだけです。
要件の緩和と、検察・裁判官の能力不足がコラボすると、逆冤罪や本来なら当罰性の高い犯罪が見逃される件数がかなり増えると思います。
ですから、今、一番司法関係者が反省しなければならないことは、要件の緩和ではなく、
理系に特化した部を刑事裁判、検察庁に設けて能力を高めることではないでしょうか?
i_nokai0708 at 21:25│Comments(0)│その他