あいの会2026年度総会の開催報告(2025.5.16)【傍聴支援のお願い】

2026年05月20日

犯罪被害者参加制度の拡充について

― 「事実を伝える権利」が守られる裁判へ ―

2026年5月20日付の朝日新聞にて、法制審議会において「犯罪被害者等の被害者参加制度の拡充」や、
「公判前整理手続への被害者側の関与」について検討が進められていることが報道されました。

20260520_1



一般社団法人関東交通犯罪遺族の会(あいの会)としても、これまで長年にわたり、公判前整理手続の段階から被害者側が適切に関与できなければ、
被害実態を伝えるために必要な証拠が制限されてしまう危険性について訴えてまいりました。
そのような中で、今回、被害者参加制度の拡充について具体的な議論が進められていることは、犯罪被害者の権利保護という観点から、大きな前進であると考えています。

平成27年(2015年)5月28日に開催された参議院法務委員会では、裁判員制度および被害者参加制度に関する検討の中で、犯罪被害者遺族の立場からも意見が述べられました。

その際にも問題提起されたのが、

「被害者側が公判前整理手続の段階から十分に関与できなければ、本来必要な証拠が排除・制限されてしまう可能性がある」

という点でした。

特に、犯罪被害者の生前の写真、負傷状況の写真、現場写真などについては、「裁判員への精神的負担」や「刺激の強さ」を理由に、証拠として慎重に扱われるケースがあります。
しかし、本来それらは全て、「何が起きたのか」「どれほど重大な被害が生じたのか」を伝えるための重要な証拠です。

犯罪や交通事件による被害の実態は、文字だけでは十分に伝わらないことがあります。
診断書に書かれた病名や、簡略化された図だけでは、被害者がどれほど深刻な傷を負い、どれほど人生を変えられてしまったのかを、正確に理解することは困難です。

実際には、長期にわたる手術や治療、後遺障害、外見の変化、日常生活への支障、精神的苦痛など、被害者や遺族は計り知れない影響を受け続けています。
また、命を奪われた事件においては、生前の笑顔の写真もまた、その人が確かに生きていた存在であり、奪われた人生そのものを示す大切な証拠です。
一方で、現行の運用では、裁判員への配慮を理由として、血痕部分を加工した写真や、傷の位置だけを示す図面のみで説明が行われることもあります。

もちろん、裁判員への心理的配慮は重要です。
裁判員制度を維持するためにも、一定の精神的ケアは必要不可欠であると考えています。
しかしその一方で、被害者側は、どれほど辛い証拠であっても、事実を伝えなければならない立場に置かれています。

そのため、裁判員への配慮のみが優先され、本来必要な証拠まで過度に排除されてしまうことがあれば、それは適切な事実認定を妨げることにもつながりかねません。
裁判とは、被害者・加害者双方の権利を守りながら、事実を正確に認定するための場であるべきです。

だからこそ、公判前整理手続の段階から、被害者側や被害者参加弁護士が適切に関与し、どの証拠が必要であるのかを十分に協議・検討できる仕組みが重要であると考えています。
犯罪被害によって奪われた命、失われた日常、残された後遺障害や精神的苦痛について、裁判の中で適切に示し、理解していただける運用が必要です。

今回の被害者参加制度の拡充が、被害者の「事実を伝える権利」を守る第一歩となり、今後さらに、被害者の人権と尊厳が尊重される裁判制度へとつながっていくことを願っております。

一般社団法人関東交通犯罪遺族の会(あいの会)

i_nokai0708 at 21:54│Comments(0)

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
あいの会2026年度総会の開催報告(2025.5.16)【傍聴支援のお願い】