2012年12月
2012年12月31日
【その1】 より続き
○議長(三橋保長議長)市本議員。
○五番(市本貴志議員)御答弁、ありがとうございました。
人口七万人の維持を図るということにした、子育て環境の充実、住環境の整備、産業の振興、こういうことについてのまちづくりの施策をいまお伺いさせていただきました。何点か、後の方でその質問に関連したことをさせていただきたいと思います。またよろしくお願いします。
次の質問に移ります。二点目です。本市の財政においても厳しい財政状況にあるのは理解しています。しかし、厳しいから、この一言で済ますことがあってはならない、そのようにも思います。税収に関しては、コンビニ収納ができるようになったとかいうことで、市民の利便性にも考慮しながら、また職員が直接訪問するなど、精神的に本当につらい努力をされていると思っております。本当に頭が下がる思いです。
さて、そんな中、税収が落ち込む、一般寄附金が減っていくであろう中、緊縮財政を余議なくされていきますが、自治体経営という立場からすれば、税収増加策を考え、その上で市民福祉や市民サービスの充実に努めていかなければいけない、そのようにも思っております。そこでお尋ねします。そのための施策や展望、そういうのがあれば、ぜひ教えていただきたいです。よろしくお願いします。
○議長(三橋保長議長)市長公室次長。
○市長公室次長(山中由一)まず、税収の面からお答えさせていただきます。
本市の市税収入では、個人や法人の市民税及び固定資産税、都市計画税が主要な税収となっております。まず、個人市民税の増加のためには、納税者数の増加が必要となってきます。そのためには、市内在住の生産年齢人口などが増加することが必要であり、大規模な宅地開発による人口流入や、市内または近隣市町村への従業員の多い企業の進出などにより、多くの市民が雇用されることや、市内の商業、農業の活性化なども必要であります。
次に、法人市民税の増加のためには、市内に現在ある企業の業績向上や事業の拡張、新たな企業の市内進出などが考えられます。
固定資産税や都市計画税の増加のためには、大規模な市街地開発や企業の事業拡張による新たな設備投資、企業などの施設の新規の市内への設置などが考えられます。
以上のような要因を実現し、税収を増加させるためには、第五次総合計画において目指すべき都市像としました、つながり、にぎわい、未来を創造するまち実現のための取り組みを進めることが重要であると考えます。具体的には先ほど述べましたような子育て環境の充実、住環境の整備、産業の振興のまちづくりが必要であると考えております。
○議長(三橋保長議長)市本議員。
○五番(市本貴志議員)一般税収を得る、法人税でありますとか、そういうお話もされてました。大規模な宅地開発ということもありました。このことに関しては、都市計画も含め、全体的な天理市のまちづくりの構想、こういうことを真剣にまた考えてはいかなければいけないと思います。きのう、同僚議員の方から、大きな駅の移転などという形でのお話もありました。いま、都市計画道路を進めていらっしゃる中で、その中で大規模な宅地開発ということも行いながら、計画しながら、人口増加策、そういうことも考えていけるのかなと。また、企業の進出ということもありました。企業の進出ということで言うならば、どういう形で行政がそのことに関して真剣に取り組んでいるのかと、そのことの姿がちょっと見えないような気もしました。
次の視点を変えての質問をさせていただきたいのですけども、地域ブランドという言葉がいまよく言われていますけども、このことについて、市長に聞いてみたいんですけども、天理市のたとえばブランドといえば何やというふうに思われますか。天理市において、たとえばブランドと言われてたら、天理市のブラントって一体何だというふうに思われるか、お伺いします。
○議長(三橋保長議長)市長。
○市長(南 佳策)正直に、私、思いのとおり言います。いま、天理市のブランド、かつては農作物であったり、あるいはシャープが進出していただいた電気関係のすごいメーカーです、等々がございましたけど、現実には私、内心じくじたるものを感じております。
○議長(三橋保長議長)市本議員。
○五番(市本貴志議員)実は僕も同じ思いなんです。この天理市においてブランドって、いまはないのかなというふうに思っています。何でないのやと言ったら、そういうことの取り組みを誰もしてへんからということやと思います。天理市って大学がある町ですよね。その中で、産官学という形での考え方の中で一丸となって、例えば地域のブランドというものを確立した取り組み、そういうことに関してやっていくのもいかがかと。具体的にそういう中で展開していくのはどうかと、そうういうふうな形でも思っています。たとえば、刀根早生のカキであるとか、それは天理市の発祥の地であるとかというふうなことも言われていますし、たとえば山の辺の道というのもあります。ただ、それが天理市全体のブランド化になっているかというと、そうじゃないような気もします。たとえば横の桜井市で言えば、三輪そうめんというのが一つ、桜井のブランドかもしれないですし、生駒でいうならば、茶筅が生駒のブランドかもしれません。大和郡山でいったら、金魚かもしれません。そういうふうな形で、じゃ、天理市のブランドって何というと、なかなかないのかなというふうに思ったりもしているんですけど。
○議長(三橋保長議長)市長。
○市長(南 佳策)私、あえて、これは天理のブランドというふうに位置付けたいのは、ありがたいことに、天理の学園がございます。たとえば、いま東京などへ出張しましても、宿泊したホテルで、お客さん、どちらからですかと。天理ですと。ああ、あの天理。必ず出てきます。私はそうした中で、先日も、天理大学の学長さん、また副学長もお見えいただいて、実は天理大学の学生たちが、たとえば今後の三甲株式会社、それからシャープも、いままたいろんなことを手がけようとしていただいている。そういうところときっちりと、産官学、それからこの市役所、一緒になって何か探しましょうよと、見つけましょうと。まだ一月も経たない前でしたが、そういうことでお別れしております。ちなみに、三甲の方にも、天理大学の方がまた見学に行きたいと学生たちが。やっぱり、大学で学んだ、それを実社会に適用できる、そういうものに天理大学の方もやっていきたいという思いを持っておられて、奇しくもその部分で、じゃ、何とか突破口を見つけましょうよというふうになっております。これはまだ途中経過でございます。
○議長(三橋保長議長)市本議員。
○五番(市本貴志議員)本当にいま、心強いお話をいただきました。産官学、一体になってやっていくんやと、地域のブランドをつくっていこうと、前向きなお話があるというふうなことを、いまお聞かせいただいたんですが、地域ブランド化の意義というものですけども、市場に対して良好なイメージを有し、本市において生産された製品でありますとか、サービスの付加価値が向上することによって、市民に地域に対する誇りと愛着を持っていただく、そういうことが大事であるのかなというふうに思います。地域ブランド戦略が実を結び、新たな製品が生み出されると、市民がそれに対して、アイデンティティー、地域との一体感を感じられる。そして何よりも、新たな税収ということにも結びついていくんだというふうにも思っています。
事例を挙げて、市民公募債でありますとか、一次産業の六次産業化などのお話をいろいろさせていただくつもりでもおったんですけども、ちょっとまた話を変えさせていただきまして、先ほど、公室次長がお話しいただきました中での産業というふうな部分のことについて、お話を進めたいんですけども、本定例会が始まる前に、平成二十三年度の施策の評価表というのをいただきました。なかなか見ることができなかくて、きのうちょっと目を通させていただいて、愕然としたということがあって、あえてお話をさせていただくんですけども、市民アンケートというのを行政の方々は物すごく大切されていることだと思うんですけども、その市民アンケートの結果において、満足度スコアということにおいて、四十九位中の第何位という形で順位がつけられていっています。何がショックやったかといいますと、「四十九位中の四十九位が、その施策面にあるのは、魅力ある商業、サービス業の振興」でした。「四十九位中の四十八位が、活力ある工業の振興」ということでした。もう一つ、ワースト3と言ったらいいんでしょうか、「四十九位中の四十七位が、魅力ある観光の振興」ということでした。結局、市民アンケートの中では、所管でいうと、私自身が経済産業委員会に入っているから余計ショックやというふうに言っているんですけど、環境経済部長はもう一つショックでしょうけども、その三つ、先ほど産業の施策で、これを充実させていくという話をされていましたけども、結局、市民の方からは評価されていないということですよね。これがそのパーセンテージの中でちゃんと示されている。満足度スコアでは、満足していないということでの数字がきっちり上がってきているということでした。こういうことに関して、見たときに本当にショックでしたし、いや、まだまだやらなあかんねやろなと、そういうふうにも思いました。その中で一個、四十九位の中の魅力ある商業、サービスの振興の中で書かれている今後の方針という部分に目を通させていただきますと、観光物産センターを拠点にした商工部門、観光部門、農林部門の協力体制を強化し、相乗効果による満足度の向上を目指す。さらに地域の魅力を発信する方策を検討するというふうに書いておられます。しかし、観光物産センター自身が拠点になり得るかというと、またちょっと違うとも思いますし。というのは、天理市自身の核になる商品を別に置いているわけでもないので、そこから発信が何かできるかというと、そこはなかなかできへんの違うのかなというふうにも思うので、その言葉遊びでこういうのを書かれてもちょっとつらいのかなというふうにも思いました。
そこで、こんなん言ってええのかどうかわからへんのですけども、天理な祭りや光の祭典というのをやられていますけども、こういう結果が出た以上、たとえば商工課はこんなことに時間を費やしている場合やないと、反対に思うんですよね。たとえば、若い職員とか、フレッシュな考え方で、プロジェクトチームをつくって、天理な祭りや光の祭典を行っていただく。商工課自身は、天理市の中小企業や農家の方々、さっき六次産業化の話もしましたけども、稼いでもらえる、しっかり利益を上げていただけるということ、こんなことを言うたらあかんですけど、一点集中で、そのことに一年通して没頭していただく、そういうふうな生産性の高い仕事をする方がいいのかなというふうに思いました。かせいでいただくということは悪いことじゃないと思いますし、しっかりもうけていただくということは、市にとっては税金が返ってくるということですから、そのことに集中していく、そういうふうなことも考えていってもいいんじゃないか、そのようにも思いました。
お話は最後の方になっていくんですけども、たとえば惰性で行政が進んでいるようなことがあったら、これは市民に対して本当に失礼やし、罪やというふうに思います。その中で具体的に施策を考え、実行するからこそ、良いところ悪いところが見えてきますし、悪いところが見えてきたら、すぐに直すことができるということですよね。何もしなかったらぬるま湯のカエルと一緒やということになるんでしょうけど、その中で、第五次総合計画の第一章には、厳しさを増す本市財政を踏まえた中で的確な対応が求められていますと記載されています。財政を踏まえた上で的確な対応というふうに書かれていますけども、緊縮財政のみにとらわれた行政改革ではなく、活気あるまちづくりの展望を企て、反映させていく、そういうことが大事だというふうにも思います。
その中で、第二章に書かれているんですけども、実施計画ということですけども、毎年度ローリング方式という形で、見直しや部分的な修正を毎年定期的に行っていくという方法が行政ではとられておられます。つまり、毎年定期的に見直すということは、財政計画の整合性を図りながら、施策をスピーディーに効果的に実施していくということことが肝心やというふうなことだと思っています。
小手先だけで修正するような、姑息な手段をするより、大胆であっても、市民に有益な施策を打ち立てることの方が立派な仕事をされていくんやないかなと、そんなふうにも思っているわけです。大きな方向転換をごろっとしろと言っていませんが、第五次総合計画の中での思いの中で、たとえば五年、十年先の思いを、いま現在やろうというふうな形で積極的に取り組んでいただける、そんなことがあってもいいのかなというふうにも思います。前向きな取り組みに大いに奮起してやっていただきたい、そんなようなお話をさせていただきたい、そういうふうに思います。
最後になりますけども、皆さんにとって耳の痛い言葉を申し上げるかもしれません。読み上げさせていただきたいんですけども、「国でも地方自治体でも、役所というのは、実はやったふりが多い」という。これは某所の現首長が言われている言葉です。そのまま読み上げさせていただきます。小さく実行して「やっています」が得意だ。ある自治体では、担当部署は、「防犯を一生懸命やっている」と言うが、実際は犯罪検挙率が全国最悪だった。じゃ、なまけていたのかというと、何とか作戦といった具合いに言葉だけはつくっていた。国にしてもそうだ。その都度セリフを変えてやっている。
施策やキャッチフレーズをつくる人、実行する人と検証する人が全て違うから、一貫性がなくなる。自治体では、県が考える施策・イメージと、市が考えるイメージが違うから、その整合性をとることに大きな努力を払っている。事務レベルはそれなりに対応しているが、意外に役所の担当者が首長に意見を言えなかったりする。結果、首長と事務方で感覚が違ってしまう。こうした要因で、事業が稼働するまで時間がかかるものが多い。自治体は、執行部の考え方や実行力によって改革の中身、スピードが全く変わってしまう。いまはスピードの時代、スピードを重視、意識して、引き続き行政改革を進めなければいけません。」このように書かれていました。
冒頭にも述べさせていただきました、行政と議会というのは権能の違いはありますが、どちらも住民から信託を受けて、地域経営の専門家、エキスパートとして存在しています。両者は、住民が負担する税金を、良質でしかも低コストの行政サービスに変える役割を果たすと共に、サービスの財源となる税を生み出す良好な環境をつくり出さなければなりません。それには、単に行政を運営するという概念から脱し、創造を果たすことによって、地域の振興、また外部化、そして地域経済の活性化を図り、職や雇用を生み出す魅力ある地域をつくっていかなければならない。住民からそういうことを求められているということです。
冒頭、市長が言っていただきました。まだまだあきらめていないと、今後に向けて大きくいろいろやっていかなければいけないというお言葉もいただきました。
来年度に発展的な行政改革、そして組織の行政機構の改革に期待申し上げまして、私自身の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
来年度に発展的な行政改革、そして組織の行政機構の改革に期待申し上げまして、私自身の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
天理市12月定例議会において、
一般質問をさせていただきました。
今回の質問内容は、
◆自治体運営について
①人口減少に伴う対応施策について
②税収増加策について
①人口減少に伴う対応施策について
②税収増加策について
毎回恒例の全内容を公開いたします(^^)/
○五番(市本貴志議員)議長のお許しをいただき、一問一答方式により一般質問をさせていただきます。
○五番(市本貴志議員)議長のお許しをいただき、一問一答方式により一般質問をさせていただきます。
なお、自治体運営について。質問の内容においては、人口減少に伴う対応の施策について、また、本市の財政においての税収増政策に関し、質問させていただきます。理事者をはじめ、関係各位におかれましては御答弁を賜りたく、よろしくお願い申し上げます。
行政運営から地域経営・自治体経営へ、このことは毎回、一般質問でお話しさせていただいているし、そうでなければいけないと私自身は思っております。
『首長や議会は、従来の行政運営から地域経営という考え方に変わらなければならない。行政と議会という、権能の違いはあるが、どちらも住民からの信託を受けて、地域経営のエキスパートとして存在しています。両者は住民が負託する税金を、良質でしかも低コストの行政サービスに変える役割を果たすと共に、サービスの財源となる税を生み出す良好な環境をつくり出さなければなりません。それには、単に行政を運営するという概念から脱し、創造を果たすことによって、地域振興策の外部化や地域経済の活性化を図り、職や雇用を生み出し、魅力ある地域をつくっていかなげればなりません。住民から求められる、これからの新たな自治体の役割であるかもわかりません。そのような考え方に基づき、質問させていただきます。』
『首長や議会は、従来の行政運営から地域経営という考え方に変わらなければならない。行政と議会という、権能の違いはあるが、どちらも住民からの信託を受けて、地域経営のエキスパートとして存在しています。両者は住民が負託する税金を、良質でしかも低コストの行政サービスに変える役割を果たすと共に、サービスの財源となる税を生み出す良好な環境をつくり出さなければなりません。それには、単に行政を運営するという概念から脱し、創造を果たすことによって、地域振興策の外部化や地域経済の活性化を図り、職や雇用を生み出し、魅力ある地域をつくっていかなげればなりません。住民から求められる、これからの新たな自治体の役割であるかもわかりません。そのような考え方に基づき、質問させていただきます。』
今年の六月定例会で一般質問させていただいた内容にも重なりますが、改めて質問させていただきます。六月の時点では資料を配付して、天理市の人口推移に関した質問をさせていただきました。質問内容は、本格的に少子高齢化時代に突入し、行政運営を司る者、政治を行う者は、目の前の問題に対処し、将来に向けて、当然考えていかなければならない、その上で、平成七年の総人口が七万四千百八十八人、人口推移でいきますと、平成二十二年が六万九千百七十八人、十八年後の平成四十二年は総人口が六万三百九十六人。この平成四十二年に、ゼロ歳から十四歳までの年少人口も一〇%を切るというふうな形になっています。平成四十七年の総人口を見ますと、平成七年のところから見ると、四十年で一万六千七百五十五人の人口がこの天理市から減っていく。資料を提示しながら、どう対処すべきか、いかに先手を打っていくのか、そんな内容をお尋ねさせていただきました。
いただいた答弁ですが、高齢化対策に対しては、生き生き百歳天理プランというのを提唱しているでした。少子化対策に対しては、天理っ子育成という運動に取り組んでいるとの答弁をいただきました。施策という点からすれば、少し違っていたように思いますので、将来に向けてどういうふうな取り組みをしていけばいいのであろうと、市長自身はどのように思われているのか、改めてお聞かせください。御答弁よろしくお願いします。
○議長(三橋保長議長)市長。
〔市長 南 佳策 登壇〕
○市長(南 佳策)議員の質問にお答えしたいと思います。
少子高齢化というのは、御案内のとおり、いま日本のみんなが抱えている、どうしても出口がすぐに見つからない大きな問題でございます。そうした中で、私はこの市長選挙に出ますときから、やがて来るこの大きな時代の移り変わり、これをどうやってやっていくかということで随分悩んだものでございます。ですが、結果は、選挙に当たって八つの項目、生き生き百歳天理、そうして全ての分野で国を挙げて、また天理のまち挙げて、何とか出口を見つけたいと思って、現在に及んでいます。その中で、いま用意しております部分の考えの一端を述べたいと思います。よろしくお願いします。
少子高齢化の進行は、先ほど申しましたように、非常に大きな課題、日本の国、天理が抱える大きな課題でございます。そのために、より有効な対策を講じることは、私たち行政に課せられた大きな役割であろうかと考えています。
まず、その中の高齢化の進行でございますが、今後数十年にわたって、この大変な状態が続くと予測されます。その中で、本市におきまして現在の高齢化率は二一・四五%であり、他の市町村に比べると、比較的まだ率は高くありませんが、これとて非常に大きな将来に課題を抱えている数字でございます。この高齢化の増加に合わせて、介護施設の計画的な整備、あるいは老人福祉サービスの充実がありますが、さまざまな方法で、高齢者の方々がまずは元気で、自分の生き方をはっきりと見つけて、そして充実した生活ができるようになっていただきたいと考えています。そのため、これまで、健康づくりのためのグラウンドゴルフ場の整備、あるいは学習機会の提供のための市民大学、あるいは安全・安心パトロールでの地域の高齢化の方々のボランティアなどに取り組んできました。今後も、高齢者の方々に健康づくり、生きがいづくりの施策をどうするか、これもまた改めて、毎年のごとくこの分野に取り組んでいるところでございます。
次に、少子化の分野でございます。本市の将来にかかわる大きな問題でございます。これも高齢化と裏腹の課題でございます。日本の国で若い人たちがなかなか結婚しない、できない、どちらがいいのかわかりません、しない。そして、子どもの数がどんどん減ってくる。本当に、たとえば議員にも適切なお考えがあれば、逆に御教示いただきたいぐらいの思いでございます。そういう中で、少子化の今現在とっております対策は、これまで不妊治療費の助成事業、あるいは乳幼児医療制度の充実、民間保育所の増設支援、あるいは学童保育の設置など、さまざまな事業を行ってきています。今後もさらに、母子保健事業、あるいは子育て支援事業、医療費助成等々の内容の充実に取り組んでいくべきと考えています。若者に、転入してくるまち。これはかつて議会の方でも御意見をいただいた状況も私も痛いほど実感しております。ですから、これに見合った施策は何があるかということもまた、これは日夜私の頭の中を去来している案件でございます。
その中で、たとえば一例として、ごく身近な一例でございますが、先日、天理山辺元気プロジェクト研究会の皆さん方が実施されました一味違う天理の街コン、集団でこういう催しをされて、それにたしか男女八十人の参加があった、こういうふうなことも、行政だけじゃなくて、そういう方々のこういう活動にもどういう支援をやっていくか、これも一つの具体の課題と考えています。
そういう中で現在、来年度の予算編成の作業中ですが、こういうことで少子高齢化について、何ができるか、もう少し突っ込んだ議論を重ねていきたいと考えています。どうぞよろしくお願いします。
○議長(三橋保長議長)市本議員。
○五番(市本貴志議員)御答弁、ありがとうございます。
いただきました答弁の中に、出口が見つからないということだったとも思いますし、ただ、少子化においては、結婚しないというのか、またできないというのか、その状況も脱していかなければいけない、いいアイデアがあればまた出してくださいともお聞きしました。また、見合った施策ということでの考え方の中で、いま街コンという形のことが行われているというお話もいただきました。また、その街コンをどう行政とつなげていくかということのお話もありました。このことに関してはまた一緒に考えていきたい、そのようにも思います。
その中で、本市の第五次総合計画に沿って、まちづくりや行政運営がなされていると思いますので、第五次総合計画の基本構想に基づいたお話を進めさせていただきたいんですが、第五次総合計画の第三章の中の①では、少子高齢化、人口減少をうたっておられます。また、第4章の①でもまた将来人口をうたっています。「人、人、人」、町の根幹をなす人のことが書かれているわけですが、本市の人口は国勢調査によると、平成七年にやられたときの七万四千百八十八人がピークでした。以降は、漸減傾向にあり、先月、十一月末の本市の人口は六万八千三百十四人。七年間で五千八百七十四人の人口がマイナスとなりました。今後の人口予測というか、このまま人口というのは減少していくのではないかというのが明らかなわけんですけども、ここで市長、質問ですけど、人口が減っていくのは、これはしゃないなというふうにお考えになるのか、もう仕方ないことやとお考えになられるのか、いやいや、前向きな施策を打ち出すことによって、活気あるまちを推進していかなあかんと、この二者選択になりますけど、心の中の思いはいかがでしょうか。
○議長(三橋保長議長)市長。
○市長(南 佳策)人口が減少するのは仕方ない、私はこの考えは大反対です。これは行政、そして国民みんながその気になって、日本の国をしっかりと立て直していく。ベースにあるのはいろんなことがあると思います。ですが、これをやらないと、この国は本当に寂しい国に確実になっていくと考えております。そういう意味で、非力ではありますが、天理のまちから何かアピールをする、そういうものをやっぱり見つけていくべきと考えています。
○議長(三橋保長議長)市本議員。
○五番(市本貴志議員)すごく心強い言葉をいただきました。私も同じです、本当に。いま答弁にもありました、その気になってということがありました。その気になるということは、本気でやっていくということだと思いますので、一緒に取り組んでもいきたい、そのようにも思います。
そこで、第五次総合計画に次のように記載されています。本市では、子育て環境の充実、住環境の整備、産業の振興などのまちづくりにより、現状の人口の維持を図るとし、七万人の人口を想定するものとします。第五次総合計画は、人口七万人を想定してつくられていますよということが掲載されているわけでございます。その中で、子育て環境の充実、住環境の整備、産業の振興、そこに向けて、本気のやる気や努力というところがなかなか見えてこないように思います。他市とは違う、きらっと光る施策を本市では展開しているか、そういうことについて、順次お尋ねさせていただきたいのですが、所管にお伺いさせていただきます。
一つ目、子どもを産み、育てやすい子育て環境の充実、この施策の取り組みについてお尋ねさせていただきます。お願いします。
○議長(三橋保長議長)市長公室次長。
○市長公室次長(山中由一)議員の御質問にお答えさせていただきます。総合計画の取り組みの中での内容についてを中心にお答えさせていただきたいと思います。
まず、一番初めの子育て環境の充実につきましては、総合計画の中では、子どもを安心して育てられる環境づくりとして、家庭における子育ての支援と保育サービスの充実を施策として掲げております。子育て支援の主な内容といたしましては、すこやかホールの運営、子育てサポートクラブ事業、出前保育の実施、子育てサークルの育成、各種の相談事業に対して取り組んでおります。保育サービスの充実におきましては、公立保育所や私立保育所の一時保育、特定保育の実施、学童保育所の充実、幼稚園での預かり保育の充実などに取り組んでおります。来年度におきましても、教育委員会の方で、幼稚園での預かり保育の拡大調査というのを櫟本幼稚園で実施する予定となっております。以上が概要です。
○議長(三橋保長議長)市本議員。
○五番(市本貴志議員)淡々とお話しいただきまして、ありがとうございます。
一番冒頭に言われた、家庭の子育ての支援、ここが本当にこれからは大切になってくるかなと思いますので、このことについても注視しながらやっていきたいというふうにも思います。
ここから、事例を交えてお話を進めさせていただきたいのですけども、日本の典型的な山村でありながら、人口が増加し続け、合計特殊出生率が時には日本一、財政の健全化では県内で毎年一位か二位という団体があります。その自治体は長野県下條村というところなんですけども、合計特殊出生率が二・〇前後と高い理由は、若い夫婦を対象にした子育てのまちの構想というのを具体的な施策で行っておられます。たとえば、一九九一年には幼稚園と保育所の統合化、そして二〇〇四年には、幼稚園から中学生までの医療費を無料にされている、そういうふうな取り組みもされています。また、その具体的な施策として、若者定住村営集合住宅、八棟で百戸の建設に取り組んでおられるわけですけども、子育ての条件が整えられた結果、トップ水準の出生率となり、十四歳未満の年少人口比率は県内最高となり、村に活気が生まれたと、そういうことであります。
今年度ですけど、私と同僚議員が山口県光市に視察に行かせていただきました。ここでは町を挙げて、おっぱい都市宣言というのを採択されておられ、市全体が協働し合い、子どもを産み、育てやすい環境を基本にまちづくりの推進をされておられる、そういうのを学んできたわけです。子育て環境の充実という考えから、もう一歩前進させていただきたい。
先ほど、山中公室次長が、行政としては取り組んでいるという内容をお話しもしていただきましたけども、子育ての環境の充実の一歩前に、子どもを産みやすいと、子どもを産み、育てやすい環境の充実として取り組んでいただけたらどうかというふうに思います。若者定住村営住宅のお話をしましたけども、本市においては市営住宅等もありますが、新たに集合住宅を建設せよとは言いませんけども、たとえばよく言われている、全国でいま空き家対策のお話なんかもよく出ますが、空き家対策の有効利用の活用として、たとえば行政の方々と天理市内の地元の業者が一緒に知恵を絞って、若い夫婦へ低価格な借家のあっせんというふうな形のことに取り組んでいくのも一つ具体的な施策ではないかと。人口増加策につながっていくものではないかと、そのように思います。
そこで、所管にお尋ねいたします。先ほど述べました三つの二つ目、住環境の整備、このことに関して、いかに取り組んでおられるか、お尋ねさせていただきます。
○議長(三橋保長議長)市長公室次長。
○市長公室次長(山中由一)総合計画の中で、住環境の整備は多方面にかかわっております。主な内容といたしましては、現在取り組んでおります環境基本条例の制定と環境基本計画の策定など、環境面への取り組み、地域防災計画の推進、コミュニティバス、デマンドタクシーの運行、山の辺土地区画整理事業、道路街路整備、上下水道整備など、安全で快適なまちづくりへの取り組みを現在行っておるところでございます。
○議長(三橋保長議長)市本議員。
○五番(市本貴志議員)ありがとうございます。いま、住環境の整備ということに関してお話しいただきました。冒頭一番最初のところに、七万人の人口で推移するということでの内容に近づいている内容だったかどうかというのは、まだ考えていかなければいけないのかと、そのようにも思いまました。人口減少等、少子高齢化対策には、率先して本当に手を打っていかなければいけない、先ほど市長の答弁にもありましたけども、そのとおり、みんなで考えていかなければいけない、そのようにも思います。
少子化社会を考えると、妊娠中の母体を保護し、お母さんを守っていきながら、たとえば意欲と能力のある女性のキャリアが維持できる仕組み、このことも考えていくのが大事だと私自身は思うんですけども、そのための子育て支援が不可欠で、これまで以上にそういうことに関して推進していただく、そういうことが大切かなと思います。しかし、困ったことに、たとえば、いくら自治体が子育て支援センターをつくったり、保育所を拡充しても、状況が変わってこないということも、また反対では言われています。そのことに関しては、出産する人に対して冷たい企業文化であるとか社会、これからの課題はそのマインドを変えていくことも大事であるかなというふうにも言われています。働きやすい環境に変える、そのためには、地域の事業主とのコミュニケーションの構築ということを、本当に行政が率先してやっていかなければいけないのではないかと。たとえば、ここで言うならば環境経済部、健康福祉部がタッグを組んで、率先して町の方々とのコミュニケーションの形成をしていく。そして、意欲と能力のある女性のキャリアの方々が維持できていくという仕組みをぜひこの町から、先ほど言われていましたように、構築をぜひこの町からしていただきたい、そんなようにも期待しています。
次に、三つ目にありました産業の振興の本市の取り組みについて、お伺いいたします。
○議長(三橋保長議長)市長公室次長。
○市長公室次長(山中由一)総合計画での産業の振興としましては、にぎわいと活力をつくる産業の振興といたしまして、活力かる工業の振興、魅力かる商業、サービス業の振興、農林業の振興を掲げております。主な取り組みといたしましては、中小企業者への融資等の支援制度。最近でしたら、株式会社三甲などもその対象となる工場誘致条例による企業進出への奨励金制度、商店街活性化への補助制度、九月にオープンしました天理市環境物産センター「ナビ天理」の開設、農業振興ビジョンの策定とそれに基づく事業の実施などがございます。
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