会場の広さの都合で締切前に申し込みを終了させていただきましたが、
女性15名、男性6名の計21名が参加してくださり、
新しく始まる子ども子育て支援新制度の関心の高さを感じました。
参加してくださった方は、現役で子育てをされている方、保育士さん、
子育て支援をされているNPO、行政、政治家、企業の方、
そして、NHK東京放送局さんが取材に来てくださいました。

子どもが生まれてから、子育て関連の制度に関心を持つようになった方がほとんどなので、
始めて制度の話を聞く方にもわかりやすいようにスライドを用意して説明をさせていただきました。

順を追って、説明を抜粋していきます。
【子どもの権利に関する大きな流れ】



【日本においての流れ】


1947(昭和22)年12月に、戦争孤児に対応するために児童福祉法が制定され、
保育所が制度として位置づけられました。
戦後、【福祉】として整備された保育所ですが、
時代とともに、家族、地域、雇用など子ども・子育てを取り巻く環境が変化し、保育所の役割も、時代に合わせて変化させる必要が出てきました。
一方、幼稚園は【教育】施設として制度が作られました。
今、現在、3歳~5歳の子どもに関する制度が、【教育】と【福祉】つまり、
【厚生労働省】と【文部科学省】で分かれているので、
子どもに関することを一つの窓口にまとめましょう、というのが、
今回の制度のポイントの一つです。

平成24年8月に今回の新制度にさきがけて、
「子ども・子育て関連3法」が制定されました。
【3法の趣旨】

「自公民3党合意を踏まえ、保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識の下に、幼児期の学校教育・保育、地域の子ども・子育て支援を総合的に推進」
3法では、認定子ども園、地域の子ども・子育て支援の充実等について定められています。
一方、現在進められている「子ども・子育て支援新制度」では、平成27年度からの実施が想定され、
各地方自治体で平成26年度半ばまでにおおむねの案を取りまとめる必要があります。
現在は、「次世代育成支援対策推進法」を法的根拠として制度が進められていますが、2015(平成27)年3月31日までの時限立法なため、「子ども・子育て支援新制度」への移行にむけて、様々な議論がなされています。
ただし、平成27年4月から消費税が10%にアップされることを期待して、その中の7千億の予算と3千億=1兆円の予算を財源として見込んでの施策なので、
消費税アップが前提の話になります。
難しい話が続きましたが…
潤沢な予算のもと、贅沢に制度を設けられるわけではないので、
各地方自治体で「子ども子育て会議」を設置して、当事者の意見も取り入れながら地域の現状に合わせて進めてください、というのが国の意向です。
【ニーズ調査】
そのため各自治体で、当事者が何で困っていて、何を必要としているのか、
【ニーズ】を把握して、それにこたえられる制度を作る必要があります。
ニーズのないところに制度を整備しても、何の効果もありません。
子育て世帯が抱える悩みは、家庭の数だけあるので、
最大多数の家庭にとってプラスになる政策を議論する必要があります。
そのためにまずは、【ニーズ調査】が行われる必要があるのですが、
ニーズ調査のひな形はこちらです。
調査票のイメージ
これを参考に、各自治体に合った形にカスタマイズをして、地域のニーズをくみ取ります。
しかし、ニーズを細かく把握しようとしたら質問の内容が多く・複雑になり、
答える側に負担がかかります。
書き込んでもらうだけの調査票からは見えてこないニーズもあるので、
直接会って話をする、面接調査も必要となってきます。
では、この小さい集まりの中で、一体どんなニーズが出てくるのか?
【ニーズ言いたい放題】と銘打って、
グループに分かれて話し合ってもらいました。


主に、新制度で議論されている、
以下のテーマについてざっくばらんに話をしていただきました。
ポイントは【言いたい放題】です。
現実的に無理、とか、実現不可能、とか、
それはおかしい、その考えは間違っている、とかではなく、
なんの制約もなく、「自由に子育て環境を選んでいい」、
と言われたら、こういうことを望む、という願いを出してもらいました。
「ニーズ」は、一人ひとり違うので、
人の意見に惑わされることなく、制約のないところで願いを出し合うことで、
より多くの方が、よりよく生きていくためのヒントを探りたい、との思いからです。
また、ニーズだけではなく、「こういう社会になればいい」も自由に話し合ってもらいました。
①幼保一体化
②待機児童解消
③ワークライフバランス
④地域の子育て支援
⑤学童保育
⑥親支援
⑦その他

①幼保一体化
・保育士の地位向上(給料・待遇)、環境を改善する。
・施設のセキュリティ(安全面・安心面・情報公開)。
・施設管理者への経営(リーダー・マネジメント)教育。
・まず行政の横の繋がりが大切(障害・教育・親支援)。
・保育士の質の向上。教育体制(心理学的な部分)。

②待機児童解消
・週2~3回、3時間くらい同じ場所に預けられる。
・認可外の活用。
・待機児童解消→就活と保育所探し(保活)の両立の難しさ。

③ワークライフバランス
・従来のやり方にこだわらない形。
・育休3年を夫婦でとれる社会。
・両親ともに好きな時間働いて子育てしたい。
・働く時間の長さで評価すことをやめる。生み出した価値で評価する。
・子育て世代への配慮をした人事政策(転勤など)。
・働き方を自由に変えられる仕組みの構築。
(保育所に入るには週○時間、○時間以上、とかではなく)。
・企業の中で子育てをしながら仕事ができたらいいね。
・育休3年を週2~3父母交代勤務。ずっと子育ても、ずっと働かないのもしんどい。
・働きたい気持ちと子育てに関わりたい気持ちのバランスが取りづらく、ウ~ってなることが多い。

④地域の子育て支援
・地域に色々な支援があるのを知らないママが多い。
・土日も親子で行ける場(ひろばなど)。土日勤務の家や土日父親と子どもだけで行ける場がない。
・イオンの一角にでもパパさんの話せるスペースがあればいいな。
・少し先に子育てをしている近所のお母さんと知り合う機会がある。
・相談しやすい窓口・講座名。
・地域で支援したいけど場所がない。
ボランティアでは運営できないので、ワンコインなど、運営に必要な最低限の参加費を設けると公共施設は施設使用料が高くなる→参加費を上げざるを得ない。
1円でも取ると、営利と判断されチラシもおかせてもらえない。
営利ではなく、純粋に支援をしたいのに。
・男親でも参加しやすいように。
⑤学童保育
・預かり時間の延長。17時まで?18時まで?
・長期休みの時、8時半~だと出勤時間に間に合わない。

⑥親支援
・相談(しゃべりたい)場所は公のところ(スーパー、公園、駅など、毎日足を運ぶ機会があって、子連れで気軽に立ち寄れるところ)。
・親になることを夫婦で考える機会。出産前、出産後、全員受けられるようにする(健康診断並みに)。
・自信のない人にどんなアプローチをするか?
・親子間の負の連鎖を断ち切りたい。
⑦その他
・家で子どもをみている人たちが集える場をもっと作る。
・【集中と選択】地方自治体のはやり言葉。
お金の問題ではなく、本当は、何を選択するか地域で考え、住民に考えてもらって、どう集中するか。
・情報を発信する。キーワードが違う。
・行政の情報発信を盛んに。インターネットとか。
・子どもだけで遊んでも安心な場所と社会。
・個人・家庭・地域の裁量を高める。「普通」が既に成立していないことに気付く。
・母親=弱い人、お金を払えない人、という前提でのサービス提供をやめる。
助成金の出し方をかえる。
(例・定価は2000円。母親が使えるチケット1500円分利用という形で実質負担を500円にするなど)
子育てサービス=安いという常識が悪循環を生んでいると思う。
・親も子どものいない大人も子どもがいて当たり前の環境が社会の日常にある。
・世代間での働き方、子育ての常識のギャップ。
何が子どもにとって自分にとってよいかをフラットに話し、自分で考えたい。
・第三者評価の方法→雰囲気を測るスケールの作成。
・子育てのしくみ、昔はどうだった?地域の子どもは自分たちの子どもという意識。
出していただいた意見のほんの一部です。
これらをまとめて、各グループで発表をしていただきました。
印象に残った意見を箇条書きでシェアします。
★自分の子どもがよければ社会が良くなると思えないから、
しんどい思いをしている人がいたら何かしたい。
何をしたらいいか考え中。
★本当にしんどい人は出て来られないので、本当にしんどい人に届いて欲しい。
★電話を取りながらおっぱいをあげられる企業とかあればいい。
★施策でもれていく人を支援するには、人と人が繋がるしかない。
発信をしたらキャッチしてもらえる仕組みが必要。
本当に弱っている人は情報をキャッチできない。
気付いた人から繋がり、繋げていく。
★公営と民営の違いを活かして、いかに協力をしていくか。
★今の子育て世代と先輩世代との悩みは違う。
現状の悩みが理解してもらえないので、お互い、理解しあう。
★行政は書類を出すことを求め、公平であることを命題としているが、四角四面の支援ではなく、企業や住民とも協力して、ぶっちゃけ話でどう手を携え合えるかの議論が必要。
★たとえば、車中心社会と電車中心社会ではニーズが違うから、地方自治体ごとに見合った施策が必要。
★制度と風土のギャップがある。
★父親への育児支援、イクメン、等々…聞こえはいいが、実際の風土が違う。
例えば、中学の職業訓練で「保育所」を希望したが、「男子不可」の保育所がいくつかあった。
「保育ママ」という名称も含め、子どもに関することは「女性」という社会の意識が根底にある。
★行政の窓口で相談に来てもらうのを待つのではなくて、人がいる場所にどんどん出ていく。
駅とか、ショッピングモールとか、人の行き交う場所に、予約なしでもふらっと立ち寄れる相談コーナーがあればいい。
市民が支援している活動のチラシだけでも置かせてほしい。
駅は多くの方が利用するので、駅をもっと情報発信&受け取れる場にして欲しい。
★子育て中の親は、子どものおしめやミルクや着替えやおもちゃ…等々、出かける準備をするだけで大変なので、気軽に行ける近所、がキーワード。
★悩んだ時は誰にも相談できないので、ネットが唯一のお友達になる。
支えになるようなブログを!
★全ての子どもたちに、子どもを通しての親支援をして欲しい。
親を支援することで、子どもが救われる。
★離婚家庭には補助が降りるけど、離婚まではいかないけれど、別居している家庭への支援も考えてほしい。法律上、離婚していないだけで、事実上、シングル家庭なのに、ニーズを拾ってもらうことすらない。
★子ども子育て会議に当事者を入れる、というのが、今回の新制度の肝だと思うので、当事者の意見をしっかりと汲み取って欲しい。
★「ひとり親家庭」の支援の前に、「ひとり親家庭にならない」ための支援も必要。
★保育所は朝早くから預かってくれるが、小学校にあがって学童保育になると、途端に8時半~とかになり、通勤時間との折り合いがつかなくなる。
小学校1年生の子どもを夏休みなど長期休暇の間、一人で朝、家を出て行かせるのは不安。なんとかしてほしい。
★男性は地域の子育て支援の場に出にくいが、小学校の餅つき大会などはお父さんでいっぱいになる。
お父さんが出てこないのではなくて、お父さんが出にくい雰囲気の場が多く行けないので、お父さんでも参加しやすい仕掛けを工夫して欲しい。
★保育士の給料が安いから、男性保育士が育たない。保育士にもっと男性が増えれば、子育て=女性がするもの、という意識も変わるのでは?
今のままでは、保育所で育ったお子さんは、保育所は女性しか働けない場所、と思ってしまう。
★地域で支える、と言っても、ひろばや民生児童委員さん、SCW…など、地域で支えている人や場所の情報を全然知らなかった。
広報のやり方に問題あり。
(子育て中の若い世代はSNSで情報発信が常識)
いかがでしょう?
たった1時間の間に、書ききれていませんが、まだまだ沢山の意見が出ました。
【ニーズ調査】を調査票だけで終わらせると、
本当のニーズは見えてこない、ということを実感した時間でした。
地方自治体の皆さんには、当事者の声をきちんと拾える面接によるニーズ調査をぜひとも実施していただきたいです。
今回、沢山の意見が出たため、まとめ切れなくて申し訳ありません。









