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ち絵さんがお友だちと食事会に行ったときの話を聞かせてくれた。
気のおけない人と楽しい時間を過ごせるのは幸せなことだ。
食事も美味しかったとのこと。
「そのレストランはどこにあるの」
「駅に向かって行くでしょ。バイパスを市役所の交差点で渡って、まっすぐ行って次の信号を左に曲がって・・・」
「ああ、この間いっしょにSさんの家を訪ねて行ったところだね」
「違うわよ。市役所の交差点を渡るでしょ・・・」
どうも話が噛み合わない。
ち絵さんの教える道順だと間違いなく先日二人で車で通ったところなのだが。
「警察署の交差点を渡ってすぐの信号を左に曲がるのよ」
「エッ! 市役所じゃないの」
なんだなんだ。
交差点違いだった。それじゃ判るわけがない。
ところがち絵さんは自分が言い間違えたことも、私のびっくりした顔も全く気に留めずに話を続ける。
「バイパスを警察署の交差点で渡って、次の信号を左に曲がったすぐのところよ。今度一緒に行ってみようよ」
ああ、そうですか、そうですか。
そんなに素敵なレストランだったら、一緒に食事してみたいね。
──わたしの聞き間違いだったかな