いち絵 にっき

果てしなく人の顔を描き続ける「はるか」と畑の野菜作りに元気な「ち絵さん」のありふれた日常の一コマを切り取った一期一‟絵‟日記

2019年09月

やりかけに手を出すな

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新聞にクロスワード・パズルが載っていた。
取りかかったち絵さん、テーブルに座った姿勢がいつまでも崩れない。
それから今度はフロアに腹ばいになって続けていた。
なんだか難しそうだ。
じっと考えているのか眠っているのか、さっぱりマス目が埋まらない。
「難しそうだね」
声を掛けてみたが、ムニャムニャッとした返事。

翌日になって、ち絵さんは新しい朝刊を読んでいた。
古い方は用済みだと判断し、わたしは物入に仕舞いこむ前にち絵さんがやったクロスワードをやってみることにした。
じっくり考えて、全てのマス目が埋まった。
「クロスワード、全部できたよ」
するとち絵さん、目がキッとなって
「まだ途中だったのよ!」
あれ、できないから止めたんじゃなかったの。
「『降参』って言ってないでしょ」
それは大変失礼しました。
「わたしが『降参』って言ってからやってよ」
きつく釘を刺された。

まあ状況判断は間違いなかったとしても、他人がギブアップしたのをやってやろうという考えはあまりよろしくないですね。
新聞のには手を出さないで、誰もやってない別のをやることにします。
すみません。

秋ナスを頂いた

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 〈 スナフキンに似た人 〉

ち絵さんが野菜の植え付けを終えた。
サニーレタス、サンチュ、それにブロッコリー。
強い風の日があって、肥料の空き袋で風除けを作った。
まずはひと安心。

やはり家庭菜園作りをしているAさん。
ご夫婦で一生懸命な姿をお見掛けする。
ご主人は徹底した几帳面な作業をする人だ。
大根の畝を作ったとき、
「まるで板を当ててペンペンって叩いてならしたみたいにピシッとしてるのよ」
とち絵さんが驚いていた。

Aさんの奥さんからナスを頂いた。
それがまた見事な出来栄え。
色といい、形といい、ホレボレするほど。
「どうすればこんなに見事にできのだろうね」
ち絵さんは訊きたいと言う。
いやいや、ち絵さんだってやれる限りのことをやっているんだから、あまり他と比較するのは良くない。

ところで「秋ナスは嫁に食わすな」という諺がある。
その解釈にはいろいろあるようだが、
①秋ナスはとても美味しいから自分だけで食べようという嫁いびり。
②秋ナスは体を冷やす食べ物だから子どもを産んで欲しい嫁に食べさせてはいけないという嫁思い。
一般的には①の方が優位にあるようだ。
(わが家には嫁がいないからどちらでもいいけど、なんて)
早速料理してみた。

麻婆茄子。
ピーマンとニンジンを加え、麻婆茄子の元を入れるだけの簡単調理。
ちょっと皮が固かった。
「皮はかなり剥いたんだけどね」
「秋ナスはやっぱり皮が固いのよ」
という訳で、食べてみた結果から先ほどのことわざの意味を察してみると、どうも②の方じゃないかな。

傘と鎌の修理

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壊れて修理が必要なものがあると、Reiji がすぐに言うそうだ。
「おじいちゃんに直してもらえば」
ち絵さんが笑いながら話してくれたが、そう言われて悪い気はしない。

ち絵さんが捨てると言っていた傘がある。
骨が1本折れている。
娘のK子が高校時代から使っていたもので、色褪せているし、ひょっとして雨漏りもするかもしれない代物だから、捨てても何ら悔いはないのだが、わたしが修理してみることにした。
骨はTの字になっているジョイント部分が破断していて、ひょいひょいとはいかないように見えた。
しかし修理用キットのなかに、必要な部品があったので、多少時間が掛かったが何とか修理することができた。
「また壊れたら、その時は捨てるんだね」
そう言ってち絵さんに渡した。

傘の他に園芸用鎌2本の研ぎを頼まれた。
前回の2本に追加だ。
(すでに書きましたね)。
わたしはち絵さんに訊いた。
「しかし、4本もの鎌をよく集めたね。どこで使うの?」
「畑と、ベランダと・・・、あちこち」

エキスパートは道具も豊富だが、ち絵さんの鎌は全てが錆びてナマクラだ。
手入れがまるでなってないな。
使ったら刃を拭いて、乾かしておくだけでもずいぶん違うんだけど。
研ぐ作業は"刃を出す"までが大変だった。
腰が痛くなった。

こぎつねコンコン

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「《こぎつねこんこん やまのなか》の楽譜が欲しいんだけど」
ち絵さんに頼まれてすぐに調べ始めた。
こういった類の検索は簡単。
YouTubeの動画サイトを探せばすぐに出てくる。

動画は静止画にして取り出せばいいのだが、わたしはその辺が未熟な者だからできない。
パソコンの画面をカメラで撮って印刷することにした。
当然汚い。
印刷したものをそのままち絵さんに渡した。

ち絵さんはコピー紙に定規とペンで5本の線を引き、オタマジャクシを書き写した。
余白には歌詞を印刷した画像を切り取り、貼り付けた。
誰あろう、Yui に渡すためだ。
Yui はピアニカでこの歌を練習するのだとのこと。
子ぎつねの絵入りの歌詞付き楽譜だ。
手作りで立派なものができた。
「『歌詞は要らない』って言うかもしれないけど」
大丈夫。
剥がせるのりを使ったから、要らなければ剥がせます。

ところでこの歌。
ドイツ民謡だったんだね。
歌詞がまたレトロで、現代っ子は馴染めるかな。
参考までに。

〔こぎつね〕
こぎつねコンコン 山の中 山の中
草の実つぶして お化粧したり
もみじのかんざし つげのくし

こぎつねコンコン 冬の山 冬の山
枯れ葉の着物じゃ ぬうにもぬえず
きれいなもようの 花もなし

こぎつねコンコン 穴の中 穴の中
大きなしっぽが じゃまにはなるし
小首をかしげて 考える

気がかりなことを一つクリア

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先日のこと。
勝手口専用の「ゴミ箱」がある。
野菜ゴミのバケツを収納してある縦長の箱で、扉が付いている。
だいぶ前に私が手作りしたものだ。

風雪に耐えきれなくなって、接着したところが剥がれ、扉の開閉が上手くいかなくなった。
白く塗った塗料もボロボロ剥がれ落ちている。
剥がれたところはビス止めして扉は正常になった。
次いで箱全体に水性塗料を塗り直した。
塗料は先日ホームセンターで仕入れてきたもの。
晴天が続いて塗装日和になったから日曜大工の決行となった。

特に気をつけたことは何だったか。
やぶ蚊。
蚊取り線香をいぶし、足元に置いて作業した。
それでも家の中に侵入したヤツがいたようで、夕方リビングを飛んでいるのを見た。
被害には遭っていないが。
作業が終わって翌日雨になった。
塗料は乾燥していたから大丈夫。
懸案事項を一つクリアした。

ゴーヤは日除けのため

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ある日の朝食で、ち絵さんが言った。
「ポテトサラダ食べたいね」
しばらく作っていない。
ならば作ろうと思った。
もう今までと違ってどっさり作るのはやめた。
ほんの少しだけにしよう。

翌日の朝、食卓に出したところ、
「オーッ! ポテトサラダだ」
ち絵さん、感嘆の声を挙げた。
まあ、好きで食べてくれるのはいいんだけど、そうでないものだと
「ホラ、わたしはこういうの食べない人じゃない」
と言われてしまう。
嫌いなものは仕方がないのだから、とやかく言うつもりはない。
食べたい人が食べればいいのだ。

向かいのSさんちでゴーヤが実っている。
ツルが2階まで伸びている。
ち絵さんの話では日除けのために植えているだけで、Sさんちでは食べないのだそうだ。
多分捨てるだろうと言う。
わが家の畑ではゴーヤは既にお終いになったし、もったいないという顔をしたら
「もらってこようか。『頂戴』って言えば喜んでくれるわよ」
いやいや、そこまでしなくても。
佃煮にするほどは無いだろうし、わが家でも好きな人と嫌いな人がいるし。

パズルを作る人の頭の中は

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「降参でーす」
ち絵さんが新聞に週に1度載るクロスワードにギブアップした。
新聞と鉛筆を持ってわたしのところに来た。
判らないところを訊く。
「『蟹工船』は誰が書いたんだっけ」
「キリシタン用語で神のことを何て言うの」

ち絵さんは科学的なことや宗教的なことに関しては苦手で、
「おとうさんの専門だから」
と敬遠しがちだ。
しかしわたしとてすぐにピンとくるわけではない。
あれやこれや考えて、何とか正答を導き出した。

こんな具合に、ち絵さんが困っているときにわたしが助け舟を出すのはいいが、やりかけのところに勝手に手を出すと怒られる。
タイミングに要注意だ。
新聞のクロスワードは、特定のマスにあるキーワードを探し出すと、時節がらの皮肉を込めたフレーズなどが出てきて面白い。
英語のパズルもあって、こちらはわたしの領域。
4~7文字の英単語が並んでいて、それを同じ数のマスに入れてゆく。
難しいものではないから、解くコツを覚えれば簡単。

それから漢字熟語パズルも面白い。
いつぞやは難解で何日も考え込み、やっと解いたこともあった。
そういったパズルを解いているときに思うことがある。
「これを作る人の頭の中はどうなってるんだろう」
わたしには理解できない世界に住む人のように思える。

パズルを作ることを職業にしている人もいるんだろうな。
世の中って面白いと思うよ。

秋分の日に思う

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秋分の日。
暑さ寒さも彼岸まで、と言われるように、秋の彼岸が来れば猛暑と縁が切れるだろう。
と思っていたところ、今日は30度近い暑い日になった。
秋の深まりを感じるのが遠のいた。

わたしが彼岸の意味を正しく(大ざっぱだが)知ったのは、
「彼岸と此岸(しがん)」という対比を理解した時だった。
子どものころから耳に馴染んできた「お彼岸」という言葉がとても崇高なものに感じられた。
今この言葉が耳に入ると、いろんなことが一気に思い出され、心に温かいものが湧いてくる。
子どもの頃、近所のばばさんたちがあちこちの家を周りながら御詠歌を唱える。
念仏講。
大きな数珠が回る音と澄んだ鈴(りん)の音が聞こえてくる。
言葉そのものは24節気のなかの16番目の節気とのことだが、夏至や冬至といった言葉とは受ける感じが違う。

ところで話題が跳んでしまうが、心に残る歌がある。
若いころ良く歌ったお馴染みの「琵琶湖周航の歌」。
4番の歌詞

瑠璃の花園 珊瑚の宮
古い傳への 竹生島
佛の御手に 抱かれて
眠れ乙女子 安らけく

ここにある「瑠璃の花園」と「珊瑚の宮」は竹生島とどうつながるのだろう。
気になっていろいろ調べた。
原曲は「ひつじぐさ」で、作曲者と作詞者も分かったのだが、疑問は解けない。
竹生島に祀られているのは弁財天とのこと。
1説に寄れば竹生島は竜宮城への入り口なのだとか。
竹生島には瑠璃色の花(ラピスラズリ?)が咲いているのだろうか。
近海には赤い珊瑚が豊富なのだろうか。

調べ始めて10日以上も過ぎたが、皆目分からない。
古い書籍に「珊瑚の宮」というのがあり、著者は藤沢周次とのことだが、それを調べれば分かるかもしれない。
しかし、もうかなり時間を費やしてしまった。
今の時点で結論らしきものを出すだすとすると、歌詞とメロディが与える豊かな安らぎが「彼岸」を意味しているのかもしれない、ということ。
とりあえずここで区切りを付けようと思う。

蛇足だが、
メロディで「ねむれおとめご」のところだが、聞き慣れたメロディとは違った歌い方があることを知ってから、その歌い方が好きになった。
だからわたしはいつもそちらの歌い方をしているのだが、それは原曲である「ひつじぐさ」に基づいていた。
どこがどう違うのかをここで説明するのは難しいが、
「おとめご」の下線部分が"ダレない"ということ。

〈夕焼け小焼けのアカトンボ〉の「あかとんぼ」のところ
〈神ともにいまして〉の「ちからをあたえませ」のところ

ダレた歌い方をしがち。
ますます分からなくなったかな。

イモムシを飼育してみる?

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「これ、チョウチョになるかしら」
ち絵さんが虫かごに捕まえてきたのは大きなイモムシだった。
緑色で鋭い角がある。
「あ、イモムシじゃない。それ、蛾になるんだよ」
アサガオに良くつくことを話したら、確かにアサガオで見つけたとのこと。
蛾になると知ってがっかりしている。
「育てて確かめてみたら」

多分間違いないと思ったが、念のため調べてみると、
エビガラスズメという蛾の幼虫であることが分かった。
幼虫と成虫の画像を写真に撮り、ち絵さんに見せた。
わたしが以前、フェンス際にアサガオを植えたところ、花は1個も咲かず、この幼虫が大量発生したことがあった。
図体がでかくて見るからに毒を持っていそう。
しかし、葉を食い荒らすだけで毒は無いとのことだった。
「・・・スズメ」と名が付いているが「スズメガ科」に属し、1,200もの種類があるそうだ。

翌日、虫かごがきれいに洗って干してあった。
イモムシは死んだとのこと。
「捕まえたときから弱っていたみたい」
庭のアサガオを撤去したときに、ツルを丸めて詰め込んだポリ袋の中から這い出したもののようで、脱出に疲労困憊したのかもしれないと言う。

いよいよ秋も深まってきている。

わが行く道を

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例えばどこかのレストランで食事をしたときに、食べた料理がとても美味しかったら、「自分で作ってみよう」と思うことがある。
決してそういう発想はしない人もいるでしょうけど。
「シャケとイクラの混ぜご飯」
「すき焼き定食」
などはわたしが見よう見まねで作ったところ、家族に大好評で、何度もリクエストされた。
でも作っていない。

「醤油ラーメン」とか「タンメン」などはリクエストは無いが、『今夜はラーメンにするよ』と言えば、ラーメン好きなち絵さんは『ヤッター!』と手をパチパチさせる。
しかし、そういうことは滅多に起こらない。
いろいろ理由があって言いたくないが、敢えて明らかにすれば
面倒くさいから。

ち絵さんは昼食に一人分のうどんを茹でて食べていることがある。
わたしがうどんを茹でるのは、ち絵さんに頼まれたときだけで、自分で作ることは絶対にない。
面倒くさい。

人生面倒くさがっていては何事も前に進まないから、そこはそれ、自分に鞭打ちながら(大げさ!)やっている。
それがまたいつも思うのだが、終わってから振り返ってみると、それほど苦ではなかった、というより、意外に上手くいって驚くことがある。

料理を例に出したのは分かり易いからだが、そう感じたことはこれまで何度もあった。
サラリーマン現役時代。
自信が無く絶対に無理だと思ったことでも、やるっきゃない!となって腹を決めて取り組んだとき。
誰かの手を借りることができず、時間の余裕も無く、独りでやらねばならなかったとき。
終わってみれば、何とか上手くことが運んでほっとした。
「ああ、これは決して自分独りではできないことだった」
と思った。

日常でも良くある。
なぜ上手くいったのだろ。
今のわたしはその理由を深く考えたりはしない。
力を貸してくれる存在のことは常に頭にあるからだ。
これまで何度経験したことだろう。
だから、そんな時はただ感謝あるのみ。

レタスとブロッコリーをお願い

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昨日に続いて素晴らしい秋晴れ。
とても爽やかな日になった。
もうすぐ秋分。
今日あたりショッピングに出かける人も多いのじゃないかなと思いつつ、どうしても買い揃えなければならないものがあって、ち絵さんと一緒にわたしも出かける人となった。

ゆうちょ銀行に寄り、ホームエンターに行き、最後にスーパーに寄った。
ホームセンターではわたしが物色したのは雑貨で(もちろん文房具もある)、ち絵さんは野菜の苗と肥料や用土など。
結構時間がかかったが、数日前からメモしてあったから、迷わずにそろえることができた。
平日だったせいか、店内には買い物客は多くなかった。
この店は度々来ているので、おおよその勝手が分かっている。
日用雑貨や医療品、電気製品、金物や工具類などを展示するエリアと建築資材を展示するエリアに分かれている。
苗やエクステリアなどの園芸関係は屋外にある。
建築資材置き場のところでは、作業着を着た工事関係者と思われる人が品定めをしている姿を良く見かける。
仕入れに来ているのだろう。

ち絵さんは苗の展示エリアへ。
肥料や腐葉土も買い求めた。
野菜の苗はブロッコリーとレタスが目的だったが、ブロッコリーだけにとどめたとのこと。
レタスの苗は生育がよろしくなかったからだそうで、それじゃあとなって、苗を専門に売っている店に車を回した。
そこには立派な苗が豊富にある。

すっかり買い物が済んで帰途に着き、ち絵さんの一言。
「さて、畑を耕さなくっちゃ」
植え付ける前に畑を耕さなければならない。
大変な仕事だと判っているから、わたしはあまり無理なことは言えない。
先日、わたしが食べたくて植えて欲しい野菜を、おそるおそる頼んでみた。
「レタスと、ブロッコリーを植えてください」
ち絵さんはちょっと考えてから、快く承諾してくれた。
それで今日の仕入れとなった次第。

子どもがスマホを自由に操る時代

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スマホには懐中電灯、つまりフラッシュライト機能がある。
暗闇では便利だ。
ち絵さんそれを利用したいのだが、どうやったらいいのか分からない。
わたしに尋ねる。
わたしは自分のスマホならできるので容易いと思った。
懐中電灯のアイコンを捜せばいいのだ。
ところがそれが画面に表示されておらず、「設定」を探しても見つからない。
さんざんトライしたが、ダメ。
ち絵さんにスマホを戻した。

「Rei ちゃんは『おばあちゃん、貸して』っていって、ヒョヒョッてやっちゃうのよ」
指ですばやくフリックしてReiji の真似をする。
「カメラもチャッチャッて撮っちゃうのよ」
5歳の子が自分のものでもないスマホを自由に扱えるなんて驚きだ。
先日はち絵さんのスマホを借りてバシャバシャ写真を撮っていた。
「100枚も撮っちゃったのよ。消すのはどうしたらいいの」
ち絵さんに頼まれて消してあげた。

小さい子どもができることがわたしにできないのは悔しい。
もう一度ち絵さんからスマホを受け取り、再びフラッシュライトに挑戦。
やっとわかった。
どうすれば良かったのか。
まさかと思う指の操作だった。
示唆するアイコンや表示は一切無い。
画面に表示は全く無いが、それをすれば懐中電灯のアイコンが出てきて、そこをタッチして「ピカッ」。
消すのもそこをタッチすればいい。
元にもどすのには指を逆方向に大きく操作する。
──これは教えてもらわなければ分からないなぁ

Reiji は父親に教えてもらったのだろうか。
自分で見つけたと言われたら、それもありだろうと思う。
子どもって順応する能力が抜きん出ている。

すりこぎに与えられた新しい仕事

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ち絵さんから頼まれた園芸用スコップの修理のことを少し詳しく書こうと思う。
(わたしのお祖父さんは移植ベラと言っていた)
ステンレス製で重量感がある。
長持ちしすぎて木製の柄が腐り抜け落ちてしまった。
柄を付替えればいい。

とてもぴったりなものがある。
ち絵さんの父が作った「すりこぎ」だ。
小さめのすり鉢用で、ち絵さんの母が長年使い込んだものだった。
それがち絵さんにバトンタッチされて、ち絵さんがしばらく使ってきた。

しかし古くなりすぎたので、わたしがケヤキの木で作り替えた。
要らなくなったすりこぎはわたしが銅版画の制作で、マツヤニを粉末にする作業で使うことにした。
マツヤニは塊になっているから、使う時は乳鉢ですりつぶさなければならない。
とても重宝した。

説明が長くなった。
園芸用スコップの柄にその古いすりこぎを使うことにしたのである。
作業を始める前にち絵さんが目ざとく見つけた。
「あ、すりこぎだ」
もちろん自分の父親が作ったものだと知っている。
懐かしかったのだろう。

柄の付け替え作業はしんどかった。
スコップに柄の先端を固定していた留め金がなかなか外れない。
それを外さない限りは柄を差し替えられない。
それこそイヤと言うほど時間が掛かり、手が痛くなったが、なんとか取り外すことができた。

すりこぎの一端を細く削り、スコップに差し込んで固定した。
見てくれは悪い。
何しろすりこぎだからずんぐりしている。
でも作業は力が入って、楽だろうと思う。

最後にお祖父さんとわたしのイニシャルを1字ずつ柄に彫り込んだ。
新しい仕事を与えたすりこぎは長い時の流れをすりつぶしながら生きてきたことを記すために。
なあんてね。

生き残るために必死なスーパー

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久しぶりにち絵さんと二人でスーパーにお遣いに出かけた。
買い物リストを作った。
野菜類とそれ以外に分けて、2軒のスーパーに寄ることにした。
野菜類が安くて品数が豊富なところでは野菜を、それ以外はいつも行き慣れているところへ。
「メモ良く見てね」
ち絵さんに言われて、見落としが無いか十分注意したはずだったが、帰宅して
「あ、○○忘れた!」
「だから、メモ良く見てって言ったでしょ」
失敗。

一つ目のスーパーでレジを済ませてから、買ったかどうか分からなくなったものがあり、2つ目のスーパーで念のためそれを買ったところ、やはりちゃんと買ってあったり・・・
メモに書き忘れてしまったものもあったりで、
かなり抜けだらけの買い物になってしまった。
二人がかりだったが、人数とは無関係のようだ。

ところで2つめのスーパーMだが、現在外壁のメンテ中で、足場ががっちりと組まれている。
規模は中ぐらい。
目の前にドラッグストアがある。
「Mも頑張ってるね」
ち絵さんが言うとおり、Mはほとんど毎日と言っていいほど何かのセールをやっていて、シルバー世代を対象にしたイベント(セール)もある。
そんな日はお年寄りの姿が多く見られ、宣伝効果満点だ。
Mの2階には百均もあるのだが、まるで客が入っておらず、「レジは1階でおねがいします」となっている。
それでも食料品関係はサバイバルへの取り組みを感じさせて、こちらもそれに応えようかという気持ちになる。

大型量販店が幾つか集まって特別の名前が付いたエリアができると、たちまちその周辺の小さな商店が姿を消す。
消費者にとって、駐車場にゆとりがあって食料品店以外に衣料品とか電器、書籍、それに百均などの店もあり、しかも銀行ATMまで備わっていたら、どうしてもそっちに行きたくなるのは仕方がないことだろう。

そんな幾つかある大型スーパーでも肉類、野菜、あるいは惣菜などに特徴があって、
「Yは野菜が安いけど肉は買わない。肉はいつもBで買ってる。惣菜はUがおいしいね」
(ち絵さん、K子、そしてわたしの実感)
といった具合に評価が異なるから、熾烈な過当競争もあんがい起こらないのかも知れない。
店が広くて品数が豊富なところは確かに魅力的だが、小さくても何がどこにあるか、ほとんど判って通い慣れたスーパーは、長く続いて欲しいと思う。

ひょっとしてこれは終活か

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「家中にある刃物を研ぐぞ」
誰かに宣言したわけではない。
そう思った。
3日がかりでやり終えた。

きっかけはち絵さんから依頼のあった園芸用の鎌とスコップの修理だった。
鎌は2つ。どちらも柄の先端が腐っている。
腐っているところを切り落として短くしてから鎌を研いだ。
ちょっと大変だった。
でも何とか使える状態になると、他に修理するものは無いかと考えて、包丁やハサミを研いでみようとなった次第。
思い立った時にちょこっとやってみるというワーキングスタイルで続けた。
(そうでないとすぐ息切れする)
(あ、ノミと彫刻刀を忘れた。この次にしよう)
仕事を終えて、ち絵さんに報告した。
「鎌ふたつと小さいスコップ、直しといたよ」
「見ましたよ」

さて、話は跳んで、刃物に関してのことだが、
工作用ナイフで気に入ったものを欲しいと思っているのだが、まだ無い。
スペシャリストが細い布をぐるぐる巻きにした繰り小刀を使って木工品を制作している場面をTVで見ることがある。
また特殊な形のナイフなど、自分で考えて造ったと思われるいかにも年期の入った刃物はとても魅力がある。
わたしが趣味とする銅版画用の道具は幾つかそういったものがあるけれども、数は少ない。
手に馴染んで使い勝手のいい工作用ナイフを自分で造ってみたい。

それには板状のヤスリから削り出して造るのが手っ取り早いけれど、電動のグラインダーが要る。
もしわたしが電動グラインダーの話をち絵さんにしたら、
「もう道具を増やさないで」
そう言われるに決まっている。
だから、もし買うと決めても黙っていよう。

銅版画を始めた当時購入したプレス機がある。
作業台に固定してあるのだが、それは多分100キロまではいかないが80キロ以上はあろうと思われる。
据え付けるときには大人2人がやっとこさ二階に上げた。
そのプレス機はわたしの銅版画人生を支えてきた貴重品ではあるが、いずれ銅版画の制作をやめるときが来るだろう。
そいつをもし処分しなければならなくなったら、どうすればいいのか・・・
ち絵さんは今からそれを心配している。
(余計なお世話と言いたいのだが)
だから、大きくて重いものが増えることに恐怖心を抱くのだろう。
まあそれも仕方ないか。
粗大ごみに出すにしたって、怪我をしないためには大人3人ぐらいかからないと持ち上がらない代物だから。
(いや、クリーンセンターは受け取りを拒否するだろう)
もしもの時のために、プレス機の処分の仕方をメモっておこうか。

何か変な話になったな。

ゴーヤの佃煮を作る

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ち絵さんの独壇場というか、わたしが手を出したことが無い料理がある。
ゴーヤの佃煮だ。
実はこれ、わたしの大好物なのだ。
もう畑の株は引っこ抜いてしまって、実は冷蔵庫にあるのみだ。
最後のゴーヤでわたしが佃煮を作ってみることにした。

ち絵さんが料理の切り抜きを貼り付けたノートを持ってきた。
自分でメモッたレシピをわたしに見せてアドバイスしてくれる。
(わが家のオリジナルのレシピ)
「ゴーヤは茹でたあとで良く水気を切っておいたほうがいいわよ。水っぽくならないようにね」
「了解」

さて、ち絵さんが外出してわたしはチャレンジを開始した。
特大の深鍋を用意して、ありったけのゴーヤを使った。
準備しておくべきものはすべて用意して、いざな鍋にゴーヤを放り込んでから、鍋に入れていない調味料があることに気が付いた。
慌てて放り込んだ。
しばらくして、もう一つあった。
大慌てで放り込んだ。
──失敗じゃないけど、じーっと考えていなかったな

ゴーヤの佃煮ができた。
ち絵さんが帰宅して
「味見してみた?」
おかしな味にはならないはずだと思って、味見はしていなかった。
多分良くできてんじゃないの。
ち絵さんが味見した。
「とってもおいしいです」

とりあえず少しばかり取って、残りは全て冷凍保存することにした。
これからゆっくりゆっくり食べるためです。

ホトトギス

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鳥と全く同じ名前のホトトギスという植物、
但し鳥は不如帰と書き、花の方は杜鵑と書く。

ち絵さんがホトトギスの葉を一枚手にしてわたしに見せた。
葉の元に花が付くのだが、その花を食べる虫がいると言う。
「この虫よ」
テーブルの上にその虫を落とした。
見れば体長2センチほどの太めの糸のようで、片方の端でテーブルにしがみつき、ピンとまっすぐに立ったている。
「あ、これシャクトリムシだよ」
まっすぐに伸びたからだが茎と間違えるのだそうだ。

こんな体をして花芽を食べるから憎たらしい。
ち絵さんが潰そうとすると、よじれた毛糸のように丸まった。
「面白い芸をするね」
その丸まった毛糸をホトトギスの葉に包んで、ち絵さんは握り潰した。

秋風が吹いて

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台風が去ったあとで猛暑になったとき、来年もこんな状況が続くのだろうかと思った。
テレビの気象情報によれば、太平洋の海水温が上昇していて、
通常より1~2度高い海水が日本の特に関東地方に近づいているためだとのことだった。
1~2度の差がそんなに影響するのかと思うが、エアコンを利かせた部屋の温度やお風呂の湯温を考えてみれば納得できる。
わずか1度上げたり下げたりするだけで、快適度は大きく違ってくる。

それじゃあ海水の温度が高くなったのは何が原因しているのだろう。
地球の温暖化だろうか。
とすると、そう簡単には元に戻らない。
来年も同じような暑い夏になるだろうことは十分予想できる。

東京オリンピック・パラリンピックがある。
何でそんな暑い時期にと思うけれど、結局情報業界の商業的な損得を考慮してそうなったというのだから、何をか言いわんやだ。
せいぜい暑さ対策に万全を期す以外無さそうだ。

しかし、酷暑に悩まされることももう無さそうだ。
吹く風はすっかり秋を感じさせる。
もう9月も中旬だからね。
畑の葉物野菜がすっかり終わって、
「今度はダイコンの種蒔きをしなくちゃ」
そうかこれからはダイコンか。
「ハタケさんちの大根が芽を出してる」
うちも急がなくちゃ、とち絵さんが言った。

野菜が終わる季節

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葉物野菜が高騰している。
スーパーでホウレンソウが高いのにびっくりして買えなかった。
「高いときは買わなきゃいいのよ」
ち絵さんにそう言われるが、ちょっと歳をとった"草食系"のわたしはとても気になる。
しかし確かにち絵さんの言う通りで、高値なものを敢えて食べることはない。
それに代わるものを食べればいいのだ。
ち絵さんの「デカキュウリ」がある。
それを食べよう。

ち絵さんがそのデカキュウリを皮と種を取り、冬瓜と同じ調理をして食卓に出してくれたことがあった。
美味しかったが、たくさんは食べられない。
それもいいが、生のままでドレッシングをかけて食べる。
たくさん食べられる。
自家製ドレッシングもあるし、塩麹に漬けるのも美味しいのですよ。
キュウリはやっぱり生だね。

しかしそのち絵さんの畑のキュウリ。
花が付かなくなって、実も色と形が悪くなってきた。
「もう抜いちゃうね」
ち絵さんが決断した。
わたしは
「ああ」
と答えた。

ゴーヤが終わり、ナスが終わった。
キュウリが終われば、次はモロヘイヤかな。
秋が深まっている。

これを書いていると、ち絵さんがモロヘイヤもお終いにすると言った。

天気の急変にご注意を

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先日の台風は風が強かった。
北半球で発生する台風は風が左巻きで、中心の右側が左側より強いとのこと。
今回の15号は台風を北に押し上げる力も加わって、強風となったそうだ。

あちこちで被害が出た。
わが家の近辺では、
向かいのKaさん宅とSaさん宅の玄関の木が大きく裂けて、枝が垂れ下がった。
裂けたところから切って形を整えたため、背丈が半分になった。
物置が倒れ、お隣のフェンスに寄りかかってしまったところもある。

そして問題のち絵さんの畑。
キュウリの柵が倒れた。
M男の力を借り復旧させた。

今は被害は出ていないが、これから心配なことがある。
お隣の空き地に生えている雑草。
ボウボウの状態なのだが、
「風で種があちこちに飛んでっちゃったね」
となると、いずれち絵さんの畑にも雑草が生え出すだろう。
草取りが主要な畑仕事になってしまうから、ち絵さんは嘆いている。

昨夜は予想外の雷雨となった。
またしても強い風。
「天気が不安定ですから、晴れていても天気の急変にご注意ください」
気象予報士が言ってましたが、まさか雷雨とは。

クーラーを上手に使い

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関東地方を直撃した台風が去った。
台風が近づいているとき鉄道各社は計画運休を発表したのだが、当日は電車が動き出すのを待つ人たちが駅から長蛇の列となった。
電車が運休することが分かっているのだから、会社は休日にしたり、午後からの出社を認めてもいいのにと思った。
日本人は働き過ぎなのか、会社を休むことに負い目を感じるのか。
これからは意識を変える必要があるのではないだろうか。

気象情報では台風の後は猛暑になるとのこと。
「今日はリビングでクーラー点けながらテレビでも観てたら」
ち絵さんに勧められたが、そうもいかない。
お互いに住む空間が違うのだし、何やかや仕事もたくさんあるし。
返事をしないでいると、ち絵さんは犬を飼っている友人の話をした。
「Uさんのとこではね、犬とご主人と自分とでそれぞれ別の部屋でクーラーを点けてるんだって」
犬は外で飼っているのだが、玄関に入れて、そこのクーラーを点けている由。
玄関にもクーラーがあるなんて、どんな造りになってるんだろう。
移動可能なクーラーかな。

それはいいとして、わたしの仕事部屋は今日どのぐらいの室温になるだろう。
ち絵さんから依頼のあった修理が3点に増えたので、それを片付けなければならない。
多分汗だくになるだろうから、クーラーを点けてがんばるか。
「高齢者はクーラーを上手に使い・・・」
なんてアナウンスを聞く。
上手に使うというのも何か良く分からない表現だが、
ヨシ! "上手に"クーラーを使って仕事をしようか。

包丁を研ぐ

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久しぶりに包丁を研いだ。
台所にある包丁全てと鉋の刃2枚。
他に工作用のナイフもあったし、切れなくなったハサミもあったのだが、それは明日に回した。
息切れがしてしまった。
というよりやる気かな。
「やってやるぞ!」という意気込みが足りない。
でもまあ、これで良しとしよう。
明日があるさ。

実は包丁研ぎはわたしが率先してやろうと考えたわけではない。
ち絵さんの園芸用の鎌がひどく古びていたので、
「研いであげようか」
と申し出たのがきっかけだった。

2丁あったが、どちらも刃元の柄が腐ってガタガタ。
こいつはまず柄の先の腐ったところを切って、刃を付け直さなきゃならない。
ちょっと面倒な仕事が入るので、それを後回しにして、台所の包丁の研ぎを優先させた次第。

包丁は切れなくなると刃先をセラミックのコマに挟み込んで引く研ぎ器で急場をしのいでいるが、研ぐ方式がすぐに切れなくなる理屈だから、時々従来通り砥石で研がなければならない。
まあ、砥石で研げば、数か月は大丈夫かな。

台風接近

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台風が近づいている。
明るかった空が次第に暗くなってきた。
明日はち絵さん、華道協会のバス旅行の日だ。
あいにく関東地方は大荒れの天気となりそう。

去年も台風が来て中止になった。
同じ経過にならなければいいが・・・
と思っていると、電話が来てち絵さんが取った。
「旅行中止だって」
おやおや、それは残念。
「去年と全く同じ」
1度あることが2度あった。

しかし夕方になって空は明るさを取り戻し、風もない。
台風が進路を変えたのだろうか。
でもこちらに近づくのは今夜だから、早計は禁物。
今夜から荒れるという前提でいなければ。

花を食べる虫

      IMAG0551
       RABBIT's FARM
       A little rabbit gets up
       before sunrise, and he
       takes care of his cows.

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ち絵さんが朝食を摂りながら勢い込んで話し始めた。

猫の額ほどの庭にキキョウを植えた。
薄い紫と濃い紫の花が咲いている。
ところがつぼみが開く頃になると虫が集まってきて食べてしまう。
花は無残な姿になってしまい、憎たらしいったらありゃしない。
捕まえようとするとすぐに逃げてしまってなかなか捕まえられない。
殺虫剤をプシューッてやっても、飛んで行ってしまってダメなのよ。

食事を終え、きれいになった食卓に、ち絵さんは現場を再現した。
「ほら、見てごらん!」
手のひらを広げると2色の花。
花弁がちぎれたようで、全くキキョウには見えない。
そこに1匹の虫が這い出してきた。
「これよこれ、この虫!」
コガネムシを小さくしたような姿で全体が黒く首のあたりが赤い。
と、確認したその一瞬だった。
パチン!
──アウッ
ち絵さんは虫を両の掌で潰してしまった。
可哀そうとか、きれいな虫だね、何て言うひまも無かった。
大事な花を食べる憎っくき虫め!

虫の名前を訊いたが知らないとのこと。
そこで「何でも調べるおとうさん」が登場する。
姿をチラッと見ただけで検索するのはとても難しい。
あれやこれや、キーワードを入力してサイトを見つけ出し、一つひとつ丁寧に調べていった。
そしてついに見つけたのだ。

「キキョウの天敵 クロウリハムシ」
キキョウが大好きで花や葉に食らいつきボロボロにしてしまうと書いてあった。
動作は鈍いのに捕まえるのが難しいとも。
これだ!
早速プリントしてち絵さんに渡した。

ち絵さん、とても喜んでしっかり読んでから
「ああ、こうやって捕まえるのね」
「ヨシッ、見てくる」
外に出ようとして
「あ、でも花が無くなっちゃてるけど」
葉も茎も食べる虫だから、きっといるだろう。
でもこの時はいなかったそうです。

基本を忘れずに天ぷら作り

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今日は天ぷらを作る日だ。
3日ほど前から決まっていた。
ち絵さんがスーパーから帰って、レジ袋の中からサツマイモを取り出し
「サツマイモの天ぷらが食べたい」
と言ったからだ。

前回の野菜の天ぷらは大失敗だった。
猛暑が続いていた日だったのだが、油温は適切だったはずなのに衣がカリっとしない。
みんなくっついてしまう。
「夏場は衣を冷やさなければダメなんだよ」
夕食の時にM男に指摘された。
正しくそのとおりで、小麦粉を溶くときに冷水を使わなければならなかったのだ。
基本中の基本を忘れていた。
今度は絶対に失敗を繰り返さないぞ、と誓った。

結果は如何に。
もちろんバッチグーでした。
冷水を使ったことはもちろんだが、小麦粉に片栗粉を少し混ぜた。
食材はち絵さんがスーパーで仕入れてきた根菜やキノコ類がふんだんにあったので、張り切って2家族分作りましたよ。
美味しくいただいたのはもちろんです。

階段は最後の1段が要注意

IMAG9159

親しいけれど最近さっぱり音沙汰のない友人のHさんに電話してみた。
奥さんが出て『ちょっと時間が掛かりますけど、お待ちください』と言われ、しばらくしてHさんの声。
物静かだが声に力が無く、よく聞き取れないときがある。
前からそうだったから、電話ではお変わりなさそうだった。

Hさんと知り合ってかれこれ60年近い。
信仰を同じくする仲間で、年に数回他のメンバーたちと定期的にお会いしていた。
長年機関誌の発行を支えてこられたが、今はその機関紙も廃刊となった。
いろいろ伺ったところ、やはり体力の衰えが顕著になって、身動きに支障を来しているらしい。
「80を過ぎると全然違いますよ」
それは良く分かっている。
──いつもこんな話で済みません
無理をしないで、その日できtことに感謝して過ごしましょう。そう言って電話を切った。

無理をしないということをキチンと意識していても、不注意で失敗することもあるから、ほんとに要注意だ。
ち絵さんが階段を踏み外してかかとを擦りむいた。
最後だと思った段がまだ一つあって、その段を踏み外し、しりもちをついた。
大きなけがは無かったが、階段の角でかかとを擦りむいた。
傷バンを貼った足をわたしに見せて、
「あぶなかったぁ」
階段の途中だったら、転げ落ちちゃったろう。
そうしたらかかとを擦りむくくらいじゃ済まなかったろう。
傷バンで済んだ怪我で良かった。

現状維持も気力がいる

IMAG0423

涼しくなった。
これから秋の気配が次第に濃くなってくるだろう。

宅配便が届いた。
定期的に購入している食料品が何箱か。
結構重い。
それらを一旦玄関の隅に移動させたち絵さん、ため息混じりに、
「歳をとるとこんなにも力が無くなるんだね」

そうなんですねぇ。
わたしも筋肉を鍛えなければと思い、毎日腕を振り回したり、体をひねったりを20分間ほど続けたことがあった。
ほぼ1ヶ月経って腰に違和感を覚えるようになったので中止することにした。
スクワットなんてできやしないが、腕立て伏せもどきは結構しんどかったから、多少腕の筋力は付いたかなと思った。
ところがそんなにうまくゆくもんじゃないですねぇ。
何も変わらずという状況で、つらい動作はやっぱりつらく感じられて、ちっとも楽にならない。
無駄なことをやっているようで、しばらく様子見しています。

川の流れに逆らって泳いでいるようなもので、泳げば同じところに留まっていられるけれども、泳ぎを止めると川下に流されてしまう。
効果を期待せずに、川下に流されないように幾らかでも現状維持の方向に行けばいいんですけどね。

釣りは集中力

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9月1日は二百十日だった。
立春から数えて210日目。
この言葉は今ではあまり聞かれなくなった。
二百十日は天気が荒れる日という印象がある。
9月になると台風が近づいてくることが多かったからだろう。

空を見上げると雲の流れが速い。
庭の柿の木が葉をざわざわと鳴らしている。
「嵐が来る」
子どものころのわたしは胸がキュッとなった。

こんな日に港に行けば、きっと波が高いだろう。
魚たちは海の底でじっとしているだろうから、釣れないと判っていても、釣り竿とびくを持って出かけた。
潮の香を胸いっぱいに吸い込むと心が癒された。
成長してからは岸壁から投げ釣りすることを覚えたし、ボートに乗って海に出ることも覚えた。
子どもたちを連れて海釣りをしたり、一家でキャンプに出掛け、子どもたちは海水浴をし、わたしは夜釣りを楽しんだこともある。

釣りの趣味を持たない人は、釣り人が長い時間海を見つめて何を考えているのだろうと思うかもしれない。
ぼーっとしているのかと言えば、そうではない。
遠くの景色を眺め、風の音を聞き、水面と竿の先を注視しながら、ただひたすら当たりを待つ。
それに集中しているだけ。
神経がピーンと張っていると言っても言い過ぎではない。
煩わしいことを考えたりはしないから、現実逃避と見えるかもしれないが、それは当たらない。

釣れれば嬉しい。
でも釣れなくてもいい。
気に入った釣り場に行けば、そんな気持ちになる。
むかし良く使ったリールは、捨てる気にならず、大事に取ってある。

潤いのない世界になっちゃって

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セールスの電話がかかってきたり、訪問者があると断るのに気を遣う。
電話の場合、相手が用件を言わずに回りくどい話をしだすと、「ご用件は?」と訊き、
用件が分かると「必要ありませんと」切る。
明らかに雇われて電話をしていると分かった場合は、無言で受話器を置いたりすることもある。

考えれば失礼な話だけれども、いちいち応対しているのもバカらしいから許してもらう。
録音したメッセージが流れてきたときなんぞは、遠慮せずに切る。
ち絵さんはわたしよりも、比較的丁寧に応対しているようだが、それでも電話機をじっと見つめ、受話器を取ってからウンともスンとも言わずに置くこともある。
「非通知だった。『ご家庭内で処分できないものがございませんか』だって。着物を売ってもバカらしくなる値段にしかならないからね」

そして言うには
「黙って切って怖い目に遭った人もいるから、注意しないと」
怖い思いをしたち絵さんの友人の話だけれど、
セールスの電話を一方的に切ったところ、すぐにまた電話がかかってきてすごい剣幕で脅されたとのこと。
いまにも乗り込んで来られそうだったというから、悪質極まりない。
もし本当に乗り込んで来られたら、こっちが悪者にされて、大変なことになりそうだ。

以前だが、わが家におかしなFAXが数回届いたことがある。
「〇〇に金を貸したが返さない。××までに早く返せ」
とあって、電話番号やらFAX番号が大きい字で書いてあった。
貸した人も借りた人もわが家とは全く関係が無い。
もし気になって、「番号間違いでは無いですか?」と問い合わせの電話をしたとしたらどうだろう。
多分向こうはそんな電話が来るのを待っているのだろうと推測した。
電話をしたら、何やかや言われて、抜き差しならぬ状態に追い込まれたかもしれない。
だから一切関わらずに過ごしていたら、何事も起こらなかった。
あぶない、あぶない。

以前留守番電話は留守であることを知らせているようなものだから、空き巣に狙われると言われたこともあった。
が、最近は詐欺の電話が来るのを防ぐために敢えて留守番電話にすることが推奨されている。
在宅しているのに留守番電話というのも、何かおかしな話だ。

人情というか、ぬくもりというか、そんなものが無くなってきて、ギスギスする世の中になってきているように思われる。
仕方がないのかね。

9月になって思うこと

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今日は防災の日。
しかし9月が来てわたしの胸に去来するのは「風の盆」なのだ。
遠い越中八尾の町に想いを馳せる。
1日と2日は演舞場で競演があり、最終日の3日には町流しがある。
町流しの日には道路に沿って灯されたぼんぼりの明かりの中を踊りの列が静かに進んでゆく。
今でもあの幻想的な夜が続いているだろうか。
とは言え、わたしが再び現地を訪れることは叶わぬのだから、感傷的になるのも少しだけにしておこう。
やはり、防災のことを考えなければ。

豪雨による北九州の被害はひどかった。
水に浸かったたくさんの家屋や車。
全滅した畑、農作物。
被災した方々の気持ちを思うと、胸が締め付けられる。

半分水に浸かった家の1階から、溺死体が見つかったというニュースがあった。
90歳を過ぎた女性とのこと。
「水が来ても動けなかったんだね、きっと。可哀そうだね」
つぶやいたち絵さんの気持ちとわたしの気持ちは同じだったろう。

ち絵さんの胸には母親の晩年の姿があったろうし、わたしもその姿を思い浮かべていた。
90を超え、郷里で義妹の介護を受けていたのだが、緑内障が進行して目が全く見えなくなり、ほぼ耳も聞こえなくなってしまった。
イスに座らせれば無言でいつまでもそのまま。
もしそんな状態で一人でいた時に水が押し寄せてきたら・・・

この地埼玉はあまり天災に見舞われていない。
と言って安心しているわけにはいかない。
やはり防災の備えをしておかなければ。
ギャラリー
  • 忙しくしていられることに感謝
  • 注射に恐怖心を与えてはいけない
  • 空を飛ぶ鳥の姿がいい
  • 懐かしいフィルムカメラ時代
  • 野菜をたくさん食べられる幸せ
  • 高圧洗浄が始まった
  • 出品作が完成
  • 冬の扇風機
  • 八つ頭
  • 力を貸してくれた方
  • またやっちゃった
  • いつもどおりができないとき
  • 足場が組まれて
  • 紫外線による劣化
  • 栗とサツマイモ
  • ギリギリの歌
  • ひょこひょこ出てくる言葉
  • 屋根と外壁の塗装を計画
  • LEDのメリットとデメリット
  • 「遥かな友に」で思い出すこと
  • 着物
  • おしゃべり会
  • 「子供の科学」のこと
  • 目に付きにくいのは場所のせい
  • アオムシを飼育する
  • おでんの季節に
  • 今日は立冬
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プロフィール

はるか

人の顔ばかり描いていて、何かいいことがあるかと言いますと、そういうことは全くありません。スクラップブックがやたらと増えるだけで、やめたいのですが、やめられません。文章も毎日つまらないことばかりですし、絵とはつながりがないので何か変ですが、これでいいんでしょうか。

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