2013-11-01 22.22.20

兄が画学生になる前の高校3年生の頃のこと。
朝、祖母がかまどでご飯を炊く。
炊きあがると兄は釜の蓋を取りコッペパンを一つ熱いご飯の上に乗せる。
皆が食卓に着く前にそれを取り出し新聞紙にくるむ。
つまりコッペパンを蒸らすわけだが、学校に行く日はそれが欠かすことなく続いた。

もちろん食べるためではなく、「消しゴム」にするためだった。
授業が終わってから絵画教室でデッサンをするときに使ったのだろう。
使うときは、くっついたご飯つぶを取り、皮を剥いてから丸めて柔らかい粘土状にする。
このコッペパン消しゴムは木炭を使ったデッサンをするときには欠かせない。

今は「練りゴム」というものがあって、面倒なことは一切必要ない。
コッペパンにはバターが入っているから、紙を汚す可能性があるが、こちらの方はその心配が無い。
木炭だけでなくパステルやチャーコール・ペンなどで描く場合にも使える。
とても使い勝手が良いが、普通の消しゴムよりも消えが悪いから、完全に消す場合には通常の消しゴムや研磨剤の入った「砂消し」を使う。
しかし、いくら柔らかい描画材を使っても、完全に消すことはかなり難しいが、木炭で描いた線は黒色度がやや低いけれども、ほぼ完全に消すことができる。

イレイザー(消すためのもの)にもそれぞれ一長一短があり、描画材との組み合わせを選ばなければならない。
わたしが絵画教室に通っていた時は9Bのカーボン・ペンと練りゴムを使った。
練りゴムにも柔らかいものと比較的固いものがあり、両者を混ぜて自分にあった固さにして使うのが良い。