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食卓にパック詰めの「ポトフスープ」なるものが乗っていた。
ち絵さんが仕入れてきたらしい。

意図するところは判るけれども、作った経験が無い料理にはそう簡単に手を出さない方がいい。
片付けるとまたしばらくして姿を現す。
無視する。
──何事にも優先順位があるのです

そしてようやく「ポトフ」なるものを作ってみることにした。
ち絵さんがニッコリした顔で言った。
「ブロックのベーコンは脂っぽくなるから、鶏の手羽を買ってあるのよ」

スープの袋に書いてあったレシピを見ると、ブロックのベーコンとソーセージを使うとあった。調理方法は実に簡単。
鍋で肉を軽く炒めてから、野菜類とスープを入れてじっくり煮るだけだ。
鍋を食卓に出して、熱々を小鉢にとって食べるスタイル。

ち絵さんが訊く。
「お酒飲んでいい?」
──ダメと言ったらどうするの
なんて意地悪は言いません。
「どうぞどうぞ」
かくて熱々のポトフで夕食となった。

スープは濃い味付けだった。
肉は鶏を使ったが、どうやらこれはレシピ通りのベーコンが合うようだ。
「豚のバラ肉でもいいかもね」

そんなこんなで食事を終えたち絵さん、
「たいへんおいしゅうございました」
わたしはほっとした。

先日のオリジナル巾着は大失敗だった。
とんでもなく塩辛かったのだ。
「夜中に喉が渇いてね、お茶を飲んだけどダメなのよ。スティックコーヒーを淹れて飲んだらやっと治まった」
ち絵さんにそう言われて
「ひき肉は味が浸みないからわざと塩辛くしたんだよ」
と弁解してはみたけれど、
「もともと私は塩辛いのが苦手なのよ」
と言われれば返す言葉がない。

何であれ初めてのチャレンジには失敗と成功が入り混じるものでして、失敗の次には成功が来る、なんて言えますかね。
でも今回使ったスープは味付けがちゃんとできたものだったから、失敗のしようがないと言えるのだけど。
ポトフなるもの、フランス料理で、牛肉と野菜をじっくり煮込んだものとのこと。
ネットで調べました。

肉の種類も野菜も、そして肝心の味付けも、自分のオリジナリティを発揮させて作れば楽しくなるかもしれませんよ。
料理が嫌いな人でも。