
天気予報を良く気にする人と、そうでない人がいる。
わたしは「雨が降ったら濡れればいいさ」とまでは行かないが、ややそれに近い。
しかし、ステッキをついて雨に濡れて歩くわたしを見た人の気持ちを考えて、そういう状況が起きないように、バッグにいつも折り畳み傘を入れている。
ほとんどいつも携行している。
ち絵さんははムカシから気にする人である。
気にする理由がそれなりにあるようで、草花の水遣りがいつも頭にあることもその一つだ。
「明日の天気はどうかしら」
「そうさのぉ。・・・曇りのち雨だな」
「気温は?」
「・・・28度だ」
ち絵さんはじっとわたしの顔を見てから
「本当?」と言って、テレビを点けた。
ちょうど天気予報の時刻だった。
関東地方の気象情報が流れた。
「おとうさんの予報が当たったね」とち絵さんが言った。