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ち絵さんの畑に地続きの「畑の教授Aさん」の広大な畑。

雑草が生い茂っている。

Aさんは年老いて認知症を発症し、息子さんが全面的な介護をしているとのこと。

息子さんは畑仕事が苦手のようで、たまに耕運機を走らせて、草取りをすることもあるが、最近はその時間も取れないのだろう。

ち絵さんが言った。

「除草剤を撒いたのかしら、雑草が波打っているのよ。二階から見てごらん」

早速眺めたところ、確かに長く伸びた草がランダムに波打っている。

もうどうにもならなくなって除草剤を撒いたようだ。

ところがその広大な畑の一角が、人の歩く幅で、コの字形に草が刈られている。

コの字の中に何か植えてあって、そこに除草剤の影響が及ばないようにしているのかもしれない。

「ナスカの地上絵みたいだったでしょ」

それはちょっと大げさだが、思い付きが面白い。

「うちの畑に除草剤の影響がないかしら」

ち絵さんのその心配はよく判る。


時の流れを思う。

Aさんがち絵さんと地べたに腰を下し、語り合っていたこともあった。

夕暮れ時で、薄暗くなった畑の中の二人を、私は二階のベランダからカメラで撮った。

元気な時のAさんは「畑に除草剤を撒いてはいけない」と厳しく言っていたっけ。