2007年04月24日
ピンホール写真で気分はノスタルジー
友人宅で、彼女が趣味で撮った写真を見せてもらった。
アルバムに整理された写真の被写体は、旅先の風景や夜景、人物、動物、そして自然など様々だが、どれも鮮明でブレのないすばらしい写真だった。
そんな数々の作品の中に、他の写真に比べると、妙にぼやけて、ピントが外れたような写真が混ざっている。
私はてっきり失敗作も一緒に保管してあるのだと思ったが、あとになって、それがピンホール・カメラで撮った傑作画像であることを知った。
ピンホール・カメラは、レンズを使わずに、針穴から入る光で直接フィルムを露光する仕組み。
小さな穴がレンズの代わりをする原始的なカメラだ。
ピンホールで撮った写真は、レンズで撮った写真のように鮮明には写らないが、ピンホール特有の、柔らかなぼんやりとした画像を生み出す。
友人がピンホール・カメラで撮った写真も、まるで水彩画がにじんだような柔らな画像に仕上がっていた。
最新のデジタルカメラで撮った、色鮮やかで高画質の写真もいいけれど、ピンホール写真には、最新式のカメラでは決して実現できない深い味わいを感じる。
ピンホールで撮った写真には、独特の光と影、淡いぼやけがあって、それが時に、ノスタルジックな雰囲気を醸し出して、見ているとなんだか懐かしい気分になる。
友人のピンホール写真の被写体は、近所の街並みだったが、現存するその街が、写真の中では一昔前のレトロな店先や家並みに見えたりする。
「あの頃はよかった」
と思わせる画像。
それがピンホールカメラで撮った写真の魅力なのかもしれない。
私たちは、便利でハイテクな生活に慣れてしまい、常に新しいものを追い求めている。
でもその一方で、古くてシンプルなものにも、別の価値があることに気づいている。
友人の写真を見て、私が感傷的な気分になったのは、そんな古きよき時代の大事な何かを、ピンホールのぼやけた画像に見たからかもしれない。

