2020年01月04日
ユキチャンの思い出(『人妻が撮影を許可する心理』より)
『賭博戦記』をたくさんの方に読んでいただいて非常にうれしいです。
あの本ではロケの話はちょっとだけで、しかも超クール。
ああいう文体もええなと思いますが。
*
人妻の心理11 貯金がない時、スカウトされて(館山・リゾートホテル)
「監督のために早起きして作ったんです」
朝、東京駅で待ちあわせたユキは手作り弁当の入った紙袋を俺に見せた。
特急さざなみで内房線・館山に向かう不倫旅行ロケ。
ピンク柄のワンピースを着た22歳の若妻は、折りたたみテーブルに小さな弁当箱をふたつ並べ、「どうぞ」と俺に箸を渡した。
フタを開けると、から揚げが目に入った。
他にも色とりどりのおかずがギッシリと詰められている。
この企画は行きの電車で奥さんの手作り弁当を食べるというお約束があった。
東北出身のユキは色白で山咲千里似の派手で男好きする顔立ちだが、その振る舞いは貞淑そうに見えた。
男は女の手料理に弱い。普段なら「貞淑そうだが派手な女だ」とも読めただろうが、心がはしゃぎ出していた。
こういう時は痛い目を見ることが多い。
俺はあっという間に弁当をたいらげた。
亭主には「昔の女友達に会う」と嘘をついて、家を出て来たらしい。
これは人妻が夫をだます時に使う、一番人気の口実である。
ユキは家庭について多くを語ろうとしなかった。
列車は二時間で館山に到着した。
館山は南総里見八犬伝で有名な地で、ホテルに向かうバスの窓から館山城が美しく見えた。
美人妻とやりまくりの夜や。
考えただけでウキウキする。
おまけに部屋は豪華なスイートルーム。
「お酒、飲んでいいですか?」
部屋に着くなり、ユキはそう聞いた。
「ええよ」とつい答えてしまう。
から揚げのせいだ。
俺が機材を並べている横で、ユキはビールやワインを次々と空けていった。
東北の女は酒が強い。
ユキの顔がいつのまにか薄赤くなっていた。
ふたりで貸し切り露天風呂に行った。
ホテルのサービスなのか、浴室にもワインが置いてある。
「これ、ここで全部飲めってことですよね」
浴衣を脱いだユキはワイングラスを持ったまま、露天風呂にザブンと飛び込んだ。
風呂でカメラを回さず1回ハメた。
練習や。
2回目の本番はふたりとも酔いが回って、動きが鈍い。
大体、1回目の方がデキがいいけど、欲望に負けたということで。
風呂から出たら夕食の時間だった。
飲むわ、食うわでカメラを回して部屋に戻る。
「話があるので、ちょっと聞いて下さいよ」
バスローブをはおっただけのユキがソファに寝ころがったまま、俺を呼ぶ。
ソファの向こうのベランダから夜の太平洋の波音が聞こえる。
ユキは夕食でも房総の海産物を肴にビールを飲み続け、もうすっかり出来上がっている。
大独演会の告白が始まる。
ユキは人妻という話だったが、実は離婚したばかりでバツ2。おまけ
に前の亭主の事業の失敗で一時期、ソープにいたらしい。
「でも本当のことを言うと、面接で落ちるかもしれないから嘘をついたの」
早い話、俺は朝からずっとだまされていたのだ。
貞淑な印象もあの弁当も。
冷静になってカメラを覗くと、もう風俗嬢にしか見えなくなるのも不思議だ。
年齢も偽証で26。
若くして結婚、離婚後に北関東から東北、北海道まで男から逃げて、夜の街で働いた。
ススキ野まで行って、もう一度東京に戻った。
そこで今の事務所にスカウトされた、という。
貯金もなかったので、渡りに船というわけだ。
たがわ靖之に『包丁無宿』という、全国各地を放浪する流れの板前(流れ板)の漫画があっ
たが、ユキの場合は言わば「流れの風俗嬢」。
さすがにカラミの方は元プロというか、かなりの好きもので、放っておいてもチンポのむしゃぶりついてくる。
お互い、もうベロベロだ。
やってはウトウト、起きたらユキが上に乗ってズコズコ。
気がつくとナマでやってたが、どこで出したか記憶なし。
チンチンは悲しき玩具。
だまされやすいオモチャやで。
翌日、朝起きるとコーヒーの香りが漂っていた。
ユキはバスローブ姿で海を眺めながら、コーヒーを飲んでいた。
「私、なにか変なこと、しゃべりませんでしたか」
酔いが冷めたのだろう。
俺が全部教えると、恥ずかしそうな顔をして抱きついてくる。
当然まただまされる。
ともかく肌が合う女なのでチェックアウト後、途中の駅で下車しラブホテルへ行く。
再び酒が入り、昨夜の続きや。
夜、東京に戻るまでやり続けたわけや。
これだけハメれば、尺は十分足りるだろう。
別れ際、ユキは電話番号を書いたメモを渡してきた。
電話番号は数回電話した後、「現在、使われておりません」になった。
ユキは数本くらいは出演する時間はあったはずだが、他社作品は見つからず、その後の消息もまったく聞かない。
俺はあの女と付き合いたかったんやろな。
典型的なワケあり女や。
今日もまた追っ手から逃げ回っているのだろうか。
仕事なんか投げ出して一緒に駆け落ちしたら、俺もどんな人生になってたいたか。
*
『勝負馬券論』に収録されている「賭博未来論」バージョンではこの話に絡めて、競馬のユキチャンで勝負するエピソードを書いた。
俺はさらに踏んだり蹴ったりの目に遭うのだが、そんなことは予想さえしなかったリゾートホテルの夜は幸せかもしれないw
あの本ではロケの話はちょっとだけで、しかも超クール。
ああいう文体もええなと思いますが。
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人妻の心理11 貯金がない時、スカウトされて(館山・リゾートホテル)
「監督のために早起きして作ったんです」
朝、東京駅で待ちあわせたユキは手作り弁当の入った紙袋を俺に見せた。
特急さざなみで内房線・館山に向かう不倫旅行ロケ。
ピンク柄のワンピースを着た22歳の若妻は、折りたたみテーブルに小さな弁当箱をふたつ並べ、「どうぞ」と俺に箸を渡した。
フタを開けると、から揚げが目に入った。
他にも色とりどりのおかずがギッシリと詰められている。
この企画は行きの電車で奥さんの手作り弁当を食べるというお約束があった。
東北出身のユキは色白で山咲千里似の派手で男好きする顔立ちだが、その振る舞いは貞淑そうに見えた。
男は女の手料理に弱い。普段なら「貞淑そうだが派手な女だ」とも読めただろうが、心がはしゃぎ出していた。
こういう時は痛い目を見ることが多い。
俺はあっという間に弁当をたいらげた。
亭主には「昔の女友達に会う」と嘘をついて、家を出て来たらしい。
これは人妻が夫をだます時に使う、一番人気の口実である。
ユキは家庭について多くを語ろうとしなかった。
列車は二時間で館山に到着した。
館山は南総里見八犬伝で有名な地で、ホテルに向かうバスの窓から館山城が美しく見えた。
美人妻とやりまくりの夜や。
考えただけでウキウキする。
おまけに部屋は豪華なスイートルーム。
「お酒、飲んでいいですか?」
部屋に着くなり、ユキはそう聞いた。
「ええよ」とつい答えてしまう。
から揚げのせいだ。
俺が機材を並べている横で、ユキはビールやワインを次々と空けていった。
東北の女は酒が強い。
ユキの顔がいつのまにか薄赤くなっていた。
ふたりで貸し切り露天風呂に行った。
ホテルのサービスなのか、浴室にもワインが置いてある。
「これ、ここで全部飲めってことですよね」
浴衣を脱いだユキはワイングラスを持ったまま、露天風呂にザブンと飛び込んだ。
風呂でカメラを回さず1回ハメた。
練習や。
2回目の本番はふたりとも酔いが回って、動きが鈍い。
大体、1回目の方がデキがいいけど、欲望に負けたということで。
風呂から出たら夕食の時間だった。
飲むわ、食うわでカメラを回して部屋に戻る。
「話があるので、ちょっと聞いて下さいよ」
バスローブをはおっただけのユキがソファに寝ころがったまま、俺を呼ぶ。
ソファの向こうのベランダから夜の太平洋の波音が聞こえる。
ユキは夕食でも房総の海産物を肴にビールを飲み続け、もうすっかり出来上がっている。
大独演会の告白が始まる。
ユキは人妻という話だったが、実は離婚したばかりでバツ2。おまけ
に前の亭主の事業の失敗で一時期、ソープにいたらしい。
「でも本当のことを言うと、面接で落ちるかもしれないから嘘をついたの」
早い話、俺は朝からずっとだまされていたのだ。
貞淑な印象もあの弁当も。
冷静になってカメラを覗くと、もう風俗嬢にしか見えなくなるのも不思議だ。
年齢も偽証で26。
若くして結婚、離婚後に北関東から東北、北海道まで男から逃げて、夜の街で働いた。
ススキ野まで行って、もう一度東京に戻った。
そこで今の事務所にスカウトされた、という。
貯金もなかったので、渡りに船というわけだ。
たがわ靖之に『包丁無宿』という、全国各地を放浪する流れの板前(流れ板)の漫画があっ
たが、ユキの場合は言わば「流れの風俗嬢」。
さすがにカラミの方は元プロというか、かなりの好きもので、放っておいてもチンポのむしゃぶりついてくる。
お互い、もうベロベロだ。
やってはウトウト、起きたらユキが上に乗ってズコズコ。
気がつくとナマでやってたが、どこで出したか記憶なし。
チンチンは悲しき玩具。
だまされやすいオモチャやで。
翌日、朝起きるとコーヒーの香りが漂っていた。
ユキはバスローブ姿で海を眺めながら、コーヒーを飲んでいた。
「私、なにか変なこと、しゃべりませんでしたか」
酔いが冷めたのだろう。
俺が全部教えると、恥ずかしそうな顔をして抱きついてくる。
当然まただまされる。
ともかく肌が合う女なのでチェックアウト後、途中の駅で下車しラブホテルへ行く。
再び酒が入り、昨夜の続きや。
夜、東京に戻るまでやり続けたわけや。
これだけハメれば、尺は十分足りるだろう。
別れ際、ユキは電話番号を書いたメモを渡してきた。
電話番号は数回電話した後、「現在、使われておりません」になった。
ユキは数本くらいは出演する時間はあったはずだが、他社作品は見つからず、その後の消息もまったく聞かない。
俺はあの女と付き合いたかったんやろな。
典型的なワケあり女や。
今日もまた追っ手から逃げ回っているのだろうか。
仕事なんか投げ出して一緒に駆け落ちしたら、俺もどんな人生になってたいたか。
*
『勝負馬券論』に収録されている「賭博未来論」バージョンではこの話に絡めて、競馬のユキチャンで勝負するエピソードを書いた。
俺はさらに踏んだり蹴ったりの目に遭うのだが、そんなことは予想さえしなかったリゾートホテルの夜は幸せかもしれないw

