引き続き、高校演劇西毛地区大会

  • author: ichimonji_rine
  • 2014年09月15日

さて、二校だけなのでラスト(笑)
引き続きネタバレ満載です。

ちなみに商大さんは県大会にいきます。おめでとう!
(ソースは新島の大嶋先生のブログ)
三年生部員にドラスク一緒だった子がいるから、あとで感想送っとくか…。


高崎商科大付属
「先生、放課後って何時までですか?」
第三職員室にいた金井先生のところに、野辺山先生が神倉という女子生徒を連れてくる。
なんと、神倉は掃除用具入れで寝泊まりしていたらしい!
「他にも棲んでる生徒がいるかも!?」
ソファーで寝てた山村先生、バイトの警備員さんを含めた四人は校内の大捜索を開始。


・脚本
太田フレックス高校の先生が書いた作品です。
と聞いて納得。
明らかに先生視点なんです。
各生徒の問題も一日だけで解決するわけじゃない、って現実、しっくりきます。
でも、これって「高校生」より「高校の先生」が共感できてしまう話です。
私も社会人何年かやってるわけだけど、もしこれを高校生の時に見て、納得できたかなあ?
どちらにせよ、面白いとは思えたと思うけど。

てか、大捜索と見つけた5人を親の元に帰すのに時間をくっちゃって、当直らしかった野辺山先生だけでなく金井先生までもが朝を学校で迎えてしまいます。
…いいのかそんなブラック企業感を醸し出してしまって?


・先生たちと警備員さん
3人の先生がちゃんと先生に見えたのがすごかったです。
その上でそれぞれの個性がはっきりしてました。
唯一女性の金井先生はベテランで生徒をよく見てる。
山村先生はだらけてるけど実は生活指導担当の熱い体育教師。
野辺山先生は新人でフレッシュに頑張る。

そして、向いてないのは解ってるけど頑張る警備員さんは、野辺山先生と被らない若造加減がうまく出てました。
ただ、野辺山先生、ネクタイの色が神倉さんの制服のリボンと同じ赤系だったので、初見は生徒か先生かわからなかったです(爆)
色を変えてほしかったかなー。
白シャツにネクタイにピカピカのネクタイピン、ってのは新人教師っぽくて良かったです。

神倉さんが入学以来全く喋らない、あまり動かない存在なので、表情を読む金井先生はもうちょっと動いてもよかったかも。
落ち着いてる感が無くなるのを恐れてたのかもしれないけど、大丈夫なんじゃね?

あと、皆さん「先生感」はかなり出せてたんですけど、度々顔を出す「教師論」には乗り切れてない部分がありましたね。
もう夜で疲れてる先生たちなので、そんなに気にならないと見るべきか、疲れてるからこそこぼれる本音には遠いと見るべきか。
うーん。


・生徒たちと親たち
生徒たちはみんな第三職員室での過ごし方からして、個性が溢れる(笑)
芝居としても計算されてたわちゃわちゃでした。
親たちとの組み合わせもなんか納得で。
みんな登場時間は短いのに印象をしっかり残していってくれました。
いやー、加藤さん父いいね(真顔)


・神倉さん母娘
ずっと黙ったまま、最後に母親と対峙したときにわあっと溢れ出す神倉さんはかなり難しい役です。
「親に言いたいことはあれど、ずっと溜め込んでいる高校生」の共感をもっていく存在ですね。
難しいのにしっくりきてました。すごい。

ただ、神倉さん母が娘以上に、さらに難しい。
終盤にさっと出てきただけで、金井先生にも負けず、自分の哲学で娘を連れて帰る、…寸前で娘に抵抗されますが…、とにかくそれだけ場を持っていく力、オーラのある役者でないと成り立たない。

昔、青春舞台で見た山口華陵の「ぼくんち」終盤に「おばあちゃんに幼い娘を預けて働いているママ」がでてきますが、若い頼りないママでも十分です。
そのママにはあんまりオーラは必要ないんです。

神倉さん母は「女医でシングルマザー、誰にも頼らず娘を高校生まで育て上げた」お母さんなのです。
その重圧と責任感と仕事終わりの疲れを終盤にサッと出てきて見せなくてはならない。
それでいて、この脚本は脚本の中で親子の問題を解決してくれる訳ではないので「ちょっぴり親子の関係が変わりそうだな」ってのを匂わせて退場しなくてはならない。
恐ろしい役です。

正直、今回の彼女はちょっぴり緊張してました。
スーツ、着なれてないでしょう。ヒール、慣れてないでしょう。
ずっと舞台に出っぱなし、終盤までじっと裏で待機、どっちもすごく難しいです。
でも、一番この芝居に共感するであろう「普段は高校の先生をしている審査員」の方々をしっかり取り込むためには、神倉さん母の演技がポイントになってくるはずです。

さらりと紹介してしまいましたが他の親子たちが上手く、短時間で分かりやすい印象を残していくので、ハードル上げられてる印象もあったり。
あー、県大会までにどう転ぶかな?
商大さん人数多いので別の役者さんが演じる可能性もありますが、キリリとしていた彼女に頑張ってもらいたいです。


・大道具と小道具
十分で職員室って作れてバラせるんですね(汗)
第三職員室、ということはメインの職員室ではなく、テキトーセットでも成り立つ脚本なんだと思います。
が、応接用ソファーも一応あるし、電話もあるし、廊下も引き戸もあるし、ちゃんと職員室でした。
すげー。

ただ、細かいことを言うと救急箱。
おそらく、第三職員室は保健室から遠いので置いてあるのかな?
それはいいとして、金井先生個人が使用してるっぽいデスクの一番下の段に入れてるのは不自然でした。
共用の棚の上の方、ホコリのつきにくいところに置くべきですね(汗)

さらに、すぐ上の段には重要な金井先生の私物が入っております(笑)
教員誰もが使用する可能性のあるものを、すぐ下に入れておくでしょうか?
金井先生がそんなポカをやらかすとは思えないんだなー(爆)


・演出
印象的なのは捜索中の懐中電灯ですね。
懐中電灯自体は多分元々の台本どおりなんでしょうけど、山村先生だけ少し照らし方が違ってました。
なんか山村先生、夜のランニングとか家庭訪問とかしてそうだしね(笑)

でもね、時間の経過がよくわからなくて、最初8時半と聞いて「山村先生は酔っぱらって学校にきて眠り込んで朝を迎えちゃったのか?」と思ってしまった…。
冒頭の神倉さん発見が直前のことなのか、かなり前のことなのか、はたまた夢の中のことなのか、野辺山先生が神倉を連れてくるまでわからないんですorz
その、わからないのがミソなのかもしれないけど、どうにかならないかなぁ。


・総じて
…脚本に気になる点が多いです(爆)
でも、面白い話です。

言い間違い、噛んだところにもいくつか気付きました。
そこで、ぱっと気持ちが切れたのも見えちゃいました。金井先生はうまく気持ちつないでたと思うけど。
でも、劇としてのまとまりはしっかりしてました。

ただ…県大会に推薦されたのはセットの評価が高かったのが大きかったのでは。
役者の演技は見直せる部分、結構ある気がします。
緊張してたから〜で流さずに気づけるかどうか。
しっかり準備して頑張ってほしいです!

高校演劇西毛地区大会を二校だけ。

  • author: ichimonji_rine
  • 2014年09月14日

さあ、感想。
母校から先に。
ネタバレ大いに含みます。

※新島の大嶋先生のブログから情報を得ましたので追記します。
主演のゲンちゃんを演じた役者さんがベストアクター賞を受賞しました!
あまり記事内に書いてないけど納得な結果です。
「Air〜大気圏のアトリエ〜」のときの、くさちゃん以来かな?おめでとう!


高崎健康福祉大高崎
「俺たちの甲子園」
高3の夏、仲間たちとマージャンに明け暮れるゲンちゃん。野球部のレギュラーになれないまま、毎日バットを振り続けるシゲちゃん。
中学時代、強豪野球部でバッテリーを組んでいた二人。
そして、シゲちゃんは高校最後の大会でのベンチ入りメンバー発表の日を迎える…。


・脚本
元は福島の高校の創作脚本です。
よくもまあ今年この脚本を持ってきたねえ!
先生も笑ってたよ(笑)
やりたくてしょうがなかったそうなので、よかったんじゃないかな?


・声
個人ひとりひとりはよかったです。
こたつを囲んでいても声が聞こえづらい役者はいませんでした。
ゲンちゃんのお母さん、しっかりめっちゃ訛ってるし!
シゲちゃんは神社で客席に背を向けておいなりさんにお祈りするんですが、長いシーンなのにも関わらずばっちりでした。
あれはすごいね。

強いて言えば、シゲちゃんのお父さんはちょっと滑舌に難があったか。
「頑張って標準語でしゃべってる」ってことにして、ゆっくり話す人にしておく手もあったかと。
シゲちゃんとお父さんの会話で、ゲンちゃんとの過去が始めに語られるようなので、その一文だけでも強調しておければわかりやすくなったかも。


・演技
「自然」という意味では良かったです。
高校生たちだけでなく、前述のお母さん、お父さん、先生ふたり、おとなたちもぱっと見もしゃべりもその人になれてました。

ただ、客席にまで舞台の空気が届いていませんでした。
注視してひとりを見つめているとうまいんだけど、作品として客席を沸かせるところまで行ってないのでもったいない。
終盤にいくにつれてのっていってたので、緊張のせいなのかとも思ったんだけど、動きを大きくすべきところでも小さくみえてしまってました。

シゲちゃんの先生のセミ対策とかね!(笑)
ゲンちゃん母がバシッと止めるのに対して差をつけるなら、ステージ中ふらふらして操っちゃってもよかったかなー(笑)
まあ、これは好みの問題か。


・間
間の取り方が不十分なのもその一因かもしれません。
特にマージャン仲間のやりとり。
タモちゃんかヤスか忘れましたが、ひとりふざけて詩人のような言い回しをする奴がいましたが、動きが滑らかなのはそいつっぽくてもステージ上の仲間たちにしか伝わらない。

また途中、ヤスがやっぱりもうマージャンをやめて勉強する、と出ていくシーンがあります。
自分が出ていくことにしたあと、タモちゃんにもお前もやめないか?と言います。
それでヤス自身が抜けるのと他の奴が抜けるのは別問題って流れになるわけですが。
ヤスがやめることをゲンちゃんに告げたあと、ゲンちゃんが了承し、ヤスはタモちゃんのことに口を出す。
このヤスのタイミングがどうも共感できません。

今回の演技からは「ヤスは相当悩み、恐る恐るマージャンから抜けることにした」ように見えたのですが、
ゲンちゃんに告白するまでに相当な勇気を使ったはずです。
ゲンちゃんに自身の選択を受け入れてもらってから「なあ…」とタモちゃんのことに口を出すんです。
ここで改めて勇気をためる時間が少し必要なのでは。
「ゲンちゃんにあきれ果てており、抜けることをあっさり認めてもらって調子に乗った」なら、ぽんぽんいっちゃうんでしょうが、そうじゃないと思うので。
その後、出ていくときにタモちゃんと言葉を交わすわけですが、ここもあっさりしていて違和感があります。

おそらく最大の見せ場である、最後のゲンちゃんとシゲちゃんの気持ちのぶつかり合いに時間を残したかったんでしょう。
しかし、このシーンも流れるように過ぎてしまいます。
一回、ふたりがピタッと静止するところを入れるだけでも違ったのでは。

時間制限があるのはわかります。
私たちも確か本番までに60分以内にできた通しが一・二回しかなくて、本番でもずっと京極が袖で腕回してた記憶があります。
でもでも、客席の共感が追い付くのに必要な間は確保してほしいものです。


・神社の向き
前述したとおり、シゲちゃんはおいなりさんにだけ自分の願いを話していました。
客席に背を向けて、でも台詞はばっちり聞こえたという。

でも、残念ながら「背中で語れる」までいってなかったです。
シゲちゃんが後ろ向き、なのは最後のぶつかり合いまで「ゲンちゃんを真っ直ぐ見ない」ことの伏線になっています。
ですが、「背中で語れる」技量が無い以上「客席=おいなりさん」に見立てて「客席をシゲちゃんの想いに巻き込む時間」にしてしまった方が良かったのではないのでしょうか。
あ、もしそうするなら、後ろの幕に鳥居の影を映すだけでセットの鳥居なしで。
…貧乏性やな(笑)

とにかく今回、本当に客席を巻き込むことができてませんでした。
シゲちゃんを「あー、頑張ってんだなー」ぐらいにしか見られませんでした。
「ゲンちゃんを真っ直ぐ見ない」も「ってか、ゲンちゃんのいとこのゆうこちゃんの目も緊張のあまり見ないし、うちらからしたらゲンちゃんだけじゃないじゃん」って思っちゃいました(汗)

客席にお祈りのひとりじたばたを思いっきり見せつけておいて「あ!そうか、こっちには顔向けてくれてたけど、ゲンちゃんのことは見てなかったんだ!」ってハッとさせるのもありだったと思います。

やはり、ホールでどう見えるかって重要です。
これは役者がどうこうより、役者を見て意見を言う他の部員の問題なのかも。
演出はアンケにも書いたけど、もうちょっと丁寧に考えるべきだった…な。


・青暗転
みかぼみらい館小ホールでは「青暗転」を使うことができます。
打ち合わせでスタッフさんにそれを見せられると使いたくなっちゃうんですよね!
ほとんどの暗転を青暗転にして、暗転中に素振りをしている人のシルエットを見せる、ということをやっていました。

これが私には正直いって逆効果に思えました。
青暗転では舞台上の物のシルエットが強調されます。
そこで、シゲちゃんはこつこつトレーニングしている、トレーニングしているのは物語に出てこない野球部員も同じ、とかいろんな意図を含めるために利用したのであろうとは伝わりました。
でも逆効果。
なぜか。
「素振りを女子がやっているのがまるわかり」
「素振りがきちんとしていない」
この二点です。

特に、ゲンちゃんの先生役でポニーテールにしてた子にやらせるのは目立ちました。
この芝居に出てくる先生たちは、ふたりともゲンちゃんシゲちゃんに現実をつきつける存在で、まあ、あんまりいい存在ではありません。
その役とわかる影がやる気の無い素振りをしているので、なんだか萎えてしまうのです。
つーか、毎日のように熱闘甲子園で脇本くんのバッターボックス見てた先輩を舐めんな!!(爆)


・総じて
明らかに今の後輩たちは私たちの現役時代より技量があります。
そして、役者のみんなは楽しそうにやっていました。
もうみんな知らない子しかいないけど、めっちゃ嬉しかったです。

それだけにもったいない。
私たちは元々みんなを応援しようという気持ちで見てるから、ある程度見れちゃうんですけど、客席全部がそうではないんです。

自分たちの芝居が外から見てどう見えるのかを考えて、芝居を組み立てていく必要があります。
しっかり見直して、次の芝居に繋げていただきたいと願っております。

…さて、先生にも感想送りますかーorz

懐かしのみかぼみらい館

  • author: ichimonji_rine
  • 2014年09月14日

直前に気づいて、高校演劇の西毛地区大会行ってきました。
といっても、健大と商大みて帰ってきたんだけどね。
まだ結果がでてないので、明日以降感想あげます。


てきとーに会場に行ってみたら、先生が!
…先生、相変わらず年取った感がなくて凝視してしまった(爆)
今年は男の子が多くて、主演の子がやってみたかった台本とのことで。
もう全然知らない子ばっかだよねーとか言われてるところへ、今年19歳の後輩3人が到着。
ひとりドラスクで一緒だった女の子だけ知ってるのでハイタッチ(笑)
女の子が車出すのは群馬の性だよねー(^_^;)

3人と並んで見たんですが、アンケートでめっちゃ細かくいろいろ指摘しててすごかったっす。
皆うまくなってるのがわかったって。
うん、後輩が頑張ってて、向上してるのを見られるのはいいよね。


先生にお会いできたので、ひ・と・こ・とのときの折り込みの件、謝罪しました。
先生は「そんなこと忘れてたよ!」っておっしゃってたけど。
当時めちゃめちゃ叱られたというか、演劇をやっていた先輩として激怒されたことがありました。
無知とは恐ろしいものです。

今は演劇やってないにしても、人間として少しは向上してればいいんですけどねえ、なかなか難しいわー。

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