KITSCH de F1

F1徒然日記。

イタリアGP〜リカルド起死回生の勝利

20210914

怒涛の3連戦のラスト、イタリアGPは去年と同じく大きな番狂わせが発生。
今シーズン、ルノーからマクラーレンに移籍したものの予想外の不振で苦しんでいたリカルドが、まさかの優勝!
彼のフィニッシュした時の雄叫びや、仲間と喜びを分かち合う姿を見ると、タイトル争いとは違うF1の醍醐味を味わうことができ、ハッピーな気持ちになりました。リカルド3年ぶりの優勝、そしてマクラーレン1-2フィニッシュ、おめでとう!!

週末を振り返ると、確かに予選、スプリント予選共にマクラーレン勢は速かった。スプリント予選では、スタートをトチったハミルトンがノリスを抜けないまま終わったほど。ただ、決勝では早い段階でいつものようにフェルスタッペンとハミルトンの一騎打ちになると思っていました。
しかし二人共リカルとノリスを抜くことができず、レース前半は我慢比べの状態が続き、タイヤ交換の駆け引きが勝負の分かれ目に。

ところが先に入ったフェルスタッペンのタイヤ交換をチームがミス(センサーの故障?)したせいで、両者がタイヤ交換を終えた時クロス状態に。そして、ご存知の通りシケインで絡み合ってリタイヤする結果となりました。
今回の接触は、フェルスタッペンが強引だったんじゃないでしょうか。マシンを降りた時の妙に落ち着いた様子からすると、ハミルトンに抜かれて優勝されるくらいなら、ぶつかってもいいくらいのブロックをしてやろうと思っていたような気がしないでもありません。

ハミルトンは頭の上に相手のマシンが乗っかってくる危険な状態になったものの、ハロのおかげで大事に至らずひと安心。導入時は賛否両論でしたが(僕もダサいのでやめて派でした)、今ではなくてはならないものになりました。

イギリスGPでの接触以降、ハミルトンもフェルスタッペンも一歩も引かないのは明らか。ただ、フェルスタッペンの方が頭に血がのぼっている様子。そういう状態だと流れがどんどん悪くなるので、もう一度気持ちをリセットして、いつものようにふてぶてしく攻めてほしいものです。

さて、見事優勝したリカルドは、スタートでフェルスタッペンを交わしてからフィニッシュするまで、ピットインのタイミングを除けば終始トップを快走。さすがいくつも勝ちを経験しているだけあって、途中でセーフティーカーが入っても危なげなく走りきりました。
ノリスも勝負したい気持ちはあったと思いますが、レース後素直にチームの1-2フィニッシュを喜ぶ姿は見ていて気持ちが良い。これはチームの良好な雰囲気があってこそ。
レース中ノリスが無線で「リカルドより俺のペースの方が速いんだけど」とアピールした時、チームはまずリカルドにペースを上げるように伝え、ペースアップできることを確認したらはっきりとポジションキープを指示したのも良い判断。チームは無駄な争いを避けるだけでなく、今回はリカルドのレースだと考えていたのでしょう。それに対してリカルドもファイナルラップにファステストで応えたのがカッコ良過ぎ。

ただ、シューイはいかがなものかと・・・・。もし自分が2時間レースをした後のシューズにシャンパンを注いで差し出されたら、笑顔で飲める自信がありません。
以前、誰か(ウェーバーだったような・・・・)が差し出されたシューズを「こんなん飲めるか!」と放り投げていましたが、たぶんそれが正解のリアクションです。

ベルギーGP〜スパウエザーというよりただの悪天候だった件

20210831

F1史上もっとも短く、同時に長かった今年のベルギーGP。大好きなカレーの人気店に行っても15分待つのが限界の僕にとって、3時間待ちはなかなかボリューミーな時間でした。それでもドライバーがチームスタッフと和んでいたり、ドライバー同士で話していたりする姿を見る機会はそんなにないので、退屈せずに待つことができました。
僕はフジネクストで観戦しているのですが、展開のない長丁場を解説&駄話で場を持たせた川井ちゃん、森脇さんはもちろんのこと、西岡アナのツボをおさえた仕切りにも感心しました。フジは一時期、古舘氏やJリーグの実況スタイルを真似た酷い有様でしたが、その頃と比べると基本に戻り、随分良くなったように思います。

さて、今回3周でレースを打ち切ったこと自体は正しい判断だったといえるでしょう。引きの映像では「何とかできるんじゃない」と思う時もあったものの、車載カメラの映像を見たら「こんなんでレースやったら絶対あかん!」状態でした。

ただ、セーフティーカー先導で3周走っただけでレースを成立させたこと(それに伴うポイント加算)は別問題。いろんな大人の事情が絡んでるんでしょうけど、いかがなものか・・・・。シンプルに中止するか、カレンダーの再調整を検討するなど別の対応策はなかったんでしょうか。
この案にしても予選で上位に入ったチームやドライバーにしてみれば納得いかないかもしれないし・・・・、う〜ん、何が最善策だったのか正直分かりません。
ただ、3時間も持つ必要はなかったように思います。スパウエザーといえば、コロコロと天気が変わったり、サーキットのある場所では晴れているのに違う場所では雨が降っていたりすることを指しますが、今回は金曜日からぐずついていた単なる悪天候。
雨の中ずっと待ち続けた人は本当にお気の毒。「後々語り草になるレースに居合わせてラッキー♪」と、自分に言い聞かせるしかないですね。

ということで、今回はペレスを除いて予選結果がそのままレース結果となりました。
まず取り上げなければならないのは、2位に入ったラッセル。マシンのセッディングがハマった面はあるものの、ウイリアムズのマシンでのこの順位はドライバーの腕があってこそ。ラッセルの速さは、もう疑う余地はありません。個人的にはフェルスタッペン級のポテンシャルを感じます。早くメルセデスでの走りが見たい!

ノリスもまたまた非凡な才能を見せつけてくれました。ただ今回はQ1から勢い余っている感が漂っていて、用心しろよと思っていた矢先にクラッシュ。結果的には、このミスで初優勝がフイに・・・・。
起こってしまったことはどうしようもありません。次から攻める時とおさえる時のさじ加減をコントロールすればいい話です。と言いつつ、彼は威勢のいいところが魅力なので、お行儀良くおさまってほしくない気持ちもあります。

ハミルトンとフェルスタッペンのタイトル争いは、ふりだしに戻った状態に。レースごとに力関係は変わりそうですが、メルセデス〜ハミルトン無双状態に飽き飽きしている者としては、レッドブル〜フェルスタッペンにがんばってほしい。

ハンガリーGP〜祝オコン初優勝

20210809

まずはオコン選手、初優勝おめでとうございます!!
いやぁ、いつ見ても初優勝を果たし歓喜するドライバーの姿を見るのはいいもんです。それが、前途有望な若手となれば尚更。欲や妬み・嫉みなどでコテコテになった50のオッサンの心も洗われます。
オコンは今シーズン、成績・評価ともアップダウンが激しく、このところはアロンソに押されっぱなしの苦しい状態だったので、嬉しさもひとしおでしょう。
昨シーズンの2位獲得といい、勝負強いのは確かであるものの、実際どれだけ速いのかは掴みづらい感じですが、今回の優勝を機にネクストレベルに上がってくれれば、F1がもっとおもしろくなるので期待しています。

すでにあらゆるところで語り・書きつくされていますが、やっぱりオコンの優勝に貢献したアロンソの活躍をスルーすることはできません。
まさに「これぞアロンソ!」という卓越したバトルでした。とにかくこの人は、攻めも守りも引き出しが多い。しかもひとつのコーナーで一発勝負するのではなく、サーキット全体で流れを組み立てるところが凄い。きっと常に上空から俯瞰しているビジュアルが頭にあるんでしょう。
そして彼の一般的な人物像とは真逆に、バトルはフェアでアクシデントが少ないことも特長として挙げられます。瞬間の判断力が優れているだけでなく、レース全体を見渡して走れるから無理をしない。そしてライバルたちもアロンソが無茶なドライビングをしないと分かっているから、自然とクリーンなバトルが繰り広げられるというシナジーが生まれるのだと思います。
ここまで客観的でクレバーなアプローチがとれるのに、どうしてチームに対してはヘンテコリンな対応をしてしまうのか・・・・。
その辺りも今回の復帰に際しては改善されているようで、アロンソも大人になったんだなぁと、感慨深くなります。
まだまだ走りは錆びついていないので、オコンに続いて優勝してほしい。

さて、タイトル争いに目を向けると、オコンの初優勝とは対象的に、モヤモヤ感がたまる展開に。
まず、予選Q3のメルセデスのスロー走行はレギュレーションで認められているので仕方とはいっても、観客としてはスッキリしません。前にも書きましたが、Q3はQ2の順位に基づいて1台ずつ走る方式にした方がいいんじゃないでしょうか。

そして決勝レースは、いきなりのボッタスご乱心アタック。まるでカーリングのように次々に玉突き衝突を起こして、ドライバーズランキングのトップを走るフェルスタッペンに致命的なダメージを食らわせてしまいました。
もちろん故意でないのは間違いないでしょうけど、ヴォルフさんが「ボッタスはハミルトンのサポート役に徹することになる」というコメントを出した直後のレースだっただけにイメージが悪い。どっちにしろ、こんなかたちでタイトル争いの流れが変わるとシラケてしまいます。

赤旗中断明けのハミルトンおひとり様グリッド、気の毒と思いながらも笑わせていただきました。
「さぁレース再開、フェルスタッペンは後方に沈んだし、今日もいただきや。いくでぇ〜!」と気合いを入れながらフォーメーションラップを走っていたら、1台、また1台とタイヤ交換にピットインし、気がついたらグリッドにいるのは自分ひとりだけ。同時に、1周走り終わってピットに入れば最後尾になってしまうことが確定。いつしかのアメリカGPでブリヂストンタイヤを履いた6台だけがグリッドについたシーンよりもインパクトがあり、滑稽な珍風景でした。

ハミルトンとフェルスタッペンの争いは、前戦のイギリスGPにつづき、ますますこじれてきました。両チームのコメントや戦略、実際の走りを見ていると、ヒートアップして浮き足立っているように感じるので、夏休みにクールダウンして、また後半心躍るタイトル争いをしてほしいものです。

イギリスGP〜遂に起こってしまった衝突

20210722

いつか必ず起こると、みんなが分かっていたハミルトンとフェルスタッペンの衝突がイギリスGPで起こってしまいました。
その予兆は、今回はじめて導入されたスプリント予選のオープニングラップで繰り広げられた激しい攻防からありました。この時は2番手からスタートしたフェルスタッペンがハミルトンをかわしてポールを獲得。スプリント予選の後、建前的に笑顔を見せていたハミルトンですが、このところフェルスタッペンにやられっぱなしなので内心は煮えくり返り、決勝は絶対にやり返してやるという気持ちがふつふつと沸き上がっていたに違いありません。

決勝レースのスタートは、フェルスタッペンの蹴り出しが若干鈍く、ハミルトンに迫られる状況に。それでもフェルスタッペンは懸命のディフェンスでポジションキープ。しかしコプスでハミルトンが少し遅れ気味ながらインをとり、そのままアウト側に膨れてフェルスタッペンを押し出し、クラッシュさせてしまう結果に。しかも高速コーナーのためマシンは大破。フェルスタッペンもかなりの衝撃を受けてヒヤリとしましたが、幸い体は無事だったようで何よりです。

どちらに非があったのか? それはハミルトンにペナルティが出たことで決着がついています。一部の人が言うように、ハミルトンが故意にフェルスタッペンを飛ばしたということは、自分が負うリスクを考えてもまずないでしょう。個人的には、ハミルトンはもっとやりようがあったと思いますが、フェルスタッペンも結構ハードだったし、よくあるレースインシデントという印象です。
ただそれとは別に、ルール的に10秒加算ペナルティは軽いんじゃないのというモヤモヤ感は拭えませんが・・・・。

また、もうひとつ話題になっているレース後のハミルトンのはしゃぎっぷりについては、確かに見ていて「んッ?」と感じたのが率直なところです。
母国グランプリでの逆転勝利で、ついついうれしさが爆発してしまったのかなと思っていたら、どうもハミルトンとチームはそもそも自分たちに非はなく、ペナルティに不満を感じていた様子。にしてもフェルスタッペンが病院に送られるほどのレースインシデントが起こったのですから、メルセデスはチームとしてもう少し配慮があってもよかったと思います。

さて、F1初となったスプリント予選は予想外に盛り上がりました。当初はリスクを避けるためにトレイン状態になるとも予想されていましたが、蓋を開けてみると、失うものがない中団・下位チームのドライバーが勝負をかけてくると、その前を走るドライバーも順位を落としたくないのでプッシュしなければならず、さらにその前を走るドライバーも・・・・という連鎖反応が起こり、なかなか白熱の展開になりました。従来のフリー走行もこれまで以上に限られた時間内でセットアップしなければならず、緊迫感アップ。
これは今後もテスト的に実施して、手応えがあれば来シーズン以降も年間数戦導入していいんじゃないでしょうか。
何事も事前に熟考することは必要ですが、実際にチャレンジすることが大切だと改めて感じました。

これからハミルトンとフェルスタッペンの戦いはヒートアップするのは間違いありませんが、後味の悪い結果にならないことを願っております。

レッドブルリンク2連戦〜完全にトップの座を奪取

20210713

レッドブルのお膝元、レッドブルリンクでの2連戦は、フェルスタッペンが盤石の連勝。タイトルを争うメルセデス〜ハミルトンをまったく寄せつけない圧勝でした。もうこれは市街地、パーマネント、高速、低速などサーキットの特性にかかわらず、どこでも速いんじゃないでしょうか。次のシルバーストンでも速かったらほぼほぼ決まりですね。
PU時代に入ってからず〜っとメルセデス〜ハミルトンが絶対的な存在として君臨していたのに、潮目が変わる時はあっという間。苦戦を強いられるようになったメルセデスは、政治的なあの手この手を使ってレッドブル・ホンダの力を削ごうとしているようでが、トト・ヴォルフさんも内心そういった茶々入れでは形勢は変わらないと感じているでしょう。個人的にトト・ヴォルフはすごく優秀な人だと感心することが多いだけに、ここ最近のジタバタした言動は残念。王者なんだからドン!と腰を据えて、真っ向勝負してほしいものです。

さて、フェルスタッペンは別格として、その他にディープインパクトを残したのは、ノリスとラッセルの若手2人。ノリスは今シーズン、予選・決勝ともに速くて安定している。明らかにネクストレベルに突入しましたね。マシンの挙動を見ても、攻めて走っているのに完全にコントロールできているのが伝わってきます。
一方、チームメイトのリカルドはまだ長いトンネルの中。まさか、ここまで苦戦するとは思いませんでした。レイトブレーキでコーナーに深く突っ込む彼のドライビングスタイルがマシンの特性に合わず、立ち上がり重視のスタイルへの調整に苦しんでいるという記事を読んだのですが、真相はどうなんでしょう。

そして、もう一人の注目株、ラッセルは得意の予選でQ3進出!
いくらウイリアムズのマシンが力をつけているとはいえ、“あの”クルマでQ3は驚異的。エンジニアの人、泣いてましたやん。
しかもソフトでアタックした直後、「速すぎた?」とナゾの交信。
予選で速すぎて困るなんてことあるんですか? 
あるとすれば・・・・・と、川井ちゃんが解説してくれた矢先、ラッセルはミディアムでさっきソフトで叩き出したタイムを上回るという離れ業をやってのける!! これで決勝はミディアムタイヤでスタートできることに。いやはや、アッパレ!の一言です。
決勝では最後の最後にラッセルを高く評価するアロンソに抜かれて、11位に落ちてしまいましたが、十分に底知れないポテンシャルを見せつけました。
これでメルセデスが来シーズンもボッタスを続投したら驚きです。
次代を担うフェルスタッペンやノリス、ルクレールが着実に経験を積んでいる中、もうチームの安定性とかいってる状況じゃないでしょう。ポスト・ハミルトン時代を考えるなら、来シーズンにラッセルを本丸チームで走らせる以外の選択肢はありません。そして、いきなりハミルトンを負かす可能性は十分あると考えています。

フランスGP〜Pay Back!

20120625

最高のレースやったやないですか!
トップのチームとドライバーが持てる力をすべて出し切って競う。勝負を決めるのは、ほんの僅かな差。そういう意味で今年は、F1の魅力を存分に味わえるシーズンになっています。

今回のキーワードは、「Pay Back」。やられたら、やり返す。レッドブルのクルーたちが繰り返して言っていたこの言葉の背景には、第4戦スペインGPでメルセデス〜ハミルトンにしてやられた2ストップ作戦があったのは周知の通り。
レッドブル・ホンダ〜フェルスタッペンは同じ作戦でリベンジしたばかりか、オーバーテイクした残り周回まで同じというミラクルを起こしました。いや、ミラクルというのは失礼ですね。この結果はマシンとパワーユニットの性能、ドライバーの腕、そしてスタッフ全員の意思と気合いによる必然です。

スタートでポールを獲ったフェルスタッペンがオーバーランをして2位に下がったものの、オーバーカットをきめて再びトップに。しかし、ハミルトンとの差は広がらずこう着状態。このまま走りつづければタイヤが持たないかもと考えたチームは、2ストップ作戦を決行。
この時スペインGPでの惨敗に加え、前戦のタイヤバーストが頭にあったのは間違いないでしょう。
で・す・が! それでもレースポジションが重視されるポール・リカール・サーキットで、トップを走るドライバーをピットインさせる作戦を実行するのは、並程度の度胸ではできません。チキンな私と比較しても意味はありませんが、自分が作戦を決定する立場なら間違いなくそのまま走らせていました。

フェルスタッペンが2回目のピットインをした時点で、ハミルトンの選択はステイのみ。反応してピットインしたところでオーバーカットはできないし、後ろにはピットインをせずに粘るペレスがいるという身動きができない状態。
ペレスはここのところサポート役としていい仕事してます。

作戦通りフェルスタッペンはもの凄い勢いでメルセデス勢との差を縮め、難なくボッタスを攻略して2位に浮上。ボッタスのタイヤは終わっていて、壁の役割は果たせませんでした。
ところが驚いたことに、さんざん無線で「タイヤ、おわた」とグチっていたハミルトンが自己ベストを叩き出し、フェルスタッペンとのギャップを5秒にキープするじゃありませんか。この人のタイヤマネジメント能力、エグいわ。
この時は正直、ハミルトンの三文芝居作戦、もとい、ぼやき作戦にまんまとハマり、負けたと思いました。
しかしフェルスタッペンはまったく諦めることなく攻めに攻めて、ラスト2周で抜き去り勝利をもぎ取りました。この辺りのメンタルも普通じゃないですね。

見事に作戦を成功させガッツポーズをとるレッドブル・ホンダのスタッフはもちろん、負けて般若のようなメラメラ感を漂わせるトト・ヴォルフからもレース屋の気概を感じました。

あと、死闘を繰り広げたフェルスタッペンとハミルトンに加え、何の波乱もないのにウイリアムズのマシンで12位に入ったラッセルにも殊勲賞をあげたいです。

アゼルバイジャンGP〜終盤にダブルインパクト!

20210609

いろんなことが起こり過ぎて、結局のところ誰が得をして、誰が損したのかわからない感じになったアゼルバイジャンGP。
タイトル争いに絞れば、ポイント的にはレッドブル〜フェルスタッペンが損したのかもしれませんが、心理的ダメージはメルセデス〜ハミルトンの方が遥かに大きいといえるでしょう。

なぜなら、フリー走行から決勝まで終始レッドブルが速さをみせていたから。ポールはルクレールが2戦連続で獲っちゃいましたが、赤旗が出なければフェルスタッペンが獲得していた可能性は高かった。
一方メルセデスはフリー走行から不調。いくら市街地コースで、タイヤに熱が入りにくい性質が顕著に出たといっても、今回のペースは深刻です。

予選はハミルトンが意地で2番手に入ったものの、決勝ではフェルスタッペンだけでなくペレスにも交わされ、ジリジリと離される展開に。ボッタスに至ってはずっと入賞圏外でモタモタ。来季のシートは黄色信号が灯ってしまいましたね。最近のトト・ヴォルフのボッタスに対する発言といい、ボッタス本人がいちばんそれを感じとっているでしょう。

そして、完璧なレースをしたレッドブル・ホンダがいよいよ1-2フィニッシュだと思った矢先、フェルスタッペンのタイヤがバースト!! 衝撃で思わず声をあげてしまい、奥さんに「びっくりする」と怒られてしまいました。

赤旗中断中に気持ちを落ち着かせ、レース再開。するといきなり第1コーナーでハミルトンがペレスを交わしそうになったところで「ググッ」と声が漏れ、そのままオーバーランしたところでまたまた絶叫。奥さんは「ホンマ、心臓ちぢむから」と言い残し、リビングから去っていきました。

レッドブル〜フェルスタッペンはメルセデス〜ハミルトンとの差を広げる絶好のチャンスを失ってしまいましたが、ペレスが優勝したことで最悪な状況のなかで最善の結果を得ることができました。
そういう意味でも今回のペレスの活躍は大きい。実際のところ、彼がレース再開時にトップにいなければ、ハミルトンは問題なくトップチェッカーを受けていたでしょうから。
レッドブル首脳の「ずっとこういうレースがしたかった」という声と、メルセデス首脳の「ボッタス何やってんの・・・・」という声が聞こえてきます。

今回のような荒れたレースになった要因として挙げられるのが、レース・ディレクターのマイケル・マシ。
レース・ディレクターになってから度々問題になる彼のジャッジのマズさ。彼のせいで「ガレージにいるメカニックさんがやった方がマシかも・・・・」と、殺人的につまらないダジャレが頭を過るほどです。
どうも彼は瞬時に状況を理解して、適切な判断を下すのが苦手なようですね。・・・・・って、それがレース・ディレクターの仕事ちゃうのッ!
ストロールのマシンが大破して、「さぁ、どんするの?」という時に映った、マシの目が泳いだ不安げな表情がある意味いちばんインパクトありました。

明るい話題としては、優勝をしたペレスを筆頭に、ベッテル、アロンソ、そして角田くんと、移籍・復帰・新人組がマシンに慣れてきた兆しが見えたことが挙げられます。アロンソはペース的にはまだまだ物足りず、角田くんもガスリーと比べるともう一歩といえなくもないですが、前進したことは間違いありません。この調子でヨーロッパラウンド、かき回してくれることを期待します。

モナコGP〜フェルスタッペン快勝

20210526

2年ぶりのモナコGPは、予選からチェッカーフラッグが振られるまで緊張感と波乱あふれる、見応えのあるレースウィークでした。

ひとつのミスも許されない状況で優勝を飾ったのは、完璧な仕事をしたレッドブル・ホンダ〜フェルスタッペン。これでドライバー、コンストラクター共にランキングトップに立ちました。
フェルスタッペンはハミルトンの心理戦に動じることなく粛々とレースに臨み、モナコウイナーという栄光をゲット。2018年同じモナコで、気負いすぎてクラッシュを連発して自滅し、それでも「自分のドライビングスタイルは変えない」と強がっていた頃に比べると、大きく成長したように感じます。
本人は強気発言していましたが、あのレースの後から落ち着いてレースをするようになり、キャリアのターニングポイントになったのは間違いありません。

一方メルセデスは振るわず。ハミルトンは作戦が機能せず、ポジションを上げられないまま7位。ボッタスはピットイン時にタイヤがはずれず、そのままリタイヤという結果に。
こうしたミスが起きたり、自チームあるいはライバルチームへのグチや批判が出はじめたりするのは、レッドブルとの接戦でテンパってきた証拠。ロズベルグが去ってから冷静沈着にレースをするようになったハミルトンが、大人なスタンスをキープできるのか注目です。

今回大きな驚きだったのが、フェラーリの躍進。今シーズンかなり復調していましたが、まさかモナコでポールを獲るとは思いませんでした。やっぱりルクレールは速い。
しかし喜んだのも束の間。Q3のアタックが終わってクラッシュ!
ギアボックスが壊れたんじゃないかと懸念されたものの、問題なしということでポールポジションからスタートすることに。
でも、映像ではかなり激しく当たっているように見えたため、チームの判断を意外と感じた方、いや「ホントに大丈夫か?」と不安に思った方は多かったはず。

案の定、予感は的中。ルクレールがレコノサンスラップに出るとすぐ、左側のドライブシャフトにダメージがあることが分かり出走できず・・・・。
「なんやそれ! いきなり壊れとるやないか!!」と、おいでやす小田のように叫んでしまいました。
グリッドダウンで優勝できないのは本人のミスが発端なので仕方ないにしても、スタートできないのはマネジメントの責任。母国グランプリなのにかわいそ過ぎです。

ここで問題となるのが、チーム代表のマッティア・ビノット。
「マシンが当たったのは右側だったので、左側のドライブシャフトのチェックはしませんでした」って、小学生じゃあるまいし。
F1の現場のことはまったく知りませんが、あれだけの衝撃を受けたら(しかもポールポジションを獲得したのに)、普通「念のため反対側の状態もチェックしとこうか」となると思うのですが。

しかも彼は自ら、予選後左側のドライブシャフトはチェックしなかったと言っているのに、決勝でのトラブルは予選のクラッシュとは関係なく、どっちみち発生していた可能性があるなんて言いだしている。
チェックしていないのに、どうして予選のクラッシュと関係がないと言えるのか。一貫性がなく、その場しのぎの言い訳ともとれる発言は、この人がチーム代表になってから毎度のこと。
ビノットに対してはチーム代表に就任時からずっと思うところがあるのですが、「ああ見えて実はデキる人なのかも」と、できる限り我慢してきました。しかし、そろそろ限界が近づいておりまして、文句ダダ漏れになりそうです。

まぁ、そんなことは置いといて、今回のサインツとノリスのキャッキャした表彰台、よかったですね。ベッテルもオーバーカットで2台パスするなどいい走りを見せてくれてうれしい。
やっぱり活躍すべきチームやドライバーが活躍すると盛り上がりますね。

ポルトガルGP&スペインGP〜メルセデス強し

20210516

ポルトガル、スペインの2連戦で改めて実感したのは、メルセデスのチームとしての強さ。ドライバー、マシン、戦略、どれをとっても抜け目がない。まさに鉄壁。ホントにかわいげがないくらい。
マシンはまだメルセデスの方がレッドブルよりも速い感じですね。テスト時に不安定だった挙動はほぼ解消した様子。このソリューション能力もメルセデスの強さの大きな要因です。
レッドブル〜フェルスタッペンはやっとこさタイトル挑戦権を手にしたものの、ハードルは予想以上に高いです。

そんななか、フェルスタッペンはシーズン開始から完璧なパフォーマンスを発揮しています。この2戦でも切れ味鋭くハミルトンをかわし、レースをリード。しかしながらペースが後少し足りないため、トップを走っていてもハミルトンに対して守りのアプローチを取らざるを得ないんですよね。
スペインGPではそんな苦しい状況が如実にあらわれました。

レース序盤はフェルスタッペンがハミルトンとのマージンを稼いでいるように見え、「今日はいける!」と思ったのですが、第1スティント後半になるとハミルトンがヌメヌメと挽回。タイヤ交換後はさらに快調なペースで押せ押せ状態となり、御存知の通り2ストップ作戦を決めて見事な逆転勝利をおさめました。

レース後、フェルスタッペンやチーム代表のクリスチャン・ホーナーが言うように、彼らにできることは1ストップで走り切ることしかなかったように思います。
抜きにくくトラックポジション重視のカタロニア・サーキットでは、1回目のタイヤ交換をハミルトンより先にすることや、ハミルトンに合わせて2ストップ作戦に切り替えてポジションを失うリスクはおかせません。
そして、最初から2ストップ作戦を想定してミディアムタイヤを2セット温存させておくところにメルセデスの地力を感じます。もちろん、チームの作戦を実行できるハミルトンがスゴいのはいうまでもありません。

ただ、ペレスがハミルトンのピットストップウインドウに入るところにいてくれれば、違った展開になっていたかも。彼がマシンに慣れて、もう少し前で走れるようになれば、さらにチャンピオン争いは激しく、楽しくなるでしょう。

さて、角田君は流れが良くありませんね。開幕戦でインパクトを残したため、気持ちもドライビングも前のめりになっているのが伝わってきます。
とりあえず無線での癇癪発言は、誰の得にもならないので抑える必要ありです。
いくらルーキーで時間はあるといっても、所属するのはレッドブル系列のチーム。今のような走りと態度をつづければどうなるかは、チームメイトの過去を思い出せば明白。
夏休みまでは「急がば回れ」精神で腰を据えてレースウィークに臨んで、自分とガスリーのストロングポイント、ウィークポイントをつかみ、シーズン後半に攻めの走りをするアプローチでいいんじゃないでしょうか。
これって彼自身がシーズン前に言っていたこと。もう一度気持ちを整理してリスタートしてくれることを期待します。

新世代のドライバーたち

20210505

20あるF1ドライバーのシートを改めてみると、20〜25歳の若いドライバーが台頭してきているのがわかります。
20〜25歳に該当するのは11人。26歳のサインツ、27歳のジョビナッツィを入れると全ドライバーの65%が20代半ば以下となり、20人の平均年齢は27.25歳。41歳のライコネンと39歳のアロンソががんばっていることを鑑みると、F1全体としてこれまでにないほど若返り、若年化が進んでいるといえるでしょう。
ちなみにチーム別でみた場合、もっとも平均年齢が高いのはアルファロメオの34歳(ライコネンが大幅に引き上げているのですが)、つづいてメルセデスの33.5歳。反対にもっとも若いのはハースの22歳です。

しかも新世代のドライバーたちは単に若いだけでなく、今シーズン、ハミルトンとタイトル争いをしているフェルスタッペンを筆頭に、ルクレール、ラッセルなど、とてもとてもポテンシャルが高いのが特徴。ノリスは、デビュー当時は先の3人に比べて小粒な印象でしたが、昨シーズンひとつ上のステージに上がったし、ガスリーもかなり速い。角田君も早くこの中に割り込んで欲しいものです。

今シーズン、移籍組、復帰組が苦戦しているといわれています。確かにマシンの特性をつかむのには時間が必要だし、ベテランは年齢的な問題もあるでしょう。しかし、どうもそれだけが理由ではないような気がしてなりません。
まず考えられるのが、ドライバーのサポート体制。今の有望な若手ドライバーはそれこそ10代からトップチームの育成プログラムに基づいて英才教育を受けており、高いスキルを身につけています。
また若い棋士がそうであるように、シミュレーションなどデジタル技術を活用したトレーニングや分析がデフォルトとなっていることも無縁ではないでしょう。
さらに小さい頃から複雑でスピード感あふれるゲームに慣れ親しんでいることで、絶対的なスピード感覚や操作能力が、これまでの世代とは違っているように思うのです。だから、超高速化した今のF1マシンにも適応できる。
これは、前世代のドライバーより今のドライバーの方が優れているということではなく、時代が違うということ。要はムーンサルトで金メダルを獲った時代の体操選手と、空間がねじれたとしか思えない技を繰り出す今の選手を比べるようなもの。ガンダムの最終話のように、ニュータイプが覚醒しはじめているのかもしれません。

そうしたドライバーが各チームのエースとなり、タイトル争いをする時代が早く来てほしいものです。

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