KITSCH de F1

F1徒然日記。

いけるぞ、レッドブル・ホンダ!

20190324

いよいよ2019年シーズンの幕が切って落とされました!
開幕戦は独特の緊張感がありますが、今年は新しい時代に突入する気配が漂っていて、期待感が膨らみます。

さて、今回は先に嬉しかったことを書いてしまいましょう。もちろんその筆頭は、レッドブル・ホンダの表彰台ゲット。テストではなかなかポテンシャルが見えにくかっただけに、いきなりの表彰台は前倒しで誕生日プレゼントをもらったようなボーナス感です。
ホンダとしての表彰台は、2015年の復帰後初。第3期を入れると、2008年イギリスGPに3位入賞した“バリチェロぶり”というのですから、ちょっと気が遠くなるというか喜びもひとしおです。
それにしても、ここまで長かった。マクラーレンとの3年間は、マクラーレンにもアカンところは多々ありましたが、ホンダも不甲斐なかった。第3期の失敗をまったく活かしておらず、F1を甘くみているような雰囲気も感じられて、あまりいい印象を持っていなかったのが正直なところ。ターニングポイントとなったのは3年目の大失敗。これが本気にさせる着火剤になったような気がします。そういう意味では、最初に下り坂のマクラーレンとタッグを組んで良かったのかもしれません。もしはじめにレッドブルと組んでいたら、けちょんけちょんに言われた挙句にダッグを解消されて、マクラーレンと組むことになっていた可能性大です。そうなっていたら、これからはじまるサクセスストーリーも、ずっと先送りになっていたでしょうから。
開幕戦はフェルスタッペンの力が大きかったものの、レッドブル・ホンダのパッケージが十分に戦えるポテンシャルをもっていることがはっきりしました。この感じなら、シャシー、PUの開発が進んでくるシーズン後半には、大化けする可能性も。雰囲気的には、1991年のウィリアムズや1997年のマクラーレンに近いものを感じます。

あと、入賞してファステストラップを記録したドライバーに1ポイント加算される新ルールはいいですね。ボーナスの1ポイントはスルーして無難に走りきるか、リスクを冒してでも貪欲に1ポイントを取りにいくかのかけひきはおもしろい。特にタイトル争いが大詰めになってくると、この判断がタイトルの行方を左右して盛り上がるのではないでしょうか。

つづきまして、話題は残念だったことに移ります。やつぱり、メルセデスはメルセデスだった・・・。テストでは不調が囁かれ、やっとこさライバルも追いついてきた、いやフェラーリに関しては追い抜いたといわれていたのに、蓋を開けてみたら、やっぱりぶっちぎり! 高橋竹山師匠ばりの三味線の弾きようですやん! フェラーリ陣営だけでなく、レッドブル陣営もびっくりしたに違いありません。ホンマ、トト・ヴォルフは悪いわぁ(褒めてます)。
これでハミルトンが圧勝していたら、「またですか」と萎えていたところでしたが、今回はボッタスが気合の入った走りで優勝を飾り、おもしろくしてくれました。彼にとっては今年が正念場なので、ハミルトンとバチバチ火花を散らす意気込みで勢いを維持してほしい。

そして、今回もっとも肩透かしを食らったのがフェラーリ。あれほどテストでは調子が良かったのに、本番ではウソのように失速。フリー走行までは爪を隠しているのではと期待していたのですが、ベッテルが「メルセデスはテストの時にデタラメを言っていた」とコメントした時点で、伸び代がないことが判明。レースでもまったくいいところがなく、4位・5位がやっと。単にセットアップをしくじったのか、マシン自体に問題があるのか原因はわかりませんが、次戦までに修正してください! 

もうひとつガッカリだったのが、結局トップ3チームと残りチームとのギャップはまったく変わっていなかったこと。特にルノーがイマイチ。中団チーム同士の争いもおもしろいのですが、やっぱりトップチームに食ってかかれるくらいでないと・・・。
今回はヌタ〜としたコースレイアウトのアルバート・パークだったので、チームの序列がよりはっきりと見えてくるのは次戦からになるでしょう。

開幕 カウントダウン

20190311

シーズン開幕まであと少しの今が、ある意味至福の時なのかもしれません。
とにかく今年は、予想がつかない。「テストの結果では分からない」とはいうものの、大体の序列は想像がつくものです。でも今シーズンは各チームのポジションやキャップが見えない。トップ3でいえば、フェラーリが速いのは間違いないとして、メルセデスとレッドブルがどれほどの力を秘めているのかが謎。メルセデスはハンドリングに問題を抱えているといわれながらも、テスト最終日にはきっちりとタイムを出してくるところが、やっぱりメルセデス。ハミルトンはフェラーリの方が0.5秒速いと言ってましたが、これは明らかにおとぼけ。確かにロングランのペースはイマイチでしたが、オーストラリアでメルセデスがポール・トゥ・ウィンを飾っても驚きません。

レッドブルはさらに謎。テストで使用していたタイヤのコンパウンドを考えると、やっぱりここも優勝を狙える力は持っているのかなと。それがレース単発レベルなのか、タイトルを狙えるレベルなのかは、現場のスタッフも開幕戦を終えてみないと分からないんじゃないでしょうか。ただホンダの信頼性が高いのは安心材料。時間はかかりましたが、ようやく戦える態勢になってきました。反対にちょっと不安なのがガスリー。F1にステップアップする前から勝気な性格なんだろうなというのが伝わってきて、悪い方向に進まなければいいなと思っているのですが、いきなり裏目に。1回目のクラッシュ後のコメントを見て、「これは近いうちにやらかすな」と思ったら案の定でした。彼のことなので、開幕戦から今回のマイナスを帳消しにしようと攻めてくるのは間違いなく、またまたやらかす可能性は高いでしょう。無責任に観戦する者としてはそれくらい威勢の良いドライバーの方が面白いので、縮こまらずに攻めてほしい。

残りのウィリアムズを除く6チームは、まさに団子状態。レーシングポイントが少し出遅れているように感じますが、このチームは毎年追い上げ型なので、通常運行といったところ。マクラーレンは去年に比べて随分改善された様子ではあるものの、ガチのレースでどこまで対抗できるのかは不明。それはルノーも同じ。
そうやって考えると、結局トップ3とその他という構図は変わらないということですね。昔も強いチームとそうでないチームははっきりしていたけれど、ガリガリ君の当たりクジ程度に、中堅チームがひょっこり表彰台に上ったり、ジョーダンやスチュワートが勝っちゃったりするサプライズがあったものです。トップ3の接戦も期待していますが、それよりもグループ間のギャップが縮まってほしいものです。

プレシーズンテスト スタート

50830

いよいよスペインのカタロニア・サーキットでプレシーズンテストがはじまり、2019年シーズンに参戦する10チームがニューマシンを携えて参加しました。あれ? 何か少なく見えるのですが、気のせいでしょうか……。フェラーリにメルセデス、レッドブルはいるし、今シーズンから名前が変わったアルファロメオとレーシング・ポイントもちゃんと走っているので問題なしですね。
今年はオーバーテイクを増やすため、フロントウイングの簡素化・大型化、バージボードの小型化、リアウイングの大型化などのレギュレーション変更があったものの、新しいマシンの印象はそんなに変わっていないような。セイウチノーズやデカ◯ンノーズが走っていた頃に比べたら随分マシ。最近はウイングの形状があまりにも複雑になり、仮面ライダーが乗りそうな感じになっていたので、今回のフロントウイングの簡素化は賛成です。「大してオーバーテイクは増えんやろ」というのが大方の意見ですが、こればっかりはガチでレースをやってみないとわかりません。はじまる前からネガティブになるのも何ですので、素直に期待することにしましょう。

さて、2日目を終わったところで印象的なのは、フェラーリ。昨シーズン後半の大失速がウソのように、スピード・信頼性ともに絶好調。新しく迎えたルクレールも着実に周回数を稼ぎながらトップタイムを記録。フェラーリは少なくともシーズン中盤まではトップ争いをするのは間違いないでしょう。
といってもテストなので、タイムだけでは本当のポテンシャルは分かりません。その際たる例がメルセデス。タイムはまったく気にせず(といっても彼ら的なタイム基準はしっかり持っているのでしょうけど)、ひたすらロングランをしてデータを集めていて、かなり不気味です。ここは毎年こうで、開幕戦でブッチギってドヤ顔がいつものパターン。そろそろトトの顔面が固まるところを見たい。
もう1チーム謎なのがレッドブル。今年からホンダPUにスイッチし、どうなることやらヒヤヒヤ、ワクワク。なんとも情緒が定まりません。信頼性はありそうですが、スピードはどうなんでしょう。ガスリーがクラッシュした理由として「限界を探っていた」みたいなことを言ってましたが、それにしてはタイムが平凡なのが気になるところ。
全体的にどのチームも粛々とテストをこなしているなかで、調子が良さそうなのは、マクラーレン、ハース、アルファロメオあたりでしょうか。マクラーレンはロングランのペースがどうなのか不確定ではあるものの、去年よりはずっと良さそう。やっぱり古豪が活躍してくれないと盛り上がらない。もし他にも同じような伝統あるチームがいらっしゃるのなら、一刻も早くサーキットに来てマシンを走らせてほしいものです。

フェラーリ、チーム代表交代

20190119

シーズンオフということで、ほぼ中身のないネット記事を見てお茶を濁す今日この頃。しかし現場の人たちにとってはニューマシン開発の追い込み時期で、体も頭もてんやわんやになっていることでしょう。
そんななかで唯一「えっ、そうなの?! やっぱり〜」と唸ったのが、フェラーリのチーム代表交代劇。マウリツィオ・アリバベーネ(僕のなかでの愛称は、アリババ)が更迭され、代わりにチームテクニカルオフィサーとして技術面の統括をしてきたマッディア・ビノット(僕のなかでの愛称は、ピノキオ)が後任となりました。これまでフェラーリ恒例のお祭りのごとく二人の対立が取り上げられ、チームはその度に強く否定してきましたが、結局は火のないところに煙は立たぬでした。
個人的にはアリババ、好きだったんですけどね。何といってもルックスがいい。あの出で立ちだけで、チーム代表としての役割の半分は果たしていたといっていいでしょう。やっぱり表に立つ人は、男前かどうかは別にして、人を惹きつけるものをもっていなければいけません。ただアリババは、もう半分がイマイチだったのか、チームを去ることに。この人はもともとフィリップモリスのマーケティング部門で活躍し、副社長まで出世した人なので、まるっきり残念な人ではないはず。現場でのレース経験がなかったことが、ピノキオをはじめとする技術畑の人たちから「何でレースを知らないヤツの言うことを聞かなあかんねん」と思われたのかもしれません。素人がいうのもなんですが、アリババはかつてベネトンやルノーを率いたブリアトーレのように現場のことは丸投げして、自分は旗振りをする親分的スタンスの方が良かったのかもしれませんね。

さて、新しくチーム代表に就任したピノキオの手腕は、フェラーリファンではなくても大いに気になるところ。技術者として優れていても、チーム外部と政治的なやりとりをしなければならないチーム代表として優れているとは限りません。ウワサでは、ピノキオはフェラーリ上層部に「僕をとるか、アリババをとるか決めてください」と啖呵をきったとか。大人しそうに見えて、なかなかの曲者です。
それと、技術面のマネジメントが手薄になる不安もある。メルセデスが勝ち続けるのは完全に飽きているので、フェラーリには何としてもがんばってもらわないと困ります。でもまぁ、シーズン前にこうした人事が行われ、新体制でシーズンをスタートするのは良策だったともいえます。それに技術者出身でリーダーとしても手腕を発揮したロス・ブラウンのような例もあるので、ピノキオに期待することにしましょう。

2018年シーズンまとめ

20181218

今年も個人的な印象と思い入れだけに基づいた2018年シーズンのランキングをつけてみました。

【ドライバー】
1. ハミルトン
2. フェルスタッペン
3. ベッテル
4. ライコネン
5. リカルド
6. アロンソ
7. ボッタス
8. ヒュルケンベルグ
9. ルクレール
10. ペレス
11. サインツ
12. ガスリー
13. マグヌッセン
14. オコン
15. グロージャン
16. バンドーン
17. エリクソン
18. ストロール
19. ハートレー
20. シロトキン

上位3名は昨シーズンと変わらず。ハミルトンは単にタイトルを獲っただけでなく、シーズンを通して高いレベルで安定しているところが素晴らしい。キャリアのピークといって良いでしょう。
フェルスタッペンもこれまでは有り余る才能をコントロールしきれていない面がありましたが、シーズン中盤からマックス(ダジャレではありません)ではなく95%で走る術を体得して覚醒。ムダな接触が減っただけでなく、レースの組み立て方もバリエーションが増しました。ドライバー軸でみた場合、ハミルトンを打ち破る可能性の高いドライバー筆頭でしょう。
ベッテルは速いんだけれどムラがある。現在のキャリア、あるいはチーム内のポジションで癇癪が原因でミスを繰り返しているのは結構イタい。個人的には人間味があって好きですが。
安定性という意味では、リカルドも辛いシーズンとなりました。モナコGPまでは台風の目になりそうな気配だったのに、そこからはトラブル祭り。ただ走り自体もフェルスタッペンに押されていたのは否めないところ。ルノーが来シーズン大化けする可能性はあまりなさそうなので、このままズルズルとアロンソ化してしまうのではないかと心配しています。
そのアロンソですが、ラストシーズンもハンパない才能を発揮。まったく走らず進歩のないマシンで、よくあれだけポイントが取れたなと感心します。トップチームで走っていたらと思うと、勿体なくてたまりません。
ルーキーのルクレールとガスリーは、どちらも天性のスピードがあることを知らしめ、共にトップチームへ昇格。特にルクレールは新人らしからぬ賢さも持ち合わせているようなので、来シーズンの活躍が楽しみです。


【チーム】
1. メルセデス
2. レッドブル
3. フェラーリ
4. ハート
5. ルノー
6. ザウバー
7. フォース・インディア
8. マクラーレン
9. トロロッソ
10. ウィリアムズ

開発、エンジニアリング、戦略、オーガナイズ、あらゆる要素をひっくるめた総合力は、メルセデスがダントツ。才能ある人たちとひとつにまとめる、トト・ヴォルフの手腕はもっと評価されていいと思います。レッドブルもルノー製PUというハンデがありながら、ワークスチームを遥かに上回り、何度も勝利するところが凄い。ニューウェイ率いるデザイン部門はもちろんのこと、限られたチャンスに勝ちきるところにチームのポテンシャルを感じます。対照的にフェラーリはすべてのパーツがかみ合わず、崩れていきました。表向きには否定していますが、お家芸の内部抗争のウワサが燻っていて危なっかしい。
Bリーグはまさに団子状態。そのなかで目を引いたのが去年までズタボロだったザウバーの躍進。チーム代表に就くなりホンダとの契約を解消して、フェラーリのBチーム化を推し進めたフレデリック・ヴゥスールの舵取りは、チームの置かれた状況を考えると大正解。来シーズンはライコネン加入で注目度アップです。マクラーレンとウィリアムズの凋落ぶりは話していると哀しくなるのでやめておきます。
来シーズンはレギュレーションも変わり、ドライバーも結構シャッフルされたので、これからの予想が楽しみです。

アディオス、アロンソ

20181204

2018年シーズン最終戦、アブダビGPをもってフェルナンド・アロンソのF1キャリアに一旦終止符が打たれました。25年以上F1を観続けてきて、これほど圧倒的な才能と内なるカオス〜デーモンを抱えた複雑なキャラクターはいなかったように思います。彼の才能が33回の優勝と、2度のワールドチャンピオンをもたらしたと同時に、もう一方のカオスがこれだけの記録に留めさせたといえるでしょう。
ワールドチャンピオンになるドライバーは、チームやマシンにかかわらず、最初から他とは違うスペシャルなものを見せつけるものであり、アロンソもその例外ではありません。ミナルディからデビューした年の日本GPで、BARを駆るオリビエ・パニスをブチ抜いた時のインパクトは今も鮮明に残っています。それからも才能に磨きをかけ、当時無双だったフェラーリ〜シューマッハを破って当時の最年少チャンピオンに。トップチェッカーを受けた後、マシンから降りてウサギの真似をして喜ぶ太々しい姿を見た時は、「コイツ、この先どんだけ勝つんやろ」と空恐ろしくなったものですが、その期待は尻切れトンボに終わってしまいました。
キャリアのターニングポイントになったのは、2007年のルノーからマクラーレンへの移籍。この年、デビューしたチームメイトのハミルトンやチームのボスだったロン・デニスと大揉めになって、1年でチームを去ったことがキャリア最大の過ち。もう1年チームに残っていたら2008年はおそらくアロンソがタイトルをとっていたでしょうし、その後のキャリアも変わっていたでしょう。
あまりに勝利への執念が強いためにコース外での振る舞いはいろいろ問題があったようですが、コースでの走りはクリーンでした。運転中に「GP2エンジン!」と叫んだりしたのは置いておくとして。そして、ドライビングテクニックの引き出しが多いことが彼の大きな持ち味。オーバーテイクではコーナー進入時のブレーキングだけでなく、コーナーの切り返しでバンバン抜くのがカッコ良かった。さらにレース全体の流れを俯瞰して、リアルタイムでレースを組み立てる能力も圧巻でした。ただ、こうした能力を持ちながら、自分のキャリアをしっかり見据えて組み立てられなかったことは皮肉というか、残念でなりません。せめて彼がトンガっていたシューマッハに勝負を挑んだように、アロンソも最高の状態で次世代のドライバーと真っ向勝負をしてキャリアを終えてほしかった。
もうひとつ褒めポイントを挙げると、彼はチームメイトに滅法強かった。ハミルトンとバトン以外は、ほぼフルボッコ。贔屓にしていたフィジケラが叩きのめされた時は随分恨めしく思いましたが、レースでの強さは敵ながら認めざるをえませんでした。余談ですが、アロンソやハミルトンにシレッと勝ってしまうバトンって、喰えぬ男です。
ひとまずF1から去るアロンソですが、まだまだギラつきは失っていません。次の目標に掲げているトリプルクラウンも、彼なら結構早くに達成するんじゃないでしょうか。

5タイムチャンピオン! ルイス・ハミルトン

20181201

そうなることは誰もが分かってましたが、まったくその通りにメキシコGPでルイス・ハミルトンが5度目のドライバーズ・タイトル獲得を達成しました。フアン・マヌエル・ファンジオと並び、シューマッハの7回に次ぐ史上第2位となる偉業。こんな記録抜くの、絶対にムリ!と思っていたシューマッハのドライバーズ・タイトル獲得数と優勝数を抜くのも現実味を帯びてきました。デビューイヤーからただ者でない実力を見せつけていたものの、まさかここまでのドライバーになるとは。メルセデスの無双状態を考えてもすごい。前は結構テンパるタイプだったのに、いつの間にか落ち着きも身につけ、ドライバーとしての完成度をグッと上げました。どこまで数字を伸ばせるのか見たいような、見たくないような。どっちにしても、もうしばらく絶頂期をキープオンして、次の時代を担うドライバーとがっぷり四つで戦って白黒つけてほしい。その相手はフェルスタッペンなのか、ルクレールなのか、はたまたストロールなのか。楽しみです。

さて、2018年シーズンは、前半はフェラーリが好調で盛り上がったものの、中盤からは見事なまでの尻すぼみ。まぁ、前半からチームの戦略ミスやら、ベッテルの癇癪ドライビングやらで、ポイントを取りこぼしてましたけど……。そしてターニングポイントとなったドイツGP。トップ快走中に、一人で勝手にコースオフからのリタイヤがきっかけとなり、一気に失速。さらに後半はメルセデスがチーム戦略やセットアップなど、あらゆる面の精度を上げてきて、フェラーリは打つ手なし。緊張の糸が切れたベッテルはつまらないミスを連発するという悪循環。チームもドライバーもメルセデスに完敗でした。
この展開は、完全に去年のコピペ。チーム代表のアリバベーネさんには好感を持っているんですけど、いまいちリーダーシップが足りない。そんな状態でベッテルの脅威となるかもしれないルクレールを迎え入れて大丈夫なんでしょうか。さらなるカオス状態を招くのではないかと心配……というより期待しています。

アメリカGP〜待ってました、ライコネン優勝!

20181027

ライコネン、約5年ぶりの勝利! どれほどの人が、この瞬間を待っていたことか。これまで届きそうで届かなかった表彰台の頂き。これまでチーム戦略や自らのドライビングなど、いろいろな要因で悔しい思いをしてきましたが、今はそんなことはどうでもいい。ライコネンや彼を応援する人たちと共に喜びを噛みしめたいと思います。
今回改めて感じたのは、“みんなライコネンが好き!”ということ。パルクフェルメでマシンから降りても、他のドライバーのようにチームスタッフのところに駆け寄って抱き合ったりはしない。ただ照れくさそうにサムアップするだけ。それなのにスタッフはみんな喜びを爆発させ、ライバルたちも「今日はキミの日だ」と祝福する。それは、彼の才能へのリスペクトと、愚直なまでに真っ直ぐでウソのない人柄に対する親愛があるから。
マクラーレン時代の速さをリアルタイムで見た人は、フェラーリ移籍後のどこか吹っ切れない走りにもどかしさを感じたこともあったでしょう。またフェラーリ復帰後の走りにガッカリしたこともあるでしょう。僕がそうでした。でも、何か応援したくなるんですよね。この感覚は、同郷の先輩、ミカ・ハッキネンに対する想いと似ています。

今回のライコネンの走りは、人並みはずれた感度でタイヤの状況を見極め、スムーズにマシンを操るという彼の持ち味を、”今“できる最高のかたちで披露してくれたように感じます。純粋な速さにおいてはハミルトンやフェルスタッペンが上回っていたかもしれません。でも、それをテクニックと経験でおさえきった。これこそが、レースの醍醐味。
イタリアGPで優勝を逃した時に、必ずもう一度チャンスが訪れると書きました。そして、その通りになり、彼がチャンスをものにしてくれたことが最高にうれしい。もしかしたら、もう1回くらい勝つかもしれませんね。お祭りということで、厚かましく期待することにしましょう!

行く人、来る人

20180913

フェラーリが思いきった決断をしました。
来シーズンは元ワールドチャンピオンで人気者、そして今シーズンは優勝こそないものの好調なキミ・ライコネンに代えて、まだ1年しか経験のないシャルル・ルクレールを迎えることに。フェラーリは基本的に“今”最高のドライバーを使うチーム。これまで若手を起用したり、育成ドライバーがF1にステップアップしてきたことはありますが、大きな成果は挙げていません。そういった面から考えても、自チームで次世代のエースを育てるのはレアケースであり、大きな賭けといえるでしょう。
今回の起用は、最近の例でいえばフェルスタッペン、フェラーリの歴史を遡ればアレジを抜擢した時に似た期待感があるように思います。

今回の大抜擢は、最近トップチームのラインナップに新鮮味がなかったので大歓迎。しかもイケメン枠もキープできるので、チームとしてはマーケティング面でも期待しているのは間違いありません。もし、ビアンキとコンビを組むことになっていたら、最強の顔面偏差値でした。

肝心のルクレールの実力はというと、ジュニアカテゴリーの成績は非の打ち所がないほど。F1に上がった今シーズンは、チームメイトがエリクソンだけに評価しづらいところですが、現時点での予選の勝敗は10勝4敗(グリッド差は約2グリッド)。決勝の勝敗は両者リタイヤのレースを除いて7勝6敗(獲得ポイントはルクレール12ポイント、エリクソン6ポイント)。
決勝での安定感はまだまだですが、予選に関しては4戦目から圧倒していて、ポテンシャルの高さを感じさせてくれます。が、あくまで比較対象がエリクソンなので、本当に読みにくい。ただ、エリクソンは一部で揶揄されているほど遅いドライバーとは思っていないので、ベッテルを焦らすくらいの走りをみせてくれることを期待しています。


さて、ルクレールのフェラーリ加入より驚いたのが、ライコネンのザウバー復帰。しかも2年契約。ライコネンの走りをもう少し見られるのは嬉しいものの、「今さら何で?」という思いの方が強かったのが正直なところ。でも、シンガポールGP前に開かれた記者会見での、超シンプル&明瞭な回答を見たら、「やれるところまでやりきってください」という気持ちになりました。若手の頃はさっさとF1に見切りをつけるタイプだと思っていたので、まさかここまで長いキャリアになるとは思いませんでした。ロータス時代のようにザウバーでもトップチームを食う走りをしてほしいものです。

最近取り沙汰されている“若手のシートがない問題”については、需要があるからシートをゲットできるワケで、ライコネンをどうのこうの言うのはちょっと違うと思います。問題は、チーム数が少ないこと。しかも大半のチームが財政難を抱えていて、特定のスポンサーの意向を汲まなければならないこと。こういう状況をみると、予算枠の導入は不可避じゃないでしょうか。

また、ライコネンとルクレールがスワップしたのは、万が一ルクレールが期待外れだった場合にライコネンを呼び戻すためなんてことも言われているみたいですが、個人的にはそれはないと思います。そんなことをしたら、あまりにもライコネンに対してリスペクトがない。それにチームの将来を考えるなら、それこそ他の有望な若手に託すべきでしょう。

バンドーン、マクラーレン離脱

20180911

こんなもんだったっけ……。
大型ルーキー、もしかしたら将来のワールドチャンピオンと期待され、F1デビューを飾ったストフェル・バンドーンの(今のところの)感想を一言にまとめると、こうなります。
しかしこれは、期待していたファンや関係者よりも本人の方が強く感じていることでしょう。なにしろ、あれよあれよという間にF1ドライバーとしてのキャリア終了の危機に瀕しているのですから。

彼は下位カテゴリーで着実に結果を出してマクラーレンの育成ドライバーとなり、GP2でタイトル獲得してF1にステップアップした、いわゆるエリート。しかし幸か不幸かマクラーレンからF1デビューしたことがキャリアを左右するポイントとなりました。かつての名門チームの状態は、整体師に診てもらった方が良いくらいの右肩下がり。マシンはクソがつくほど遅く、首脳陣は取っ替え引っ替え、そしてチームメイトはアロンソと、なにひとつ良いことなし。最悪のタイミングでデビューしたといっても過言ではありません。これならザウバーあたりでペイドライバーといわれるチームメイトにそこそこ勝って、何度かポイントゲットした方がよっぽど良かったでしょう。

出だしはアロンソの代役でスポット的に出場し、いきなり予選で元ワールドチャンピオンのバトンを上回るという最高のスタートでした。しかし、それが(今のところ)最初で最後の見せ場となっています。
フル出場を果たしてからは、アロンソのちょっと下あたりをウロウロする安定ぶりを発揮。昨シーズンの中盤はポイントでアロンソを上回り、ここから本領を発揮するのかと思っていたら、逆に手も足も出なくなってしまいました。それでも今年の序盤は地味ながらもポイントを取っていたのに、第4戦のアゼルバイジャンGPからは坊主状態。完全に自信を失っていることが、表情やコメントから伝わってきて可哀想になるくらいです。推定7億円という破格のギャラを思い出すと、そんな想いも吹き飛びますが。

チームスタッフやドライバーからの評価は高く、才能・実力があるのは間違いないのでしょう。ただ、F1での走りを見る限り、まったく覇気を感じないんです。大きなミスはしでかさないけれど、コイツはタダモノじゃないと思わせることもない。(今のところ)彼の走りにまったく魅力を感じません。
これまでトップにのぼりつめたドライバーは必ずといっていいほど衝撃的な走りを見せてくれたし、同時に信じられないポカをして呆れさせてくれました。最近ではフェルスタッペンや、ガスリー、ルクレールもそういった走りをしているのに、バンドーンは大人しくまとまってしまっている。ミスをしたところでどうってことのない状況なのに。若手なんだから、はっちゃけろと言いたい。

アロンソとのタイム差はそれほど大きくないのかもしれません。でも、中団がひしめき合っている今の状況では、コンマ2秒を引き出せるがどうかが勝負の分かれ目になり、それがアロンソとの差になっているのだと思います。
残念ながら彼には自分が感じる限界からさらにコンマ2秒を削る才能がないのかもしれません。でも彼に注目した者としては、それは(今のところ)であってほしい。マクラーレンを離れ、のびのび走れる環境に出会い、秘めている力が覚醒することを期待しています。

話は変わりますが、デビュー1年目で当時ワールドチャンピオンだったアロンソと互角以上の戦いを繰り広げたハミルトンって、やっぱりバケモノですね。
バンドーンに代わって抜擢された、これまたマクラーレン育成ドライバーのランド・ノリスは活躍できるのか? こちらも注目です。

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