KITSCH de F1

F1徒然日記。

地味なヒュルケンベルグ運気上昇

20180426

ここ数年、地味過ぎて逆に目立っているヒュルケンベルグ。大きな要因となっているのが、表彰台未登壇記録。去年のシンガポールGPで前記録保持者エイドリアン・スーティルに並び、目下記録更新中。
「スーティル時代に幕を下ろし、これからはヒュルケンベルグ時代がスタートする」とは、スーティルの記録に並んだ時に質問された時の彼のコメント。なかなかナイスな返しです。
F1でながくキャリアを積むドライバーには、ふたつのパターンがあります。ひとつは実力でチームとの契約をつかみ取るタイプ、もうひとつはその他のオプションサービス込みでコジ入るタイプで、ヒュルケンベルグは明らかに前者。彼の速さ、特に予選一発の速さは関係者の間でも評価が高く、大きなスポンサーを持たないにも関わらず、今もワークスチームのステアリングを握っています。僕もデビューイヤーのブラジルGPでポールを獲って以来、ご贔屓にしています。

玄人筋からも認められるヒュルケンですが、これまでのキャリアは決して順風満帆とはいえません。ウィリアムズからデビューしたシーズンは前述の通りポールを獲るなど随所に光る走りを見せたものの、チームの懐具合のせいでマルドナド師匠にシートを奪われ、浪人する羽目に。フォース・インディアから復帰してそこそこの成績を残し、「いよいよトップチームへステップアップするための準備や!」ということで、当時ジェームス・キーが手掛けるマシンで好調だったザウバーへ移籍。ところが翌年のザウバーは大コケ。1年でフォース・インディアに出戻りとなります。このあたりから“持ってない”というか、フィジケラの後継者の香りが漂いはじめます。
フォース・インディア復帰後も予選では持ち前の速さを発揮するのですが、レースになるとチームメイトの曲者ペレスに先行されることもしばしば。予選が良かった時に限ってトラブルが出るという不運もありましたが、ちょこちょこ接触したり、川井氏が指摘するタイヤマネジメントのマズさのせいでズルズルと順位を下げたりすることもあり、キャリア的に停滞状態でした。

そんな彼がここのところ地味に再評価されつつあります。きっかけは、サインツのルノー加入。サインツはレッドブル傘下のドライバーの中で、フェルスタッペンに次ぐ若手のホープ。フェルスタッペンとのレッドブル昇格争いでは敗れたものの、実力者であるのは間違いありません。そんな彼がルノーに入り、ヒュルケンとガチで対決することは、多くのF1ファンにとって密かな楽しみなんじゃないでしょうか。ドライバー本人も、この対決が自分の評価を決定づけると承知しているはず。
で、開幕3戦までは、予選・決勝ともにヒュルケンの完勝。3戦の予選タイムの差を平均すると約0.25。サインツはチームに加入してまだ日が浅いというハンデはあるかもしれませんが、この差は小さくない気がします。
サインツも期待しているドライバーなので巻き返しを図ってもらいたい。
去年までルノーにいたパーマーよりもグッとギャップを縮めてきたのはさすがなんですけどね。
でもヒュルケン贔屓としては、チームメイト対決を制して、お試しでも、次の世代へのつなぎ役でもいいから、メルセデスかフェラーリに移籍してほしい。相手がハミルトンでもベッテルでも、地味にいい勝負してくれると思ってます。

中国GP〜リカルドとは対照的なガッカリな件

20180418

まずはフリー走行後のゴタゴタと決勝での混戦を乗り越えて優勝したリカルドにアッパレ! セーフティーカーが入ったと同時にタイヤ交換をさせた戦略に応え、怒濤のオーバーテイクショーを披露。ドカンと一発、ダイナマイトブレーキで相手を仕留めるテクニックと度胸はピカイチ。しかも彼の場合、闇雲に突っ込むのではなく、しっかりと仕込みをしてから迷いなく仕掛けるので成功率が高い。特にボッタスを抜いた時は意表をつかれてビックリ。ボッタスが一度牽制したので「もうこのコーナーでは攻めてこないだろうと」と、一瞬脇が甘くなったところにズコンと入ってくる切れ味の鋭さ。お見事です。昨シーズン後半からイケイケのチームメイトが目立つことが多くなり、微妙に厳しい状況になりつつあっただけに、この1勝は新たな契約を結ぶうえでも大きな意味をもつでしょう。リカルドには来シーズ、チャンピオン争いをしてほしい。

リカルドの活躍とは対照的に「何をやってんだッ!」と唸りたくなることもたくさんありました。まずは、フェラーリ。どういうつもりでライコネンの第一スティントを引っ張ったのか? 順位を争っているライバルたちがコンパウンドの柔らかい新しいタイヤに履き替えてタイムアップし、ライコネンは走りつづけることに何のメリットもないのにピットに呼び戻さず、案の定、ハミルトンとリカルドにアンダーカットされる羽目に(無策過ぎてアンダーカットとさえ言えないよな)。まるで、のしを付けてライバルにポジションを差し出したようなもの。しかもドサクサに紛れて、ベッテルもボッタスにアンダーカットを許してしまう大失態。結果的にピットインを遅らせたライコネンにボッタスをおさえる役割をさせましたけど、失策のせいでたまたまこうなっただけですから。出来の悪い映画のドンデン返しで、「実は見方も欺いていた」という展開がよくありますが、その大半が「そもそも欺く必要ある?」「単に状況をややこしくしただけじゃね?」というパターン。今回のフェラーリはこれと似たようなものです。……違うか。
そこまでライコネンを粗末に扱うのなら、割り切ってセカンドドライバーとしての役割を任せた方がマシ(それなら他のドライバーで良いと思いますが)。ここんところを曖昧にしているからベッテルがスタート時に強引な幅寄せをしたりするんです。
ライコネンも今シーズンは調子が良いとはいえ、やっぱり苦しい。スタートでボッタスとフェルスタッペンに抜かれたのは仕方ないとしても、その後のレースペースが明らかに遅い。レース後半のボッタス攻略にしても、これといったアタックもないままヌルッと終了。残念ですが、確実に切れ味鈍ってます。

もう一人の「何をやってんだッ!」は、フェルスタッペン。今シーズンははじめから落ち着きのなさが気になっていましたが、だんだん症状が重くなってきています。ここんところバトルになると、「何かしでかす気がする……」「しでかすに違いない」「やっぱりしでかした!」の三段活用状態。アグレッシブという彼の持ち味が、悪い方に作用しています。
観ている方はおもしろいけれど、やっぱりこのままではマズいでしょう。はやめに攻撃性と安定性のバランスを見つけないと、荒っぽいだけのドライビングが身にしみてしまうので、首脳陣はしっかりと注意してあげることが必要です。

その他にも何か物足りないバンドーン、クルクルまわってばかりのルクレールなど、期待しているだけにイライラするドライバーがいるのですが、もう少し辛抱して見守ることにします。

バーレーンGP〜善くも悪くも、これが現実

20180412

バーレーンGPはスタート直後から思わぬトラブルが発生し、そこそこのバトルもあり、中盤はトップチーム間の作戦合戦となり、クライマックスはドライバーによるギリギリの攻防で締めるという、ハリウッド映画のようなメリハリのある展開になりました。
開幕戦は各チームとも手探り状態で、特殊なコースレイアウトもあってマシンの性能が分からないところもありましたが、今回のレースで少なからず見えてきました。
まず明らかになったのは、フェラーリのSF71Hが意外に“できる子”であること。前戦はパフォーマンス的にはメルセデスに大きな差をつけられていましたが、今回は予選でフロントローを独占し、レースペースもメルセデスとがっぷり四つを組める速さがありました。
ただこのチームは、戦略陣がユルいのが難点。この前はせっかくうまくやれたのに、またまた逆戻り。何で快調に1-3体制でレースを展開しているのに(しかもハミルトンは後方に下がっているのもかかわらず)、先にベッテルをピットに呼び戻して敵に手のうちを見せてしまうのか? これって長嶋監督がスクイズのサインを出す時にバンドのポーズをしちゃったレベルでしょ。案の定ベッテルが2ストップ作戦であることを確認したメルセデス陣営は1ストップ作戦で揺さぶってきて、あたふたする羽目に。普通であれば、3番手のライコネンを先に入れてボッタスに対してアンダーカットを仕掛け、メルセデスの反応に応じてベッテルが動くというのが定石だと思うのですが。そもそも何でフェラーリはフリー走行でミディアムをテストしなかったのかが不思議です。
そんな残念な戦略をカバーして優勝を勝ち取れたのは、ベッテルのおかげ。イマイチ、マシンに乗れていなくてもポールを獲って、ライバルの激しい攻めをしのいで勝ちきるのは、まさにエースの仕事。高いギャラ払っている値打ちがある。もしトップを走っていたのがライコネンだったら……。というか、スタートでボッタスに先を行かれた後、ジリジリと離されていくのを見ると、セカンド扱いされてもしゃーないなというのが正直なところ。今年のライコネンは調子が良いのでどこかで勝ってほしいんですが、この人は運のなさをどうにかしないと……。今回もタイヤ交換でちゃんと装着できていないにもかかわらずリリースしてしまい、クルーが轢かれてしまうアクシデントが発生。オーストラリアでもハースが同じアクシデントを起こしていたので、タイヤ交換が終わったことを知らせるシグナル方式は見直す必要がありますね。

レッブドルは素晴しいマシンを用意してきたのに、完全につまずいてしまいました。特にフェルスタッペンに落ち着きがありません。予選で下位に沈み、レースで挽回しようとしてハミルトンと接触してリタイヤ。よくあるレースアクシデントですが、避けようと思えば避けられる接触。それはエイドリアン・ニューウェイの「何やってんだぁ〜」という表情が物語っています。フェルスタッペンは、相手が引いてくれることを前提にしたバトルが多いように思います。新人の頃はライバルたちも「やんちゃなヤツやな。ムキになって巻き込まれたらたまらん」と、引いてくれることもあったかもしれませんが、トップドライバーがそうそうそんなやさしい態度をとってくれるはずがありません。フェルスタッペンは、争っている相手も自分と同じ「オレ様がいちばん!」と疑わない人ばかりだということを頭に入れておいた方がよいでしょう。

今回のサプライズは、何といってもトロロッソ・ホンダ。オーストラリアでは信頼性も速さもなく、世界中から「やっぱりダメじゃん」というツッコミが入りましたが、それからたった2週間でまったく別のマシンに生まれ変わったようにパフォーマンスを上げ、ガスリーが4位をゲット。空力面を改良したとのことですが、今のF1でいきなりこれだけの効果が出ることはまずあり得ない。かなり謎です。このパフォーマンスアップにどれだけホンダPUが貢献しているのか、本丸のレッドブルは徹底的に分析しているでしょう。

一方、マクラーレンは予選でまったくタイムが伸びず大苦戦。マンスール・オジェをはじめ大株主たちがサーキットに来ていたため、エリック・ブーリエの顔は能面のように固まってましたね。そもそも論ですが、ブーリエさんはコレといった成果を挙げていないのに、なぜに現場トップの座にすわりつづけられているのでしょう。個人的には、ロン・デニス追放劇に巻き込まれて、居るのか居ないのか分からないままチームを去ったヨースト・カピート氏の方が良かったと思います。マクラーレンのバタバタはしばらくつづきそう。といっていたら、ザック・ブラウンがF1チームのCEOも兼任することになりましたね。

オーストラリアGP〜メルセデス陣営、キョトンの巻

20180329

ながく寒い冬が終わり、やっとこさ開幕した2018年シーズン。開幕戦は、昨シーズン終盤からプレテストまでの流れをもとにあれこれ思いめぐらせた予想の答え合わせをする場でもあります。下馬評通り、メルセデスが圧倒的に速いのか。フェラーリ、レッドブルがどこまでキャップを詰めてくるのか。トロロッソ・ホンダは華々しいデビューを飾れるのか。マクラーレンはPUが壊れたら、ルノーにもキレるのか。その答えが明らかになります。
結果から言うと、ほぼほぼ大方の予想通りだったのではないでしょうか。ただ、メルセデスの速さは予想以上。しかもハミルトンが好調。同じマシンに乗るボッタスに対しても大きな差をつける状態。そして予選では2位のライコネンに0.6秒の差をつける圧倒ぶり。こちらとしては、まだメルセデス〜ハミルトンの天下がつづくのかと、暗い気分になってしまいます。

ところが、レースでトップチェッカーを受けたのはフェラーリ〜ベッテル。ハースがやらかしてVSC状態の間にタイヤ交換をしたことで、3位からトップにジャンプアップ。メルセデス陣営もキョトンとしてしまうドンデン返しでした。
メルセデスとしては完全にレースをコントロールしていて、もっと速く走ろうと思えば走れただけに痛い。トト・ウォルフはソフトのバグと説明しているようですが、どちらかというと設定要素が抜けていた人的ミスっぽい。

しかし今回のハプニングはフェラーリの頑張りが引き寄せたともいえるでしょう。ライコネンがレース序盤しっかりとハミルトンに食らいついてハミルトンにアンダーカット対策をさせ、ベッテルの第一スティントを伸ばす賭けに出ることができた。そこに運良くVSCが入ったということです。もちろん運を結果につなげるためには、シューマッハばりにピットインの出入口で攻めるベッテルの走りが不可欠だったのはいうまでもありません。今回はめずらしく、フェラーリがチーム力でメルセデスを打ち破ったレースでした。

その他で目を引いたのはハースの躍進。去年のフェラーリのレプリカと揶揄する人もいてますが、参戦3年目のプライベートチームで4位・5位を走るのはアッパレ。帳尻を合わせたのかどうかは分かりませんが、「考えられへんッ!」結末でしたが……。彼らにはこの調子でレースを引っ掻き回していただきたい。
トロロッソ・ホンダは、もう少し頑張ってくれることを期待していたのですが、現実は厳しいですね。これでレッドブルは、「PUのレギュレーションが変わるまでホンダはないな」と確信したでしょう。
対照的にプレテストで散々だったマクラーレンがそこそこのレースをしたのは、腐っても鯛といったところ。それでもトップ3のはるか後方です。

今回はフェラーリがファインプレーで勝利をつかみ取りましたが、マシン性能はメルセデスがダントツなのは明らか。フェラーリとレッドブルには「相手がパーティーモードなら、こっちは乱交モードだ」くらいの勢いで、予選のスピードを改善してほしいものです。
いろいろ課題はあるものの2018年シーズンは結構おもしろい! でも、PUの3基規制はホンマに要らんわ。

プレテスト修了〜トロロッソ・ホンダ好調!

20180310

今年のプレテストはおもしろい! ハロとかいう妙な支柱がついた他はほとんどレギュレーション変更がなかったこともあり、各チームはマシンの熟成(ライバルチームのいいとこ取り)に集中できたことでギャップが縮まり、混沌としてきました。
そんななかで最も注目されるのが、トロロッソ・ホンダとマクラーレン・ルノー。マクラーレン首脳陣がのたまうように、PUをホンダからルノーに替えたことでトップクラスの速さを発揮できるのか? 去年のホンダPUのトラブル祭は本当にホンダのせいだったのか? 一部の人の間では戦犯者探しが繰り広げられています。(個人的には、“どっちも悪かった”で間違いないと思っています)
蓋を開けてみると、トロロッソ・ホンダは絶好調なのに対してマクラーレンは絶不調。ホンダPUは去年が嘘だったように信頼性が向上。しかもジェームス・キーによるマシンの素性の良さもあり、スピードもある。一方、マクラーレンはテスト初日から300円のナットから排熱処理まで、バラエティに富んだトラブルが続出。まさに「天と地」「雲泥」「月とスッポン」くらい違う。
こうした状況から「やっぱり、そっちが悪かったんだ」云々言うことはでき、ちょっとおもしろかったりもしますが、品がなく不毛なのでひかえたいと思います。ただ言えるのは、ホンダは去年の課題を克服し、マクラーレンはルノーPUにスイッチしたことによる課題を抱えたままということ。また、マクラーレン首脳陣がこれだけトラブルが出ているのに、終始「たいしたことではない」と言っていることが気になります。スポンサー獲得のためにフリをしないといけないのかも知れませんが、そういう姿勢ってチーム全体に蔓延してしまうので、締めるところはキチンと締めた方が良い。ロン・デニスならケアレスミスひとつで露骨に不機嫌な顔をするでしょう。そいったところでも以前のチームではないんだなぁと感じます。それでもテストの最後にアロンソがそこそこのタイムを出してくる辺りはさすが。シーズンを盛り上げるためにも挽回してくれることを期待しています。

テストは各チーム異なる条件でデータを取り、三味線を弾いているところもあるため、はっきりとした力関係は分かりませんが、メルセデス、フェラーリ、レッドブルの3チームが別次元にいることは間違いありません。なかでもロングランしかしていないメルセデスは大きな爪を隠しているのは明らかで、不気味のひと言。おそらくハイパーソフトで走ったら軽く16秒台を出す気がします。その辺が、フェラーリ陣営が好調ながらイマイチ嬉しくなさそうにしている理由でしょう。

中団争いは熾烈。目を引くのは参戦3年目のハース。このチームは毎年序盤が良くて、そこから尻すぼみになっていくパターンを構築しているので、今年もグロージャン&マグヌッセンの狂犬コンビでシーズン序盤をかき回してほしい。もちろんトロロッソ・ホンダにも期待しています。
テスト関連の記事をみた印象では、メルセデスが頭ひとつ出ていてその後にフェラーリ、レッドブルが続くというトップ3の構図は変わりなく、その後にルノーとマクラーレン、次のグループにトロロッソ、フォース・インディア、ハース、ウィリアムズがきて、だいぶ間を置いてルクレール、さらに間を置いてエリクソンという感じでしょうか。
2週間後のメルボルンが楽しみ過ぎます!

新車お披露目

20180226

いよいよ2018年シーズンに向けて、各チームが新車を発表。どこのチームが、どんなアイデアを盛り込んでいるのか。どのマシンがカッコ良く、速そうに見えるか。チームの力関係は変わるのか。そんなことをあれこれ夢想する今の時期が、ある意味いちばん楽しいかもしれません。
メカニカルなことに疎く、形状もホルスタインの模様と同じくらいざっくりとしか見ていませんが、それでもカッコ良いと感じるマシンと、そうでないマシンがあります。
また今年はレギュレーションに大きな変更がないため、去年のデータを分析してどれだけ煮詰められるか、または他人のチームのアイデアを拝借できるかがポイントになることは間違いありません。

まず最初に目が行くのが、今シーズンから導入されるハロ。いろいろ意見が分かれていますが、個人的には「できることならチェーンソーで切り落としたい」と言ったトト・ウォルフに同意します。もちろんドライバーの安全性は確保されるべきですが、どこまでという塩梅が問題であり、ハロは見た目だけでなく、F1のアイデンティティにもかなり影響をおよぼしていると思うのです。
で、新車に取り付けられた印象は、「やっぱり要らんなぁ」。そのうち見慣れるとは思うのですが、「F1マシン=もっさりしている」という印象が通奏低音になってしまいそう。ジャン・トッドさんには早急に再考していただきたい。

さて、今回の新車発表でいちばんのインパクトを与えたのは、迷彩柄をあしらったレッドブルでしょう。迷彩柄というと、日本人にとっては2007年にホンダが投入したRA107のアースカラーが頭をよぎりワキ汗が出ますが、こっちは洗練されています。暫定カラーということで、本番では従来のカラーリングをベースにしたものに戻るとのこと。確かに走っている姿は明るい色を加えた方が映えるでしょうね。

いちばん残念なことになっているのがマクラーレン。往年のパパイヤオレンジが復活とのことですが、何か異常にダサいんですけど。変なブルーとの組み合わせのせいなのか、サイドにスポンサーのロゴがないせいなのかは分かりませんが、とにかくダサい。マルボロやウエスト時代はイカしてたのになぁ……。今年は勝負の年なのに、いきなりスベッてかなり心配です。とりあえずサイドに「McLaren」のロゴ入れときましょ。

フェラーリは独自の路線を突っ走っていて、その意気や良し!という感じ。カラーリングも深紅と黒に組み合わせに変更されて、グッとカッコ良くなりました。
ただ、カッコ良さでいうなら、やはりメルセデスが断トツ。無駄なものが取り除かれ、洗練されている。見るからに速そうです。ただ、去年のトリッキーな性質を改善したという割にはマシンが極端にスリム化されていて、余計に神経質に見えるような……。そんな門外漢の心配などよそに、PUはさらにアグレッシブな開発を行ったとか。先さき行きよるなぁ。やっぱり大本命ですね。

2017年シーズン

20180110

仕事で忙殺状態がつづいたためシーズン終盤はブログの更新が滞っていましたが、ぼちぼち再開したいと思います。もう、ハミルトンが4度目の栄冠をつかんで随分時間が経つので、今回は2017年シーズンを個人的なランキングで振り返りたいと思います。

【ドライバー】
1. ハミルトン
2. フェルスタッペン
3. ベッテル
4. リカルド
5. ボッタス
6. ヒュルケンベルグ
7. オコン
8. ライコネン
9. サインツ
10. アロンソ
11. ペレス
12. バンドーン
13. グロージャン
14. マグヌッセン
15. マッサ
16. ウェーレイン
17. ストロール
18. クビアト
19. エリクソン
20. パーマー

2017年のベストドライバーは文句なしでハミルトン。シーズン通してほぼ完璧。大きな要因として、ロズベルグが抜けてチームが完全に自分中心の体制となり、精神的に落ち着いた状態でレースに臨めたことが挙げられます。ただ、シーズン前半にベッテルに先行されていた時も地に足が着いていたところは本人の進歩といえるでしょう。心技一体、彼もいよいよ円熟期をむかえましたね。
2位のフェルスタッペンも大きく成長したドライバーの一人。まず予選が格段に良くなり、レースでも強引だった走りがアグレッシブな走り程度に調整され、全体の完成度がアップした印象。20歳でこのレベルに到達しているというのは空恐ろしいです。リカルドもシーズンを通じて素晴しい走りをしましたが、フェルスタッペンとの予選対決や決勝でお互いに完走した時の成績を見ると、押され気味でした。チーム移籍を視野に入れている来シーズンはリカルドにとって正念場です。
ボッタスのメルセデス1年目は及第点といったところ。いきなりトップチームに移って良くやったともいえるし、ハミルトンとのチームメイトバトルという点では物足りなかったともいえます。彼には大人しいNo.2におさまらず、ハミルトンやトト・ヴォルフを困らすくらいの攻めの走りをしてほしいものです。
ある意味、今シーズン最も評価を上げたのがオコンといえるでしょう。前半はコバンザメのようにペレスの後ろにピタリとくっつき、中盤からはペレスを上回ることも。当然ながら二人の関係はバチバチ状態。F1のチームメイトバトルはこれくらいの緊張感がないと。一通りのサーキットを経験したので、来シーズンどれだけ化けるかが楽しみです。
期待のバンドーンは、ちょっと肩すかしだったような……。シーズン序盤はトラブルが多発して走り込むことができずかわいそうな一面もありましたが、もう少しアロンソに食いついてくれると期待していました。少なくともワールドチャンピオンになった人たちのようなインパクトはなかったなぁ。それでも徐々に改善し、一時はポイントでアロンソをリードしていたので来シーズンの飛躍を期待しましょう。


【チーム】
1. メルセデス
2. フェラーリ
3. レッドブル
4. フォース・インディア
5. ルノー
6. ハース
7. ウィリアムズ
8. トロロッソ
9. マクラーレン
10. ザウバー

チーム(コンストラクター)も4連覇を果たしたメルセデスで決まりです。モナコまではマシンに問題を抱えていたものの、そこから改善してまたまた無双状態にしたのが素晴しい。しかも速いだけでなく壊れない。このチームは規模がデカいだけでなく、統率がとれている。ここまで完成されたチームって、過去を振り返ってもシューマッハ全盛期のフェラーリくらいしか思い当たりません。
フェラーリも今シーズンの盛り返しは見事でしたが、メルセデスと比べるとどの面においてもあと一歩。シーズン後半は完全に力負け。しかもお家芸の内輪もめの火種もくすぶっていて(マッチを擦っているのは大概マルキオンネ会長)、かなり不安です。
そう考えると、メルセデスの対抗馬になるはレッドブルかも。開幕にしっかりとマシンを仕上げて、ルノーにもそこそこレベルのPUをつくってもらえばいい線いくでしょう。
その他、伸びてきそうというか、伸びてこないと困るのがルノーとマクラーレン。特にマクラーレンはレッドブルと同じルノー製PUを積むので、自慢のシャシー性能がどれほどのものなのかが明らかになるので注目です。
それはトロロッソ・ホンダも同じ。マクラーレンよりもレッドブルの方が突き上げは厳しいので、ホンダは「長期的なビジョンがどうした」だの、「人材育成云々」だの、悠長なことは言ってられません。また現行レギュレーションでの開発だけでなく、2021年のレギュレーション改定に向けてのアプローチにも力を入れないと、またまた置いてきぼりを食らうことになるので、ひとまず武士道は置いといてルノーみたいにエグいことをする押しの姿勢で臨んでほしいものです。
最後は尻すぼみになった2017年シーズンですが、2018年に期待を抱かせるおもしろいシーズンだったと思います。

日本GP〜自らとどめ

20171015

なんだかなぁ……。せっかくシーズン前半は「今年は久しぶりに盛り上がりそう」と期待していたのに、こんな尻すぼみになるとは。まぁ、これもF1といえばそうなんですけどね。
ファンは地団駄を踏んで悔しがるだけでいいんですけど、チーム関係者はそうはいきません。間違いなく暗黒大魔王マルキオンネは怨念の炎をメラメラ燃やしていることでしょう。チーム代表のアリバベーネが最近、すっかりしょぼくれて見えるのはこのことと無縁ではないはず。
今回のリタイヤでベッテルのタイトル獲得の可能性はほぼ消滅したといってよいでしょう。ベッテルとしてはやりきれない気持ちで一杯でしょうけど、表向きは一切チーム批判をしないのが偉い。そんなことをしても結局、自分が損をすることを分かっているのでしょう。アロンソもこの辺のところをベッテルから勉強させてもらってもよいかもです。ただ、もし自分がベッテルと同じ立場に立ったら、マルキオンネと一緒に躍起になって犯人探しをして吊るし上げそうです。

フェラーリのドタバタぶりに比べてメルセデスは実に安定感があります。多少マシンがきまっていなくてもダメージを最小限に抑えて、次戦にはしっかり改善してくる。スタッフの層が厚いことに加え、トト・ヴォルフをはじめとするマネジメント陣も優秀なのでしょう。
レッドブルはマネジメントに関してはパートナーに対して横柄な態度をとったせいで自分が窮地に立たされるという子どもっぽいところがありますが、マシン開発に関してはメルセデスと双璧を成す実力。ルノーワークスとの差をみると、レッドブルのシャシーが優れているのは一目瞭然。去年といい、シーズン序盤から速さがあればとは思いますが……。鈴鹿でも両ドライバーのがんばりもあり表彰台をゲット。特にフェルスタッペンは凄い。今シーズンは予選ではリカルドを圧倒し、レースでもトラブルがなければ上回れることを証明しました。しかもまだ二十歳。この先とんでもないドライバーになるでしょう。

マレーシアGP〜フェラーリ自滅……

20170904

去年のようなグダグダは避けていただき、最後までタイトル争いをしてほしい。シーズン前半からそう願って観戦しつづけ、今年のフェラーリはひと味違うとニンマリしていたら、帳尻を合わすように2戦つづけての自滅。前回はチームメイトもろとものクラッシュで今回はマシントラブルと、バリエーションも豊富。いやいや、誰もこんなかたちで盛り上げろとは言ってない! しかも2戦共まともに走っていたら勝てていた可能性が高いだけにイライラもひとしおです。

今回フェラーリはフリー走行から好調で、おまけにメルセデスとの間にレッドブルが割って入ってきそうだったので、前回のやらかしを挽回できると皮算用していたら、ベッテルがまさかの最後尾スタート。レースでは抜群の速さで4位になったものの、レース後にストロールと接触〜クラッシュて……。これでギアボックス交換になったら致命的です(どうやらセーフの様子)。今シーズンは余計なミスが多いんやないですかッ!
勝つことが絶対のミッションで、その速さもあったライコネンも、予選時のベッテルと同じトラブルでスタートできず。誰も何もしてないのに、どんどんメルセデス〜ハミルトンがアドバンテージを築くという、いちばんおもしろくない展開になってきました。別にフェラーリファンでも、アンチメルセデスでもないのですが、メルセデスのブッちぎり状態に飽き飽きしているので、今はフェラーリ〜ベッテルに頑張ってほしい。

優勝を飾ったのはフェルスタッペン。今シーズンはトラブルつづきで思うような成績は残せていませんが、トラブルがなければしっかり勝てることを証明しました。実際、今年は予選でリカルドを圧倒しているし、レースでも今回のような走りをされると、フェルスタッペン株は跳ね上がること間違いなし。リカルドは内心穏やかでないでしょう。同期のサインツをはじめ、オコンやバンドーン、そして今回F1デビューを果たしたガスリーなど優秀な若手が出てきていますが、頭ひとつ出ているように感じます。

それはそうとフェルスタッペンに抜かれたハミルトンはリスクをおかさず、2位堅守しましたね。以前ならムキになってポジションを取り返しにいってたのに。クレバーになり、ますます倒しにくいドライバーになりました。ここで伏兵ボッタスがハミルトンを追い上げるとおもしろいのに、ここのところ不発。
鈴鹿でもレッドブルとフェラーリは速さを発揮しそうなので、今度こそ三つ巴のガチバトルを繰り広げて、できることならベッテルに勝っていただいてシーズンを盛り上げてほしい。どうぞ、よろしくお願い致します。

シンガポールGP〜まさかの……

20170925

スタートしてからわずか数秒で終わったシンガポールGP。睡魔も手伝い、例のクラッシュの後はほとんど観ていません。予選でフロントローに食い込んだフェルスタッペンに要注意と思っていたら、まさかベッテルがしでかしてしまうとは……。フェルスタッペンに対する牽制が問題だったのではなく、チャンピオン争いをしている状況で、あの幅寄せが必要だったのとかということです。今回のレースは優勝するに越しことはないけれど、それよりもハミルトンの前でフィニッシュかることがマストだったはず。ベッテルにすればポールを獲ったうえにメルセデス勢が3列目以降に沈み、しかもライコネンとレッドブル勢が間に割って入るという絶好の展開。例えフェルスタッペンにスタートで先を越されたとしても、どっちゅうことはなかったのです。それを律儀に反応したせいで、どえらいしっぺ返しを喰らう結果に。もし、これがベッテルではなくプロストだったなら、余計なリスクは避けてトップを譲っていたでしょう(それがレーサーとして魅力的かどうかは好みによりますが)。カッとなりやすい性格が、大事なところで足を引っ張ることになりました。逆にここんとこのハミルトンはレース中に慌てふためくことなく、冷静にレースをしている。これもボッタス効果のひとつでしょう。

ベッテル的にみれば、メルセデスのマシンの戦闘力と信頼性、ハミルトンの強さからして、タイトル獲得はすごくすごく厳しくなりました。でも本人は諦めていないはず。残されたレースはメルセデス有利といわれていますが、案外フェラーリのマシンが威力を発揮するレースもいくつかあるのではないかと睨んでいます(鈴鹿もフェラーリとレッドブルが“くる”と予想しています)。ただ、こうなってくるとサポート役のライコネンのはたらきが重要になってくるんですよね……。このままヌルッとチャンピオン決定となるのはやめてほしい。

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