KITSCH de F1

F1徒然日記。

アロンソ、カムバック!

20200710

やっぱりF1への未練は残っていた。
「あのままじゃ終われない!」ということで、フェルナンド・アロンソが2年間のブランクを経て、2021年シーズン、古巣ルノーからカムバックすることが発表されました。
まずは、かつて現役最強と言われた実力を持つ元ワールドチャンピオンが復帰することが嬉しいし、これまで何度も目の当たりにしたタフなレース巧者ぶりを、また見ることができるのかと思うとワクワクします。

とは言っても、気がかりなことがないワケではありません。
ひとつは年齢。40歳という歳は、決して有利な要素ではありません。いくら経験という武器があっても、動体視力や反射神経の衰えは確実にやってきます。それはメルセデスからカムバックしたシューマッハでさえ、復帰後はちょこちょこクラッシュしていたことからも分かります。
ただ、アロンソの場合は完全にレースから離れていたワケではなく、インディやル・マン、ラリーなどに参戦していたので、ちょっと違うのかもしれません。アロンソの濃い顔と骨太な体つきを見ると、何か尋常じゃない身体能力を持ってそうですしね。

それよりも大きな気がかりと言いますか、謎なのが、モチベーション。彼は常々、「F1に戻るのであれば、勝てるチーム」と言っていましたが、今のルノーはどんなに贔屓目に見ても、そんな実力はありません。
また、彼の発言からは、チームの再建に力を貸すというよりも、自分の勝ちしか考えていないことがヒシヒシと伝わってくる。人一倍、いや何十倍も勝ちへの執着が強く、しかも思い通りにならないとプッツンしやすい男が、最高の結果で表彰台という状況でモチベーションを維持できるのか? はなはだ疑問です。

しかも、ルノーはワークスチームとして復帰してからずっとグダグダ状態が続いている。ある意味、マクラーレンよりも問題の根は深そう。
そして、チーム代表は、人に責任をなすりつけることが仕事だと思っているフシがある、シリル・ビビデバビデブー(またの名をアビテブール)。すぐに衝突して、チーム離脱となっても全然驚きません。
こちらとしては、怒り狂う、または不貞腐れるアロンソは見飽きたので、できればトップでチェッカーを受けて、勝利のウサギポーズをするパターンの方を見せてほしいものです。

ところで、ウィキペディアのアビテブールさんの紹介文、なかなか凄いです。

オーストリアGP〜まさかのサバイバル戦

20200707

いよいよ幕が開いたオーストリア〜レッドブル・リンクでの開幕戦。
名前の通りこのサーキットをホームとするレッドブルは、今シーズン本気で天下取りを目指して気合充分。機は熟したり!と、レッドブルだけでなく、ホンダからも自信が漂ってくる。こちらも「やっとメルセデス〜ハミルトン時代に終止符を打ってくれるのか」と、期待せずにはいられません。
でしたが・・・・フリー走行であえなく沈。やっぱり今年もメルセデスですやん!

予選もメルセデスの2台は他をまったく寄せつけない速さで、フロントロー独占。フェルスタッペンをもってしても、ポールのボッタスとの差は0.5秒以上。
シーズン前にフェルスタッペンは、0.2秒差以内の差なら勝機ありと言ってましたが、遠く及ばない結果。しかもラップタイムが短いレッドブル・リンクでのこの差は、意気消沈レベルと言っていいくらい。唯一、フェルスタッペンだけミディアムタイヤでスタートということが、希望の持てる要素でした。

そしてレースがはじまると、「前世紀か!」と声を上げたくなるほど、次から次にマシンが壊れるサバイバル戦に。個人的にはこういう展開、大好物です。
ただ、リタイヤの先陣を切ったのは、2位を走っていたフェルスタッペン。ソフトタイヤを履くボッタスとのラップタイム差がなくなりつつあっただけに残念です。
電気系のトラブルということですが、マシンの挙動もメルセデスと比べると不安定。追いつくにはPUもシャシーもまだまだ改良が必要なのに、開発が制限される状況でどれだけリカバーできるのか・・・・。シーズンを盛り上げるためにも、レッドブル・ホンダにはがんばってもらいましょう。

フェラーリのダメダメぶりはスルーして、今回のトピックとして取り上げなければならないのは、ノリスの3位表彰台。
この若者は速い! 何年かに一人か二人、チームやマシンにかかわらず、「こいつはモノが違う」と感じるドライバーが現れます。古いところでは、91年ベルギーGP予選でのシューマッハ、93年ポルトガルGP予選でのハッキネン、最近ではザウバーからデビューしたルクレールがそうでした。ノリスもこのカテゴリーに入れてあげたいくらい。
ラッセルにも同じ雰囲気を感じるものの、如何せん、あまりにもマシンが残念過ぎて、期待の範疇から抜け出ない状態です。

マクラーレンはサインツも堅実に5位に入り、着実に復調している様子。レーシングポイント、ルノーとバチバチに4位争いをしてもらいましょう。いや、もしかしたらフェラーリを含めた3位争いになるかも。

ということで、ポール・トゥ・ウィンを飾ったボッタスのことを書くの忘れてました。
一言だけ触れておくと、あの黒マスク、悪者感がハンパない。『バットマン ライジング』に出てくる、ベインに見えて仕方ありません。

今の世の中にはベルガーが足りない

20200616

少しずつ社会が動きだした今日この頃。スポーツ界も未確定要素はありながらも、始動しはじめています。
F1は、3月に開幕戦のオーストラリアGPをドタキャン。その後すべてのチームのファクトリーが閉鎖され、ほぼ活動停止状態に。世界の経済が停滞するなかF1もその影響をモロに受け、ただでさえ厳しい状況なのに、さらに苦境に追い込まれることになってしまいました。そのなかには、ウィリアムズが売却を検討しているというニュースも。ウィリアムズ最強時代を目の当たりにしてきた者にとっては、何とも哀しい。クレアさんにがんばってもらって、活路を見出してほしいものです。

さて先日、2020年シーズンが7月5日のオーストリアGPから開幕することが決定しました。残念ながら今年の日本GPは中止となってしまいましたが、こればっかりは仕方ありません。
まだまだ状況によってはどうなるかわかりませんが、ひとまずシーズンがはじまるのはファンとしては嬉しい限り。尽力されている方々に「ありがとう」です。

今回の新型コロナウイルスによるStay Homeの間に、某芸人さんが多目的トイレを予想外の目的で使用して大騒動になりました。今は何か問題を起こすと、SNSを通じて騒動が燃え広がり、取り返しのつかないことになってしまいます。なかには、当人同士の問題で、「赤の他人がそこまで叩かなくても・・・・」ということも少なくありません。そもそも不祥事に発展するようなことをしなければよいのですが、すべての人に品行方正を求めるのも、ちょっと窮屈に感じます。
こうした世の中の流れの影響か、F1ドライバーも今と昔では随分さま変わりしました。昔はアウトロー的な人が多かったのに比べ、今は良くいえばスマートになった、率直にいうとビジネスマン化された。みんなチームやスポンサーに気をつかって、無茶なふるまいはしない。6度ワールドチャンピオンに輝き、見た目もライフスタイルも派手なハミルトンでさえ、キャラとしては薄い。だから、どんなに凄い走りをしても、それ以上にグッとくるものがないというか、感情移入できないんですよね。

このようにお利口さんが多くなり、「今のF1にはベルガーが必要だ」と、しみじみ思います。
同時代に戦ったセナやプロストたちと比べると、記録では遠く及ばないものの、記憶の面ではまったく引けを取らず、今でも多くのファンに愛される存在。僕も30年F1を観つづけてきたなかで、トップ3に入るくらい好きなドライバーでした。
彼の魅力は、高速コーナーが滅法速い豪快なドライビングもさることながら、個性的なキャラクターが大半を占めていたといっても間違いはないでしょう。
とにかくお茶目で破天荒。スタッフや関係者へのいたずらは日常茶飯事。そればかりか、厳格な性格で知られるマクラーレンのドンであるロン・デニスをワニ園の池に突き落としたり、フェラーリのチーム代表だったジャン・トッド、チームメイトのジャン・アレジと車で移動中、いきなりサイドブレーキを引いて車を横転させたりするなどのヤンチャぶり。気難しくて、あまり人を寄せつけないセナにも容赦なし。セナのアタッシュケースをこっそり持ちだし、ヘリで上空から投げ捨てたというエピソードは有名。無茶苦茶を通り過ぎて、「ちょっと頭おかしいんじゃないの?」というレベルです。
また彼は色気のあるハンサムで、女性にモテモテ。ベルガー自身も女性が嫌いではなく、今なら一部の人から集中砲火を受けるようなことをしていたとしても、何ら不思議ではありません。
ドライビングに関してはハマると手がつけられないほど速いものの、波があってシーズン通して続かない。そして、まわりが呆然とするような考えられないミスをしでかすこともしばしば。けれど、「ここで勝ったらカッコ良すぎるやろ」というシチュエーションで勝ってしまう。このギャップがたまらん!のです。
そして情に厚く、おまけに頭脳明晰。だから、多くの人に好かれ、今ではモータスポーツ界で重要なポジションに就いているのも、これまた何ら不思議ではありません。

今、ベルガーのようなドライバーがいたら、やっぱり叩かれまくりなんでしょうか。違ったタイプでもいいので、クセの強いドライバーが増えて、サーキットを華やかにしてほしいものです。

チャンスを掴んだサインツ

20200518

フェラーリはベッテルの後任に、サインツを抜擢。
ベッテルのチーム離脱が発表されて、サインツが有力候補だという情報が流れるまで、てっきりリカルドが収まると思っていました。
チームとしては、ルクレールとバチバチやり合う(場合によっては勝ってしまう)ことなく、確実にポイントをゲットするドライバーを求めていたのでしょう。そう考えると、確かにサインツは適材。サインツとしても、実質セカンドドライバー扱いになるものの、一生に一度あるかないかの大チャンス。双方にとって良い契約だったと思います。
サインツとフェラーリの交渉は随分前から行われていたようで、マクラーレンもそのことを把握していて、リカルド獲得に動いていた模様。最近のマクラーレンは冴えています。
それに比べてルノーは後手後手。チーム代表のシリル・アビテブールはちょっと前に「ドライバー選択は慌てていない」というコメントをしていましたが、そんな余裕をカマししている場合ではないと思うのですが・・・・。

振り返ってみると、サインツのF1でのキャリアは、負けつづけでした。デビューを果たしたトロロッソでは、そこそこ頑張っていたのにフェルスタッペンの影に隠れてしまい、とっととレッドブル昇格されてしまう。それでも不貞腐れずにトロロッソでがんばり、同じレッドブル傘下のクビアトを下すも、本家チームに昇格できる気配はまったくなし。
「このままではオレのキャリアが潰される」ということでレッドブルを離れて、ルノーへ。しかし、ここでヒュルケンベルグを上回ることができず、早々にチーム構想からはずれてしまい、たった1年で放出されるという憂き目に。大半のドライバーなら、ここでF1を去っていくか、下位チームに移籍してフェードアウトというのがお決まりのコース。しかし、サインツはここからが“持って”いました。
ガタガタのマクラーレンに移籍してお先真っ暗と思っていたら、できる人、アンドレアス・ザイドルがチーム代表に就き、チーム状態はV字回復。それに伴いサインツのパフォーマンスも上がり、1年通して安定した走りをして、ドライバーランキング6位を獲得。
これは、単に彼が運を持っていただけでなく、苦しい時にめげないがんばりがあったからこそ。
フェラーリ移籍の“つなぎ”としてルノー加入したリカルドに押し出された格好になったサインツが、1年後にフェラーリ移籍のチャンスをモノにするのですから、人生どうなるかわかりません。「終了〜!」となるのは、やらかした時ではなく、諦めた時だということを、自分の半分の年齢の青年に教えてもらいました。

サインツに託されたミッションは、ルクレールのすぐ後ろでフィニッシュすること。少なくともライバルチームのセカンドドライバーを食って、コンストラクターズランキングに貢献しなければなりません。プレッシャーもハンパないでしょう。しかも、チームのマネジメントは頼りなく、チームメイトは速くて、なかなかにクセの強いルクレール。でも、サインツならこの大役を果たし、気がついたらポイントでルクレールに肉薄!ということもあり得ると思っています。
派手ではなく、天才肌のドライバーではないけれど、たまにはそういう人がチャンピオンになるのもいいじゃないですか。がんばってほしい。

ベッテル、フェラーリ離脱

20200512

残留か、離脱か。注目されていたベッテルの去就が、シーズン開幕を待たず明らかに。
フェラーリとベッテルは2020年シーズン終了を以って、袂を分かつと発表されました。両者とも「継続を第一に考えている」的なコメントを出していましたが、去年からの流れを考えると既定路線。
ベッテル視点で見ると、(さまざまな記事で報じられていることが事実であるなら)フェラーリから大幅なギャラダウンと、単年契約という条件を提示された時点で、「やってられへん」と気持ちが萎えたんじゃないでしょうか。
確かにフェラーリが突きつけた条件は、4度のワールドチャンピオンに対して相当キツい。チームの未来を託され、長期契約を結んでいるルクレールに対して、自分は1年のみ。こうした状態で、もう一度モチベーションをピークまでもっていくのはむずかしいでしょう。

しかし、チーム運営を考えると、フェラーリの姿勢もわからないでもありません。有望な若手ドライバーが出てきているなか、獲得のチャンスをみすみす逃すことはできない。現状キープは1年が限界といったところ。
もし、今シーズンが予定通りに開催されていて、ベッテルがルクレールを上回る結果を出していたなら、また違った展開になっていたかもしれませんが、こればかりは運命のめぐり合わせ。なので、「今回の決定は両者が共に下した」というベッテルとチームのコメントに嘘はないと思います。
アロンソと同じくワールドチャンピオン獲得という夢は叶いませんでしたが(決めつけにかかっていますが・・・)、この5年間でメルセデス〜ハミルトンに対抗できるドライバーはベッテルをおいて他にいなかった。癇癪を起こして自らレースを台なしにしたり、考えられへん!と声をあげてしまうようなポカもしたけれど、十分に楽しませてもらいました。
マクラーレンかルノーに移籍するというウワサもありますが、彼のキャリアや性格を考えると、このまま引退することになっても不思議ではありません。

ひとつ空いたフェラーリのシートをゲットするのは誰か。ハミルトン移籍というウルトラCを除けば、リカルドかサインツのどちらかでまず間違いないでしょう。どちらも魅力的なドライバーではありますが、個人的にはトップチームへの移籍がラストチャンスといえるリカルドにいってほしい。リカルド本人もそのことを自覚しており、「わかりやす過ぎるやろ」というくらい、ルノー出たいオーラを発散しています。チーム内のポジションは微妙ですが、何やかんやいっても、チームメイトに勝てば良いだけの話。逆境に立ち向かうリカルドの奮闘を見てみたいし、それに対してルクレールがどんな走りをするのかにも興味があります。
サインツはあと1、2年マクラーレンで足場を固めてから、トップチームを目ざしても遅くない。もちろん、ノリスに対して互角以上の走りをすることが必須ですが。
ただ、フェラーリは近日中に後任ドライバーを発表するといわれており、必死のパッチなリカルドに対して、不自然なくらい大人しくしているサインツの態度を考えると、すでにフェラーリと何らかの仮契約が交わされているのかも。
いずれにしても、ポスト・ハミルトン&ベッテル時代(フェルスタッペン&ルクレール時代)が本格的に動きはじめましたね。

オーストラリアGPが中止に

20200314

2020年シーズンの開幕戦、オーストラリアGPが新型コロナウイルスの影響により中止となりました。F1ファンとしては残念ですが、感染リスクや世の中の動向からみて真っ当な判断だと思います。というか、結論出すの遅すぎ!
スポンサーやチーム、さまざまな関係者の問題を考えるとすぐに決断できないのは分からなくもありませんが、他のプロスポーツイベントが軒並み延期・中止を発表する中、F1だけ強行開催しようとする姿勢に、多くの人が「それはないんとちゃいますか」と感じていたはず。
で、どうなったかは周知の通り。医療関連の事故が起きた時、結果から遡って「こうすべきだった」と批判するのはフェアでないところもあるものの、今回の場合は素人でもこうなることが予測できた。いや、こういう事態にならない方がミラクルといえる状況でした。遅くともグランプリ開催1週間前には中止の決断を下せたんじゃないでしょうか。目先の損得に目を奪われた結果残ったのは、国をまたいだ集団感染のリスクを高めたことと、関係者やファンに時間とお金を無駄遣いさせてしまったことだけ。
グランプリ開催の決定権を持つのがFIAなのかFOMなのか、はたまた地元主催者なのかは知りませんが、しっかり舵取りをしてほしいものです。(同じ轍を踏まないように早めにシーズン前半のグランプリは中止もしくは延期にした方が良いのでは?と思っていたら、一応第2戦バーレーンGPと第3戦ベトナムGPは延期に。個人的には、状況が落ち着いてが落ち着いてレースができるようになった時、当初のスケジュールの3分の1を下回るレース数であるなら、今年はノンタイトルのレースにしてもらった方が気持ち的にスッキリするような気もするけれど、それじゃ、チームもドライバーもリスクを負えないか・・・・。

メルセデスがいきなり凄い件

20200223

今年もプレシーズンテストがはじまりました!
ある意味、いちばん楽しい時です。
テスト前半の情報をざっくりと見たところ、やっぱり今年もメルセデスが強そう・・・。またまたまた圧倒してしまうんじゃないかとい危惧しております。
メルセデスは毎年三味線を弾くのがお約束ですが、今年は正攻法。普通に速く、普通に壊れない。さらに、DASなんていうビックリ兵器も持ち込む始末。ホンマこのチームは、こっちが思てるさらに上に来よるわ。
初日からまっとうにテストをしているのはテストの日数が減ったこともあるんでしょうけど、ライバルたちに自分たちの速さを見せつけて、今シーズンのマシン開発に注力させて、来シーズンの開発を鈍らせる魂胆もあるんじゃないでしょうか。彼らならそんなことくらいサラッとするでしょ。逆にいつもどおりに三味線弾いて今の状態だったら、他のチームはもうどうしようもありません。

メルセデスと対照的なのがフェラーリ。こちらは、いつもテストでは速いのに今年は下位をうろうろしている状態。おまけにビノットさんは「うちの今年のマシンはメルセデスやレッドブルほど速くない」と、白旗を上げたようなことを言っている。
これがトトさんなら「またまたそんなこと言っちゃって、どうせ速いんでしょ」と思うのですが、ビノットさんが言うと本気で心配になります。どうも今年も期待できなさそう。

一方、レッドブル・ホンダは快調。粛々とプログラムを消化しているところが頼もしい。ドライバーやチーム首脳陣のコメントもポジティブだし、やってくれそうな気配が漂っています。
何よりもレッドブルとホンダがひとつのチームとしてステップアップしていることがこっちまで伝わってくるのが良い!
あくまでホンダのPUが順調に進化しているからなんでしょうけど、レッドブルはルノーとのいざこざから、横柄な態度をとっても得することはないと学んだんじゃないでしょうか。
それはマクラーレンに同じ。一時は裸の王様状態でしたが、ザイドルさんがチームに加わってから雰囲気が大きく変わり、応援したくなってきました。

テスト前半は、ピンク・メルセデスといわれるレーシング・ポイントのマシンが大きな話題に。去年のメルセデスのほぼ完コピをしたこのチームはかなりの速さを見せており、おそらく中団のトップ争いに絡んでくるでしょう。「チームの独自開発とか、そんな辛気臭いことはどうでもええ。要するに速けりゃええんやろ」というストロールパパの徹頭徹尾ビジネスライクな姿勢に圧倒されると同時に、「何としても息子をF1ドライバーとして成功させてやる」という愛情を超えた狂気を感じます。
個人的には、それぞれのチームがオリジナルのマシンを開発するF1のイズムを守ってほしいとは思いますが、それで周回遅れのマシンが続出するよりも、同じようなマシンがいっぱい現れてレースがおもしろくなる方が100倍いいです。

期待していたシート争奪戦が・・・

20200109

今シーズンの楽しみのひとつとして、2021年シーズンに向けたシート争奪戦がありました。が、トップチームのエースドライバーは早くも現状維持でまとまる気配が濃厚。特に肩入れしているチームがない身としては拍子抜けの展開です。

先陣を切ったのはフェラーリ。ルクレールと2024年末までの長期契約を締結。既定路線ではあるものの、これによってフェラーリがルクレール中心のチーム体制にすることが明確になり、フェルスタッペンのフェラーリ移籍がなくなりました。(フェルスタッペンはメディアに対してフェラーリがPUでインチキをしていると露骨に批判していたので、はなからフェラーリに行くつもりはなかったのでしょうけど)
すると今度は、フェルスタッペンがレッドブルと2023年末までの契約更新を発表。これには契約を結んだ時期や期間の長さ、そして年俸17億円というお手頃価格に驚さかれました。もちろん契約には契約解除ができる条件やボーナス制が盛り込まれているのでしょうけど、フェルスタッペン視点で見れば、もう少し状況を見ながら勿体つけても良かったんじゃないの?と思ってしまいます。
これでハミルトンは引退しない限り、メルセデス残留でしょう。通常シート争いはトップドライバーから決まっていくものですが、今回は若手のホープから決まっていくという珍しいケース。こうしたことからも時代の節目に差し掛かっていることを感じます。
う〜ん、近年稀に見るトップドライバーのシャッフルを期待していたのに、結局は現状キープ。こうした安定路線はチーム運営者にしてみれば当然なのかもしれませんが、外野のファンとしてはおもしろみに欠けます。ハミルトンにはキャリアのフィナーレを飾るためにも、フェラーリに移籍してルクレールとバチバチやり合ってほしいのですが、可能性は限りなくゼロに近いでしょうね・・・・。

こうなると注目されるのは、誰がセカンドドライバーになるか。まずはベッテル。今シーズン、ルクレールを上回れば残留の可能性もありますが、負けた場合はセカンドドライバーであることが必須条件になるのは確実。
彼の性格からして受け入れられないでしようからチームを離れるでしょう。移籍先はマクラーレンという話も見かけますが、今のサインツ&ノリスの若手コンビがうまくいっているので、あえてベッテルを起用するメリットがない。そうするとやはり引退ということでしょうか。
じゃあ誰がフェラーリの残り1席に座るのかと考えると、ルノーに失望したリカルドか、メルセデスを離脱したボッタスしかいない。ルクレールを凹まさない程度の存在と考えれば、ボッタスがやや優勢か。

レッドブルはひとまずアルボンかガスリー。ただ二人の成長がなければ、コンストラクターズタイトルを獲得するために、かつてのウェーバーのようなベテランを招き入れるかもしれません。そうなるとボッタス? セカンドドライバーとしては引っ張りだこですね。

さて、今回のフェルスタッペンの契約更新でいちばん面食らったのはメルセデスではないでしょうか。フェラーリはルクレール、レッドブルはフェルスタッペンと、今後チームの軸となるエースドライバーを手中に収めたのに対して、メルセデスは次のエースがいない。普通に考えるとラッセルということなのでしょうけど、如何せんまともに戦えるマシンでの経験がなく、チャンピオンを狙える器なのかは未知数。それを確認し、成長させるためにも、2021年はハミルトンのパートナーとしてラッセルを据えなければなりません。
ただ、もしハミルトンが引退したり、フェラーリに電撃移籍したりしたら、状況はガラッと変わります。このままだとおもしろくないので、一波乱起こってほしい!

2019年シーズン ひとりランキング

20191224

仕事に追われ更新が滞っておりましたが、少し落ち着いてきましたので、1年の締めとして2019年シーズンの「ひとりランキング」を発表したいと思います。

【ドライバー】
1. ハミルトン
2. フェルスタッペン
3. ルクレール
4. ボッタス
5. サインツ
6. ベッテル
7. リカルド
8. ノリス
9. アルボン
10. ヒュルケンベルグ
11. ライコネン
12. ラッセル
13. ペレス
14. クビアト
15. マグヌッセン
16. ガスリー
17. ジョナビッツィ
18. グロージャン
19. クビサ
20. ストロール

結果的に見れば、今年も最初から最後までハミルトン祭りでした。が、次代を担うニュージェネレーションの台頭も印象的で、そういう意味では大きな収穫がありました。フェルスタッペンはもちろん、ルクレールが本物であることも証明され、さらにノリスやラッセルといった優れた新人が現れたことが嬉しい!

ハミルトンは1周のスピードに関しては若い頃のような勢いは影を潜めましたが、それは予選で必死にならなくてもレースセッティングを詰めて、タイヤマネジメントをすれば勝てるという自信のあらわれ。ここ数年磨きをかけてきたプロスト的アプローチが完成しました。それを象徴するのが、ファイナルラップでファステストを出す(しかも硬いコンパウンドのタイヤで)、とことん性格が悪い技。1年通して抜群の安定感はお見事という他ありません。

スピードに関してはフェルスタッペンが最速でしょう。本人が言うように、同じマシンに乗ったらハミルトンでも苦戦するんじゃないでしょうか。レースでの切れ味も素晴らしく、これからの10年を牛耳るドライバーであることは間違いありません。ただ、まだ「えッ、何でそんなことするの!?」という強引なところが残っている。特にオープニングラップ。チャンピオンになるためには、こういう改善点を潰していくことが必須。来年のハミルトンとのガチバトル、期待してます!

フェラーリのドライバーは、それぞれ対象的なシーズンでした。ルクレールは去年の走りを見て速いとは思っていましたが、ここまでやるとは思ってませんでした。チャンピオンになるための条件である負けん気と、ちょっといやらしいところがあるのも良い。これでレースマネジメントを身につければ、かなり手強いドライバーになるでしょう。
一方ベッテルは今年も癇癪とバトルでの見切りが甘いという悪い癖が治らないばかりか、スピードでもルクレールの後塵を拝したのが痛い。ただ、チームが彼好みのリアが安定したマシンを用意してくれれば、まだまだチームメイトに対抗できる力はあると思っています。そのためには、早い段階から開発陣にグイグイとリクエストを出す必要があるでしょう。

その他、良い仕事をしたのはサインツ、シーズン前半のライコネン、リカルド、ノリス、ラッセルといったところ。アルボンも良かったのですが、レースペースがもう少しほしい。来シーズンの前半中にアピールできるかどうかがキャリアの分かれ目になるでしょう。
地味に応援していたヒュルケンベルグは結局、表彰台にのぼらずじまいでF1でのキャリアを終えることに。お疲れ様でした! あと、つらい時期を乗り越えて復帰を果たしたクビサにも「お疲れ様」を言いたい。


【チーム】

1. メルセデス
2. レッドブル
3. マクラーレン
4. トロロッソ
5. フェラーリ
6. ルノー
7. アルファロメオ
8. レーシング・ポイント
9. ハース
10. ウィリアムズ

マシンの圧倒的な優位性がなくなった分、メルセデスのチームとしての総合力の凄さを改めて感じた1年でした。一人ひとりスタッフが優秀であるだけでなく、それらの力をひとつにまとめる組織をつくり、レースで安定感のあるマネジメントを行うトト・ウォルフの手腕は凄い。リアクション芸にも磨きがかかり、もはやチーム、いやF1には欠くことのできない存在。彼もハミルトンと同じく、メルセデスとの契約は2020年いっぱい。去就が気になります。

レッドブルもホンダとのタッグを1年目から機能させたのはさすが。ただそれはホンダPUの進化があってこそ。来シーズンはレッドブルにとって正念場となるので、ホンダへの要求が厳しくなるのは確実。レッドブルもホンダもそれぞれ、ルノー、マクラーレンとの経験を教訓にして、いい方向に進んでほしいものです。

今シーズン最も大きく変化したチームとして、マクラーレンを挙げることに異論はないでしょう。その立役者となったのが、今シーズンからマネージング・ディレクターに就いたアンドレアス・ザイドル。彼のコメントを見ると、現実的かつ論理的で、リーダーシップもある。デキる人であるのは明らか。実際にチームの状態は去年とは同じチームとは思えないくらいに良くなっている。もともとマクラーレン贔屓だった者としては、ザイドルさんに長期的に指揮をとっていただき、名門を復活させてほしい。叩かれがちなザク・ブラウンも、今のチーム体制をつくったことはもっと評価されていいと思います。

さて、フェラーリですが・・・・今年も酷かったですね。いや、去年よりもトホホ感は強かった。
プレテストで良いタイムを出したことでメルセデスが三味線を弾いていることをすっかり忘れ、開幕戦でぶっちぎられて呆然とする姿もなかなかでしたが、その後の度重なる戦略ミス&レース中の判断の遅さとマズさ、チーム全体のマネジメント、すべてにおいてトップチームとは思えない有様でした。
責任を一人になすり付けるのはフェアではありませんが、チーム代表のビノットさんの責任はかなり大きい。舵をとるべき時にブレブレだったり、奥に引っ込んだり、あたふた感が半端ありません。しかもミスを犯した後のコメントが微妙にピントがズレているのも気になるところ。技術者としては優れているけど、リーダーには向いていない典型でしょう。にもかかわらず、来季もチーム代表と技術責任者を兼任するようです・・・・。
その他のチームは、トロ・ロッソがまずまずだったのを除けば、どこも低調気味。ウィリアムズの凋落ぶりには悲しくなってきます。何とか巻き返してください。
来シーズンはいよいよ、ハミルトンvsニュージェネレーションの年になるのは明らか。そして2021年からの新しい時代に向けて、シート(ドライバー)の争奪戦が繰り広げられる。今からウズウズします!

日本GP〜やっぱり強いメルセデス

20191017

メルセデスのチームとしての強さを見せつけられた日本GP。
と、レースの感想を語る前に、“あのこと”に触れないワケにはいきません。もちろん、国歌斉唱のパフォーマンスについてです。毎年いろんな意味で楽しみにしているのですが、今年は久々にパンチの利いたパフォーマンスを披露してくれました。歌い手さんを最初に見た時は「なんでホストがF1で君が代を歌うの?」、「地元の有力者のご子息ですか?」という疑問が浮かんでしまいましたが、単に僕の無知でした。人気ロックバンドでボーカルを担当されている方だそうです。大変失礼いたしました。パフォーマンスの詳細を書くのは差し控えますが、世界のトップドライバーたちの脳裏に確実に爪痕をのこすエモーショナルな歌声でした。ただ、ちょっと前に圧巻のパフォーマンスを繰り広げたコブクロの小さい方の方(もしくはサングラスしてない方の方)や、今や日本GPの伝説となっているglobeのケイコさんといった偉大な先輩方と比べると、まだまだかなと。これからの更なる飛躍を期待しています。運営サイドの方々も外野の騒音にめげることなく、今の人選の方向性(まったくないような気もしますが)を貫いていただきたい。

今回は、これで言いたいことはほぼ終わったようなものです。
実際のところ、オープニングラップでルクレールとフェルスタッペンが接触し、ポールを獲ったベッテルがボッタスにかわされ、ベッテルにレースペースがないことが分かった時点で終わりました。
それにしてもベッテルのジャンプスタートに対するスチュワードの判定は酷い。そもそもペナルティの対する誤認がゴタゴタのはじまり。「ちょっと早く動いたけれど、何も得してませんから。むしろ損したくらいやわ」というフェラーリのアピールを聞いて、「言われてみれば確かに」と受け入れてしまった。いやいや、ジャンプスタートは損得に関係なく、シグナルが消えるよりも前に動いた時点でアウト。こんなことは素人でも知っている基本中の基本。しかもちょっと前のロシアGPでライコネンにペナルティを科しているじゃないですか。一貫性という面でも“ない”です。で、さすがに「この理由ではマズい」となったのでしょう。それで「動いたもののセンサーの許容範囲内だった」という公式発表をすることに。
どんな設定をしているのか知りませんが、メチャ動いてますけど!! こういうことをされるとシラケるのでやめてください。

その後レースは淡々と進み、メルセデスは定石通り、ボッタスに対してはベッテルのピットインの動きに反応してカバーさせ、3位を走行していたハミルトンの第一スティントを引っ張り、1ストップと2ストッフに作戦を振り分けて万一の展開に備える。すると問題なくトップを快走するボッタスがハミルトンにかわされて勝ちを奪われる可能性が出てきたため、チーム代表のトト・ヴォルフはドライバー間の平等性を重んじてハミルトンも2ストップに切り替えさせ、結果1-3でチェッカーを受けました。
3ポイント多く取るよりもドライバーの関係(チームの雰囲気)を優先した。それは、もちろんチームとエースであるハミルトンが圧倒的に有利な状況にいるから。また、ハミルトンvsロズベルグ時代のカオスがトラウマになっているのでしょう。
そうはいっても、レースのなかであの判断をして、ドライバーに実行させることが素晴らしい。嫌な言い方をすると、同じことをフェラーリができるかというと、マシンが壊れているのにそのまま走らせてしまうようでは、かなりむずかしいでしょう。
コンストラクターズタイトル6連覇。メルセデスの壁はまだまだ高い!

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