KITSCH de F1

F1徒然日記。

アロンソがインディ500に参戦する件

20170421

ある意味、今シーズンいちばんの衝撃ニュースになるであろう、アロンソのインディ500参戦。
関係者やマスコミ、ファンの間で賛否別れていますが、個人的には単純に、2度のワールドチャンピオンであり、今も最高のドライバーの一人といわれている彼が、どこまでイケるのか見たい。
今回のぶったまげプランは、マクラーレンのエグゼクティブ・ディレクター、ザク・ブラウンのジョークからはじまったということですが、それはあくまで台本の1ページ目に書いてある通りに話しただけ。実際はあまりのマシンの酷さに怒り心頭なアロンソをなだめるための苦肉の策であることは誰の目にも明らか。
アロンソもインタビューで「まだ35歳の自分は3大レース制覇のチャンスはいくらでもある」と言いながら、敢えて今年に挑むことがフラストレーションの大きさを物語っています。
こうした状況の中で、「インディでのホンダの好調」〜「アロンソのインディ500への参戦」とつなげるあたりは、ザク・ブラウンが必ずしもF1が絶対ではないアメリカ人で、かなりの策士であるところが大きいといえるでしょう。また、新たにF1のオーナーになったリバティ・メディアの存在も無視できません。おそらくザク・ブラウンとしては、将来的にはマクラーレンをインディをはじめ、他のカテゴリーでも展開する野望をもっているのでしょう。

さて、今回のインディ500参戦において、現役のF1ドライバー(しかもトップドライバー)が、本来ならば絶対に出場しなければならないレース(しかもモナコGP)を休んでまで出場して良いのかという意見もあります。これはこれで正論で、間違いありません。
一昨年もヒュルケンベルグがル・マンに出場しましたが、これはレースの日が別だったから。「もし日が重なっていたら絶対にル・マンには出場しなかった」とヒュルケンベルグ自身が言っています。それだけ今回のプランは異例中の異例。アロンソにしても、もしマシンがそれ相応のものであれば、モナコを休むなんてことはしなかったはず。要するに、マクラーレン・ホンダのマシンがどうしようもないことが今回のプランの大前提になっているワケで、かなり恥ずかしいことです。
マクラーレン・ホンダ……いや、「こんなのGP2エンジンだ!」につづき、「こんなパワーのないクルマでレースしたことないッ!」とディスられたホンダのメンバーは発憤しないと! 何か、「アロンソに貸しをつくったから来年も残ってくれるだろう」と思っているようでこわい。アロンソは、そんなこと、これっぽっちも考えてませんよ。

バーレーンGP〜やっぱりこの2人

20170420

ボッタスがポールを獲ったり、セーフティカーが入ってドタバタがあったりしても、結局優勝を争ったのはベッテルとハミルトンでした。
ボッタスは予選がハイライト。得意のコースではじめてハミルトンを上回ったものの、レースではジェネレーターが故障してタイヤの内圧が高くなり、ペースが上がらず、ベッテルにおいていかられる展開。それを差し引いても、ハミルトンの終盤の怒濤の追い上げを見せつけられると、ちょっと役者が違うなと思わずにはいられません。チームオーダーで順位を譲るシーンが、コバライネンとかぶってしまいました。

優勝したベッテルは「さすが!」の一言。予選でメルセデスに大きく突き放されても慌てず騒がず。レースではタイヤにやさしいマシンの強みを最大限に活かして優勝。そしてレース後、スタッフみんなと盛り上がる。これがチームを自分に引き寄せ、さらに強くする大きな要因であることは間違いありません。あちこちに当たり散らしていた去年とは、ホントに大違い。それだけ「このマシンならいける」という自信をもっているのでしょう。
一方、ライコネンはまたも不完全燃焼。ベッテルやハミルトンだけでなく、ボッタスにも負けているのがイタい。勝手なファンからすれば、「フロントが入らないマシンというのが分かっているなら、そのマシンで速く走れるドライビングをしてくださいよ」と思うのですが、なかなか簡単にはいかないんですね。

レッドブルはドライバー2人で何とか今のポジションをキープしている印象。予選では最後の最後にリカルドが意地を見せましたが、近頃はフェルスタッペンに押され気味。しかもフェルスタッペンはまだまだ未知数なところがあり、リカルドもかなりの脅威を感じているでしょう。

中団争いは本当に熾烈。ルノー、トロロッソ、ハース、フォース・インディアに乗る若手ドライバーが元気にバトルをするのはおもしろい。その中でキャリアのあるヒュルケンベルグ、ペレス、グロージャンはやっぱり頭ひとつ出ますね。オコンは期待しているのですが、今のところ特にズバ抜けたところは見せられていません。コツコツ積み上げていくタイプなんでしょうかね。

マクラーレン・ホンダは……酷い。遅いだけでなく、今回はスタートすらできない有り様。バンドーンは開幕からトラブルの連続でまともに走れていない。せっかく大きな才能があるといわれているのに、遅いクルマに乗り慣れて才能を枯渇させてしまうのではないかと、おじさんは心配してしまいます。
「こんなパワーのないクルマでレースしたことないッ!」とブチきれていたアロンソですが、そんなどうしようもないマシンでいつも入賞圏あたりで争っているのは流石。ガス抜きのため、インディ500参戦というご褒美も納得です。
それにしてもホンダのPUのクオリティはかなり深刻。25年以上F1を観てきて、ここまで良いとこなしのエンジンを思い出せません。悪名高いマクラーレン・プジヨーですら、1年目からキッキネンが何度も表彰台にのり、ドライバーズランキング4位に入ってましたしね。次に投入される新型PUの結果によっては、お互いにパートナーシップを見直した方がいいんじゃないかと思うくらいです。

中国GP〜今シーズンの予想図】

20170417

とにかくハミルトンがご機嫌です。その理由は、メルセデスがトップの力を維持しながら、ライバルがチームメイトからフェラーリ〜ベッテルに変わったこと。それはハミルトンだけでなく、F1ファンにとっても歓迎です。チームメイト同士の争いだと、チームオーダーがどうだの、どちらが主導権をも握っているだの、ドロドロな感じになってしまいますから。それはそれでおもしろかったりしますが、3年も続くとお腹一杯。今はどちらかが勝てば「今日は相手が速かった。次は何としても勝ちたいね」で終わり。風通しがいい。だから今回2位に終わったベッテルも、表彰台では笑顔だったのでしょう。異なるチームの力が拮抗し、2人のドライバーが競り合う状況って、ホントに久しぶりです。

では、メルセデスとフェラーリの、もう1人のドライバーはどうしたのかというと、明らかにエースドライバーとの違いを見せつけられることになりました。それは順位からも見てとれます。ハミルトンとベッテルに続いているのが、レッドブル勢なんですよね。ぶっちゃけ、マクラーレンホンダさんちのアロンソはちょっと置いといて、この上位4人が現在のトップ4でしょ。これからもハミルトンとベッテルがデッドヒートを繰り広げつつ、リカルドとフェルスタッペンが切り崩しにかかる展開になるでしょう。
とにかく残念なのがライコネン。またまた“フロントが入らない病”にかかり、まったく存在感なし。贔屓のドライバーなのでこんなことを言うのは辛いけれど、彼が「フロントが入らない」といってぺースが上がらないのは前期フェラーリ時代からの課題で、こうなってくるとこっちが本来の力で、速い時はたまたま“ハマった”という方がしっくりくる。ロータス時代までは予選がダメでもレースで挽回できていたものの、フェラーリ復帰後はオーバテイクの切れ味も、知らない間にポジションを上げているレース運びのうまさも影を潜めている。今回もライコネンがリカルドの後ろでもたもたしていたのに対して、ベッテルは早々に追い抜いていったのはショックでした。む〜、そろそろ限界かな……。
ただ今回の不調は、チームが足を引っ張った面も大きい。例の無意味な引きのばし戦略。ドライバーがタイヤが終わってピットインを要求し、タイムも大幅にダウンしているに、延々と走らせたのにはどういう意味があるのか? かなりの謎です。

ボッタスのミスと、その後の不甲斐なさもいただけない。せっかく開幕戦で評価を上げたのに、「やっぱり、こんな感じか」という印象を植えつけてしまいました。彼は厳しい目が光るお試し期間中なので、即効に挽回しないと来シーズンのシートはないでしょう。せめてハミルトンを、いつものややこしキャラに変えるくらいの走りをしてほしい。

それに比べるとフェルスタッペンは光ってました。去年のブラジルでの走りを再現するような激走。オープニングラップで9台抜きって、かなり凄くないですか?! でも、オンボード映像を見ると、ステアリングをあっちゃこっちゃ切るでもなく、スムーズに追い抜いてるんですよね。この辺は天性のセンスを感じます。憎ったらしいけど凄い。この感じ、セナやシューマッハ、アロンソが出てきた頃にそっくり。まだまだ出し切っていない力があるのは明らかで、チームの好調とかみ合えば、シューマッハを超える1強時代を築きそうでこわいです。

オーストラリアGP〜フェラーリ復活の狼煙

20170402

ひとまず新しいレギュレーションは成功なんじゃないでしょうか。
テレビでは分かりにくいですが、ラップタイムを見ると確実にコーナースピードが上がっていて、「F1すげ〜感」が甦った。そして何より、メルセデス1強状態にピリオドが打たれそうな状況になったことが、この3年間退屈していた者にとっては嬉しい限りです。
フリー走行ではメルセデスが速さを見せ、「やっぱり今年もか…」と落胆したものの、予選でベッテルがハミルトンと僅差の2位に入ったことで期待度アップ。さらに「決勝では優勝も狙える」というコメントからも、ベッテルが手応えを感じていることが伝わってきました。
で、レースはたった1度のタイヤ交換を利用してオーバーカット成功。早めにタイヤ交換をしたハミルトンがフェルスタッペンに引っかかったことはラッキーでしたが、第1スティントでベッテルがタイヤの状態を維持しながら食らいついたことが勝因だったといえるでしょう。
ただ、フェラーリ関係者も言っているように、このレースだけで今後もフェラーリが優勢とはいえません。間違いなくメルセデスはタイヤの使い方を分析してくるはずだし、絶対的なスピードはまだメルセデスに分があるように感じます。おそらくシーズン序盤はメルセデスとフェラーリのシーソーゲームになるでしょう。後は、フェラーリがお得意のゴタゴタを起こさずにマシンを熟成させていくこと、そしてレッドブルがこの2チームに絡んでくることを期待します。

開幕戦を観た限り、3チームの後にウィリアムズがつづいている状態。でも、ストロールはオンボードカメラの映像を見ると、一杯いっぱいなので(無理して、やらかしてしまうのではないかと心配してしまいます)、しばらくは戦力になりそうにない。ファースインディア、ルノー、トロロッソ、ハースは団子状態で、ポイントを巡って激しい戦いが繰り広げられそう。

で、マクラーレン・ホンダは……見ての通り。単純に遅い。絶望的に。マクラーレンのシャシーも問題はあるでしょうけど、ホンダのPUが残念過ぎる。誰もが「思てたんと違う!」でしょう。新しいコンセプトと技術を持ち込んだということですけど、昨シーズンの早い段階で今シーズンの開発にスイッチしたわけで、同じく去年ボロボロだったルノーがそこそこ挽回してきたことをみても、かなり酷い。長谷川さん曰く、モナコにニューバージョンを投入するとのこと。……って、シーズンの序盤終了ですやん。こういうところもガクッとくるんですよねぇ。
ガクッを通り過ぎ、イラッときているのがアロンソ。ついに我慢袋の緒が切れたようで、ホンダに対して言いたい放題。魔王、ここに復活!という感じです。それにしても、この人も相変わらず。公の場でボロクソに言ったところで、メディアに対して“自分上げ”はできても、シート獲得の面では良い結果になったことってないのに。こういう態度を見ると、トップチームの首脳陣も「面倒くさそうだし、やっぱ使うのやめよ」となってもおかしくありません。
実際、フェラーリ、レッドブルへの移籍は、まずあり得ない。百歩譲って、フェラーリへの電撃復帰があったとしても、それはベッテルが離脱した場合のみ。要するにその場合はチームはガタガタということです。メルセデスにしたってハミルトンが抜けることなく、ボッタスが今回のような走りを続けたらキープとなるでしょう。となると、残るは未知数のルノーくらい。う〜ん、いよいよドン詰まりになってきましたね。

さて、2週間後は北上して中国GP。次回も緊張感ある展開を期待しています。これでバトルがあり、シャークフィンがなくなればサイコーなんですがね。

ホンダが発揮した、「夢を壊すチカラ」

20170319

こちらの予想を遥かに上回ってきた。
それがプレシーズンテストでのマクラーレン・ホンダのマシン、いやホンダのPUの感想です。確かに兆しはありました。最初はサイズ・ゼロのコンセプトを捨てたまったく新しいPUで、長谷川総責任者きもいりのチームが2016年の早い段階から開発に取り組んだということで、「2017年はメルセデスやフェラーリとの差をなくしたい」という気前の良い発言が出ていたものの、テストが近づくにつれ「そうじゃなくて、開幕までに去年のメルセデスに追いつきたい」「シーズン序盤は苦しい戦いになるかも」と、どんどん下方修正。そんな中、今年が正念場と捉えるアロンソの無理矢理感あふれる前向きなコメントが空しく響いていました。
彼の言葉は去年の成績に物足りなさを感じつつ、「今シーズンの飛躍のための停滞」だと自分に言い聞かせてきた私たちの気持ちとだぶります。

もしかしたら、やらかしてしまうんじゃなかろうか……。
いくらなんでも2015年のような惨状にはならんでしょう。
いやいや、今のホンダは分からんぞ。
この2年で失敗事例は山ほどストックしたから、後は上がるしかないでしょ。

こうした一人問答が繰り返され、最後はアロンソとバンドーンが快走する姿を夢想して締めるのがテストをむかえるまでのパターンでした。
そして、いざ蓋を開けてみると……、まったく走らない。トラブルが出まくるだけでなく、タイムも強烈に遅い。トップ勢とのタイム差、去年より広がってないか? 信頼性はないわ、スピードはないわ、解決策は見つからないわ、ほとんどいいとこなし。唯一の収穫といえば、PU交換の腕が上がったことくらいでしょうか。
マジでここまで酷いことになるとは思っていませんでした。しかも、ほのかな期待感があっただけに落胆の度合いは2年前より大きい。
トラブル予防のため出力は抑えているのでしょうけど、解除していきなり2秒アップするとは考えられないし、他のチームもまだポケットにタイムを隠しもっているのは間違いありません。しかも今シーズンからトークン制がなくなり、今の調子だとライバルとの差はどんどん広がっていくでしょう。
ホンダには言いたいことが山ほどありますが、もう少し我慢します。

この悲惨な状況を端から見ていたライバルの反応は、同情・失笑・完全スルーのいずれか。
2015年の鈴鹿での「GP2エンジン!!」発言以来、ギリギリのところで我慢していたアロンソもついに堪忍袋の緒が切れ、「唯一の問題はホンダ」
と名指しで批判したり、トップチームへのアプローチともとれる現役続行宣言したり、まだ開幕もしてないのに慌ただしくなってきました。

慌ただしいのはマクラーレンも同じ。ブーリエが「メルセデスのPUをつんでいたら勝てていた」という発言をしたり、メルセデスと接触しているという情報が流れたり、いろいろ動いている気配。
そんな時に、かつてマクラーレン・メルセデスで2回タイトルをとったミカ・ハッキネンがパートナー・アンバサダーに就任。この時期にマクラーレンだけてなく、メルセデスともパイプをもつハッキネンがチームに加入した意味合いは大きい。
事実上ホンダがマクラーレンのタイトルスポンサーで、ジリ貧のマクラーレンはそう簡単にパートナーシップを解消することはできないでしょうけど、着々とプランBは進行している模様。

さて、他のチームに目を向けると、意外にもフェラーリが好調。内紛でガタガタになると思いきや、もち直しましたね。メルセデスに対してどれだけ迫れるのかはまだ分かりませんが、結構いい線いく気がします。
メルセデスは少しトラブルが出て、ベストタイム的もフェラーリに譲ったものの、やはり本命でしょう。
不気味なのはレッドブル。ニューウェイが本格的に携わったマシンは、今のところこれといって飛び抜けたところはなし。本番仕様ではないにしても、開幕でどこまで上げてくるのかは未知数。ルノー製のPUはテストではトラブルが頻発していましたが、ワークスチームもそこそこ走れていたので悪くはなさそうです。ホンダのようにPUがしてかしていなければ(今のホンダには地力がないように感じますが)、いつものように空力面のブラッシュアップが進んでくるシーズン中盤辺りから追い上げてきそう。
とにかく今シーズンの開幕は、ここ2、3年よりおもしろい展開になりそうです。

続々と2017年マシン発表

20170227

おもてたんとちがう……。
シャシー面のレギュレーションが大幅に改訂された今シーズン。これまで関係者から「革新的」だの「刺激的」だの「アグレッシブ」だの、こちらの期待感を煽るコメントが多く紹介されていただけに、各チームのニューマシンを見た時のガッカリ感は大きいものでした。
普通に「カッコ良くない」。「カッコ悪い」ではなく、「カッコ良くない」です。この言葉に、いろいろカッコいいマシンを思い描いていた夢が打ち砕かれた恨みが込められているのをお察しいただきたい。まず正面のアングル。たいして変わってないやん……。というか、車幅がワイドになり、リアウイングが低くなった変更点よりも、チ○コノーズが継続されている変わらないところに目がいく。フォース・インティアは、はさみで切り込みを入れてつくった段差みたいになっていて明らかにダサくなっている。チ○コだけに萎えます。
愕然とするのは、斜め上のアングルから見た時。インダクションポットの後ろに何やらブラ板のようなものがついている。誰かがイタズラで貼つけたのでしょうか。
できるなら、そうあってほしかった。シャークフィン(そんなカッコいいもんですかね)が復活している。まずフォルムとして魅力がなく、これがあるだけでマシンが格段に安っぽく見える。
残念過ぎる新車発表が続く中での救いは、最強チームであるメルセデスがチ○コノーズもプラ板も採用していないこと。流石に洗練されていて速く見える。

できることならチ○コノーズ&プラ板は廃止してほしいですが、今回のレギュレーション改訂はスピードアップが目的ということなので、しばらくは様子見といったところでしょうか。ただ別の視点から考えると、いろいろな形状のマシンが生まれるというのは、おもしろい状況なのかもしれません。メルセデスが速ければ他のチームも追随するでしょうし、もしかしたら逆の場合もあるかもしれない。デザイン的には前の流れになってほしいのですが、それはメルセデス無双状態が続くことでもあるので悩ましいところです。

さて、ある意味最も注目度が高かったマクラーレン・ホンダは、ウワサ通りマシンカラーをオレンジに変えてきましたね。下位チーム感が強くて不安ではありますが、個人的にはここ2年より全然好きです。ここのところまったく良いニュースが入ってこないマクラーレンですが、間もなく始まるテストでそんな暗い雰囲気を一掃してほしいものです。
F1全体についても新しく生まれ変わるために動き出したので、文句はそこそこにして(十分垂れ流してしまいましたが)、前向きな気分で楽しみたいと思います。

ボッタスがメルセデスに移籍

20170121

現役チャンピオンであるロズベルグのビックリ引退のせいで発生したシート獲得ドミノ倒しの騒ぎは、案の定、ウィリアムズからボッタスを引き抜き、その代わりにマッサが引退を撤回、メルセデス育成ドライバーのウェーレインはザウバー移籍という流れで一件落着。メルセデスにしてみれば、地獄で仏というべきか、棚からぼた餅、いや棚からボッタス餅で、最悪な状況下で最善の対処ができたのではないでしょうか。
ボッタスにとっては、突如湧いて出たチャンス。これ、大企業の社長が突然死んで、めぼしい後任者がおらず、窓ぎわ族だった社員が社長に祭り上げられるという、よくあるコメディ映画級の展開でしょ。(ただし、映画の場合はたいがい、潰れかけの会社という設定ですが)ボッタスはキャリア的にも行き詰まっていたので、今回の移籍はスキップしたくなるくらい嬉しいでしょう。
ウィリアムズはエースドライバーが去ったので、正直痛い。ただ、PU使用料の値引きや、先日メルセデスを離れたパディ・ロウの早期加入など、特典はしっかりゲットしていると思いますが。それと、「2015年にフェラーリがボッタスに興味をもった時、チームに残る決断をした彼への恩に報いる時がきた」という、クレア副代表の言葉にグッとくるじゃありませんか。
こうした“心のつながり”でマッサも復帰。というか、実質はいつも通りに新シーズンを迎えるだけですが……。ただ、気持ちの面ではこれまでと大きく異なるでしょう。何せ、あれだけ感動的なお見送りを受けてすぐにシレ〜ッと戻ってくるのですから、かなり気まずい。この、こっぱずかしさをモチベーションに変えて、がんばっていただきたいものです。

さて、今回の移籍でいちばん気になるのは、ボッタスがどこまでハミルトンに迫れるのか?ということ。
これ、正直分からんです。速いことは分かっているのですが、比較対象となるチームメイトが絶妙にして微妙なマッサだっただけに、どれだけ速いのかがイマイチ分からない。走りにもこれといった特徴がないので、トップチームでどんなレース運び走りやシーズン通しての戦い方を展開するのかも興味深いところ。スピードではハミルトンにかなわなくとも、バトンのように粘着性のある走りをすれば勝機が出てくるのではないでしょうか。ボッタスにしてみれば、まさに真価が問われるシーズン。今シーズンの結果によって、その後のキャリアが大きく変わることは間違いありません。コバライネンのようにならないことを期待します。

ただ、チームとしては別にボッタスがハミルトンに手も足も出ない状態になっても困りはしないはず。もしろ、管理しやすいと喜ぶんじゃないでしょうか。もっとも恐れているのは、ハミルトンとボッタスの間にライバルチームのドライバーに割って入られること。こうなると、1年ですげ替えちゃうでしょうね。
しかしメルセデスも呑気に構えている余裕はありません。ハミルトンとの関係は微妙で、いつ出ていってもおかしくない状態なので、2018年以降のエースを誰にするのか、早めに固めておきたいところ。また、中長期的な戦略という面では、将来のエースとなる有能な若手ドライバーをゲットしておきたいところ。そういう意味では、ウェーレインとオコン、あるいはレッドブルでの行き場を失ったサインツの戦いぶりに注目です。

2016年シーズン

20170113

メルセデスvsフェラーリのガチンコ勝負が期待された2016年シーズン。しかし蓋を開けてみると、3年連続のメルセデス無双状態でガックリ……。確かにロズベルグとハミルトンのチームメイトバトルは接戦となったものの、他のチームのドライバーがどうにもこうにも優勝争いに絡んでこないため、盛り上がったとはいえません。別にメルセデスが悪いワケじゃないんですけどね。そんな中で、フェルスタッペンの活躍と、最終戦でのハミルトンの奇策というトピックがあったことは、F1ファンにとっては喜ぶべきことでしょう。ということで、今年も何となくな印象による、2016年シーズンのドライバーとチームのランキングです。


【ドライバー】
1.ロズベルグ 
2.リカルド 
3.ハミルトン 
4.フェルスタッペン 
5.アロンソ
6.ベッテル 
7.ライコネン 
8.サインツ 
9.ボッタス 
10.ヒュルケンベルグ 
11.ペレス 
12.バトン 
13.グロージャン 
14.マッサ 
15.ウェーレイン 
16.マグヌッセン 
17.クビアト 
18.パーマー 
19.ナッセ 
20.グティアレス 
21.エリクソン 
22.ハリアント

1位は悲願のタイトルを獲得したロズベルグ。走り自体はハミルトンに見劣る感は否めませんが、プレッシャーに耐えてタイトルを獲ったことがすべて。今シーズンの最終戦が彼のラストレースとなったのは感慨深いものがあります。
リカルドは予選の速さといい、レース運びといい、安定感といい、抜群。総合的な力としては、今のF1でベストという気がします。今シーズンは是非ともタイトル争いをしてほしい。そんなリカルドと互角の戦いを繰り広げたフェルスタッペンは、やはりタダ者ではありません。彼がどこまでのポテンシャルをもっているのか、今年よりはっきりと見えてくるでしょう。
地味にいい仕事をしたのがアロンソ。どんな扱いにくいマシンでも乗りこなす彼の持ち味を発揮して、バトンに大差をつけました。バトンもがんばっていたもののも、マシンが安定してはじめて粘りのある走りをするので、今年はやりにくかったでしょう。ただ、シーズン後半は明らかにモチベーションが下がっていましたね。
フェラーリの2人は、チームの残念な仕事ぶりに足を引っ張られた感じ。個人的にはライコネンの復調が嬉しい出来事でした。
その他、いい走りをしていたのは、サインツ、グロージャン、ペレスあたりでしょうか。サインツはフェルスタッペンにレッドブルのシートを獲られてメンタル的にきびしいところを乗り越え、着実にポイントゲットしたのは立派。ただレッドブルのシートはしばらく満席なので、来シーズン彼がどのチームに行くかが興味深いところ。グロージャンは、シーズン前半はすごくいい仕事していたものの、チームの調子が落ちて来ると癇癪という悪い虫が出てきて、予選でもグティアレスに負けはじめたのが残念。今年のマグヌッセンとのチームメイトバトルはなかなかおもしろそう。


【チーム】
1.メルセデス 
2.レッドブル 
3.フォース・インディア 
4.フェラーリ 
5.トロロッソ 
6.ウィリアムズ 
7.マクラーレン・ホンダ 
8.ハース 
9.マノー 
10.ルノー 
11.ザウバー

結局今年もメルセデスのパーフェクトウィン。マシン開発、オーガナイズ共にほぼ完璧でしょ。名だたるスタッフをかき集めているとはいえ、それを適材適所に配置して機能させているのがすごい。フェラーリはメルセデスを参考にすべき。てか、まずは会長さんの出しゃばり、勘弁してほしい。
レッドブルはPU問題の影響で、もしかしたら下位に沈むんじゃないのと思っていたのですが、シーズンが進むにつれてグイグイと戦闘力を高め、コンストラクターズ2位を獲ったのは予想外でした。ルノー産PU(誰もタグホイヤーのタの字も言わない……)であれだけの走りができるというのは、余程シャシーが優れているのでしょう。今のところ打倒メルセデスの筆頭。
フォース・インディアは毎年撤退の危機にさらされているにも関わらず、良いマシンをつくってきますね。今までは高速番長的なマシンでしたが、VJM09はオールラウンドタイプに。この上を目指すのはチームの規模からしてむずかしいので、99年のジョーダンのような位置でがんばってほしい。
マクラーレン・ホンダは2015年シーズンと比べると大幅に前進したとはいえ、それでもはやり物足りない結果に終わりました。しかもマクラーレンが内紛を起こすなど、良い兆しが見えない。下手したら、このままズルズルと中団チームになってしまうかもしれません。

2017年はメルセデスが落っこちるかたちでも、他のチームが躍進するかたちでもどっちでもいいので、とにかくチーム同士の争いが見たい!

ロズベルグがサプライズ引退

20170104

悲願のドライバーズタイトルを獲得してからわずか5日後、新チャンピオンが突然の引退発表。マジかマジか?! チャンピオンになってカーナンバー「1」で走れるのに……、まだ若いのに……、ちょっと前に2年間の契約更新をしたところなのに……、てか何十億円がパァーになるじゃないかッ!! 
92年のマンセルや93年のプロストのように、チャンピオンになったにも関わらず周りの状況のせいで引退せざるを得ないケースは僅かにあったものの、自分の意志で、しかも初めてのタイトル獲得直後に引退するなんてことは、今までなかったんじゃないでしょうか。
本人曰く、「人生の目標を実現し、もうF1で成し遂げるべきことがなくなった。もっと家族との時間をもちたい」とのこと。この言葉に100%嘘はないでしょう。ただもうひとつ、「ハミルトンとの戦いをこれ以上続けるのは無理」という思いもあったはず。
子どもの頃からライバルとして競い合い、大人になってF1のワールドチャンピオンという究極の名誉を懸けて、チームメイトとして戦うという、まるでマンガのようなシチュエーション。それだけに思うところも多くあったでしょう。しかも絶対的な力は明らかに相手が上。そのこと証明するように、チームメイトになってからの3年間は負けっぱなし。
「がんばったところで勝てねぇよ」、ハミルトンはそう思っていたに違いありません。ロズベルグもハミルトンとの力の差は痛いほど感じていたはず。どれだけ力を振り絞ってタイムを削っても、ライバルは涼しい顔をして上回ってくる。しかも何度も何度も……。普通なら自分に都合のいい言い訳を見つけて諦めるところをロズベルグは2度、3度と戦いを挑み、負け続けながら勝てる方法を考え抜いた。
そして導き出した答えは、「自分の走りを貫くこと、絶対にミスをしないこと、相手のミスを最大限に活かすこと」。至極当たり前のことですが、実践するとなると話は別。それでも彼は自分を追い込み、自分に課したミッションを1年通じてやり遂げた。それで燃え尽きてしまっても無理はないでしょう。

ただチームとしては、そんなのカンケーねぇ状態。首脳陣にしてみれば、襟首をつかんで「何ねむたいこと言ってんだッ!」と、どやしつけたいところでしょうけど、モチベーションを失ったレーサーを走らしてもろくなことはありません。それは今までの歴史が物語っています。
ということで突如、最強のシートが空くことに。しかも時期が時期だけに、トップドライバーは身動きできない異常事態。さらにこの椅子取り合戦はメルセデスの問題だけに留まらず、ドミノ倒しで中団・弱小チームにも影響を及ぼすことに。もう完全にシーズン中のタイトル争いよりオフシーズンのシート争いの方がおもしろい!
メルセデスが最悪の状況の中での最善策として考えているは、育成ドライバーのウェーレインではなく、ボッタスの起用であることは間違いありません。彼ならハミルトンを慌てさせることなく堅実にポイントを持ち帰ってくるという算段なのでしょうし、実際そうなる可能性が高い。それなら、パッキャオvsメイウェザーのようにちょっと遅かった感はあるものの、アロンソとのガチバトルが見たい。それが叶わないのなら、マクラーレン・ホンダが戦闘力のあるマシンをつくってくれることを願います。さらにバンドーンが今シーズンのフェルスタッペンのような活躍をしたら盛り上がるのに。

話はロズベルグに戻り、彼は今回のサプライス引退のおかげで、完璧な勝ち逃げに成功。この決断についてはいろいろ意見が別れるところでしょうけれど、優等生だった彼が最初にして最後にみせたワガママだったともいえるし、そこそこに走ってガッポリ儲けることを良しとしない彼の誠実さのあらわれとも捉えられるし、すごく人間味があって良かったと思います。

アブダビGP〜ロズベルグ悲願のタイトル獲得

20161225

いやぁ〜久々にヒリヒリした! 同じ最終戦〜アブダビでタイトルが決まった2年前とは比べものにならないくらい見応えのあるレースでした。前回は速さも勢いにおいても勝るハミルトンがポイント面でもリードしていて、そのままブッちぎりましたが、今回はロズベルグがポイント面でリードしていたことが、ドラマを生んだといってよいでしょう。
ロズベルグ目線でいえば、ライバルの順位に関わらず3位に入れば悲願のタイトル獲得という状況。普段のレースであれば決してむずかしいことではないのですが、最終戦でのタイトル決定ということでいろいろなファクターが絡み合うことに。攻めるべきか、守るべきか。これまでの歴史を振り返ると、勝利の女神は気持ちの面で守りに入ったドライバーはお好きではない様子。つまりロズベルグは“リスクを避けて攻める”というアンビバレンスなドライビングが求められるワケです。とんでもないプレッシャーがのしかかる極限の状況で、そんなことができるのか? これは今シーズンの総決算というだけでなく、ロズベルグのドライバー人生がかかった一世一代の大勝負。
一方ハミルトンの状況はいたってシンプル。ただ優勝するのみ。しかも彼の場合、ドライバーとして証明すべきことは既に済ませているので、ロズベルグほどの重圧はありません。ただ、ひとつの問題は、“どのように勝つか”ということだけ。いくら自分が優勝しても、ロズベルグが3位以内でゴールすれば、タイトルを獲ることはできない。自分がタイトルを獲るためには、ロズベルグの前に2人ゴールする、いや、させる必要がある……。

そのための答えは、敵チームの大将、レッドブルのクリスチャン・ホーナーから発表されました。「ペースを落として混戦にすれば」と。彼としてはハミルトンを焚きつけるだけ焚きつけて、自分ところのドライバーが優勝する可能性を高めようという魂胆もあったでしょう。
これに対してハミルトンは、「そんなこと考えもしなかった。自分はブッちぎって勝つだけ」と返答。このコメントを聞いて、ハミルトンも武士道をかじったのかと驚いたと同時に、「彼がそんなことするか?」という疑念が湧いたのが正直なところでした。
で、結果はご存知の通り。いや、予想していたよりエグい走りを展開しました。「考えたこともない」と言ってキッパリ否定した作戦をシレ〜ッとやりだしたのです。チームから何度もペースを上げろというオーダーが発せられても完全に無視。あっと言う間にスーパーソフトを履いて猛追するベッテルとフェルスタッペンがロズベルグの真後ろに迫る。これ、ロズベルグにしてみたらたまらんですよね。リスクを抑えるために速いベッテルを前に行かそうにも、そのすぐ後ろには何をしでかすか分からないフェルスタッペンがいる。しかもフェルスタッペンに抜かれるとタイトルが獲れない。といって前のハミルトンを抜こうにも、本来は遥かに速いペースで走れるので抜けない。まさにタイトロープな状況。
しかしロズベルグは見事に切り抜けました。冷静にベッテルの動きをチェックしながら2位でフィニッシュ。以前の彼なら、焦ってハミルトンに突っ込むか、オーバーランしてベッテルやフェルスタッペンに交わされていたかもしれない。そもそも1回目のタイヤ交換の後、1ストップ作戦で前を行くフェルスタッペンのインを刺せたことが勝利につながったと思います。今回の最後の難関を乗り越えたで、タイトルにも泊がついたのではないでしょうか。

タイトルに対する執念をみせたハミルトンの走りは、あくまでレースの駆け引き。全然“アリ”でしょう。むしろ、レースを盛り上げてくれて「ありがとう」と言いたいくらい。ただ、チームへの無線のコメントや、レース後の「オレはトラブルに見舞われ、ロズベルグには起きなかったからタイトルを逃した」的なコメントはいただけない。思うでしょうけど、言っちゃダメ。でもまぁ、アドレナリンがおさまってからはロズベルグを讃えていたので、良いチャンピオンシップだったといえるんじゃないでしょうか。
来年はレギュレーションも変わるので、チーム同士の接戦を期待します。

月別アーカイブ
カテゴリ別アーカイブ