KITSCH de F1

F1徒然日記。

イギリスGP〜ハミルトン圧勝

20170720

ライバルが手も足も出ない、ブッチギリの走りを見せつけたハミルトン。フェラーリ〜ベッテルにしてみれば1ポイント差に迫られたことよりも、シーズン後半に巻き返せる勢いがないことの方が深刻な問題でしょう。アゼルバイジャンGP前に話題になったフェラーリのオイル問題って、やっぱり影響してるんでしょうか?
メルセデスはシーズン序盤弱点だったタイヤの使い方も解決したようで、予選だけでなくレースペースも速い。逆にフェラーリはレース終盤にタイヤトラブル発生。こうなってくると、もともと純粋なスピードでメルセデスに一歩及ばないフェラーリは苦しい。シーズン中の開発もノツコツしがちなので、今まで通りたメルセデス〜ハミルトンのワンサイドゲームになりそうで心配です。

しかも今年のハミルトンは落ち着いている。ボッタスに先を越されても慌てる素振りはないし、アゼルバイジャンでベッテルにぶつけられた時も冷静に対応。チームでナンバーワンのポジションにいるという心の平安が強さを引き出しているのかもしれません。ボッタスがもっとハミルトンを追い込んでくれるとおもしろくなるんですけど。
「一旦、落ち着こ」と言いたくなるのがベッテル。フェルスタッペンとのバトルでもオーバテイクできなかったことにカッときたのか、その後の攻めが単調に。あそこは技のバリエーションを見せてほしかった。この辺の柔軟さはアロンソとリカルドがピカイチです。そういう意味でも、この二人には優勝に絡めるマシンに乗ってもらいたい。

優勝争いとは別に、ペレスとオコンのチームメイト対決がおもしろいですね。これまではパイセンのペレスがいつもちょこっとリードする展開でしたが、カナダ辺りからギャップが縮まり、今回は予選・決勝ともにオコンが上回りました。オコンがこのまま成長しつづけてパイセンを置き去りにするのか、それともパイセンが強引な走りを復活させて阻止するのか見ものです。

チームメイト対決では、バンドーンが初めてアロンソを上回りました。シーズン前は、ハミルトンやフェルスタッペン クラスのニューカマーかと期待していましたが、これまでのところは肩すかし状態。弾みをつけてこれからグイグイいってほしい。
逆にグイグイいき過ぎているのがクビアト。完全にドツボにハマってます。スピードはあるけれど、レース中の判断が追いついていない感じ。オープニングラップで接触が多いのもまわりを確認せず、自分の“つもり”でステアリングを切っている感じ。しかも同門を撃沈しているのがイメージ悪い。かつて「オープニングラップの狂人」といわれたグロージャンはメンタルカウンセリングを受けて改善を図ったそうなので、一度紹介してもらってはいかがでしょうか。

オーストリアGP〜ボッタス、来年につなげる1勝

20170714

ボッタスにとってオーストリアGPでの勝利は、大きな1勝となりました。派遣スタッフさんのように急遽メルセデスに入り、1年契約を結んだ彼は、契約更新するためには夏休みまでに一定の評価を勝ち取らなければならないというシビアな状況。予選で善戦し、決勝でもロシアGPで初優勝するなど次第点は取っていたものの不必要なミスもあり、ここらで決め手となる成果が欲しかったところに、今回のポール・トゥ・ウィン。この優勝はベッテルとハミルトンのポイント差をおさえるサポートにもなったので、チームは契約更新にグッと傾いたんじゃないでしょうか。
何といっても、初日のフリー走行から安定した走りで着実にセットアップを詰めていき、勝ちきったことが大きい。決勝の第2スティントでブリスターが出てベッテルに迫られましたが、落ち着いて守りきったのも見事。並のドライバーだと、焦ってどこかでしくじるんですけどね。あと1勝すれば、間違いなく来シーズンもメルセデスで決まりでしょう。そして、知らない間にハミルトンとのポイント差は15ポイント。ハミルトンはボッタスにサポートを頼みづらくなってきました。

2位のベッテルは、自分ができる最大限の走りをしたといったところ。マシン的に“やっぱりメルセデス最強やん状態”になりつつある中、すごくがんばっている。たまに癇癪を起こしますが、走りは文句なしにエース。フェラーリとしては、来シーズンも彼に残ってもらわないと困るでしよ。ただ、マルキオンネ会長が勘違いして基本給カット&ボーナス制を言いだし、ベッテルが気分を損ねる展開もなきにしもあらずです。
一方、チームメイトのライコネンはまったく存在感なし。最近は予選だけでなくレースペースでも明らかに遅いのが痛い。1オープニングラップでリカルドにすんなり抜かれたのもイタい。いくらベッテルとの相性が良くて扱いやすくても、この走りではコンストラクターズタイトルが獲れない。残念ですが、今年限りになるかもですね。

3位に滑り込んだリカルドは今回も大健闘。円熟味が出てきました。ここんところ予選ではフェルスタッペンに押されているだけに、チーム内で主導権を握るためにも、しっかり結果を残しておきたいところ。
レッドブルはホームグランプでありながらマシンの特性に合っておらず苦戦が予想されていただけに、リカルド、フェルスタッペン共、ある程度の速さを発揮できたことは、これからの挽回に期待できます。

アゼルバイジャンGP〜燻っていた火種がメラメラ

20170702

何で、17位まで順位を落としたリカルドが表彰台の真ん中で靴にシャンパンを注いで飲んでいるのか? 何で、接触をして周回遅れになっていたボッタスが2位になっているのか? 何で、ストロールが表彰台にいるのか? 謎過ぎるレース展開となったアゼルバイジャンGP。去年は粛々と周回を重ねる退屈なレースだったのに、今年はフリー走行から接触&クラッシュの乱れ打ち。そのおかげで、あちこちで遺恨を残すことになりました。トロロッソとフォース・インディアは、前戦のカナダからチームメイト同士で燻っていた火種がメラメラと燃えだした感じ。特にフォース・インディアの2人はこじれそうな気配で、ワクワクしてしまいます。
ボッタスとライコネンのいざこざは、もはやお決まりのネタ。ボッタスは契約更新の問題がちらついて強引になっているとまでは言わないものの、ちょこちょこ粗さが目につきます。今はレッドブル勢がもう一歩なので助かってますが、マシンの戦闘力が上がってくると喰われてしまうでしょう。ライコネンは本当についていない。でも、最近こういうもらい事故が増えてますよね。それは置いといて、セーフティーカーが出ている時の走りは問題ありじゃないでしょうか。いつも他のドライバーと比べてステアリングを切る度合いが少なく、タイヤを冷えてしまうのではないかと心配してしまいます。それと、セーフティーカーが退く時に前のクルマとの距離が空き過ぎで、後ろのクルマにピタリとつけられてオーバーテイクされることが多い。今回もフォース・インディアにやられてましたね。チームも無線で言わんといかんでしょ。

逆に前のクルマと距離をつめ過ぎていたのがベッテル。確かにハミルトンのコーナー出口での加減速はかなり意地悪ですが、だからといってあんなことをしゃダメ。見てるこっちはザワつきますが、ベッテル自身は何一つ得することはありません。ペナルティを喰らって優勝を逃すばかりか、ペナルティポイントも追加されて出場停止のピンチに陥る始末。これまでもカッと来て暴言を吐くなど癇癪持ちの片鱗は見せていましたが、ここまでの短気クンとは。ただ見てるこっちは、ブツけるのはナシにしても、感情をストレートに出すのは人間味があってよいと思います。ハミルトンとベッテルには、これをきっかけにガンガン攻め合ってほしい。

カナダGP〜目立ったのは紅とピンク

20170615

今年のカナダGPは、メルセデスがせっかく1-2フィニッシュをキメたにも関わらず、中継ではほとんど無視され、ひたすらフェラーリとフォース・インディアがフィーチャーされる展開に。
パワーがものを言うジル・ビルヌーブ・サーキットではメルセデス有利と予想されたものの、予選までは思いの外フェラーリ勢が健闘していただけに、レース序盤での脱落は残念でした。
フォース・インディアは、すっかり中団チームのトップというポジションが定着しましたね。ドライバーも安定感があり、普通にウィリアムズを上回っている。(クレア姉さんから「そっとしておいてあげて」と、温かい言葉をかけてもらっていたストロール君は、母国クランプリで初ポイントを獲れて何よりです)
ただ、フォース・インディアは、ドライバーに安定感があってもコミュニケーションは不安定な様子。事の発端はペレス。最近は丸くなったのかなと思っていたら、変わってませんでした。ペースの良いオコンにひとまずポジションを譲って、リカルドを攻めるチャンスをつくってほしいというチームの提案を拒否して、5位を自分のものに。真面目なオコンしてみれば「なんじゃ!? このオッサン!!」と引いたでしょうけど、F1ドライバーというものはこれくらいのガメツさがないとやっていけないのかもしれません。
中継時はペレスが強引にチームオーダーを無視したのかなと思っていたら、チームの無線の語気はそれほど強くなく、「あんな言われ方だったら、そら譲らんやろ」という感じ。また、タイヤがつらい状態のペレスを抜けないのだからリカルドも抜けなかっただろうという言い分も分かります。こういうことが問題になるのは、チームメイト同士で競争が存在していることでもあるので、ある意味健全だと思います。チームとしては、ペレスがオコンをおさえたことで、2台ともベッテルに抜かれたことが腹立たしいでしょうけど。これまでペレスの後ろを堅実に走っていたオコンには、今回の件で覚醒してくれることを期待します。

もう一方、カナダGPのパドックで話題をさらったのは、マクラーレン・ホンダ。ザク・ブラウンがホンダとの関係解消をにおわすコメントをしたことがはじまり。槍玉に挙げられたホンダは、予定していた新スペックのPU投入を延期し、明確な予定も立たず。そして今回も「遅い・燃費悪い・壊れる」の三拍子で、まったく良いとこなし。これではいくら長谷川さんが「正しい方向に進んでいる」と言っても説得力がありません。アロンソがリタイヤした後、観客にグローブを投げる姿には、「ファンサービスでもせんとやってられんわ」という気持ちが滲み出ていました。ホンダ、ホントにケツカッチンです。

モナコGP〜ライコネン勝利を逃す

20170606

去年につづき、ウィナーよりも敗れた者がフィーチャーされることになったモナコGP。去年のリカルドは呆然だったのに対して、今年のライコネンは憮然とした表情で立すくんでいました。

マシンのワイド化によって、コース上での追い抜きはもはや不可能となった状況に「これってどうなん?」と首を傾げないでもありませんが、20レース中ひとつくらいこんなコースもあってもいいかなと思ったり。現にこうしたコースだからこその出来事が起こったワケですから。(モナコ以外の抜けないコースについては改善してほしい)
さて、グランプリで最初のトピックスは、バトンのパートタイム復帰。今年の高速マシンに初めて乗ったにも関わらず、すぐに適応し、バンドーンとほとんど変わらないタイムで予選9位。さかずワールドチャンピオン!という走り。ただ、今年はじめてQ3に進み、予選7番手タイムを叩き出したバンドーンをずっと上回っているアロンソが走っていたら、どこまでいけたのかという思いも。
ブーリエが「バトンが復帰してチームに笑顔を取り戻してくれた」と喜んでいたのも束の間(アロンソいなくて思い切りホッとしてるやん!)、またまたホンダがやらかしました。今季5基目となるTCとMGU-Hを投入したため、15グリッド降格の最下位スタート。交換せずにレースをすることも可能だったようですが、アロンソのご機嫌を損なわないためにバトンでペナルティを消化。いい加減こういうレベルのゴタゴタ、やめにしてくれませんか。

つづいてのトピックスは、ライコネンの9年ぶりのポールポジション獲得。あまり得意ではないコースだけに、ここでのポールは意外。レースへの期待も高まります。
で、結果はご存知の通り。オーバーカットについては、チームが故意にベッテルを先に行かせたとまでは言いませんが、トップに立つチャンスをプレゼントしたことは間違いないでしょう。それはもちろん、最大のライバルであるハミルトンとの差を広げるという狙い。「取りあえずフェラーリ1-2態勢を崩されるリスクは省き、ライコネンをオーバーカットするチャンスをつくったから、後は自分で何とかして」といったところでしょう。こうした状況をチームにつくらせ、チャンスをものにするところがエースドライバー。ライコネンがタイヤ交換してからの5周の走りは圧巻でした。
一方ライコネンは周回遅れに引っかかったこともありますが、アウトラップがベッテルに比べて遅い。ここ一番の勝負所で速いラップを刻めないところに、ライコネンの衰えを感じます。ベッテルに先を越されてからのペースダウンもいただけない。タイヤがマッチしていなかったのかもしれませんが、食いついていく姿勢を見せてほしい。
表彰台で固まるライコネンなどおかまいなしに盛り上がるチームスタッフを見ると、現在彼が置かれているポジションが伺えます。ライコネンが引退を決意しても何ら不思議ではありません。

オーバーカットで揉めた、もうひとつのチームがレッドブル。第1スティントで4位を走っていたフェルスタッペンが3位ボッタスのアンダーカットを目論み早めにピットインしたのを見て、リカルドが猛ダッシュ。見事に2人を抜き去り、3位をゲット。これにフェルスタッペンは怒ったようですが、フェラーリと同じでレースの“あや”。今回はリカルドのレース巧者ぶりが光りました。でも最近は若いチームメイトに押され気味なので、自チームだけでなく他チームにアピールする上でも踏んだりたいところ。

オーバーテイクといえるものはありませんでしたが、ピットストップでの攻防や、ジレて勝負に出て自滅するドライバーが続出するなど、モナコならではの展開満載で楽しいレースでした。

スペインGP〜メルセデスvsフェラーリ、ガチンコ勝負

20170524

ゆっくりではあるけれど、着実にF1が変化していることを感じることができたスペインGP。しかも良い方向に変わってきているのが嬉しい。
それはレギュレーション変更によるスピート感あふれるマシンやスリリングなレースだけでなく、ファンとの関係づくりにおいてもいえること。今回いちばん目立っていたリトル・フィフォシに対するフェラーリ〜ライコネンの対応や、ピット体験の実施や放送時のカメラワークなどからもうかがえます。こうした試みに加え、観戦料が一時期の液晶テレビ並に安くなっていくと更にいいんですけどね。

今回のレース前の焦点は、メルセデス〜ハミルトンが課題だったレースペースをいかに改善してくるかということ。各チームがアップデートしたマシンを投入する中、特にメルセデスは大規模な改良を行い、グランプリに臨む。その効果はいきなりあらわれ、金曜日のフリー走行でフェラーリに大きな差をつける展開に。これでまたメルセデス一強に逆戻りかとうな垂れましたが、土曜日はフェラーリが挽回し、予選でヒリヒリするタイムバトルを繰り広げてくれました。こういう戦いになると、ビールが格段においしくなります。
レースでも4人のドッグファイトを期待していたものの、スタートしていきなりボッタスによって砕かれました。ボッタスはライコネンを撃沈しただけでなく、1回目のタイヤ交換を行ったベッテルをおさえ込んでハミルトンを援護するという、まるで90年代後半のフェラーリ〜アーバインのような働きぶり。ライコネンは久々に乗れていただけに惜しい……。この後、モナコ、カナダと得意でないコースがつづくだけに、余計に残念です。
ハミルトンとベッテルの戦いは見応えありました。2回目のタイヤ交換を終えた時の攻防はもちろんのこと、フェイントをかけてボッタスを抜いたベッテルの技は、「これぞF1!」というものでした。
勝負はハミルトンに軍配があがったワケですが、その立役者となったのがメルセデスのストラジーチームであることはいうまでもありません。バーチャルセーフティカーが引き上げる寸前(先頭を行くベッテルが反応できないギリギリのタイミング)にピットに呼び寄せ、2回目のタイヤ交換。この電光石火の奇策によって、バーチャルセーフティカーが去ってからタイヤ交換を行ったベッテルとのギャップを帳消しにしました。後はソフトを履いたハミルトンが、ミディアムのベッテルをいつ・どのように料理するかということだけ。
メルセデス〜ハミルトンにしてみれば、課題を克服しての快心の勝利。フェラーリ〜ベッテルは完敗。悔しいけれど、納得の負けといえるでしょう。

今回のレースで残念だったのは、メルセデス、フェラーリとそれ以外のチームの差があまりにも大きかったこと。3位のリカルドを除き、全員周回遅れ。リカルドにしてもほぼ1周遅れ。出力をおさえてPUの負担を減らしていたようですが、要するに上位2チームとは勝負にならないということ。せめてレッドブルだけでも、食らいついていけるようになってほしい。ルノーPUの改良型に期待しましょう。
その他で目についたのは、フォースインディアの健闘。これといって秀でた速さはないのに、毎回2台共きちっとまとめてくる。チーム力としては、ウィリアムズを凌いているといってもいいんじゃないでしょうか。お金はないけれども……。期待のオコンは堅実な走りをみせていますが、ここらで一発、ペレスを上回る威勢の良さもみせてほしい。
マクラーレン・ホンダは微妙というか、やっぱりダメでしょ。アロンソの予選7位はアロンソ自身の力が大。決勝をみると、まだまだ圧倒的に力が足りない。ザウバー〜ウェーレインが入賞したことで、コンストラクターズ最下位。これはずっとF1を観てきた者にとってはショックです。大型ルーキー、バンドーンも今のところ良いとこなし。アロンソはマシンが悪いなりにも唸らせる走りをしているワケですから、彼にもキラリと光るところをみせてほしいものです。
次はアロンソがお休みし、バトンが復帰するモナコです。

ロシアGP〜ボッタス初優勝!

20170509

ボッタス、初勝利! F1デビューから81戦目とながい道のりで、ちょっと前までは未勝利のまま終わってしまうのでは……という気配が漂いつつあったのに、メルセデス移籍4戦目にして念願の初優勝をつかみ取りました。
普通、初めて優勝したドライバーは派手にガッツポーズをとったり飛び跳ねたり、時にはバリチェロのように号泣したりするものですが、この人の場合はどこかの社長のような落ち着きよう。とても20代の青年には見えません。さすがに表彰台では笑顔がこぼれ、マシュマロマンみたいでかわいかったですね。

そんなボッタスはレースでも冷静沈着。これまで予選はメルセデス、決勝はフェラーリという構図だった2017年シーズン。それがソチでは、フェラーリが予選でフロントロウ独占(2008年のフランスGP以来というからビックリ!)。こうなるとレースはフェラーリ勢がブッちぎるのではと予想されたものの、ボッタスがスリップスとリームを使って2番手ライコネンだけでなくポールのベッテルもかわしてトップに浮上。去年、スタートの問題を抱えていたメルセデスは、過去のデータを徹底的に分析して改善を図ったとのこと。
そしてトップに立ってからも素晴しいペースでベッテルをグイグイ突き放していく。この1stスティントの走りは予想外。ベッテルも、なす術なし。2ndスティントを短くする作戦で終盤の追い上げたものの、ボッタスは慌てず騒がずチェッカーフラッグを受ける。こういう守りがかたいドライバーが勝てる環境を手にすると、地味に勝ち星を積み重ねるんじゃないでしょうか。イメージとしては、プチ後期プロストみたいな感じ。
正直、ハミルトンに比べると迫力不足で圧倒されるのではないかと思っていましたが、今のところ結果だけを見ると遜色なし。彼には往年の北勝海のような、地味だけれど強いキャラを確立していただきたい。くれぐれもフレンツェンのように不発に終わらないようがんばってほしいものです。

アロンソがインディ500に参戦する件

20170421

ある意味、今シーズンいちばんの衝撃ニュースになるであろう、アロンソのインディ500参戦。
関係者やマスコミ、ファンの間で賛否別れていますが、個人的には単純に、2度のワールドチャンピオンであり、今も最高のドライバーの一人といわれている彼が、どこまでイケるのか見たい。
今回のぶったまげプランは、マクラーレンのエグゼクティブ・ディレクター、ザク・ブラウンのジョークからはじまったということですが、それはあくまで台本の1ページ目に書いてある通りに話しただけ。実際はあまりのマシンの酷さに怒り心頭なアロンソをなだめるための苦肉の策であることは誰の目にも明らか。
アロンソもインタビューで「まだ35歳の自分は3大レース制覇のチャンスはいくらでもある」と言いながら、敢えて今年に挑むことがフラストレーションの大きさを物語っています。
こうした状況の中で、「インディでのホンダの好調」〜「アロンソのインディ500への参戦」とつなげるあたりは、ザク・ブラウンが必ずしもF1が絶対ではないアメリカ人で、かなりの策士であるところが大きいといえるでしょう。また、新たにF1のオーナーになったリバティ・メディアの存在も無視できません。おそらくザク・ブラウンとしては、将来的にはマクラーレンをインディをはじめ、他のカテゴリーでも展開する野望をもっているのでしょう。

さて、今回のインディ500参戦において、現役のF1ドライバー(しかもトップドライバー)が、本来ならば絶対に出場しなければならないレース(しかもモナコGP)を休んでまで出場して良いのかという意見もあります。これはこれで正論で、間違いありません。
一昨年もヒュルケンベルグがル・マンに出場しましたが、これはレースの日が別だったから。「もし日が重なっていたら絶対にル・マンには出場しなかった」とヒュルケンベルグ自身が言っています。それだけ今回のプランは異例中の異例。アロンソにしても、もしマシンがそれ相応のものであれば、モナコを休むなんてことはしなかったはず。要するに、マクラーレン・ホンダのマシンがどうしようもないことが今回のプランの大前提になっているワケで、かなり恥ずかしいことです。
マクラーレン・ホンダ……いや、「こんなのGP2エンジンだ!」につづき、「こんなパワーのないクルマでレースしたことないッ!」とディスられたホンダのメンバーは発憤しないと! 何か、「アロンソに貸しをつくったから来年も残ってくれるだろう」と思っているようでこわい。アロンソは、そんなこと、これっぽっちも考えてませんよ。

バーレーンGP〜やっぱりこの2人

20170420

ボッタスがポールを獲ったり、セーフティカーが入ってドタバタがあったりしても、結局優勝を争ったのはベッテルとハミルトンでした。
ボッタスは予選がハイライト。得意のコースではじめてハミルトンを上回ったものの、レースではジェネレーターが故障してタイヤの内圧が高くなり、ペースが上がらず、ベッテルにおいていかられる展開。それを差し引いても、ハミルトンの終盤の怒濤の追い上げを見せつけられると、ちょっと役者が違うなと思わずにはいられません。チームオーダーで順位を譲るシーンが、コバライネンとかぶってしまいました。

優勝したベッテルは「さすが!」の一言。予選でメルセデスに大きく突き放されても慌てず騒がず。レースではタイヤにやさしいマシンの強みを最大限に活かして優勝。そしてレース後、スタッフみんなと盛り上がる。これがチームを自分に引き寄せ、さらに強くする大きな要因であることは間違いありません。あちこちに当たり散らしていた去年とは、ホントに大違い。それだけ「このマシンならいける」という自信をもっているのでしょう。
一方、ライコネンはまたも不完全燃焼。ベッテルやハミルトンだけでなく、ボッタスにも負けているのがイタい。勝手なファンからすれば、「フロントが入らないマシンというのが分かっているなら、そのマシンで速く走れるドライビングをしてくださいよ」と思うのですが、なかなか簡単にはいかないんですね。

レッドブルはドライバー2人で何とか今のポジションをキープしている印象。予選では最後の最後にリカルドが意地を見せましたが、近頃はフェルスタッペンに押され気味。しかもフェルスタッペンはまだまだ未知数なところがあり、リカルドもかなりの脅威を感じているでしょう。

中団争いは本当に熾烈。ルノー、トロロッソ、ハース、フォース・インディアに乗る若手ドライバーが元気にバトルをするのはおもしろい。その中でキャリアのあるヒュルケンベルグ、ペレス、グロージャンはやっぱり頭ひとつ出ますね。オコンは期待しているのですが、今のところ特にズバ抜けたところは見せられていません。コツコツ積み上げていくタイプなんでしょうかね。

マクラーレン・ホンダは……酷い。遅いだけでなく、今回はスタートすらできない有り様。バンドーンは開幕からトラブルの連続でまともに走れていない。せっかく大きな才能があるといわれているのに、遅いクルマに乗り慣れて才能を枯渇させてしまうのではないかと、おじさんは心配してしまいます。
「こんなパワーのないクルマでレースしたことないッ!」とブチきれていたアロンソですが、そんなどうしようもないマシンでいつも入賞圏あたりで争っているのは流石。ガス抜きのため、インディ500参戦というご褒美も納得です。
それにしてもホンダのPUのクオリティはかなり深刻。25年以上F1を観てきて、ここまで良いとこなしのエンジンを思い出せません。悪名高いマクラーレン・プジヨーですら、1年目からキッキネンが何度も表彰台にのり、ドライバーズランキング4位に入ってましたしね。次に投入される新型PUの結果によっては、お互いにパートナーシップを見直した方がいいんじゃないかと思うくらいです。

中国GP〜今シーズンの予想図】

20170417

とにかくハミルトンがご機嫌です。その理由は、メルセデスがトップの力を維持しながら、ライバルがチームメイトからフェラーリ〜ベッテルに変わったこと。それはハミルトンだけでなく、F1ファンにとっても歓迎です。チームメイト同士の争いだと、チームオーダーがどうだの、どちらが主導権をも握っているだの、ドロドロな感じになってしまいますから。それはそれでおもしろかったりしますが、3年も続くとお腹一杯。今はどちらかが勝てば「今日は相手が速かった。次は何としても勝ちたいね」で終わり。風通しがいい。だから今回2位に終わったベッテルも、表彰台では笑顔だったのでしょう。異なるチームの力が拮抗し、2人のドライバーが競り合う状況って、ホントに久しぶりです。

では、メルセデスとフェラーリの、もう1人のドライバーはどうしたのかというと、明らかにエースドライバーとの違いを見せつけられることになりました。それは順位からも見てとれます。ハミルトンとベッテルに続いているのが、レッドブル勢なんですよね。ぶっちゃけ、マクラーレンホンダさんちのアロンソはちょっと置いといて、この上位4人が現在のトップ4でしょ。これからもハミルトンとベッテルがデッドヒートを繰り広げつつ、リカルドとフェルスタッペンが切り崩しにかかる展開になるでしょう。
とにかく残念なのがライコネン。またまた“フロントが入らない病”にかかり、まったく存在感なし。贔屓のドライバーなのでこんなことを言うのは辛いけれど、彼が「フロントが入らない」といってぺースが上がらないのは前期フェラーリ時代からの課題で、こうなってくるとこっちが本来の力で、速い時はたまたま“ハマった”という方がしっくりくる。ロータス時代までは予選がダメでもレースで挽回できていたものの、フェラーリ復帰後はオーバテイクの切れ味も、知らない間にポジションを上げているレース運びのうまさも影を潜めている。今回もライコネンがリカルドの後ろでもたもたしていたのに対して、ベッテルは早々に追い抜いていったのはショックでした。む〜、そろそろ限界かな……。
ただ今回の不調は、チームが足を引っ張った面も大きい。例の無意味な引きのばし戦略。ドライバーがタイヤが終わってピットインを要求し、タイムも大幅にダウンしているに、延々と走らせたのにはどういう意味があるのか? かなりの謎です。

ボッタスのミスと、その後の不甲斐なさもいただけない。せっかく開幕戦で評価を上げたのに、「やっぱり、こんな感じか」という印象を植えつけてしまいました。彼は厳しい目が光るお試し期間中なので、即効に挽回しないと来シーズンのシートはないでしょう。せめてハミルトンを、いつものややこしキャラに変えるくらいの走りをしてほしい。

それに比べるとフェルスタッペンは光ってました。去年のブラジルでの走りを再現するような激走。オープニングラップで9台抜きって、かなり凄くないですか?! でも、オンボード映像を見ると、ステアリングをあっちゃこっちゃ切るでもなく、スムーズに追い抜いてるんですよね。この辺は天性のセンスを感じます。憎ったらしいけど凄い。この感じ、セナやシューマッハ、アロンソが出てきた頃にそっくり。まだまだ出し切っていない力があるのは明らかで、チームの好調とかみ合えば、シューマッハを超える1強時代を築きそうでこわいです。

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