20191001

マクラーレンが、2021年からエンジンサプライヤーを現在のルノーからメルセデスに変更することを発表しました。
結局ルノーとのパートナーシップは、当初の契約期間である3年で終了ということに。ホンダと決別した時はルノーから供給してもらうしかない状況で、1年目はシャシーとチーム状態が最悪なこともあり、結果は散々。2年目の今シーズンは復調しているものの、まだまだトップ3には遠く及ばず。今後、長期的にステップアップしていくためにメルセデスとパートナーシップを組むことにしたと言うCEOのザク・ブラウンさん。この提携を推し進めたのは、今シーズン途中からチーム代表に就いたアンドレアス・ザイドルとのこと。やっぱりこの人は“できる人”ですね。多少ドタバタ感はありますが、真っ当な舵取り。PU時代になってからのメルセデスとルノーを比べて、どちらが良いかと尋ねられたら、そらメルセデスでしょう。
これでマクラーレンはトップ3に挑戦する土台はできました。ロン・デニス時代とはまったく別のチームになったとはいえ、マクラーレンはマクラーレン。トップ3の脅威になってほしい。
僕は「マクラーレン・メルセデス」という名前を聞くと、WESTカラーのマシンを駆るハッキネンのダイナミックな走りが頭に浮かび、心躍ります。またあの頃のような輝きを取り戻してほしいなぁ・・・。

さて、このニュースの重要性は、マクラーレン・メルセデスが復活すること自体ではなく、その背景にあることは言うまでもありません。
まずは、なかなか力を発揮できずにいるルノーが、2020年限りでF1から撤退するのではないかというウワサの信憑性を高めたこと。もともとルノーは渋チンで、ワークスチームを持つことに対して本社は消極的だといわれてきました。
そんななかでのワークスチームの体たらくやカスタマーチームの減少、さらに本丸の経営状況の悪化やMr.ゴーンの問題で、いよいよ「膨大なお金を遣ってワケの分からんクルマを走らせてる場合やないやろ」という声があがっていると囁かれています。
今撤退したらワークスチームとしての成果は何もなく、ブランド的にかなりのダメージになりますが、背に腹はかえられない状況なのかもしれません。

もうひとつウワサされているのが、メルセデスも近い将来ワークスチームをたたみ、かつてのようにエンジンサプライヤーとして関わろうとしていること。マクラーレンとのタッグ復活がその布石ではないかと。

確かにDTMから撤退し、今年からフォーミュラEに参戦することを考えると十分にあり得る。それに、F1のワークスチームではやれることはすべてやり遂げて、勝てば「またメルセデスかよ」と理不尽な文句を言われ(僕もその一人です、すみません)、負ければ「メルセデスも終わりだな」と揶揄される辛い状態。参戦するメリットが薄れてきているとも考えられます。
取り敢えずトト・ヴォルフさんは否定しているものの、“ないこともない”ニュアンスを含めています。おそらくルノーもメルセデスも2021年以降のレギュレーション次第なんじゃないでしょうか。
個人的には、チーム数が確保されるのではあれば、メルセデスもルノーも撤退していいと思っています。フェラーリは別枠として、F1はプライベーターにメーカーがエンジンを供給するという構図がベスト。この関係性のなかで特定のチームとワークス契約を結べばいい。もちろん資金的な支援はバジェット・キャップで取り締まって。そうすれば状況によってワークス契約を結ぶチームが変わり、チーム間の力関係は今より流動的になるはず。そろそろF1チームの主役は、自動車メーカーから生粋のレース屋に戻ってほしいものです。