20220605

まずは、伝統のモナコGPで勝利をおさめたレッドブル〜ペレス、誠におめでとうございます!
刻々と変わる状況に応じて、瞬時にベストな判断を下すことが求められるなか、すべてをミスなく遂行した素晴らしい勝利でした。前戦のスペインでは、チームからフェルスタッペンを勝たすための戦略を押しつけられた感もあったので、今回の喜びはひとしおでしょう。そして、ご褒美として契約2年延長をゲット! マクラーレンを1年でお払い箱になった時、まさかここまでキャリアを積み重ねるとは思いませんでした。人生あきらめてはいけませんね。

一方、ペレスの契約延長によって事実上レッドブルへの昇格がなくなったガスリーにとっては、最悪の展開となりました。契約が残っているアルファタウリで、もう1年契走りつづけるのはメンタル的にきびしいでしょう。もし来年もアルファタウリで走ることになったら、ペレス先輩をお手本にして、ふてくされずにがんばってほしいものです。

さて、ペレスのお祝いが終わったところで、フェラーリです。スペインではルクレールが圧巻のポールで、決勝でも楽勝の展開に持ち込みながら、PUトラブルでリタイヤ。あれだけあったポイント差もあっという間に消滅し、ドライバーズランキング首位から陥落という最悪の結果でした。そんな悪い流れでも、低速コーナーが大半のモナコではフェラーリが有利とされ、巻き返しが期待されていました。
がしかし・・・・、決勝日の天気が雨と予測されているのを知った瞬間から、イヤな予感はしておりました。それは、ルクレールが順当にポールを獲っても消えませんでした。“イヤな予感”とは、もちろんドライバーがミスしてウォールの餌食になることではなく、チームの戦略がこんがらがってレースを台無しにすることです。で、案の定しっかりと“俺たちのフェラーリ”を実行してしまいました。

決定的なミスは、16周目にペレスがフルウェットからインターミディエイトに履き替えた時の対応の遅さ。ペレスを抑えるのであれば、17周目にルクレールを入れなければならないところを18周目に呼び入れ、まんまとアンダーカットされてしまう。
「どうしょ、どうしょ」と慌てて判断が遅れるのはお馴染みのパターンですが、17周目に入らなければアンダーカットされるのは分かっていたのだから、対応が1周遅れた時点で真っ正直に18周目に入れるのではなく、サインツと同じようにステイした方がよかったと思うのですが。

さらに、インターからドライ〜ハードへの交換では、周回遅れのラティフィに邪魔されたこともあり、サインツがペレスにオーバーカットされただけでなく、ルクレールもフェルスタッペンに前に出られてしまうことに。
状況的に2台連続でピットインさせたのは仕方ないにしても、ブレブレの無線指示はいかがなものか。そら、ドライバーにしてみたら、あのタイミングで変えられたらキレるわ。結果はひとまず置いといて、ああいう時にズバッと言いきれる人がいないのがフェラーリの弱み。
レッドブルにしてみれば、ペレスを使って揺さぶりをかけたら「ビンゴ!!」という感じでしょう。これがメルセデス相手なら、また違う結果になっていたんじゃないでしょうか。
う〜ん、この調子だと、フェラーリはまだまだ“俺たちの”を発動しそうです・・・・。

そして、ふとランキング表を見ると、今回ペレスが優勝したことで、ドライバーズランキングの上位3位が大接近。ここはひとつペレスにはチャンピオンを狙って、忖度なしでバチバチやってほしい。