KITSCH de F1

F1徒然日記。

オーストリアGP〜戦いの狼煙

20240704


フェルスタッペンも人の子だった。というか、ヨスの子であるのは世界中の人が知っていと思います。ですので、ガチンコ勝負となると親父と同じ荒くれ者の血が騒ぐのか、最近は鳴りを潜めていたアグレッシヴな走りが復活。よりによって仲良しのノリスと激しくぶつかり、お互いに勝利のチャンスを投げ捨ててしまいました。

こうしたインシデントがいつか起こることはみんなわかっていましたが、まさか今回とは思わなかったのではないでしょうか。少なくともレース終盤までは。なにしろ、ここ数戦でレッドブル〜フェルスタッペンの絶対優位が失われたように見えたものの、今回のレッドブルのお膝元オーストリアGPでは、スプリントレース、予選ともに圧倒的な差を見せつけていましたので。
案の定、決勝でも2回目のピットストップまでは盤石のレース運びで、見てるこちらは退屈の極み。ところが、タイヤ交換にもたついたせいでノリスが接近。フェルスタッペンが中古のミディアムなのに対してノリスは新品ミディアム。そうなれば当然“ノリノリノリス”モードに。
そして、二人は激しいバトルを繰り広げはじめたわけですが、この時点になると多くの人の脳裏に「こいつらぶつかって両者リングアウトになるんちゃうか?」という不安(人によっては期待)が浮かんだことでしょう。

そして結末はご承知の通り。どっちが悪い、悪くないという議論・口論はしばらく続くと思いますが、結局のところよくある意地の張り合いによる接触かと。確かにお互いもっと賢いレースができたと言うことはできます。しかし、二人にしてみればレーシングドライバーとして、あそこで絶対に引くわけにはいかなかったのだと思います。
二人はこれまで、下位カテゴリーを含め優勝をかけて争う機会がほとんどありませんでした。それがここにきて拮抗するようになった。ヤンキーカーストと同じかどうかはわかりませんが、勝負は最初が肝心。最初に「こいつは弱腰」と思われてしまえば、その後ずっと尾を引いてしまうので、インパクトを刷り込む必要がある。今回の接触は、近い将来タイトル争いをするであろう双方の宣戦布告の狼煙と受け止めています。ですので、こうしたバトルは今後も度々起こるでしょう。ただ、ぶつかってしまえば誰も得しないので、そのあたりは気をつけていただきたい。

さて、二人の脱落によって漁夫の利を得たのは、これからメルセデスの看板を背負うラッセルでした。棚ぼただったのは確かですが、勝ちは勝ち。レースでトップが消えた時に勝利を拾えるポジションにいる大切さは、これまでのF1の歴史が証明しています。レッドブル目線でいえば、ここにペレスがいないことが苦しいところ。今後、コンストラクターやドライバーのタイトル争いが接戦になった時に、ライバルに大量点を献上しないためにも、少なくとも常に3位、4位くらいの位置にはいてほしいのでしょうけど、現状むずかしい様子です。
ラッセルの話に戻すと、今回は親分トト・ヴォルフの妨害行為をクリアし、最後は追い上げてきたピアストリを引き離して通算2勝目。
個人的に、ラッセルにとってこの勝ちは大きいと思っています。メルセデスに加入してから、いくつか大きいミスをしながらもハミルトン相手にいい勝負をしてきたにもかかわらず、「ハミルトンは本気モードでない」、「衰えたハミルトンといい勝負している程度では」など、外部の評価がイマイチな雰囲気がある(?)せいで、走りが前のめりになるところがありました。しかし、複数回勝ったことで落ち着きが出て、本来の速さを安定して発揮できるようになるのではないかと期待しています。

カナダGP〜新しい時代の三つ巴

20240618


こんな感じをまっていた!
今シーズン中盤に差し掛かり、いよいよ誰が勝つかわからない、各チーム拮抗した状況になってきました(とはいえ、大半は相変わらずフェルスタッペンが勝つのですが・・・・)。

今回のカナダGPでは、レッドブル〜フェルスタッペンとマクラーレン勢が競り合い、その後にフェラーリ勢が続くと予想していたのですが、なんとメルセデス勢が復調。ラッセルがポールポジションをとるという予想外の展開に。反対にフェラーリ勢はまさかのQ2敗退。レースも踏んだり蹴ったりで、2人揃ってノーポイント。フェラーリはこれがあるからウカウカしてられません。

レースから時間が経ってしまい詳しい展開は忘れてしまいましたが、フェルスタッペン、ノリス、ラッセルという、これからのF1を背負って立つドライバーの三つ巴で、手に汗握りました。これにルクレールを入れて、四天王状態になれば最高なんですけどね。いや、さらにピアストリも入れたいところ。
さて、レースでは天候が目まぐるしく変化するなかギリギリの攻防が繰り広げられたわけですが、ざっくりした感想は、「ラッセル、一旦落ち着こう」です。彼はウイリアムズの頃から特に予選でたびたび光る走りを見せ、天性のスピードを持っていることを示してきました。それはメルセデスに昇格してからのハミルトンとの比較においても明らかです。特に今シーズンは予選においては完全に凌駕している状態。ですが・・・・、決勝となると「もう一皮剥ける」必要がある。タイヤマネジメントではまだまだハミルトンに一日の長があり、接近戦のバトルでもミスが目立ちます。
強気なのはいいけれど強引に攻めることも少なくないし、自分が不利な状況で後ろにつかれると不安定になる。そもそもレース全体を通して緩急のメリハリがなく、終始攻め続けて終盤にタイヤがたれて後退していくパターンが多い気がします。彼の経験からして、そろそろこの段階からステップアップしてほしいんですけどね。是非ともハミルトンやアロンソ、フェルスタッペンから吸収してほしい。才能はあるし、若かりし日のジュード・ロウを思わせるイケメンでもあるので応援しています!
それにしても、最近のF1ドライバーはイケメン率が高い!

中国GP〜強過ぎて感覚が・・・・

20240426


5年ぶりの開催となった中国GPは、レッドブル〜フェルスタッペンの余裕のポール・トゥ・ウィンで幕を閉じました、以上。
・・・・メルセデス〜ハミルトン時代と同じくレッドブル〜フェルスタッペンの独走状態が続いているため、最近はレースを観戦していても何も感じなくなってきました。不感症です。あっち方面なら趣向を変えてあんなこと、こんなことを試すのでしょうけど、F1の場合はライバルのみなさんに頑張ってもらうしかありません。が、現実的には2026年のレギュレーション変更まで状況は変わりそうにないので、何か楽しみ方があるようでしたらご教示いただけると幸いです。

そんな中、数少ないお楽しみ要素となってくれているのがアロンソです。今回も魅せてくれました。決勝での老獪な走りだけでなく、予選でも上位に食い込んでくるのは驚異的という他ありません。今回はマシン性能の差やタイヤ戦略もありレースでは順位が下がる展開になったものの、コース全体の特性や対戦相手との力関係を考えた攻守は、まさにSS級。しかも、あのファイティングスピリッツ! 一体、何を食べて生活しているのでしょうか。

その他で光ったのはノリス。新鋭として脚光を浴びているピアストリに対してしっかりと勝ち、表彰台をゲットしているのはお見事。以前は予選では速いけれど決勝は・・・・という若手によくある課題を抱えていましたが、今では克服してひとつ上のステージに上がったといえるでしょう。次はいよいよ表彰台の真ん中! これって近いようで遠いんですよね。でも、彼なら近いうちに実現できると思っています。

アロンソ、アストンマーティンに残留していよいよ・・・・

20240415

ハミルトンの電撃フェラーリ移籍発表によってトップチームのシート争いが大いにザワついている昨今。誰が、どのチームへ行くのか行かないのか、さまざまな憶測が飛び交う中、渦中の一人であるアロンソがアストンマーティンに残留することが正式に発表されました。細かな条件などはもちろん公表されませんが、複数年契約を結び、レギュレーションが大きく変わる2026年もアストンマーティンで戦うことがほぼ確実となりました。
現在、彼は42歳。僕のなかにいるスーパーコンピューターによれば、2026年には44歳となっていることが予測されます。その年齢で活躍するためにはフィジカル面をベストな状態に整えるのはもちろんのこと、メンタル面も高いモチベーションを保つことが求められるわけで、ハンパないバイタリティの持ち主やなと、文字通り脱帽しております。普通これだけの成功を収めたら「しんどいF1はももええし、もうちょい負担の少ないカテゴリーでするか」となりますよね。

アロンソのドライバーとしての才能と力量に関しては長いF1の歴史のなかでもトップ・オブ・トップであり、好き嫌い関係なしに疑いを挟む余地はないでしょう。しかしながら、キャリアメイクとなると結構微妙・・・・というか、表裏関わらずセコセコ動いている割には下手こいでるような気がしないでもありません。
そんな移籍下手なアロンソにしては、今回の残留は良い判断だったと思います(何様目線や!と自分でツッコんでおきますので、何卒ご容赦ください)。そのいちばんの理由は、トップチームとのマッチング。どこのチームもアロンソの力は欲しいものの、やはり42歳という年齢がネックとなって複数年契約は提示できないのが実情。どのチームもレギュレーションが大きく変わる年は今後を見据えた安定感のある布陣で臨みたいものですから。
そして、もうひとつネックとなっているのがアロンソの衰えない戦闘力。他人事としては「アロンソすげえな」と感心できても、いざ自分のチームに招き入れるとなると、その能力の高さ故に現在抱えているエースドライバーとガチンコ勝負になってしまい、チームがカオス状態になってしまうのは想像に難くありません。近年は若手にエールを送るなど、いいオヤジ感を出したりしていますが、それはチームがタイトルを狙えるレベルでなかったり、チームメイトがおぼっちゃまだから。ひとたびタイトルの可能性が目えたら俺様ぶりを発揮しても何ら不思議ではありません。いや、そうでこそアロンソです。だから、チームは欲しくてもなかなか手を出しづらい。

その点、アストンマーティンにはそういう心配はありません。2026年はホンダと組んでいよいよタイトルを本気でとりにいく年であり、そのためには絶対的なエースが必要不可欠です。もちろんフェルスタッペンやルクレールが来てくれれば良いのですが、最初から来てくれるとは限らない。彼らにしてみれば契約があるし、とりあえず2026年の状況を見てから検討しても良いのですから。それなら実力はわかっていて、良い関係を築けている(今のところは)アロンソをキープするのが無難。
こうしたことは裏返すと、アロンソ視点でも当てはまります。レッドブルやメルセデスに行けば、いうてもチームメイトは現在のおぼっちゃまよりも速い強者になるでしょうし、2026年以降についてはレッドブルはPU、メルセデスはマシン設計において不安材料がある。それなら、自分をエースに据えてくれるアストンマーティン・ホンダで走った方が、現実的に勝算があると考えたのでしょう。そして、この好条件を手にいれるためには、先手を打つ必要があると。なかなかしたたかではありませんか。

実際にアストンマーティン・ホンダのコラボがどれほどうまくいき、アロンソが44歳という年齢をむかえてどれほどの力をキープしているのかはわかりませんが、確実にF1をおもしろくしてくれる要素であることは間違いありません。

日本GP〜レッドブル圧勝&角田才能開花宣言

20240409

今年はシーズン序盤の開催となった日本GP。桜の季節の鈴鹿もいいもんですね。
レースはというと、またまたまたレッドブルが1-2フィニッシュで完勝。フリー走行まではクルマが決まりきっていないようで、フェラーリあたりが前戦につづいて食らいついてくれるかなと期待したのですが、予選になると本領を発揮してライバルたち(といえるのかわかりませんが)を圧倒。レース中盤にノリスがアンダーカットでペレスの前に出てフェルスタッペンの後ろにつくなど、一瞬「おッ」となったのも束の間、すぐにペレスが抜き返して勝負あり。
そしてフェルスタッペンはかなりの余裕をもってのポール・トゥ・ウィン。もはやトップチェッカーを受けても無線で軽く挨拶をするくらいで、“勝って当たり前”状態。クルマの総合力が求められる鈴鹿でこれほどの勝ちっぷりなら、シーズンを通して・・・・いや、2025年もレッドブル〜フェルスタッペンの無双は続きそうです。

レッドブルを追う一番手のフェラーリは去年に比べて大幅にレースペースが改善されたものの、まだまだ差はある様子。おまけにエースのルクレールが予選でイマイチしゃきっとしない。本人のコメントによると、タイヤを最適温度にもっていくのに苦労しているとのこと。ケツカッチンで頑張っているチームメイトから刺激をもらって奮起していただきたい。
メルセデスもなかなか復調のきっかけをつかめませんね。ラッセルは速さに関してはハミルトンに対して優位になりつつあるものの、レースの攻めどころで「?」がつくことに加えて、バトルでも前のめりなところが見受けられる。ウイリアムズ時代はスペシャル級の逸材だと思っていたのですが・・・・。ここから飛躍するか、今の感じでヌルリとキャリアを続けていくのか、ターニングポイントをむかえているんじゃないでしょうか。

その点、角田くんは4年目にして大きく成長した様子。今のところ、トップ10に食い込める唯一のストロール枠を安定してゲットしているのはお見事。この調子で結果を出しつづければ、レッドブル昇格や、いいチームへの移籍の可能性が広がるのは確実。ちょっと待たせ過ぎた感はありますが、いよいよ才能開花宣言ということでよろしいでしょうか?

さて、スキル面においてスランプや下り坂といった波と無縁なのがアロンソ(その代わり、キャリアの波は激しいですが)。40を超えてもチームメイトを圧倒しながら、常に上位に食い込んでくる剛腕ぶりは「凄い」の一言につきます。30年以上F1観戦をするなかで、こんなドライバー見たことありません。彼がトップチームのクルマに乗ったらどこまでいけるのか、1シーズンでもいいから見てみたい!

2024年シーズン開幕

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去年のお盆明けから続いていた仕事のほぼ無休状態がようやくおさまり、身も心も一段落。そんな感じでしたのでF1観戦はテレビの前に鎮座しながらもいつ間にかウトウトしてしまい、気がついたらフェルスタッペンが表彰台の真ん中にいる姿を拝むパターンがルーティン化しておりました。

2023年シーズンはF1史上類い稀な成功をおさめたレッドブル&フェルスタッペン。2024年シーズンも勢力図はアルピーヌが勝手にずっこけた以外は大して変わりなく、依然レッドブルのぶっちぎり状態のようですね。(しかし、アルピーヌほど「ここでは働きたくないなぁ・・・・」という負のオーラが漂っているチームってないように感じます)
シーズンが盛り上がるためにも、ないやろなと思いつつメルセデスの復活に期待していたのですが、まだまだ苦戦が続きそうな気配。

今シーズンもタイトルはレッドブル&フェルスタッペンで決まりでしょうけど、それぞれのチーム間の差は縮まっているので、フェルスタッペン以外での勝負は楽しめそうですし、もしかしたら何戦かはルクレールあたりがフェルスタッペンと優勝争いをしてくれるかもしれないという淡い期待を寄せて観戦したいと思います。

夏休みはもう終わり

20230824

しばしの夏休みも終わり、F1は後半戦へ。
ざっくり前半戦を振り返ってみると・・・・・レッドブル〜フェルスタッペンの無双しか頭に浮かんでこないやないですか! 
強いて他のトピックスを挙げるとすれば、アストンマーティン〜アロンソの躍進くらいでしょうか。このブログで度々繰り返しておりますが、40オーバーであのスピードとレースマネジメント能力を維持しているのは只々驚きしかありません。もちろん日々の鍛錬もあるのでしょうが、強靭なフィジカルとメンタルは持って生まれたモノのように感じてしまいます。
アロンソの活躍のおかげで、地味ながらがんばっていたストロール坊ちゃまの株が爆下がり。お坊っちゃまは決して遅くはないんですけど、じゃあ、チームを引っ張っていくエースドライバーとしての能力があるかというと、なかなか厳しいところ。自分のチームとの関係を考えるなら、運営側に身スイッチした方がいいんじゃないかと。いや、いっそのことレースを離れて、お父さまからビジネスを学ぶ道だったあるぞ!と、要らぬおせっかいが頭をもたげてきます。

さて、今シーズン、レッドブルが無双状態になっているのは、素晴らしいマシンをつくりあげ、そのポテンシャルを引き出している開発、エンジニアリング、ストラテジーなど、チームの総合力によるものといえるでしょう。そして最後の仕上げに、フェルスタッペンという不世出のドライバーの存在がある。
もしもペレスがエースドライバーだったとしたら、アロンソやハミルトンといい勝負している状態ですから、いかに今のフェルスタッペンが抜きん出ているか思い知らされます。

もうひとつ無双状態の要因となっているのが、対抗馬であるメルセデスとフェラーリの冴えないマシン。メルセデスは未だにレースによって好不調の波が大きく、レッドブルと戦っているというよりも自分たちのマシンと格闘している様子。フェラーリはタイヤのタレの大きいマシンに加え、ストラテジーと状況判断のマズさが解消できず停滞中。
そんななかでも、ハミルトンとルクレールはエースドライバーとして、いい仕事をしているんじゃないでしょうか。僕でいいのなら「天晴!!」を差し上げたい。
反対に気がかりなのが、ラッセル選手。ここのところ予選・決勝ともにハミルトンの後塵を拝している状態が続いています。昨シーズン、移籍してきていきなりハミルトンをポイントで上回り、今年は圧勝を期待していたのですが、ハミルトンの壁は厚かった。ラッセル本人も、最初は「なんかしっくりいかないなぁ」という小さな不完全燃焼感を感じていたくらいだったかもしれませんが、今は焦りが出始めているのではと思います。こうした小さな躓きから自信が揺らぎ、天性のスピードを失ってしまったドライバーをおじさんは今まで何人も見てきたので心配です。
フェルスタッペン、ルクレール、ラッセルを筆頭に、ノリス、ピアストリという才能あふれる若いドライバーが、タイトルを賭けてバトルを繰り広げる時代が到来することを夢想している者としては、夏休み中に態勢を整えて後半戦に挽回してほしいものです。

リカルドがアルファタウリから復帰

20230714

マクラーレンを離脱し、サードドライバー兼アンバサダーとして古巣レッドブルに戻ったダニエル・リカルドが、ハンガリーGPから姉妹チームであるアルファタウリで復帰!
なるほど、そうきましたか。復帰自体は既定路線ではありながら、シーズン前半の2戦を残して交代させることに驚いたと同時に、いかにもレッドブルがやりそうなことだと納得しておる次第です。
「ペレスの更迭はない」、レッドブルの首脳であるクリスチャン・ホーナー氏とマルコ爺は、リカルドとサードドライバーの契約をしてから常々そうおっしゃっていますが、やる気満々ですやん。
しかも近頃マルコ爺は、「ペレスに問題はないが危機的状況」という、非常にツイスティーといいますか、意味がよく分からない発言をされています。

確かに今回のリカルド復帰は、あくまでアルファタウリからですので、お二人の発言に偽りはありません。ですが、ペレスの代わりが務まるかのテストであることは誰の目にも明らか。もちろんそれはリカルドだけでなく、同時に角田くんのテストでもあります。グランプリ8勝を挙げた実力者であるリカルドとの比較は、レッドブル首脳陣にとって絶好の機会。
角田くんはマルコ爺に大きなポテンシャルを評価されてF1に昇格したわけですが、正直なところ時折速さを見せ、今年は大きく成長しているものの、文句なしの決定打はありません。もしそれがアルファタウリのマシンや戦略のマズさ、あるいはルーキーのデ・フリースがチームメイトであるせいで見えにくくなっているのであれば、リカルドと比較することで今の立ち位置がかなり明らかになるでしょう。

レッドブルとしては、ペレスが調子を取り戻せば現状維持でいいし、不調が続いたり、リカルドか角田くんのどちらかが秀でた走りをしていることが明らかになれば、レッドブルに引き上げればいい。誰もイマイチということであれば、来年のアルファタウリのラインナップを岩佐とローソンに一新し、ペレスの代わりにはひとまずアルボンを呼び戻し、隙あらばノリスやピアストリを獲得するなど、いろいろ選択肢はある。そつがなくて、小憎たらしいです。

とはいいつつ、そもそも論として、レッドブルがずっとやっているドライバーのとっかえひっかえ戦略って、プラスにはたらいてるんでしょうか? エースドライバーに関しては、ベッテルとフェルスタッペンという類まれなドライバーを輩出しているので成功といえますが、もうひとつのシートに座るセカンドドライバーとなるとはなはだ疑問です。
初期トロロッソの目まぐるしく変わるドライバーラインナップは置いておいて、ここ数年だけ見てもドライバー評価の見切りは早い。デ・フリースに関しても、ほぼほぼシーズン3分の1が過ぎた辺りで更迭の方向で進めていたように感じられます。角田くんがアルファタウリで3年間チャンスをもらえたのは、タイミングもあると思いますが、期待の大きさを物語っています。
個人的にデ・フリースに関してはもうちょっと様子を見てあげてもいいんじゃないのと思ったりもしますが、F1のトップチームでそんな呑気な姿勢は通用しないのでしょう。改めてドライバーをはじめ関係者のプレッシャーの大きさを実感しつつ、自分は温めの環境でよかったなと思います。

オーストリアGP〜もはやフォーミュラマックス

20230707

はいッ、今回もフェルスタッペンの完全試合に終わったオーストリアGP。ドライバーズランキングの2位につけているペレスとの点差からして、レースの最後にわざわざタイヤ交換してファステストをとる必要性はないのに、容赦なくとりにいく余裕とがめつさ。金魚すくいでいえば、持ち帰りができる匹数はとっくに超えているのに、紙が破れるまですくいまくる子どものようなものでしょうか。何か違うような気がしますが、とにかく脱帽です。

もはやこうなってくると、レッドブル無双状態を皮肉って言われる“フォーミュラレッドブル”ですらなく、“フォーミュラマックス”と“フォーミュラワン”が混在する状況になってきました。
しかもフェルスタッペンを除くチームやドライバーはサーキットによって浮き沈みが激しく、誰が浮上してくるのかは走ってみないとわからない。前回のカナダで大幅なアップデートをしたメルセデスはそれなりの効果が見受けられたものの、今回は再び低迷。また今回、ノリスのみアップデートしたマクラーレンは、速さ的には応改善されたように見えますが、マシンの挙動は悪いままらしいので、次のイギリスでどうなるのかはわかりません。フェラーリやアルピーヌも大なり小なりあるものの似たようなもの。
もし、フェルスタッペンがアストンマーティンくらいのチームでドライブしていて、メルセデスやマクラーレンあたりがもう少し調子が良ければ、混戦乱戦のおもろいシーズンになっていたんじゃないでしょうか。
・・・・とまぁ、いくら妄想をしたところで、フェルスタッペンはアストンマーティンのマシンに乗らないし、メルセデスやマクラーレンが急に速くなることもありません。自分で書いていて何だか虚しくなってきました・・・・。それだけフェルスタッペンが圧倒的であるということで、ご容赦くださいませ。
この調子でいくと、本当に残りのレースすべてフェルスタッペンが勝つ可能性もアリですが、1回くらいは他のチームの勝利を見たいので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

カナダGP〜やっぱりチャンピオンは凄い

20240622

ここ数戦、仕事帰りからのほろ酔い&睡魔との戦いというパターンがつづき、ほとんどレースの内容をつかめていない状態ですが、フェルスタッペンの独走状態になっていることだけは認識しております。シーズン序盤はペレスががんばってくれたおかげで、タイトル争いの楽しみを味わえるかもという期待を僅かながら抱いたものの、肝心のペレスがモナコGPで息切れした様子。
フェルスタッペンはどのサーキットでも速く、ミスも少ない。おまけにタイトルを獲得してからは強引なバトルも影を潜め、フリーザでいえば最終形態に近づきつつあるので、ペレスにとってはシーズン通して張り合うのはかなり厳しいでしょう。
マルコ爺やホーナーさんからも、暗に「優勝を狙ってペースを乱すくらいなら、着実にフェルスタッペンの後ろにいる走りをしてくれ」といった内容のコメントをされてしまい、タイトル争いはほぼ終了。チームとしては、確実にコンストラクターズタイトル、ドライバーズタイトル1-2のパーフェクトウィンを獲得したいところなので、首脳陣の言い分はわかります。
ペレスはクレバーなので、おそらく今後は自分に課せられたミッションを果たす走りに変わると思いますが、下世話なファンとしてはチームに反旗を翻して、ホーナーさんの貧乏ゆすりを激しくさせてほしいものです。

どのサーキットでも速いことは、チャンピオンになれるドライバーの大きな特質。それはフェルスタッペンだけでなく、今回表彰台に上がったアロンソとハミルトンをみても明らかです。
アロンソはフェラーリ以降はじめて戦えるマシンを手に入れ、その途端に表彰台の常連に返り咲き。“たられば”ではありますが、もしもレッドブルの圧倒的なマシンとフェルスタッペンというSS級ドライバーが存在していなかったら、充分にタイトルを狙える
ハミルトンにしても、ここ最近はラッセルに対して予選・決勝ともに押せ押せ状態。やっぱり複数回チャンピオンになる人はちゃいますな。スピードとテクニックだけでなく、フィジカルの強さと衰え知らずのモチベーション、そして自分がすべきことをやりきる能力が備わっていることを改めて思い知らされた次第です。
ちなみに、今回表彰台に上がった3人のチャンピオンとニューウェイさんの勝ち星合わせたらえげつないですね。

にしても、フェルスタッペンの対抗馬になることを期待しているラッセルには、もう少しがんばっていただきたい。移籍する前は、ラッセルがハミルトンを圧倒すると予想していたのですが、そんなに甘くはありませんでした。最近はハミルトンに押され気味なことに焦りを感じているようにも見えるので、もう一度気持ちをリセットしてレースに臨んでほしい。

それは、ルクレールも同じ。彼の場合はチームへの信頼が崩れていて、しかもフェラーリは悪い意味で、この先もずっとフェラーリのままでいるようなので、立て直しはかなりむずかしそう・・・・。子犬みたいな彼の顔を見ると不憫でなりません。他のトップチームから良いオファーが来たら、そっちに行ってええんやでぇ〜! と言いたいところですが、そんなチームはなさそうなので、しばらくはフェラーリでがんばるしかなさそうです。

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