20210505

20あるF1ドライバーのシートを改めてみると、20〜25歳の若いドライバーが台頭してきているのがわかります。
20〜25歳に該当するのは11人。26歳のサインツ、27歳のジョビナッツィを入れると全ドライバーの65%が20代半ば以下となり、20人の平均年齢は27.25歳。41歳のライコネンと39歳のアロンソががんばっていることを鑑みると、F1全体としてこれまでにないほど若返り、若年化が進んでいるといえるでしょう。
ちなみにチーム別でみた場合、もっとも平均年齢が高いのはアルファロメオの34歳(ライコネンが大幅に引き上げているのですが)、つづいてメルセデスの33.5歳。反対にもっとも若いのはハースの22歳です。

しかも新世代のドライバーたちは単に若いだけでなく、今シーズン、ハミルトンとタイトル争いをしているフェルスタッペンを筆頭に、ルクレール、ラッセルなど、とてもとてもポテンシャルが高いのが特徴。ノリスは、デビュー当時は先の3人に比べて小粒な印象でしたが、昨シーズンひとつ上のステージに上がったし、ガスリーもかなり速い。角田君も早くこの中に割り込んで欲しいものです。

今シーズン、移籍組、復帰組が苦戦しているといわれています。確かにマシンの特性をつかむのには時間が必要だし、ベテランは年齢的な問題もあるでしょう。しかし、どうもそれだけが理由ではないような気がしてなりません。
まず考えられるのが、ドライバーのサポート体制。今の有望な若手ドライバーはそれこそ10代からトップチームの育成プログラムに基づいて英才教育を受けており、高いスキルを身につけています。
また若い棋士がそうであるように、シミュレーションなどデジタル技術を活用したトレーニングや分析がデフォルトとなっていることも無縁ではないでしょう。
さらに小さい頃から複雑でスピード感あふれるゲームに慣れ親しんでいることで、絶対的なスピード感覚や操作能力が、これまでの世代とは違っているように思うのです。だから、超高速化した今のF1マシンにも適応できる。
これは、前世代のドライバーより今のドライバーの方が優れているということではなく、時代が違うということ。要はムーンサルトで金メダルを獲った時代の体操選手と、空間がねじれたとしか思えない技を繰り出す今の選手を比べるようなもの。ガンダムの最終話のように、ニュータイプが覚醒しはじめているのかもしれません。

そうしたドライバーが各チームのエースとなり、タイトル争いをする時代が早く来てほしいものです。