「海上で携帯電話が繋がるか」については、結論から言って、繋がります。
海岸ギリギリにいる人にも通信サービスは当然必要ですが、携帯電話基地局のカバー範囲が一切海に及ばないように計算されている訳ではなく(そもそもそんな事は困難)、沿岸域は普通に電波が届きます。
有効範囲は沖合い数キロに及ぶ事もあり、小型船舶で沖にでない場合は、ケースバイケースですが、携帯基地局の電波で通信が間に合ってしまう事もあります。

もちろん、陸上の基地局の電波が海上に届く事も、その範囲の海で携帯電話端末(陸上移動局)を使用することも違法ではありません。
理由として、法令上、基地局のカバー範囲の領域は見なしで「陸上」とされています。
(当然、船舶局等を使ってはいけないという訳ではありません。あくまで携帯電話使用可能範囲の定義です)。

海岸からあまり離れない小型の船は、基本的に船舶局の開設が義務ではありません。
よって携帯電話は、航行範囲の近さによっては船舶局を置けない場合、又は使うのが非効率な場所の代替手段になり得るでしょう。
もし携帯の電波が使えなければ、本来任意である船舶局の開設を半強制的に強いられてしまう事になります。
(さもないと、通信手段無しで航行する羽目になる)

携帯電話の基地局の保守をするのは正真正銘陸上の無線従事者である一陸特ですが、その働きは沿岸域という意外な場所でもその力が役立っています。
さすがに携帯電話の基地局を意図的に海上通信のために建てる訳には行かないですが、陸上の為に作られた局は、図らずとも陸上を越えて海でも役立ってしまいました。