横浜光ジム会長 A-SIGN.BOXING.COM 石井一太郎のブログ

バンコク。
俺は韓国にいたため、
千葉開のタイキャンプに数日遅れて合流した。

ルンピニースタジアム近くの、
めっちゃローカルな場所にアパートを借りる。
アパートとはいえ、
毎日ルームクリーニングしてくれるし、
フロントに洗濯物を持っていけば翌朝までには仕上げてくれる。
一階には喫茶店にフィットネスジムも入っている。

辺りはローカルな市場や飲食店、マッサージ屋さんが密集している。
日が暮れ始めると、
路上にまでテーブルや椅子が並び始め、
数々の屋台が開き、
多くの人が集まり毎晩遅くまで賑わっている。
そんな場所だから、
そこかしこで超大型ネズミ、ゴキブリが駆けずりまわり、
建物の壁には無数のヤモリ。
沖縄で育った千葉には日常らしい。

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夕方からのジムワークでは、
世界ランカークラスをジムに呼び、
連日スパーリング。
体がぶっ壊れても構わないほど追い込んでいる。
壊れる一歩手前までいったら、
タイマッサージで修復してもらい、
翌日また破壊する作業。

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ちょうど10年前、
俺が長嶋健吾の持つ日本タイトルに挑む前、
故宮川オーナーにバンコクに連れて来てもらった。
一週間ほど、いろんなジムを見てまわり、
各ジムで名も知らないムエタイあがりとスパーリングを繰り返した。
俺からすれば道場破りみたいなもので、
かなり精神的に鍛えられたと思う。
最終的に、
ウィラポンのいるジムに決め、
2ヶ月間彼の住む合宿所に入った。
先日、ロマゴンを倒したシーサケットもこのジムの所属選手だ。
今はジムのあった建物は消え移転したらしいが。
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久しぶりにウィラポンと話をした。
「Mr.ウィラポン、あの時に連れていってくれた***にまた連れていってよ」
「今、隣に嫁がいるからやめろ」
それにしても・・・
なんつー頭だ。

朝は近くの屋台を日替わりでまわりながら朝食をとる。
以前は、苦手なものも多かったが、
齢とともにある程度食べれるようになってきた。
とはいっても、
毎日腹の調子は悪く、トイレに駆け込んでいるが。
その後、喫茶店で本を読んだり、
仕事やマッチメイクなどをしながら過ごす。
9月、11月も予定しているが、
12月のA-sign.Beeはなかなか興味深い。
まずは日本フェザー級タイトルマッチ
坂晃典vs大橋健典が決定した。
他にもいくつかのプラン、
内定しているカードもあり、
それらが実現すれば、
A-sign.Bee開幕戦に勝るとも劣らないイベントになるだろう。

羽田空港でドネアを見送ったあと、
俺はラウンジで明け方まで過ごす。
スマホでソウル市内のホテルを探す。
1日目は試合会場のある安山市に行くのをやめ、
ソウルの中心地明洞のホテルをとることにした。
飛行機のシートに座った瞬間に記憶がぶっ飛び、気づいたら金浦空港。
地下鉄でソウル駅へと出る。
先ほど予約したホテルの場所をグーグルマップで探し、タクシーに乗り込む。
チェックインして、
シャワーを浴び、一服してから街に出る。
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引退した淵上誠かと思って声をかけそうになった。

すごい人の数。
2時間ほど歩き回り、食堂で腹を満たす。
ほんの数年前までは、雑誌片手に街中を歩いていた。
旅行者丸出し。
それをカモにしている商売人に、
ひっきりなしに声をかけられていた。
今は全てスマホに集約される。
グーグルマップを片手に、
街中を歩き回る。
電車乗る時も、タクシー乗る時も。
グーグルマップを開いておけば、
運転手がボッタくるために遠回りしてるのも一目瞭然だ。
時々、
スマホ眺めてるのか、
街中眺めてるのか、
わからなくなる時がある。

一度ホテルに戻り仮眠をとってから、
夜は人と会いに再び街に出る。
夜もまた、賑やかだ。
この辺りは、
日本で言うところの原宿らしい。
嫁がこの周辺を歩いている時は
「カンコクノリ、アルヨ」
としつこく声をかけられたと言っていた。
俺が歩けば、
「オニイサンドコイクノ?マッサージアルヨ!オンナアルヨ!ブランドコピーアルヨ!」
としか声がかからない。

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2日目、
早朝から地下鉄を使い安山市へ移動。
1時間ほどかかるのだが、
寝過ごしたら、どこ行くかわからないため意地でも起きる。
選手とトレーナーは、
前日の時点ですでに安山入りしている。
観光客が訪れるような街ではないのだろう。
街の標識や看板はほぼハングル文字で、
食堂に入っても英語表記のメニューはなく、店員もほぼ英語が通じない。
人の食ってるものを指差し、
同じものをくれと言う。
小さい時から、
やってはダメって教わった行為だけど、
海外ではこればっかりだ。

トレーナーは今回が初めての海外。
この街で試合までの時間、
おとなしく過ごしていてもしょうがない。
計量後、
選手の夕食を済ませ、
再び電車でソウル市内へ出た。

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デビュー戦が敵地韓国、
しかもメインイベントというムチャブリを選手は無事にクリア。
興行が終わり、
この日も、
韓国のプロモーターは、
安山のホテルと空港までの送りを手配してくれていたが、
「ありがとう。でも、僕らは自分達で勝手に帰ります」
と、タクシーでソウルに出て祝勝会。
早朝便までカジノで勝負。

羽田空港。
およそ1ヶ月半に及ぶノニト・ドネアのキャンプが終了。
次戦へ向け、
彼はこれから深夜便で日本を発つ。
たまたまだけど、
俺は早朝便で韓国へ向かうため、
彼を見送り、そのまま空港で過ごす。

ドネアが出国審査場を通過した途端、
見送りにきた連中は全員帰っていった。
ご飯おごるからもうちょっと残れよ、
と言ってもフルシカト。
嫁までドネアとツーショットの写真を撮ってもらい、
そそくさと帰っていった。

予定よりもはるかに早い時間に、
俺も出国ゲートに入る。
これからしばらく海外が続くので、
タフなG-SHOCKを購入し、朝までラウンジで一人ゆっくりと過ごす。

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彼の練習を間近で観れたのは、大きな財産。
ただ、それよりも俺個人としては、
彼と一緒にいくつかの仕事をできたことが嬉しい。
8月5日ダイナミックグローブでのサイン会、
そして先日開催したスパーリング大会。
亀海vsコットを出場選手や関係者、ギャリーみんなで観戦した後、
スパーリング大会開始。
ドネアは全試合、入念にメモを取りながら、
試合終了後には全選手ひとりひとりに身振り手振りアドバイス。
めっちゃ紳士やん。

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俺なんて、一人こそこそと事務所に戻っては、
メイウェザーvsマクレガーをDAZNでチェックしていたけど・・・。

また、
異業種の方達と組んだ新規事業の打合せに、
ドネアにも参加してもらった。
いつも、すごく真摯に仕事をしてくれて、
彼と触れ合った人間はみんな笑顔になる。

人と人との関係は、
常に何かをお互い提供しなければならない。
片方だけ、じゃ続かない。
仕事仲間だけでなく、友人同士だってそうだ。
その人と付き合いたければ、
それに相応しいと思ってもらえる以上のものを、
自分でも持たなければならない。

今回、
ドネアは試合前キャンプということで、
一番の優先はもちろんトレーニングなのだが、
それ以外の時間でも、
食事をしたり、仕事をしながら、
ここに来てよかったと思ってもらえることが、
うちにとっては一番大事なこと。
しかし、よくよく考えてみたら・・・
あの5階級制覇のノニト・ドネアだぜ。
生きてれば、よくわからないことがあるもんだ。

さて、
まだまだ出発まで時間がありすぎる。


セコンドによるストップは早かったのか?
早い、とは思った。
日本記録のかかった究極の舞台だからね。
でもセコンドのタオルって、
早くなきゃ意味がない。 

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だいたい、
日頃からマンツーマンで練習を見ているトレーナーがチーフセコンドにつく。
チーフトレーナーが選手のバンテージを巻いて、
試合前のアップをして、
戦術の確認をし、
選手とともにリングに入場する。
試合が始まれば、
自分の選手に声が届くように大声を張り上げ、
自分の選手の一挙手一投足を見逃さず、
そのうえ対戦相手のことも見なければならない。
ラウンド間には叱咤激励、指示を出す。
そんな中、ポイントの把握も必要になってくる。
そして、タオルを投げる権限を持っている。
はっきり言って、
キャパオーバー、だと俺は思う。
まぁ、トレーナーに聞けばみんな「俺は大丈夫」って言うけど。
職人気質の人が多いからね。
でも、一番近くにいるからこそ見えるものもあるが、
見えなくなるものもある。

セコンドは勝つための策を講じ、
一方で、
選手の安全を最大限に配慮しなければならない。
この極端に相反することを、
1人の人間に担わせるのは酷だ。 
スポーツ記事では、
帝拳ジムはそこを浜田さんとトレーナー陣で分担していた。
俺もこうあるべきだと思う。
うちのジムも試合中、
なるべくセコンドに入っていないトレーナーと話をするようにしている。
そんなに視点がズレてるわけではないが、
気づかされることもよくある。
 
外から見ていたら、
いろんなことが言える。
でも実際、自分がセコンドについたらどういう判断ができるのかは、
その場に立ってみなければわからないし、自信もあるわけではない。
それくらい、
セコンドもギリギリのところでやっている。

タイトルマッチのリングにあがる選手は、
この日のためだけに、長い年月あらゆることを犠牲にしてきている。
できることなら、
そこも加味してあげたい。
だからタオルを投げるタイミングは難しい。

ロシア遠征から帰ってきてから、
やけにせわしない日々。
たまった事務作業に、
別事業の打合せ、飲みが重なる。
Netflixのドラマも見なければならない。
そして臼井欽士郎の東洋太平洋タイトルマッチ。
敗れはしたが、
復帰した彼をタイトルマッチの舞台まで持っていけたことには満足している。



そんな中、
ノニト・ドネア再来日。
よく行くステーキ店にご招待。
話をしているうちに、
ノリでサイン会をやろうと。
急ピッチで広告作成し、
日刊スポーツに出稿。
Tシャツでも作ろうかって、
またまた急ピッチでデザイン作成。
興行直前に、
フォトショップとイラストレーターの使い方を習う。
って、一体俺は何をやってるんだ。

迎えたダイナミックグローブ
サイン会はうまくいったようだ。
後楽園ホールからも、
こういうイベントはとてもいいと好評だった。
ただ、
もっと早く教えろと。
それはそうだよね。
でもサイン会やるって決めたの10日前なんだよね。



なんて試合だ。
減点に加え痛恨のダウン。
5R終わって2者のジャッジが3ポイント負けなんて、マジ絶望的。
胡朋宏、金子大樹と陥落が続いた今、
赤穂亮までか。
俺も引退しようかな。
ちょっと疲れたし。
次、誰にしようかな。
試合中、本気でそんなことが頭によぎる。

このポイント差を把握した挑戦者は、
自らの作戦が肯定されているため完遂してくる。
このポイント差を把握した王者は、
挽回するためになりふり構わず前に行くしかない。
だがここであえて、
前に行くなと指示。
よく見ろ、
挑戦者は足をとめてリターンを狙ってるだけだ。
お前が潰しにくるのを待っているんだ。
だから、ジャブだけでいい。
齋藤が出てきたらカウンターぶちかませ。

6、7、8Rと赤鬼はクールに遂行した。
しっかりポイントは取れているはずだ。
追いついたかしら。
いや、
ひとつのRでも挑戦者にふられていたら、
まだ2ポイント差で負けている。
そうなると、
9.10Rとってもドロー防衛。
苦しいったらありゃしない。
迎えた9R
赤鬼は右カウンターから、
最後は力づくでレフェリーストップに持ち込んだ。
よくやってくれた。
この状況でTKOまで持っていくメンタルには脱帽だ。

終わってみれば、
恒例のTHE赤鬼劇場。



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