A-SIGN.BOXING.COM 石井一太郎のブログ


     
お互い指差しあいながら、
「お前の顔面もボッコボコじゃねーか!」

念のための検査に、
金子を病院に連れていったら、
マリコフも治療を受けていた。
ちなみにこの深夜の病院には、
もう1人患者がいて、
頭皮がざっくりと割れ左顔面には乾いた血がべったりと張り付いている。
なのに、
診察室の前のベンチに腰掛け、
足を組みながらニヤニヤしながら珈琲を飲んでるんだ。
そのうえ、金子とマリコフを指差しながらヒャッヒャッ笑っている。
いやいや、お前が一番重傷だから。


スポーツパレスウラロチカ
全盛のPRIDEを彷彿させるような演出。
プーチン来館の予定があったとかで、
会場付近は厳戒態勢。
俺たちですら控え室から出してもらえず、自分たちの試合以外は会場内にも入れてもらえない。


的確なジャブで最高のスタートを切るも、1R終了間際に金子は痛恨のダウンを喫してしまう。
2R以降、金子が攻勢をかけ、マリコフが捌きピンポイントで強打を打ち込んでくる。
一進一退だが、敵地ということを考えるとポイント上はどうか?
だが、中盤から金子がより攻勢を強めるとマリコフが疲弊していく。
終盤にはみるみるとマリコフの顔面が変形していき、捌くというよりも後退。
金子の傷の確認やマリコフのテーピングの巻き直しなど、
レフェリーは何度も試合を中断し、
露骨にマリコフに休息を与える。
最終ラウンド、
金子の左ストレートでマリコフがダウンするもレフェリーはスリップと判断。
95-94で一者が金子を支持、
97-93、95-94で二者がマリコフだった。


試合終了後、
会場が一体となって拍手喝采の嵐に包まれ、
金子大樹が控え室に引き上げる際には、
「You win!You win!」
とロシアの大観衆に見送られた。
だけど、
欲しかったのは喝采ではなく勝利。
二者がわずか1ポイント差も、
勝利と敗北では天と地だ。

さて、
これからモスクワを経由し日本に戻る。
そういえば、
昨日はA-sign.Bee 5 だったね。
どうだったのかしら?
はっきりいって、
興味をそそられるカードなかったけど。

ロシアに入り4日目にして初めての晴天だ。

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エカテリンブルクを横断するイセチ川沿いの、
オクチャーブリスカヤ広場に設営された会場にて公開計量。
リングも設置されていて、
当初ここで公開練習をおこなう予定だったものの雨天中止。

一昨日からこの広場でボクシングの興行が開催されていて、
今日がファイナルで場所が変わる。
オクチャーブリススカヤ広場とイセチ川を挟んだ向かいにあるのがスポーツパレス・ウラロチカ。

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MMAやムエタイの試合もあり、
日本からはボクサー含め8名出場。
日本人8名がロシア人と戦うんだ。
メインイベントはWBA世界クルーザー級タイトルマッチ。

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金子大樹の相手は、
無敗の世界ランカーWBAアジアライト級王者パベル・マリコフ。
一般公開された計量で、
金子とマリコフのフェイスオフに観衆が白熱する。

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このクソ遠いロシアまでチャレンジにきたつもりはない。
この白人をぶっ飛ばして、世界ランクに返り咲く。

ロシア・エカテリンブルク

毎日雨が降り続き、
11月初旬並みの寒さだ。
寂寥とした街並みにどんよりとした曇り空。
まさにロシアって感じ。
街中には美男美女が多い。
イエローモンキーと言われても、
受け入れざるえないよ。
プロモーターの配慮で、ホテル内のレストランでの食事は無料となっている。
昨晩はビールとロシア料理。
ワインも追加したら、
ワイン代は請求された。
調子にのったようだ。

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2日目
公開練習の予定だったがキャンセル。
朝、軽くホテル内で体を動かす。
金子も一緒に昼食をとり、
夕方、体重調整のためホテル内にあるサウナを借りることにした。
1時間1200ルーブル。
日本円だと3000円。
少し高いが、何人で使ってもこの値段だ。
ホテルの地下に案内される。
静けさ漂う暗い地下通路で、
俺たちの足音だけが鳴り響く。
ここはロシア。
映画だと
だいたい監禁されて死ぬ。

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ドアを開けると、
別世界だった。
まず目の前に広がるプール。
プールの奥にはジャグジーもある。
サウナはドライとミストの2種類。
別室にうつると暖炉があり、
壁面には動物の剥製や絵が掲げられ、
10人掛けできるほどの大きなソファーにテーブル、大型液晶テレビ。
屋内は絶対禁煙のはずなのに、いたる所に置いてある灰皿。
??
ビリヤード台まであり、
ジュークボックスが置かれ、
部屋のド真ん中には、
ポールダンスのスペース。
???
奥にはベッドルームが2つ。

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なるほど。
ここは大人の社交場なのね。
ここに酒や食い物を大量に運んできて、
おネーちゃんを呼ぶんだ。
これがロシアの歩きかた。

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3日目
試合会場を下見し、
プロモーションビデオの撮影。

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このだだっ広い殺風景な倉庫。
映画だと
だいたい監禁されて死ぬ直前で誰かが助けにきてくれる。

およそ1時間弱の撮影を終える。
試合はロシア全土で生中継される。
いま、エカテリンブルクでは産業博覧会が開催されていて、
それと同時に文化的イベントも多数開催されている。
今回のイベントも、その一環らしい。
ボクシングだけでなく、
総合格闘技もプログラムの中に組み込まれている。

さて、
これから最後の練習だ。

ピットブルを引き取りに、
赤穂、胡朋宏と一緒に静岡まで行ってきた。

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生後2ヶ月にして、
阿部慎之助を超える威圧感。
赤穂の犬だが、
彼が1人でこいつのすべての面倒を見るのは大変だろうから、
会社のメンバーで面倒をワリカンする。 

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赤穂がルーチェルと名付けた。
スペイン語で「光」という意味らしい。
「それならばいっそ、西田光にしようぜ」
と俺は提案したが、
胡の「アホか・・・」の一言で却下になった。


先週、ノニト・ドネアが来日し、
横浜光ジムで公開練習をおこなった。 
ドネアと赤穂は2年前にセブ島で一緒に練習していたこともあり、
そこからの繋がりで、
今回来てもらうこととなった。

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4Rのスパーリングは、
後半にいくにつれガチモードへ。
赤穂もいいパンチを打ち込んだが、
ドネアのひとつひとつの動作は、
やはり相当クオリティが高く見惚れてしまう。
これを生で見れたうちのキッズボクサーは幸せだろうね。

さて、
これからロシアへ向かう。
ワクワクするね。



玄関から悲鳴。
「血が、血が・・・」
犬の散歩から帰ってきた嫁の叫び声。
俺はソファーから起き上がり、玄関へ向かう。
震えている犬。
床にはべっとりと血。
抱きかかえると、滴る血。
俺は玄関の扉を開けた。
尻尾が外に置きっ放しだった。 



勅使河原vs栗原
久しぶりに、鳥肌モノの試合内容。
試合というものは、
プロモーター、会長、マッチメーカーが関わってくる。
3人もの人間が絡み、そこにはそれぞれの思惑がある。 
ここで、だいたいのカードは人知れず消えていく。
選手は当然知らない。
マッチメイクの交渉に選手が関わってくることはまずない。
だが、この試合は選手である栗原が、
勅使河原へのチャレンジマッチを会長に直訴した。
選手個人の熱量がプロモーターでもある会長を動かし、
勅使河原陣営が快諾した。

いいカードだった。
内容も今年のAsign.Beeベストだろう。
そしてなにより、
契約体重ではなく、
バンタム級8回戦ってのがいいよね。
その両選手、陣営の姿勢が清々しい。  

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