2011年10月17日

新生

51さんはあなたでしたか。
デビュー戦ってのは特別。
だから俺もトレーナーとして、今の子達はとりあえずデビュー戦だけは勝たせてあげたいという気持ちが強い。
だからって相手は選ばないけど。
だれもがチャンピオンになれるわけではないし、大半は何もないまま終わる。
だから、なんとか勝たせてあげたいと思う。
俺もデビュー戦ってのは不安だらけだった。
だが試合直前、バンテージをがちがちに固めて薄い8オンスグローブをつけた瞬間、自信が漲った。
これで殴りゃ、相手は死ぬだろう。
あの時、これで殴られれば俺は死ぬって頭によぎっていたら、人生変わっていただろう。
当時の俺にボクシング技術なんてものはなにもなかった。
あったのは闘争心と筋肉のみ。
これに過信が加わり、東日本の決勝では負けた。
しかし51さん、こうしてブログを通じてですが10年ぶりに言葉を交わせるとは嬉しいものです。
っていっても、10年前は殴りあっただけか。

金子が最強後楽園優勝、ってことで来年のチャンピオンカーニバルに出場することになった。
死んだ社長が最も気にかけていたのが金子だった。
よくあったことだが、
突然、夜中の3時頃社長から電話がかかってき、無視すると4時頃にかかってくる。
それを無視すると5時頃にかかってくるため、いい加減電話を取る。
「遅い時間に悪いな。寝てたか?」
当たり前だ。
社長は24時間いつでも電話をかけてきた。
そのくせ自分が寝るときは留守電にしやがる。
「金子をどうにかしろ」
「金で解決できることを解決するのが俺の仕事だ」
よく言われた。
「寺にでも預けましょうか」
「それはいいかもしれないな」
冗談で言ったんだが、案外社長は乗り気だった。
そういえば、俺は弟を京都の寺に1ヶ月ほど預けたことがある。
どうしようもないくそったれだったから、般若心境でも唱えて改心すりゃいいと思ってね。
そしたら毎日般若心境唱えながら俺を呪力で殺そうとしていたらしい。
1ヶ月間、時間と金の無駄だった。

その社長が死んで5ヶ月が過ぎ、
この10月から俺がジムを経営していくことになった。
ただの練習生として通い始めたジムを、10何年後、自ら経営していくことになるとは。
おかしな話だ。
この鶴見という、しけた街も今では地元より愛着がある。
正直ジョーカーを引いた、と俺は思った。
でもジョーカーってのは、よくもなるし悪くもなる。
とりあえずやってみよう。
交渉事から始まった。
その交渉は今振り返ってみると、すべて失敗だ。
失敗ってわけでもないけど、忍耐強くやればもうちょっといけた気がする。
今回ジムを引き継ぐにあたって、様々な人に相談した。
生まれて初めて親父にも相談したし、他のジムの会長さんたちにも話を聞いた。
そして何よりも俺をサポートしてくれたのが、ジムの会員の方たちだった。
会員の方には様々な職種の人たちがいる。
その一人一人がこの光ジムに愛着を持っていて、様々な形で俺を、そして選手を支援してくれている。
光ジムが新たにスタートをきれたのは俺の力じゃなく、そうした個々の力。
俺の泥船に乗った人もいる。
光ジムに愛着を持っていて、継続して協力してくれる人たちもいる。
残った選手達もいる。

これからいろんな困難に直面していくことになるだろうね。
まぁ、うまくいかないことばかりだろう。
それでも好きなことやれているからいいんじゃないか。
とかいいつつ、俺は他にもやりたいことが色々とある。
野望だけはあるのだ。
「能力ないやつには野望すらない」
親父の言葉。
まぁ何かの本に書いてあったんだろうけど、今の俺には沁みる。
とりあえずは、しっかりとジムの体系を固めること。
料理ができない俺はあっちやったり、こっちやったりってのがだめだ。
とりあえずはジムのことに集中する。
そして将来的にはさりげなくジムからフェードアウトしていきたいね。
俺が3代目だから、4代目に譲る。
ボクシングだけが人生じゃないし、でも片足くらいはずっと関わっていきたいとも思う。


この不定期日記を書き始めて、もう5、6年経つ。
そもそもなんでこれを始めたかっていうと、不精な俺はこれを連絡用にしようと思ったのだ。
試合が決まったりしたらこれを仲間に見てもらえればいちいち連絡しなくてもわかるからね。
今考えりゃ、金払って見に来てもらうのに失礼な話だ。
まぁ仲間にチケットを売るという行為があんまり気持ちよくなく、見に来たい人だけが来てくれりゃいいと思ったってのもある。
親にもいつもチケットはあげなさいと言われていたしね。
そんなことはいくらなんでもできないけど。
だが、いざ始めてみると、このブログを見てもらうには定期的に更新しなけりゃならない。
ちょっと考えればわかることだが、俺はあまり先のことを考えないで始めてしまう。
不精から始まったものが、一番厄介なものを始めてしまったのだ。
だいたいいつも、俺はこうやってやることが裏めっていく。
はじめは苦痛だったが、文章を書くというのは案外面白かった。
はまった時期もあった。
だが基本不精な俺には、やはり面倒だった。
「ブログ読んでますよ」
後楽園でよくそういう風に声をかけられる。
それは嬉しいことで、試合褒められるよりも、ブログ面白いといわれるほうが嬉しかったりもした。
でもね
俺はこれからきっと忙しいのだ。
ってことで、とりあえず今日をもってここから撤退する。

だいたい
とっくに引退したってのに、長くやりすぎた。



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2011年09月28日

つくば

つくばカピオで試合があり、
光の選手が出場ってことで秋葉原からつくばエクスプレス。
なんとも遠いこと…
ちょうど10年前に俺はこの地でデビュー戦をおこなっている。

つくば駅を下りる。
降りて駅前の光景を見渡せば、10年前の記憶が蘇りすんなり会場まで行けると思ったのだが…
駅周辺がよっぽど昔と変わっていて想起されないのか、ただ俺の脳内の記憶にうまくアクセスされなかったのか、それとも記憶がすっかり抜け落ちているのか。
右か左かなんて歩き回っていると、
会場まで500mと書かれた標識を発見。
アクセス。
10年前、駅前からタクシーに乗り40秒程で降り、金はいらないよと運転手さんに言われた記憶が蘇った。
今回は歩いてみることにした。
500mという標識を見つけた以上、歩いていくしかない。
あっという間に到着。
人混みがあったのでそこがてっきり入口かと思い、ライセンス提示したところ全く効果なく入れてもらえない。
そりゃそうで、そこはダンスのイベントを催している会場で、ボクシングは隣。
ボクシング会場に入り、ようやく俺の脳内の記憶に無事アクセスされ、想起成功。
懐かしかったっていや勿論そうだが、それほど感慨めいたものはなかった。
試合は会場大盛り上がりの大熱戦だったが、惜しくも判定で負けてしまった。

本日ミニマム級で光ジムの安慶名が東日本新人王決勝に駒を進めた。
反対側のブロックにも光ジムの鈴木がいて、明日の準決勝で勝てば同じく決勝進出ってことで、
まさかの決勝での同門対決。
うーん、面白そう。

ichitaro66 at 00:17|PermalinkComments(3)TrackBack(0)この記事をクリップ!ボクシング 

2011年09月17日

引越し

オペラっつったら聞こえがいいね。
なにか紳士的で、高尚で貴く、気品に溢れている印象を持つ。
ボクシングとは対極だ。
オペラ歌手の卵って言ったら、なにか家柄がよく清楚で教養に溢れ、雅やかな印象。
これまたボクサーとは対極だ。
その美声は人を心地よくさせ優雅な気持ちにさせるだろう。
とはいっても、時と場合による。
薄い壁一枚向こうで毎晩遅い時間に歌われちゃガッデム、うるせぇぞこの野郎ってなる。
たまに男女でドュエットまでしている。
まぁ、あと数日で引っ越すからと、文句も言わず我慢していた。

歩いてわずか徒歩5分の場所に引越すのに、
金も労力もやけに使った。
イケヤやニトリを回り、ニッセンで家具も買った。
荷物が送られてきて驚いたのは自分で組み立てなきゃならないこと。
ニトリで注文したベットは組み立ててくれたが。
くそったれとダンボールをあけ、鬱々とした気分で組み立てはじめるとあら不思議。
こんな愉快なことはないじゃない。
時間を忘れ、心踊りながらテレビ台を完成させた。
とても有意義な時間だった。
その時、インターホンが鳴りまた新たに商品が送られてきた。
あれほど楽しかったのに、
もう作る気はしなかった。
限度ってもんがある。

新しい家は静かでいい。
昨日までの家は線路の近くで日中は電車、夜中は貨物列車の音で騒々しく、
選手の時に住んでた川崎は日中は隣接する工場のボイラーの回る音、向かいの民家は空缶潰しで生計を立てているのか年がら年中空缶を潰していて昼寝もできず、夜中はこれまた年がら年中発情した猫の交尾で騒々しかった。
今は虫の泣く音がする。






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2011年09月05日

エアー

ひどい生活リズムだ。
朝まで飲んだ時や、やけに疲労が溜まった時なんか10時間以上ぶっ続けで寝る。
そうなると次の日は眠れない。
外が白み始め、電車が動き出した頃にようやく眠りにつける。
2、3時間しか寝れないためその日は一日中頭にもやがかかっている。
そんな日が週何回かある。

そんな頭の中がもやに覆われた状態で、
ジャッジとしてエアーボクシングの大会に参加した。
エアーボクシングってのは、エアーギターみたいなもんで実際に弾く、打つわけではない。
要するにお互い向かいあってシャドーボクシング。
プロを目指すわけではなく健康の為にジムに通う一般会員の人達ってのは、そのうちジムに通うモチベーションを失い飽きてくる。
そのモチベーションの維持または向上させ長くボクシングをやってもらうための企画で安全だし素晴らしいこと。
光の会員さんでもやりたい人がいれば、是非やってもらいたい。
ただうちのジムの会員さんはけっこうスパーリングをやる。
俺もやるし、プロがディフェンスの練習を兼ねて相手する。
こっちは打たない。
と言いながら、俺は何人かの会員さんをボディーで沈めてしまったが。
つい出ちゃう。
どうも俺は危機管理能力になかなか優れているようで、
このままじゃヤられると感じると手が出ちゃう。
強く打っちゃいけないという気持ちがあるぶん、うまく力の抜けた鋭いパンチ。
本当に申し訳ないのだが、それでも楽しんで挑んできてくれる。
やはり実戦より楽しいものはない。
うちはエアーボクシングじゃ物足りない人達が多いかもしれない。
でもやりたい人がいたらいいね。
なにしろ安全だし。

しかしこのエアーボクシングの採点はさっぱりわからん。
別に朝帰りで頭にもやがかかっていたからではない。
予選を勝ち上がってきたような選手には技術的に優れている人が多く、甲乙つけれないのだ。
本当のボクシングの試合だって明らかなクリーンヒットがなけりゃ採点迷うのに、はなから当てないこのルールでの採点はやっぱり至難。
厳密には採点しにくいが、あくまでどっちかっていったらこっちかなって程度。
ただジャッジは、元世界、東洋、日本チャンピオンの確かな人達で構成されていて、その人達の意見はだいたい一致している。
ってことは決して的外れではないってことだろう。
しかし長い一日だった。
全部で50試合以上あったんじゃないかな。
俺は初参加だったため、3試合くらいしかジャッジしなかったが、
それ以外の試合はリングサイドで結構気失いかけてた。




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2011年08月21日

撮影

質問に対してということで、
結婚はしていないが、同棲している人はいる。
寝顔がトカゲみたいで、なかなか素敵だ。
トカゲは飽きない。
ワンルームに1年同棲という奇跡を乗り越え、
来月1LDKに引っ越す。


ブルドクターというドラマの撮影が光ジムでおこなわれた。
うちのトレーナーや若手ボクサー、フィットネス会員の方も出ている。
撮影はなかなか大変だった。
撮り直しもあれば、待ち時間も長い。
16時過ぎに役者さんが入り、まったくの素人なのでボクシングの基本的な動きを教え、
その後、23時過ぎまで撮影していたからね。
最初は物珍らしさから、
すぐ横で眺めていたが、途中から飽きて外で煙草ばかり吸っていた。
今週の放送ということで楽しみにしている。


ichitaro66 at 23:48|PermalinkComments(3)TrackBack(0)この記事をクリップ!どうでもいい話