2008年02月

2008年02月17日

兵庫県の財政難と職員の給与カット

兵庫県の財政状況がかなり悪くって、それをどうにかするために職員の給与カットなどをやるらしい。 兵庫県というのは様々な面で日本の平均と言われる自治体。 そういうわけで、 「あんなの特別だよ。例外だよ」 といって軽く見るわけにはいかない事例。
収入不足1兆2千億円に拡大 兵庫県新行革プラン(神戸新聞,2008/02/13) 「累積収支不足は昨年十一月の当初案に比べて八百三十億円拡大し、一般財源ベースで一兆二千四十億円」 「一般事業の一律カットで六百億円分を穴埋めする一方、残る二百三十億円分は起債(借金)を増額し、行革期間後に先送りする方針」 「使途が限定されている法人県民税の超過課税分を、多子世帯の保育料補助のような子育て支援事業などに活用する方針」 「県は積み残した課題を検討し、九月までに最終プランを確定させる。毎年有識者に実施状況を検証してもらい、見直しも検討する。」
報酬第一の人お断り 井戸・兵庫県知事(神戸新聞,2008/02/13) 「二〇〇八年度から取り組む新たな行革で、県として初の本給カットなどに踏み込む職員給与減額を決めたが、井戸敏三知事は十二日の会見で、「人材確保への影響」について「全く心配していない。県民の福祉向上の一翼を担う意欲のある人を求めており、給料の額で判断するような人なら県庁に来なくてもいい」」 「県は〇八年度から十一年間の行革で、職員給与千六百億円の削減を打ち出し、本給の一律3%カットなどの給与削減策を昨年十一月に労働組合に提示。今月六日、本給は役職に応じて7-2・5%カットする-など若年層に配慮する修正を加えた上で、〇八年度分について妥結した。年収では全職員平均で三十三万円の減となる。」
改革以前に問題の分析ってしてる? 井戸県知事って与野党相乗りで選ばれた候補だってこと知ってる? 地元の新聞社なら、もう少し詳しく分析してほしいな。 記事としてじゃなくって、現場の状況に詳しい人の論評として。

なぜ今のような酷い財政状況になったのか。 その分析がまったく聞こえてこない。 福田内閣(の主要人物)が全てをサブプライムローンのせいにしている姿と兵庫県が全てを阪神淡路大震災のせいにしている姿が僕の中では重なる。 兵庫県の人口は5,596,826人ほど。 事業の一律カットによる600億円と借金でどうにかする230億円分を人数で割ると、約15,000円。 増税で簡単に対処できる程度の金額である。 これって改革か? だいたい井戸氏って2001年から知事をやっているのに今まで何をやってたんだ? 改革をしたいなら、まずやるべきことは偉そうにインタビューに答えることではない。 記者会見をすることでもない。 表面的に何かやっているという態度をとることでもない。 知事を辞めることだ。 こんな状況を長年放置するような人間が知事である限り、まともな改革は期待できない。

職員の給料を削減するのも僕は賛成できない。 「県民の福祉向上の一翼を担う意欲のある人を求めており、給料の額で判断するような人なら県庁に来なくてもいい」 なんて言ってるそうだが、そんなことしたら優秀な人が集まらんよ。 兵庫県のことを詳しく調べたわけじゃなくって一般論のことだけど、公務員って仕事をしない管理職や仕事の邪魔する管理職への給料が異常に高い。 その一方で、若い人やまともに仕事をする幹部は公僕そのものである。 それなのにほぼ一律のカットなんて何を考えているのかわからない。 優秀な人材を有効活用したいのであれば、幹部に対して厳しくしたりやる気のある民間に様々な権限を委譲したりするのが定石だと思うんだけど、そういう話は全く聞かない。

ichonan at 00:27|PermalinkComments(1)TrackBack(0) as 民主主義社会の市民 | 時事・ニュース

2008年02月14日

なぜ僕は起業をしていないんだろう

何で僕は起業をしていないんだろう。 なんで僕は代表取締役社長ではないんだろう。 そんなことをふと考えた。 起業すれば馬鹿な年寄りの相手に苦労することは少なくなるだろう。 様々なことを自分でコントロールできてリスクが減るだろう。 経済的にも恵まれるだろう。 起業したばかりの頃は別として、時間の余裕も作りやすいだろう。 ここまではいいことだらけ。

良くないことといったらなんだろう。 万が一大成功したらかなりの人から嫌われる。 成功しても嘘をつかずに正直なままでいたら嫌われる。 嘘をつくのはいやだ。 嫌われるのは平気だけど日本の場合は冤罪に結びつくのが怖い。

あと、従業員の生活を支える覚悟が僕にはない。 従業員をやとってしまったら、法的にどうであれ、よっぽどのことがない限り、会社の幹部は別として末端の従業員を切り捨てて会社を畳んだり自分より無能な他人任せにしたりするわけにはいかない。 僕の場合、このことが起業をしていないことの最大のネックになっていると思う。 リスクコントロールの能力や意思決定の能力がないわけではない。 現実的かつ素晴らしいアイデアがあるわけじゃないが、現実的なだけのアイデアや面白いだけのアイデアはたくさんある。

よの多くの人はどうなんだろうか。 起業をしていないのは多数派だけど、僕のような理由の人は少数派のような気がする。

ichonan at 21:01|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 極めて個人的なこと | <個人用>半端な思考実験

2008年02月11日

節約入門

経済的に困らないために、経済的自由のために、投資の前に大切なのは節約。 節約というのは人によって簡単にできることだったり、どうしようもなく難しいことだったりするようだ。 このエントリーは節約のやりかたがわからない人に向けた節約の入門編。

節約とケチとは違う。 ケチというのは合理的ではない消費の抑制。 節約というのは合理的な消費の抑制。 合理的というのは長期的に良い結果をもたらす様子のこと。 非合理的というのは長期的視点を持たない様子のこと。

合理的に消費を抑制すれば浮いた金銭を他の消費や投資に回せる。 生活水準は短期的には下がることがあるが、未来10年や未来20年のスパンで見ると生活水準は大きく上がる。 非合理的に消費を抑制した場合には短期的に生活水準を落としたことに見合う長期的な利益は得られない。

では、合理的に消費を抑制するにはどうすればよいか。 個別の事情を鑑みることよりも大切なのは新しい視点を持つことである。 金銭の使い方の選択肢を持つことである。 それらを大して意識せずに実行できるようになることである。 例えば以下のようなことだ。
  • 価値とは手に入れるもの。 価格とは差し出すもの。 浪費家は価格を見ない。 ケチは価格しか見ない。 節約家は価値と価格の差を見る。

  • 自分の年間の収入と支出を大まかに諳んじることができるだろうか。 収入と支出のうち自分でコントロールできる部分とコントロールできない部分を区別できるだろうか。 自分の資産と負債を大まかに諳んじることができるだろうか。 自分の状況を把握しているだろうか。

  • 惰性による出費を控える。 酒、煙草、本、ゲーム、衣類、ペットボトルのお茶、自動車、住宅ローン、新聞、携帯電話。 これらに毎月何円使っているか把握しているだろうか。 これらの消費により得られるものは払う金に見合うものだろうか。 この金があれば他に何が買えるだろうか。 惰性で手に入れているものよりも優先して手に入れたいものはないだろうか。

  • 高いものを買うときに価値と価格を比較しているだろうか。 ブライダル関係、高級布団、習い事、マンション、最新家電。 滅多に買わないものは感覚的に価値と価格を把握するのが難しい。 得る価値にみあった価格で買っているだろうか。 もっと安く手に入れることはできないだろうか。

  • 資本コストを意識しているだろうか。 今の100万円を諦めれば、ノーリスクで1年後に105万円を入手できることを知っているだろうか。 JRの券売機でカードで新幹線の切符を買わずに同じ切符を金券ショップで買えば、現金の支払いが一ヶ月早くなるかわりに年利換算で50%以上の利回りが得られることを知っているだろうか。 JRの券売機で現金で切符を買えば、金利の効果を得ることも支払いを先送りすることもできないと知っているだろうか。 節約と投資の組合せによる恐ろしいほどの複利効果を知っているだろうか。

  • 最新機能の家電の値段がどれくらいのペースで下落しているかしっているだろうか。 高級車の値段のうち何割が移動性能と安全性能か知っているだろうか。 100円ショップの商品とデパートの商品にどれほどの品質差があるか知っているだろうか。


ichonan at 00:42|PermalinkComments(0)TrackBack(0) as 資本主義社会の市民 | <個人用>半端な思考実験

2008年02月10日

本の買い方

図書館に行くのは面倒だ。 非常に古いものは流通以上にそろっていても範囲を広げると品不足。 ブックオフなどの中古は大ヒットした漫画を大人買いするとき以外には利点が少ない。 基本的に要らない本が処分される場所だから。 だから本屋やネットの書店で買うことが多い。 僕は本を結構買う。 ほんの少し前までは食費よりも書籍代の方が多かった。

本を買うには結構金がかかる。 金以上に重要なのは読むのに時間がかかること。 金と時間をダメな本に使うのは馬鹿馬鹿しい。 世の中、どうしようもない本が平気で書店に並んで平積みで売られている。 100万部売れたなんて話も毎年のように聞く。 そういうわけで、形式的に、もしくは非常に簡単にできる買うべき本の選び方を少々。 ただし、以下の基準は娯楽作品を念頭には置いていない。 また、以下の基準でも決定的に良い本を逃したり糞本を捕まえたりすることもあるが、拾い上げる本の平均的な質は非常に高くなると思う。
  • 出版して5年以上経っており、版が重ねられているものを選ぶ。 どうしようもない糞本は大抵はすぐに消える。 良い本は時を経ても色あせないことや見識のある人からの推薦という形で残ることが多い。

  • 「間抜けな貴方でも大儲け」「自制心のないあなたでもできる健康生活」「頭の悪い人が教える頭の良い人になる方法」「老人しか興味を示さない仕事術」のような本を買わない。 かなり普遍的で深いテーマを簡単なことのように語っている本は買わない。 大抵は著者と出版社の見識に腹を立てるだけになる。

  • まともな索引やまともな参考文献リストのない本の質を疑ってかかる。 まともな索引やまともな参考文献リストを手抜きで作成するのは非常に難しい。 索引や参考文献リストの存在は、ある程度は、力を入れて書かれていることの証拠になる。

  • 信頼できる著者を見つける。 有名な著者ではなく、自分で何冊か読んで信頼できる人を見つけておく。 一定水準以下の本を決して出版しない人ってけっこういる。

  • Amazonなど(勿論実生活でもよい)で信頼できるレビューアーを見つけておき、彼ら/彼女らが高く評価している本を買う。 これも、信頼できる人を見つけておく必要がある。 ランキングが高い人というわけではない。

  • 大ヒットした一般向けの本は買わない。 大抵は物凄く低い知的水準に向けた本になっている。 内容が易しいとか説明が丁寧だとかではなく、ただ単に中身がない場合が多い。


ichonan at 00:38|PermalinkComments(0)TrackBack(0) <個人用>半端な思考実験 | as 資本主義社会の市民

2008年02月09日

「デイトレーダーは馬鹿で無責任で強欲だから議決権を与える必要はない」by北畑隆生

以下は2008/02/08に報じられた経済産業省の北畑隆生事務次官の発言。 発言は2008/01/25に行われた講演会におけるものらしい。 経済産業省の役人トップがいかにものを知らないかを教えてくれる良い報道。 以下の引用元は東京新聞のネット版中日新聞のネット版朝日新聞のネット版
「デイトレーダーは最も堕落した株主の典型」「ばかで浮気で無責任だから議決権を与える必要はない」(東京新聞) 「能力がないという意味ではばか。すぐに売るということで浮気者。無責任、有限責任で配当を要求する強欲な方」(中日新聞) 「経営にまったく関心がない。本当は競輪場か競馬場に行っていた人が、パソコンを使って証券市場に来た。最も堕落した株主の典型だ。バカで浮気で無責任というやつですから、会社の重要な議決権を与える必要はない」(朝日新聞)
ちなみに、講演録はここにある

さすが、世界第二位の経済大国の産業を管轄する役所の幹部。 その後、「慎重さを欠いた」「講演を盛り上げようと、若干過激な表現を使ったと思う」「言い方が適切でなかった。反省している」という旨の謝罪をしたらしいが、慎重だったとか慎重じゃなかったとかいう問題ではないでしょう。 少々失言があっても、それがサービストークの脱線なら大した問題ではない。 マスコミ報道で取り上げられたことが問題だということでもない。 「わかっていない」ということが問題なんです。

サービストークの脱線での発言ならば「慎重さを欠いた」「言い方が適切でなかった」なんて言葉は謝罪や反省としては不適切だ。 謝罪や反省をするなら 「わかっていない人に受けようと心にもないことを言ってしまいました」 「言い方は問題ないが主張が適切ではなかった」 などと謝罪するべきだろう。 そうしないならば、謝罪なんかせず持論を通すべきだ。 幹部の体質を隠したまま行政を行われるなんて危険極まりない。 元文部科学省の寺脇氏の方がまだマシだ。

そもそも誰のことをデイトレーダーと呼んでいるんだろう。 ヘッジファンドのことか? 保険会社などの機関投資家のことか? 投資金額が少ない個人のデイトレーダーのことか? どうであるにせよ、短期売買をする人から議決権を奪うことに何の利点があるのか僕にはさっぱりわからない。

次に発言内容の理由の部分。 何歩か譲って短期売買で得た利益への課税を引き上げたり議決権が所有期間が長くなるにつれて増えるのは良しとしよう。 デイトレーダーって馬鹿で無責任で強欲なんですか? 僕は、デイトレーダーって儲かっていない人が多いとは思うけど、それは馬鹿だからではなく、主に売買手数料の部分と利益の頻出値の低さ(一部の人だけ大儲け)からくるものだ。 自分の金をリスクに晒している人が無責任だとは全く思わない。 強欲なのは何も問題ないし、会社の所有権を長期にわたって保有している人と比べて強欲だとも思わない。 僕が現在持っている株式の平均保有期間は多分2年ほどで、これはこの先伸びていくと思うけど、手放さずに保有しているのは僕が強欲だからである。

実際に短期売買を行う人を冷遇した場合にどうなるか考えてみよう。 まず、売買の厚みがなくなる。 つまり株価のボラティリティが上がる。 僕のような市場のミスを狙っている強欲な人にとっては願ったりかなったりだけど、資本主義のためには不都合なんじゃないだろうか。 会社の所有権を売りにくく買いにくくなるわけだから。

ichonan at 09:04|PermalinkComments(0)TrackBack(0) as 民主主義社会の市民 | as 資本主義社会の市民

2008年02月03日

竹中平蔵&木村剛 in サンデープロジェクト

2008/02/03のサンデープロジェクト。 最初のゲストは竹中平蔵と木村剛。 この二人の説明の上手さには毎度毎度感心する。 別に高度な内容を説明しているわけではないんだけど、世間(というかマスコミか?)の狂気ともいえる論評の根幹部分をけちょんけちょんに論破する様は見ていて非常に気持ちがよい。

霞ヶ関の役人、検察、大手マスコミ、日銀、一部評論家、一部政治家。 行動原理や専門知識や一般常識や誠実さを根幹から批判された人たちには、行動を改めるか論理で反論するかしてほしいものだ。 誹謗中傷や汚い裏取引や権力の濫用で対抗するのではなく、二人がやったように、論理と証拠でぜひ反論していただきたい。 念のために言っておくけど、 「専門的で判断の難しい問題で失敗した」 と批判されているんじゃないよ。 「高校レベルの知識や正常な思考力があればこんな失敗せんだろ」 というレベルの失敗が批判されているんだよ。 しかも、非常に明快に。

話した内容は週刊!木村剛の記述と重なる部分が多いというか、こちらの方が充実しているので参照されたい。 もしかしたらYouTubeに上がっているかもね。

ichonan at 23:56|PermalinkComments(0)TrackBack(0) as 民主主義社会の市民 | 時事・ニュース