2008年07月

2008年07月17日

ギャンブルや投資や頭脳ゲームで鍛えられること

ギャンブルにしても投資にしても頭脳ゲームにしても、頭を使わずに参戦することはできる。 誰でも簡単に参戦できる。 でも、頭をきちんと使っていないと大損したり面白さを味わえなかったりはする。

ギャンブルでは勝てるときを見極めて、その時だけ参加することが大切だろう。 これができないのであれば金をすぐ切らしてしまう。 投資も見極めではギャンブルに似たところがあるけど全体的にもっと知的だ。 時間と銘柄で分散して投資するという頭脳なしで負けない方法もあるし、全体としては多くの場合にプラスサムゲームでもある。 だが、市場は右も左もわからないものを許さない。 右も左もわからない者が自分で意思決定をしようとすると、市場はその者を容赦なく食い尽す。 賢者の言葉より詐欺師や偽善者の言葉を有難がる人にとっては最悪の場所だろう。 将棋や麻雀などの頭脳ゲームも気軽に楽しめるものではある。 頭を使わなくても手を進めることはできる。 だが、頭を使っていないと勝利の喜びも理解の喜びも思考の喜びも得られない。 頭を使っている相手の手のひらで踊らされている虚しさだけになる。

どれについても共通しているのは損得や喜びが参加者自身に懸っていることである。 原理的には参加者自身が全権を持ち、原理的には参加者自身が利益も損害も全てを引き受ける世界である。 スポーツやビジネスや出世レースはこれらほどフェアでもオープンでもない。 テレビゲームもフェアな場合が多いけど、勝負としては奥深さや厳しさに欠ける。

最近、このようなフェアな世界で安定して勝っている人への尊敬の思いが強くなってきた。 前々から知っていたことだが、人間の醜くて小心な部分を多く見てきたからだろうか。 現実の世の中では頭を使わなくても立場を利用すれば勝ててしまうことが多い。 そして、それにしがみつく人があまりにも多い。

ichonan at 22:11|PermalinkComments(0)TrackBack(0) <個人用>半端な思考実験 | 極めて個人的なこと

2008年07月16日

腹黒vs天然

最近影の薄い民主党を擁護してみる。 擁護って言うほど強いものではないけど僕の率直な印象ではあるし、マスメディアの論調への批判でもある。

民主党が掲げる少なくとも表面的には国民に優しい政策について、「財源の裏づけが無い」との批判が度々なされる。マスコミや自民党がこの批判を浴びせているだけではなく、民主党からも批判が出ている。 例えば前原氏とかが言ってる(この人に関しては「お前が言うな」と言いたくなるが)。 党内の有力者からこのような批判がでるということは、本当に財源の裏づけが乏しいか、ダメダメな人が有力者になっているか、少なくとも一方は真であろう。

確かにマスコミ報道を見ている限りでは民主党の政策に関する財源の根拠は報道されていない。 ただ、菅、鳩山、長妻の三氏あたりは一応の反論はしている。 財源を根拠付ける反論ではないが、「財源の根拠が無い」という主張を一蹴する程度の反論としては十分だと思う。

(ポイントその1)
「政官の癒着のせいで表面に出ていない無駄遣いが多いはずだ。 野党が調査して判明している金額よりもずっと多いはずだ。」 という仮説。 たぶん実際にその通りだと僕は思う。 だけど具体的な金額は僕には見当がつかない。 国家財政に大きな影響を与える規模だとは思うけど民主党の政策のために必要とされる金額より上か下かわからないし、今の制度でどこまでメスを入れることができるかもわからない。 ただ、この件のように情報が不足している事に関しては、自民党や公明党のように情報を隠そうとする側よりも民主党の一部のように情報を表に出そうとする側の方が信用できる場合が多いと思う。 実際に財源が足りなかった場合でも現状を把握することの意義は大きい。

(ポイントその2)
「民主党が主張するばらまきの金はそのまま消えてしまう」 という論調が目立つ。 マスコミも自民党もそうだし、なぜか民主党からも出ている。 「ばらまいた金って、いずれは消費に回るでしょ。」 なんてコメントをする人はほとんどいない。 ばらまいたら完全に消えてしまうと考えているんだろうか。 ばらまきには基本的には減税と同じ効果がある。 この波及効果を無視して財源の議論をするのはナンセンスだ。 波及効果はばらまきを受けた側の行動指針にゆだねられるわけだが、ここが議論されていない。 民主党のかかげるばらまきは、官僚や一昔前の銀行の経営陣や一昔前の土建屋とは違う人が対象なのである。 ばらまきの是非に関しては、ばらまきの対象の人が金をどう使うかを議論するのが正しいと思う。 減税でも増税の先送りでもばらまきでもマクロ経済の教科書的な話としては本質は同じなのである。 違うのは、「景気刺激や経済安定」を目指す政策が「効率性に対する阻害をどれくらい抑えているか」である。 僕は、自民党のばらまきよりも民主党のばらまきの方が経済の効率性を阻害しないものだと思う。

(ポイントその3)
僕は民主党の方がまともな主張をしていると思う。 民主党が政権をとった方が日本はよくなると思う。 ただ、それは民主党が公約を守れるという意味ではない。 政権交代自体に情報を表に出したり不透明で非合理的な慣習を断ち切る効果があるから民主党に期待しているのである。 民主党にも問題点は多く、何と言っても不安なのは、「天然ボケ」とでもいうべき個性が党から排除されないこと。 自民党の場合は腹黒さは排除されなくても天然ボケは排除される傾向にある。 政権をとる前の段階の民主党はその逆に見える。 天然ボケの権力者が国民のためを思って行動したら国民が損害を受ける。 民主党の一部やマスコミの一部と違って、多くの国民は、永田偽メール騒動や小沢辞任騒動や橋下氏が当選したときの大阪府知事選の間抜けっぷりや横峰パパや姫のことをしっかりと覚えている。

ichonan at 01:57|PermalinkComments(0)TrackBack(0) as 民主主義社会の市民 | 時事・ニュース

2008年07月14日

社会保険庁の処分者の処遇の妥当性

最近の気になるニュース。

社会保険庁改革で最終報告書…懲戒処分者の処遇厳しく(読売,2008/06/30)
社保庁改革案 了承せず 自民部会 懲戒職員採用に反発 8東京新聞,2008/07/09)
社会保険庁改革(社会保険庁)

社会保険庁の後継組織への人材引継ぎ案の骨子の話。 懲戒処分を受けたものは正規職員としては採用しないとのこと。 人事の原則からして妥当かどうかとか、本気なのかポーズなのかとか、そのあたりはスルーして、もっと一般的で根本的な部分に触れたい。 「処分を受けた者が非正規でも採用されるのがけしからん」 というのではない。

「社会保険庁はどうしようもない組織だ。」、 「中にいるのは腐っている連中ばっかりだ。」、 「年金問題は全部社会保険庁のせいだ。」。 そんな雰囲気の中で決められている社会保険庁改革案。 年金関係のゴタゴタは、実際は社会保険庁の体質よりも年金制度がネズミ講的であることの方が大問題なんだけど、今回の件の直接の題材は社会保険庁の体質。 人員削減が目的なのか、問題のある職員を追い出すことが目的なのか、叩くことが目的なのかは知らない。 注目すべきは、労働者としてのペナルティを追うことになるのは 「懲戒処分を受けた職員」 であること。 「大問題とされる体質を幹部として指揮してきた職員」 や 「組織内で孤立したくなければ○○しろと指示した職員」 ではないことである。 もっとも、極端な場合には幹部も軽い処分を受けているかもしれないけど、そういうのはあったとしても例外的だろう。 組織が全体として腐っているのであれば幹部が妥当な処分を当り前のように受けているとは考えにくい。

社会保険庁が腐りまくっているという仮定の下での扱いなんだろ? じゃあさ、そんな組織で懲戒処分の有無とマトモな職員であるかどうかなんて大して関係ないんじゃねーの? 実際には問題ない職員でも上司から退職勧奨されたことが原因で形式的に処分を受けたって言うケースってあるんじゃないの? 内部告発の準備がばれて処分を受けているケースはどのくらいあるんだ? 部下に不合理な命令出しといて部下の方だけ処分されているってケースがけっこうあるんじゃないの? 組織が全体的に腐っているんだったら温情措置で処分の対象から外される人や出世しているヤツから順に追い出した方が浄化にはいいんじゃねーの? まともな根拠があって出世しているんだったら、周囲から見てわかりやすい形で有能でしょうから、クビになっても大して困らないでしょうに。

秘書が辞表出して議員は辞めないとか、土建屋は潰れるが無駄な工事を推進してきた連中の収入は保証されているとか、社長が逮捕されるよりヒラ社員が懲戒解雇される方が先だとか、鉄砲玉が逮捕されて親分は残るとか、そんなのと重なって見えてしまう。 僕の頭には組織運営やダメ組織の改革の定石として 「権限や報酬に見合う責任を負わせること」 「末端が能力を発揮できるようにすること」 が思い浮かぶ。 今回の社会保険庁改革から、例に挙げた件と同じく、この視点は感じられない。

ichonan at 00:09|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 時事・ニュース | as 民主主義社会の市民

2008年07月12日

ライブドア関係の判決とか

ライブドアHDに95億円の賠償命令 虚偽記載による株価下落で(日経,2008/06/13)
ライブドア、23億円の申告漏れ 東京国税局指摘(2008/07/10)

すっかり忘れられているライブドア関係の裁判ですが、まあ、なんといいますか。

まず賠償命令の判決の件。 ライブドアのせいでライブドアの所有者が損をした。 だからライブドアはライブドア所有者や元所有者のうち騒いだ人に金を払えと。 どうやらこの裁判官、債権と株券の区別ができておらんようだ。 またまた資本主義の根幹を否定するような判決が出てしまった。 まあ、法律無視でライブドアを叩いとけばいいと思っているのかもしれないけど、それはそれで法治国家として大問題だ。

会社がヘマして株主が損をした場合、経営陣を相手取って損害賠償を求めるのは妥当な場合があろう。 でも、会社を相手取るなんてわけがわかんない。 賠償金は株主の財産から払われるということを裁判官はわかっていないのだろうか。 原告団に加わった株主や元株主と、それ以外の株主や元株主とで扱いの差を設けるというのがこの国の司法なんだろうか。 原告団の一部(もしくは全部)である元株主が売ろうとした株式を引き受けた現株主に対して、元株主が損害賠償を求める。 そして、その要求が認められる。

共産主義革命を夢見る人たちもビックリですよ。
もっと騒がれるべき判決だと思う。

次に申告漏れの件。 確か、ライブドアって粉飾決算でボコボコにされたんじゃなかったっけ? つまり、税金を多く払ったからという理由で有罪判決喰らったんじゃなかったの? それで今度は税金を払う額が少ないからダメですと。 しかも「キューズ・ネット」って、強制捜査当時に利益を過大に見せるために利用した会社としてマスコミで取り上げられてた会社じゃないか(裁判での扱いは知らんけど)。 既得権益批判して目立った個人や法人に大しては何でもありですな、この国。


2008/07/12追記。 またまた週刊木村剛にトラックバック拒否られているようだ。 @niftyによるとIPアドレス直打ちでトラックバックが拒否されているとのこと。 拒否設定にIPアドレスなんかを使っているということは、ライブドアブログや僕と同じIPアドレスから異常に迷惑なトラックバックが送信されていたか、ただ単純に素人にブログの管理を任せているか。 拒否の仕方なんてブログを開設する側の自由にすりゃいいんだけど、上手なやり方ではないとは思う。 とりあえず、ルータ再起動してもう一回送信してみよう。 また、今度は投稿予約経由でやってみよう。 前回、前々回と拒否られなかったときは予約経由だった気がするから。

ichonan at 13:51|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 時事・ニュース | as 資本主義社会の市民

2008年07月11日

大学院生への経済支援広がる

数日前に知った気になるニュース

大学院生への経済支援広がる 東工大は博士課程の授業料を免除(日経,2008/06/25)
慶応大は今年度から、医学研究科博士課程の1、2年生全員に奨学金を出す仕組みを導入。東京工業大は博士課程全員の授業料を免除したほか、東京大も博士課程の9割が授業料半額免除以上の支援を受けられるようにした。優秀な学生の囲い込みが狙いで、学生を引きつけられる大学とそうでない大学の二極化も一段と進みそうだ。
「熱意のある学生が自由に勉強できて素晴らしい!」なんて安易に褒めてはならないと思う。 授業料を免除するということは大学側からすれば貴重な収入源を放棄するということを意味する。 じゃあ、なんでこんなことをやるのか。

大学院生を実質的には労働力として見ているのだろうか。 「無料」で労働力を確保できるなら安いものだ。 大学院を餌にして評判を上げて学部の授業料を上げるというなら経営戦略としてはありだろうが、そんなことが「有力大を中心に相次いでいる」なんてことはないだろう。 やはり、博士課程の学生を増やせば文部科学省や関連特殊/独立行政法人から莫大なご褒美を貰えるんだろうか。

僕は文部科学省関連からのご褒美(もしくは罰則回避)が目当てなんだと推測している。締めつけのきつさがどの程度かは知らないが、随分前から文部科学省は大学院生を増やそうとしている。では、文部科学省がとっているその政策は妥当なものなんだろうか。

団塊Jr世代の就職期であれば就職難の時期を時間分散する効果ぐらいはあっただろう。元々人口が多い世代だったら少しぐらい定員を増やしても大学院に入ってくるやつの質は問題にはならないだろう。 でも、今の時代に同じ理由で大学院生を増やす理由はない。 大学院生が増えると学生が増える。 大学という斜陽産業の延命につながるし、天下りポストも確保しやすい。 こんなのが本当の目的ではないかと思う。 無理して批判してるんじゃなくって、大学院を出た者として、素で思う。

では、こんなことをやっているとどんな将来が予想されるだろうか。 天下りとセットの税金の浪費、教育体制を整えないまま学生数増大、誠実さの欠ける教員に唆されて進学して時間の浪費、自然な需要がない分野に人材が割かれて労働力不足と競争力低下、研究者が増えて表面的な成果主義が横行して「ミクロ経済もマクロ経済も知らない経済学者」や「線形代数を理解していないエンジニア」や「頭の弱いインテリ」の量産、などなど。 僕の杞憂であってほしい。 僕の杞憂であるならば、文部科学省に従って節操無く動いた大学が傷つくだけで済む。

同じ教育関係に金を使うにしても、もっとましな使い方がいくらでもあるだろうに。給食代に補助金出すとか、義務教育課程の事務補佐員を増やすとか、義務教育課程の教科書を分厚くするとか、高校の奨学金を充実させるとか、実績や役職ではなく能力やビジョンに対して研究費や人件費を出すとか、実需のあるインフラに金を出すとか。

おお、すごい。二回連続で週刊木村剛にトラックバックの拒否をされなかった。 アクセス禁止をやっと解いてくれたのかな?

ichonan at 06:57|PermalinkComments(0)TrackBack(0) as 民主主義社会の市民 | 時事・ニュース

2008年07月10日

加藤紘一がまた馬鹿なこと言ったらしい

2008/07/08〜2008/07/09にかけて自民党の加藤紘一の問題発言(7/7のBSの番組にて)が色んなニュースを賑わせている。 洞爺湖サミットと重なったせいで扱いはそれほど大きくないが、ものすごいことを発言したらしい。要するに、
日本に帰国した5名の拉致被害者を北朝鮮に帰すべきだ、もしくは、あのときに帰すべきだった
という趣旨の発言をしたらしい。

この人は確か役人出身。 森喜朗政権時代の加藤の乱(「同じ政党の内閣に対する不信任案に賛成する」と言って注目を一身に集めながら結局何もせず)でポシャって、脱税かなんかの疑いで普通なら逮捕されそうな報道内容だったけで議員辞職して結局逮捕されず、実家が放火されてもマスコミには同情の世論は載らず、僕の目から見ればとんでもない政策を主張する人。

7/10に加藤紘一のウェブサイトを見たら次の文言があった。
7月7日、BS11で放送された「西川のりおの言語道断」の中での私の発言の一部分だけが、時事通信の記事として配信され、多くの皆さんが違和感を抱いたり、怒りを感じたり、悲しんだりしておられるようです。  記事だけを見ると、唐突に「拉致被害者を北朝鮮に戻すべきだった」と述べたように受取られますが、是非、前後の文脈を知っていただいた上で、趣旨をご判断いただければと思います。(中略)ご参考までに、「西川のりおの言語道断」における、北朝鮮問題に関する発言を起こしたものを以下に紹介します。
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# 西川:(2002年拉致被害者の帰国に際して)、官房長官だった福田さんは、「返そうと、これは約束だから」と、安倍さんは、官房副長官で「いや返さない」と、いうことを我々は明確に覚えてるわけですよ。ここで、二人考え方がちょって違うと。
# 加藤:違う。もっとも大きく違ってね。西川さん、そこが重大なポイントだと思います。私は、福田さんが正しいと思う。
# 西:返したほうがよかったわけですか。
# 加:当然です。国家と国家の約束ですから。あのときに・・・。
(以下同じような趣旨が続く)
なーんだ。 やっぱりネットで騒がれている内容の通りだった。 全文を紹介しているわけじゃないから報道内容は「一部だけ」をピックアップしたものと言える。 そして、今回の場合、マスコミ報道は主要な部分を誤解が生じないようにピックアップしていると思う。

2008/07/12追記。ものすごく久しぶりに週刊木村剛にトラックバックを拒否されなかった。

ichonan at 06:52|PermalinkComments(0)TrackBack(0) as 民主主義社会の市民